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NoGoD

永遠がなくてもいつか終わりを迎えたとしても 今ここにある“証”の歌と音は鳴り続ける

壮大なメタリックバラードで限りなきポテンシャルを感じさせた『Missing』、そしてライヴバンドとしての真骨頂を見せつけるようなヘヴィネスとドライヴ感に満ちた『Arlequin』という2枚の先行シングルを経て、遂にNoGoDが待望のニューアルバム『proof』を完成させた。2015年にバンド結成10周年を迎えた彼らだが、今年は現メンバーとなってから10年というまた1つの節目だ。2度目の10周年とも言うべき今、バンドの状態が過去最高に良いことを今回の新作は物語っている。作品として音作りも構成も徹底的に練り上げられていながらも、どれもが恐ろしいほどの生々しさを放っている楽曲の数々。高度な演奏テクニックとハイトーンかつハスキーな天賦の歌声にはさらに磨きがかけられ、まるで実際のライヴ会場で5人と対峙しているような臨場感に包み込まれていく…。ジャンルやシーンの枠に囚われることのない純粋な気持ちで“音楽”と真摯に向き合ってきた彼らにしか生み出し得ない、NoGoDがNoGoDたる所以を証明する新たな最高傑作が誕生した。

 

NoGoD・メンバー全員インタビュー#1

「今の自分たちの満足度を高めた上で、可能性の伸びしろも見せてくれるアルバムができたなと。現段階での最高峰のものは出せているけど、それを出したことによって次に見えるものがあるので“まだまだ終わりませんよ”と」

●今作の先行シングルの表題曲としてもリリースされていたM-3「Arlequin」は団長自身のことを歌っているような歌詞かなと思ったんですが、そういう意識はあったんでしょうか?

団長:歌詞に関しては、自分と重なる部分はあると思いますね。最初からそういうものを狙って作った曲ではなかったんですけど、なるべくしてそうなったというか。10周年の時にベストアルバム(『VOYAGE 〜10TH ANNIVERSARY BEST ALBUM』)を出したことで肩の力が抜けて、客観的に自分やバンドを見られるようになったんです。その次に出したアルバム『Renovate』は10年間で貯めてきたデモのリメイクアルバムみたいな立ち位置だったので、そこから新たに“NoGoDで何ができるか?”ということや“NoGoDって何なんだろう?”ということをゆっくり考える時間がここ2年くらいはあったんですよね。

●自分自身やバンドに対して客観的に見つめ直した成果が、歌詞にも表れている?

団長:そんな中で今回は、インディーズ時代っぽい曲の作り方をしたというか。「Arlequin」はKyrieと自分の共作みたいな形になっているんですけど、そういうエッセンスを散りばめたいなという気持ちもあったんです。ここ最近の歌詞とは違った方向に持っていきたかったし、昔の自分が書いていそうな歌詞になっていて。

●初期に近い歌詞になっているということ?

団長:意識して、20代前半の頃の自分を狙ったという部分はありますね。ただ、初期の自分は“こうありたい”と思って書いていたんでしょうけど、今なら“こうだった”という結果のもとに書けるというか。今年は現メンバーで10周年という節目なので、この5人での一区切りという感じもあって。今はバンドとして地に足がついているので、そういうフラットなことも1周まわってできるようになったのかなと。結成10周年の時は肩の力が入りすぎて、できなかったことがいっぱいあったんですよ。逆に今のほうが、より“10周年っぽいな”と思います。

●現メンバーが揃ってからの10周年となりますが、最後に加入したShinnoさん自身もやはり感慨深い?

Shinno:個人として特別にそういう感覚はあまりないですね。ただ、良いことも悪いことも色々あった10年だったので、様々な人の力があって活動を続けてこられたことはとてもありがたいなと思います。10年経った感慨というよりは、その年月の中での物事とか、感謝の気持ちは常に忘れないようにしたいなと。

●メンバーとの関係性も10年間で変化があった?

Shinno:団長が一番わかりやすく変わったと思うんですけど、元々は“自分が自分が!”という感じが強かったんです。それがちょっとずつ変化していって、お互いに歩み寄ることができるようになったというか。別に仲が悪かったとか単純なことではなくて、ちゃんと他人の意見を聞くようになったなと。そういう心情の変化によって歌詞も変わったりして、それが面白い形で出ているなと思います。

●団長の人間的な変化が歌詞にも表れているんですね。

Shinno:自分から見て、団長は良い方向に変わったと思います。そういう意味でも、面白い10年だったなという感覚はありますね。

●Kさんから見ても、団長は変わったと思いますか?

