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THE STARBEMS

唯一無二の存在であり続けるという信念を掲げ、 永遠に終わらないパンクロックの夢を描き出す。

THE STARBEMSが、約1年ぶりのフルアルバムを完成させた。東日本大震災の支援活動を通じて2013年に結成してから、2018年で結成5年目を迎える彼ら。しかも今年はVo.日高央が50歳になるという、大きな節目の年でもある。その幕開けを飾る新作『STAY PUNK FOREVER』は、メンバーそれぞれの思う“パンク”を新たな時代の感性も取り入れながら独自昇華して生み出した作品だ。いつまでもワン&オンリーの存在であり続けるという強い信念を掲げ、5人が描き出す夢は決して終わらない。

 

「“誰にも替えがきかないものになれ”っていう宣言でもありますね」

●フルアルバムとしては2016年11月の『Feast The Beast』以来の新作になりますが、その間にもミニアルバム『NEWWAVE』(2017年6月)を出したりと、ここ1年はかなりのペースでリリースしていますよね。

日高:2017年だけで20曲近く作っているっていう、恐ろしい多作っぷりを見せていますね(笑)。“2018年に向けてどうしようか?”っていうミーティングを去年の半ばにしたんですけど、最初はさすがにフルアルバムはないだろうと自分では思っていたんですよ。2016年末にフルアルバムが出て、2017年半ばにミニアルバムが出て…しかもミニとはいえ10曲も入っていたわけで。

●ミニアルバムなのに2枚組という(笑)。

日高:そういうのもあったし、まずは俺の誕生日が6月なのでそこに合わせて手軽なシングルくらい出そうかと言ったら、メンバーが「いやいや、バンド結成5周年ですよ」と。逆に「2018年を“日高50歳記念”みたいにしちゃうと、結果的にBEAT CRUSADERS(の復活)を期待されちゃいますよ」と言われて。

●確かにそうなりそうですよね。

日高:「あなたはBEAT CRUSADERSを終わらせてTHE STARBEMSをやっているんだから、THE STARBEMSで1枚アルバムを出しましょうよ」と珍しくメンバーが焚き付けてくれたので、“そこまで言うならやろう”となりました。

●メンバーの後押しがあったと。

日高:『NEWWAVE』の時も半分はメンバーたちが作った曲だったので、みんなも曲が書けるしなと思って。それで“自由なアイデアを持ち寄って、みんなで作ろう”となったんです。最初は全部で10数曲のうち6〜7割は自分で、残りの3〜4割はメンバーが作ってくれるんだろうなと思っていたんですよ。でもいざ意気込んで始めてみたら、結果として俺しか曲を持ってこなかった…。

●ハハハ(笑)。焚き付けておきながら、誰も曲は持ってこないという。

日高:「やりましょう、やりましょう!」っていう感じでノっていたから曲も当然作ってくるかと思っていたら、全然持ってこなかった。まるでイジメのような…(笑)。

●結果的に日高さんが全曲作ってきたわけですが、それだけアイデアはたくさんあったということですよね?

日高:『NEWWAVE』ではアコースティックっぽい曲も入れたから、逆にこれから先は自由というか。たとえば、あんまり静かな曲じゃないけどアコースティックメインの曲があっても良いと思うし、今回はスカまで入れちゃったりという感じで、湯水のごとくアイデアはあったんです。あとは、それをみんなでどう料理していくかという作業でしたね。ただ、時間はあまりなかったので、9月か10月くらいにミーティングして11月にはレコーディングに入るという流れでした。

●えっ、1ヶ月くらいで曲を作ったということですか?