K:相当変わりました。出会った頃と比べたら、ちょっと別人みたいな感覚です。

団長:(Kとは)付き合いが一番長いんですよ。もう10年以上の付き合いで、バンドを組む前の専門学校時代から一緒だったから。

●やはり人間的な面での変化が大きい?

K:そうですね。昔は本当に自分の意見を出さない人間だったんですよ。自分の正直な気持ちは出さずに、頭で考えて(答えを)出すタイプでした。今は自分の思っていることもちゃんと足した上で意見を出せるようになってきて、人間味が増してきた感じはしますね。

華凛:(団長は)“頭が良いのに不器用だな”と感じるところがあって、そこがすごくもったいないなと思います。気持ちを言わないで不貞腐れちゃうところとか…。そういうの、付き合いも長いし、団長は気付かれていないと思っているかも知れないですけど、僕らには大体バレバレなんです(笑)。そういうところは、ずっと変わっていないと思いますね。

●変わっている部分もあれば、変わっていない部分もあると。

Kyrie:団長に限ったことではないんですけど、人と人ってお互いを映す“鏡”みたいなものだと思うんですよ。僕は誰かと接している時に、そういうふうに思うようにしている部分があって。だからその人を見て“変わっていないな”と思う部分は自分も変わっていないし、逆に“変わった”と思う部分は自分の中でも変わってくるというか。そういうところはすごく感じていますね。

●メンバー同士が合わせ鏡のようになっている。10年間でお互いへの理解が深まったところもあるのでは?

団長:深まったというか、“慣れ”が大きいんじゃないですかね。慣れ合いでもないし、他人行儀でもないんですけど、適材適所でバランスが取れてきたと思います。一歩踏み入るべきところと、踏み入らないところの分別がつきやすくはなったのかな。

●そういった面も含めて、バンドとして進化し続けられている?

団長:“NoGoD”というものに飽きてしまったら、もう終わりなんですよ。このバンドをやっていることで、自分の音楽的欲求やプレイヤー的欲求が満たされなきゃいけないわけで。“このバンドでこれ以上やれることはないな”となったら、やめるしかない。だから常にNoGoDは自分たちの上にあって、ずっと引っ張り続けてくれる存在じゃないといけないなと思うんです。そういうものには成れてきているんじゃないかな。

●結成から10年以上を経た今でもNoGoDは、自分たちの音楽的欲求を満たす場所であり続けられているわけですね。

団長:だから今回は、こういうアルバムができたんじゃないかなと思います。今の自分たちの満足度を高めた上で、可能性の伸びしろも見せてくれるアルバムができたなと。現段階での最高峰のものは出せているけど、それを出したことによって次に見えるものがあるので“まだまだ終わりませんよ”となれるというか。コンセプト的に“こういうふうに作ろう”と決めていたわけじゃないんですけど、結果的に今のNoGoDの可能性が存分に入っているものになりましたね。

 

NoGoD・メンバー全員インタビュー#2

「NoGoDに対して掲げる理想は人それぞれにあるわけだから、どちらが正解というわけではなくて。できるならやれば良いと思うし、できないならできないで“新しい何かを作ろう”という感じなんですよ」

●今作『proof』を制作する上で、意識的に変えた部分はあるんでしょうか?

団長:今回はKyrieが作詞をした曲が多いということも含めて、NoGoD史上一番珍しい作りになっているかもしれないです。

●確かに今回はKyrieさんが作詞をした曲が多いですが、これはどういう理由から?

Kyrie:『Renovate』を作り終えたあたりの頃から僕は曲を書くにあたって、伝えたいことを自分の中でしっかりピンポイントに落とし込むようになっていって。それまでは漠然とした曲の雰囲気だけだったところから、自分の中でイメージをだんだん明確に持つようになっていったんです。そのイメージをより正確に伝えるためには歌詞があったほうが良いし、仮歌が入っていたほうが良いだろうなと思ったんですよね。

●自分が作った曲のイメージをより明確に伝えるために、歌詞も書くようになったと。

Kyrie:もちろんできるものとできないものがあるので、ぼんやりとした状態のままのほうがきっと良いだろうというものに関しては歌詞を乗せなかったりもして。逆に“これ!”というイメージがあったM-4「蜃気楼」に関しては、自分の中に見えた景色からフレーズが1つできあがったりもしたんです。その世界観をみんなにそのまま伝えるとなったら、歌詞もあったほうが良いかなという。場合によってはそこから書き直したり作り変えたりもするんですけど、今作で原曲の段階から歌詞がついていたものは基本的にそのまま使われていますね。

●M-2「break out!」やM-9「煽動」、M-12「DREAMER」あたりは特に内面の感情を吐き出しているような歌詞ですが、こういった想いが自分の中にあった?

Kyrie:そこは“NoGoDだから”じゃないですかね。自分の中で“NoGoDだったら、こういうメッセージじゃないか”というイメージが何となくあったんだと思います。だから“自分の内面を吐き出す”というのとは、ちょっと違っていて。基本的には(歌詞の中の)主人公が必ずいた上でその人がいる場所や情景だったり、そういうイメージや視覚的情報のほうが大きいんです。“今この人はこういう状態で、こういう景色の中にいる”と考えた時に、そこでどういう音楽が流れているのかっていう。視覚と音楽が、自分の中では一緒になっていますね。

●自分自身の感情というよりは、NoGoDの曲の中にいる主人公の姿を想像して代弁しているというか。

Kyrie:(イメージした)景色の中で何を歌うかというと、主人公の感情を歌うことが一番NoGoDらしいんじゃないかと思うから。切り取り方は色々あって、「break out!」やM-6「proof」にしろ「煽動」にしろ、もっと景色的なところにピントを合わせれば全然違った歌詞になると思うんです。でもNoGoDというバンドでどこにフォーカスを当てるのかと言ったら、その主人公が思っていることのほうが“らしい”んじゃないかなと。

●たとえば「煽動」の“言いたい事なんて言える訳もない”といった部分は、自分自身の気持ちと重なるところもあるのでは?

Kyrie:誰でもそうじゃないですか。1〜100まで言いたいことを言っている人なんているわけがないし、かと言って今の自分たちが置かれている状況で“言いたいことが何も言えていない”と思うこともなくて。むしろ一般的な社会人の方と比べたら、言いたいことを好き放題言えているほうだと思うんですよ。でも自分の中でこの「煽動」という曲で立てた主人公から見た周りの人というのは、そういうふうに見えているんだろうなと。色んな視点から見ているというか、2人くらいの目を通して見ている感じですね。

●色んな視点から見ながら歌詞を書いていることで、他人も共感できる歌詞になっているのかなと思います。

団長:過去のアルバムには、数字がタイトルに入っているものが必ず1曲あって。それがKyrieの作詞した曲なんですけど、どれも頭を使う感じというか。言葉選びもそうだし、“何が一番言いたいのかな…?”と考えなきゃ、みたいな感じで(笑)。でも今回はわりと、俺が書きそうな歌詞に感じるものが多くて。

●確かに曲によっては、団長が書いたのかと思うようなものもありますよね。

団長:だから今回は、俺にも伝わりやすい言葉になっているんです。あと、Kyrieが歌詞を書いた曲は全て仮歌が入っているというのもあって。だから、どういうニュアンスで歌って欲しいのかもわかりやすかったですね。

●仮歌が入っていたのは今回が初めて?

団長:これまでも入っていたものは稀にありましたけど、フルコーラスでしっかりと仮歌が入っていたのは今回からだと思います。でもKyrieのキーで歌っちゃっているので、そのままでは俺の声には合わない部分もあって。Kyrieが歌うとキーがギリギリなのも含めてエモーショナルな感じで切なく聴こえる部分も、俺が歌うと余裕のあるキーだったりもして。そういう部分で、ニュアンスをすり合わせるのは大変でしたね。

●どうしてもキーの高さは違うから、自分が歌う時にニュアンスをすり合わせなくてはいけない。

団長:仮歌が入っていることで“きっとこういうことなんだろうな”というニュアンスは掴みやすかったんですけど、技術的にそれを再現するのは苦労しましたね。

●Kyrieさんが仮歌を入れたのは、歌詞のイメージやニュアンスを正確に伝えたかったから?