日高:そうです。その間に曲を作ってアレンジして、あとは録りながら考えたような感じですね。『Feast The Beast』から試していた“G.越川和磨のギターを最後に録る作戦”を今回もやったんですよ。彼は自分でエンジニアもできちゃうので一番最後にまわして、歌入れまで終わった後にリードギターがまるでリードボーカルのように音を入れるという流れにしました。

●最後に入れたせいか、ギターのフレーズはすごく自由な感じがしました。

日高:すごく自由ですよ。M-11「Saturday Night We Must be Allniters」がさっき言ったスカの曲なんですけど、越川から「スカだから裏打ちって普通すぎるやん」っていう意見が出て。それでG.菊池篤がランシドとスペシャルズを“10代か!”っていうくらい聴き込んでサックスっぽいフレーズを考えてきて、歌入れの後に入れてくれたのは面白かったですね。完成したものを後からみんなで聴いて「この曲、こんな感じになったんだ」みたいなことが多かったです。

●最終形が想像できなかったと。

日高:できなかったですね。特にリズム隊はレコーディングが先に終わっているから、そういう感じだったと思います。曲を作ってきた俺でさえ、想像できなかった曲がいくつかありました。

●作曲者ですら最終形が想像できないという…。元々作ってきた段階で、曲はバラエティ豊かな感じだったんでしょうか?

日高:そうですね。今回のタイトルにもつながってくるんですけど、自分の中で“パンクロックって何だろう?”みたいなことを考えていたんです。メタルコア以降のラウドなものもそうだし、あるいはオールドスクールから続いている8ビートの良さもあって。そういうところで改めてパンクロックを歌いあげるとなった時に、自分の中で“何をパンクだと思っているのか?”っていうことを冷静に考えてみたんですよ。その結果、“ワン&オンリー感”だなと思ったんですよね。

●他にないものというか。

日高:要は“ジョン・ライドンみたいには誰も歌えない”とか、“ジョー・ストラマーみたいな生き方は誰もできない”ということで。もっと最近だとビリー・ジョー・アームストロングでも良いし、音像的にはパンクっぽくなくてもギャラガー兄弟もすごく“パンキッシュ”だよなっていう。それが“ワン&オンリー感”だと思うんです。

●サウンドやジャンルなどの表面的なことではない。

日高:俺が作って俺が歌えば、それはもうどこにもないものになっていくだろうなという自信も多少は生まれたから。そして、それをメンバーに投げたら美味しく料理してくれるだろうなっていう安心感や信頼が5年もやれば増してくるもので。だから今回は躊躇なくスカっぽい曲やスピーディーじゃない曲も含めて色んなアイデアを持ってきて、それがバンド内でどんどん採用された感じですね。

●メンバーもそういうものを受け入れてくれた。

日高:たとえば「これは静かだからやめましょう」とか「パンクバンドなんだから、モロにスカはやめましょう」とか言われていたら、また変わっていたんでしょうね。メンバーもすごく自由に、来るもの拒まず「やりましょう」みたいな感じでした。

●そういう中でボツになったものもあったんでしょうか?

日高:15〜16曲くらい作ったので、ボツもいくつかあるんですよ。逆に“今までっぽすぎるな”と思ったものはやめておきました。やっている側も、ゴールが見えやすいから。なるべくゴールの見えない曲が残りましたね。

 

●ゴールが見えないほうが、自分たちも楽しめる。

日高:本当にそうですね。みんな、刺激が足りなくなったんだと思います。さすがに5年目にもなると、マンネリ夫婦みたいになってくるから(笑)。なるべく新しいことをしたかったというか。

●『STAY PUNK FOREVER』というタイトルからは“パンク”というジャンルに偏った曲だけをやっているようにも思われそうですが、実際に今作を聴くと全くそういうものに囚われていないですよね。

日高:とりあえず“良い”と思うものに何でもトライしてみるっていう意味では、“オリジナルであれ”ということなんですよね。だから言い換えれば、『STAY “ワン&オンリー” FOREVER』というか。最近は“パンク”と言われて想像するものが、10人いたら10通りくらい出てきちゃう世の中だと思うんですよ。そういう意味で、“誰にも替えがきかないものになれ”っていう宣言でもありますね。

●色んなタイプの曲が入っていることで、THE STARBEMSにとっての“パンク”とはこういうものなんだと体感できるものにもなっているのかなと。

日高:本当にそのとおりです。だから、今回は自分たちなりの“パンク博覧会”なんですよね。

●今作を聴けばわかりますが、越川くんのギターもそこまでパンク色が強いものではないというか。

日高:そうですね。今回のモードはミック・ロンソンだと言っていました。70年代前半のデヴィッド・ボウイだったり、パンク以前の音楽に今回のモードがあったみたいなんです。機材も当時とほとんど同じものを買い揃えたりして、M-4「Wolfman」では「ミック・ロンソンばりのギターソロを弾きますよ」と言っていましたね。

●ちなみに「Wolfman」は、何について歌っている曲なんですか?