Kyrie:歌詞というよりも語感や譜割だったり、その曲の表情みたいなものをフィーリングも含めて一番手っ取り早く伝える方法として、自分で歌っちゃえば良いのかなと思って。最終的に誰かに歌ってもらったり弾いてもらったりするにしても、自分の中で“こういう感じが良いんじゃない?”というものは示すというか。NoGoDにおけるアレンジというのは“この人がこういうことをしたら、こういうふうに聴こえるんじゃないか?”とか“この人がこう叩いたらカッコ良いんじゃないか?”といった、自分の視点から見た各プレイヤーの活かし方というところがあるんです。それを一番わかりやすく伝えるには、(デモの段階で)弾いてあったり歌ってあったりしたほうが良いかなと思うんですよね。

●歌以外の楽器も自分で演奏したものを、デモの段階では入れてあるんですか?

Kyrie:そうですね。ドラムは叩ける環境も技術もないので入れていないですけど、ギターとベースに関しては入れています。

●メンバーにとっても、そういうものが入っているほうが曲のイメージを汲み取りやすかったりする?

Shinno:汲み取りやすい反面、自分の場合は同じパートなので(デモの段階で)“こうだよね”と思っていた部分を(Kyrieから)「変えてくれ」と言われた時の変更の仕方がすごく難しいというか。あまりにも自分の色を出し過ぎたら、原曲とは全く違うものになってしまうんですよ。たとえば自分が弾くことで元々の激しいものになるなら良いんですけど、モロに歌謡曲みたいになってしまったこともあって。自分としても“これはダメじゃない?”と思っているものをKyrieに「それで良いんじゃない?」と言われたら、その時点でもう既に噛み合っていないじゃないですか。

●Kyrieさんはそういう変化も受け入れてしまう。

Shinno:原曲にあった良さを変えて、違う曲になってしまっているように自分は感じていても、「それで良い」って言われるんですよ。最初から入っているものと自分が考えるものとの間に温度差があって、難しい曲もありましたね。

Kyrie:M-8「forever」のアレンジをしている時に、Shinnoくんがアルペジオを弾いているパートで急にポップスみたいになっちゃう部分があって。僕は「それで良いじゃん」と言ったんですけど、本人は「曲の雰囲気と違うんじゃないの?」と言っていたんです。でも僕は“変わって良いじゃん”と思うんですよね。自分が弾いているわけじゃなくて、実際に弾くのはShinnoくんだから。

●Shinnoさんの個性が出ていたほうが良いと。

Kyrie:ポップスっぽいニュアンスやイメージがShinnoくんの色だとしたら、“それは入っているべきでしょ”というのが僕の基本的な考え方なんです。だからアレンジする上で僕が最初にそういうものを入れていないからといって、取り入れちゃいけないとは思わなくて。

●100%、最初に自分がイメージしたとおりの演奏でなくても構わない?

Kyrie:そこは元々100%は伝わらないと思うから。でもそれで良いと思っているんです。それこそ音1つや音符の場所1つに対しても、作品を作る上で当然こだわっているわけで。でもそのこだわったものがどれだけリスナーに届くかというのを考えたらあくまでニュアンスでそのまま伝わるわけじゃない。でもそれで良くて。その“何か”をわかりやすく提示するためには、やりすぎたくらいでも足りないというふうに思っていて。

●本人がどれだけこだわっていても、細かな部分まではなかなかリスナーに伝わらないわけですよね。

Kyrie:自分が音楽を聴いていても、そういうふうに思う瞬間があるんですよね。すごくきれいにまとまっていて隙はないけど、“この人たちの良さってどこに出ているんだろうな?”と考えてしまうことがあって。絶対に入っているはずなんだけど、それを自分は感じ取れないという瞬間を経験した上で、自分自身が音楽を作る時には“やりすぎ”くらいがちょうど良いんじゃないかと思うようになったんです。ほんの少しやっただけでは伝えきれないものがどうしても出てきてしまうので、やるんだったらとことんやろうと。

●それによって、曲のジャンルや音楽性が変化することも気にしない?

Kyrie:もしそうなったら、僕は“クロスオーバーしているところがNoGoDらしさで良いんじゃない?”と思っちゃうんです。でもNoGoDに対して掲げる理想は人それぞれにあるわけだから、どちらが正解というわけではなくて。他の誰かが作った曲のイメージに自分が入り込んだものをNoGoDの理想とするのか、何かを変えることがNoGoDの理想なのかというところに正解は特にないですからね。だからできるならやれば良いと思うし、できないならできないで“新しい何かを作ろう”という感じなんですよ。

 

NoGoD・メンバー全員インタビュー#3

「今、自分たち“NoGoD”というバンドがここにいるということの証明だなっていう。そして、それに恥じないものをしっかり作り上げようという意識があったので、このタイトルが良いかなと」

●今回は仮歌もKyrieさんが入れているということもあって、「proof」の“いつか声を失うその時に”という歌詞は“団長が歌えなくても俺が歌うぞ”という気持ちの表れかなと思ったんですが(笑)。

Kyrie:ハハハ(笑)。

団長:実はそれ、ちょっと思っていたんですよ。“最悪、ボカロで良いや”とか、Kyrieは思っているんじゃないかと…。それが怖いので、最近は体調にすごく気を遣っていますね。

●本当に心配しているんだ(笑)。

団長:おかげさまで今、すごく調子が良いんです。ライヴでも仕上がっていますし、そうでなきゃいけないと思うんですよ。自分たちは、誰よりも良いライヴをしないといけないバンドだと思っていて。なまじ音源をしっかり録っているぶん、それをライヴで再現できなかったら“なんだ音源だけのバンドか”と思われてしまうじゃないですか。でも俺たちはライヴバンドだから。

●そこに対する想いは強い。

団長:なぜ音源を作っているのかと言われれば、それはライヴで新曲をやりたいからで。俺たちはあくまでライヴをするために、音楽を作っているんです。

Shinno:ゴール地点として作品を出すことに重きを置くのか、プレイすることに重きを置くのかは、時代背景とかも影響して変わってきていると思うんですよね。人それぞれの考え方がある中で、生音にこだわっている人たちが5人いて、それをやらせてもらえる環境が整っているというのは最高の状況ではありますよね。

●生音にこだわって制作できる環境も大きい。

Kyrie:“もっとこういうことをやりたい”という気持ちはもちろんありますけど、音楽的な意味で“やりたいことがやりたいようにできない”というフラストレーションを抱えたことは一度もないんです。時間や金銭的なものも含めて、音源を作るということに対してのレーベルやプロダクションの力の入れ方は本当にすごいなと思いますね。たとえば環境的な問題でドラムが生音で録れなかったり、各パートが一緒に録れなかったりするバンドも多いと思うんですよ。でも僕らはドラムとギターとベースを一斉に録ることができて、演奏にもアレンジにも練習にも不自由ない時間を与えてもらっている。そういう環境の中でやれているということがすごく贅沢なので、それに応えられるくらいの演奏は少なくともしたいなと思っていますね。

●環境に恵まれているからこそ、絶対に良い演奏を見せなくてはいけないという意識にもなる。

団長:もし自分がステージ上で満足するパフォーマンスができなかったら自分自身にムカつきますし、メンバーがダサいプレイをしていてもムカつくんですよ。そういうふうにステージに立つ時は緊張感を持って、でも気負わずに自信を持ってライヴができる状態に今は持っていけていますね。

●そういう状態の良さが、今作の生々しいライヴ感のある音にもつながっているのかなと。

団長:インディーズ初期の作品みたいに1枚通してのコンセプトを持たせていた時のほうがフィクション感は強かったと思うし、当時はクリックも使っていたんです。でもここ数年は音源を録る時にクリックを使っていないし、リズム隊とリズムギターによるベーシックな部分は3人で一斉に録っていて。そういうふうにライヴっぽくやったほうが自分たちには合っていると気づいてからは、どんどん生々しいバンドになっていますね。時代にどんどん逆行しているというか。

●時代に逆行しているんですか?