日高:これはウルフマン・ジャックっていう伝説的ラジオDJのことを歌っていて。昔ってDJの人が良い音楽を紹介して、世に広がっていくっていう感じだったじゃないですか。今はそれがプレイリストなんですよね。“DJ”という言葉の指すイメージも変わってきていて、60〜70年代頃まではラジオのDJだったところから、80〜90年代はダンス〜クラブミュージックのDJになって、2010年代には遂にプレイリストを作る人がDJになったというか。そういう中で、本来の“DJ”の意味を自分に問いたいという曲なんです。

●今やネット上でプレイリストを公開している人が、“DJ”的な役割を果たしていたりする。

日高:俺にとっての“ウルフマン・ジャック”は小林克也さんだったんですけど、みんなの中にもそれぞれの“DJ”がいると思うんです。それが今はプレイリストなんですよね。そんな時代にCDを作る虚しさですよ(笑)。

●ハハハ(笑)。そう思いつつも、新しい感覚を取り入れていかないといけないという意識は強いのかなと。

日高:そうですね。自分の音楽の聴き方もすごく変わってきていて。前だったらYouTubeで新しい曲を検索したり、音楽雑誌を読んだりもしていたんです。でも今はネットで色んな情報が見られるし、自分自身も最近はApple MusicやSpotifyのプレイリストから知る新譜がすごく多くなったんですよね。

●最新の音楽を取り込んでいく意欲は尽きない。

日高:地元の同級生で今も仲が良いのは、みんな音楽好きなヤツらなんですよ。新しい音楽を聴き続けているヤツが3人いるんですけど、そいつらと「こんなのあるよ」っていう新譜の情報交換をしたりもしていて。その3人と話していて、「冷静に考えたら俺たちのほうがむしろマイノリティなんだね」って愕然としたんです。たとえば同窓会とかで他の同級生に会うと「まだCD買ってんの?」みたいに言われたりもするから。

●そういう時代の中でもCDを買い続けて、音源をリリースし続けている人たちがいるわけですよね。

日高:そもそもBEAT CRUSADERSの時から、自分はそういう人に目掛けて音楽を作っていたんだよなっていうことを今回すごく思い出しましたね。Ba.山下潤一郎はBEAT CRUSADERSのインディーズ時代からの付き合いなんですけど、「久しぶりにインディーズっぽくて良いね」と言ってくれたりして。メロディが懐かしい感じだからなのか、メジャーっぽくないからなのかわからないんですけど、そういう意味では楽しくやれているのかなって思います。

●THE STARBEMSとしてバンド結成5周年を迎えた今も、楽しみながら続けられている。

日高:そうですね。逆に元々は震災復興で集まったバンドだから、最初のほうが緊張感はありましたね。自分たちのことよりもまず復興に対して誠意のある感じで、ストイックにならざるを得なかったというか。復興が遅れているところもあるので引き続きやらなきゃいけないんですが、ガチガチになるんじゃなくて楽しみながら先を目指していけているのはありがたいことですね。

●そして今年は日高さんの50歳記念でもあるわけですが、今後について何か考えていることもあるんでしょうか?

日高:せっかくアルバムを年始に出せたので、逆に誕生日くらいは自分のソロUNITでもあるGALLOW(ガロウ)の音源も出せたらなとは思っています。まだどういう形で出すかは決まっていないですけどね。レコ発も俺の誕生日の6月まで、ゆっくりやろうかなと考えていて。半年くらいかけて全国をゆっくりまわって、久しぶりに会う友だちと対バンしたり、思い出の地ではじっくりワンマンをやったり、そのついでにソロのアコースティックライブをやったりとか、多角的に色んなことを楽しみながらツアーしたいと思っています。詳しくは情報を引き続き出していくので、お楽しみにして頂ければと!

Interview:IMAI
Assistant:平井駿也

 

 
 
 
 

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