団長:かっちりとしたメタルをやっているバンドは今いっぱいいるんですけど、自分たちはそこからも逆行しているというか。様式美的なものというよりは雑味があるというか。あらゆるロック好きな人に受け入れてもらえるのかなと思います。

●雑味のあるところはメタルというよりも、70年代のハードロックに近い感じがします。そういうNoGoDらしさも詰まっているところが、今作の『proof』というタイトルにつながるのかなと思ったんですが。

Kyrie:今、自分たち“NoGoD”というバンドがここにいるということの証明だなっていう。そして、それに恥じないものをしっかり作り上げようという意識があったので、このタイトルが良いかなと。それ以上のことは語らなくても、(今作の音を聴けば)十分伝わるのかなと思うんですよ。あと、「proof」は制作の最初のほうに書き上げたんですけど、それが今作のターニングポイントかなと自分的には思っていたのでタイトルに選びました。

●「proof」ができたことが、作品全体を通じて大きかった?

Kyrie:そうですね。これを書いたことでテーマが見えたから。色んなものがそれで証明できるというか、昇華できるかなと思っていました。

●今作の歌詞は、全体的に“ここから先”を向いているものが多いなと感じました。

団長:自分たちがそういうモードに入っているからじゃないですかね。別に何かそういうふうに示し合わせたわけではないんですけど、自分たちの向いている方向が完全に“前”なので、必然的にそうなったんだと思います。

●団長とKyrieさんの2人がそれぞれ歌詞を書いているわけですが、向いている方向は同じなんでしょうね。

団長:ざっくりとした大きな部分では、そうかもしれないですね。もちろん焦点は微妙にズレているかもしれないんですけど、大まかな首の向きは一緒だと思います。

●Kyrieさんもそう思いますか?

Kyrie:まぁ、(取材中の)今の2人が座っている位置からすると、90度くらい違いますけどね(笑)。

団長:これだから、理系は嫌なんだよ!

●ハハハ(笑)。他のメンバーはどう?

華凛:いかんせん僕はネガティブな部分がすごく多いので、“ついていかなきゃな”という気持ちが強かったりして。みんなに引っ張ってもらっている部分も大きいのに、ここで「はい。同じ方向を向いています!」と言っても嘘になってしまうから。本当にその時その時を大事にしながら積み重ねていって、前に進んで行けるようにと考えています。

K:自分も無理に同じ方向を見ようとはしていなくて。それよりも“ちゃんと周りを見られるように”というところは意識しています。団長は走ると速いタイプなので、それを追いかけられるようにしたいですけどね。

●色んな視点の人がいる上で、5人のバンドとして成り立っているというか。

団長:バンドの形って難しいですよね。正五角形もあれば、一端が尖っているものもあったりして。形は色々ありますけど、このバンドはその時その時で形を変えながら、同じ円の中に5人が収まってさえいれば良いのかなという感じはしています。

●ちゃんと同じ円の中にいながら、自由に形を変えていける。

団長:その円は大きめなので、ゆとりがあるんですよ。年々、“ここまでやって良いよ”という円を自分たちで広げていけている感じがして。自分たちの遊び場がどんどん広がっていっているのは、素晴らしいことだなと思いますね。

●バンドとして本当に良い状態にある中で、今回のレコ発ツアーも楽しみです。

華凛:ツアータイトルも“証明”という意味なので、“各々が何を表現して、バンドが何を表現するのか?”というところが課題なんです。僕の中で、現時点では“何だろうな?”とまだ考えていて。考える時間が長いわりに僕はまともな答えが出ないことも多いので、今から考えないと間に合わないですね(笑)。

●ツアーをまわる中で、答えが見つかるかもしれないですよね。

華凛:そうかもしれないんですけど、いったん考えてからツアーに出たいなとは思っています。今はまだ完全に模索中ですね。色々な場所をまわった後にツアーファイナルの舞台になる渋谷CLUB QUATTROは、Shinnoさんが加入して初めてワンマンライヴをやった思い入れのある場所なんです。そこで何かを証明できたら良いなと思いますね。

●Shinnoさん自身も思い入れが深い場所?

Shinno:“やるぞ!”という気持ちになって一番最初に立ったステージではあるので思い入れは強いんですけど、だからと言って変に気負うわけでもなくて。どちらかと言うと、ツアー前半の3本とかのほうが“やってやるぞ!”という感じで気負うと思います。9月末から始まって、12月までの間に結果を出せたら良いなとは思っていますね。

●その中で得たものを持って、ツアーファイナルを迎えると。

華凛:団長も言っていたように、僕らは今が一番脂が乗っていて調子も良いので、そこで10年やってきた仲間と一緒に何が証明できるのかというところを楽しみにしています!

Interview:IMAI
Assistant:室井健吾

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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