音楽メディア・フリーマガジン

SPECIAL LIVE REPORT:PLAGUES

「20代のPLAGUESに負ける気がしない」その言葉を証明する最高の“今”を輝かせて見せた20周年ライブ

PLAGUES 20th Anniversary Tour 2013
3/30(土) 渋谷CLUB QUATTRO

DSC_3704

デビュー20周年という節目を迎えた2013年、それを記念するツアーが3/10の仙台から始まった。福岡、名古屋、大阪と来てのファイナルは、渋谷CLUB QUATTRO。デビュー当時からのホームとも言える場所が、本ツアーの終着点だ。3/6にはリテイク・ベストアルバムの第2弾『Swamp riding』をリリースし、再び活動の原点を振り返ることになったであろう彼ら。だが、そのアルバムにも収録されていた「Wild blue paint」、インディーズ1stミニアルバム『BEACHRIDER 77』にも収録されていたこの曲を今の彼らが鳴らすさまを観ればわかるだろう。往年のロックスターのリサイタルでも思い出作り的な再結成でもなく、紛れもなく現在進行形の“今”を鳴らしているバンドだということが。

そんな「Wild blue paint」からライブが始まると、オーディエンスは一気に引きこまれ、ステージ上から目を離せなくなってしまう。「Yes」に続いての「ヴィルヌーヴに憧れて」からはKey.堀江博久がギターに持ち替え、Vo./G.深沼元昭とのツインギターで分厚いロックサウンドを奏でていく。これぞ正しく言葉通りの“ギターロック”と言うべき、テクニカルでありながらパッションと創造性に満ちた2人のギタープレイ。簡単に真似することなどできない技術とセンスを兼ね備えたアーティストだからこそ、多くの人からリスペクトされる憧れの存在であり続けられるのだ。

「20代のPLAGUESに負ける気がしない」「本気で今が一番良いと思ってる」と、MCで深沼が言った言葉はまさしくそのとおりだろう。過去に発表してきた音源もその時その瞬間にしか出せなかった音を凝縮した作品として永遠に輝き続けるものだが、バンド/サウンドとしてのクオリティは間違いなく“今”が最高なのだ。本人たちだけでなく、観る者全てにそう思わせるだけの説得力がPLAGUESのライブにはある。「Pretty shelter」のような枯れた味わいを持った楽曲はその深みを増し、「Twins dolphin ring」のようなメロウな楽曲ではその芳醇さを増しているように。そして、「トリシュナ」のようなアッパーな楽曲では、ハンパな若者など簡単に蹴散らしてしまう勢いと切れ味の鋭さを放っている。

最初から最後まで2時間以上のライブを、全く飽きさせることなく聴かせてしまう。それは単に勢いや楽曲の良さだけで片付けることは出来ない、バンドとしての力によるところが大きいのではないか。深沼とDr.後藤敏昭に加えて、サポートの堀江とBa.林 幸治 (TRICERATOPS)も含めた4人が今のPLAGUESというバンドとして機能している。そこに生み出されるダイナミズムや数々のマジックが、他では滅多に味わえない特別な“バンド感”を生み出すことでオーディエンスの心を惹きつけて離さないのだ。名曲「Spin」で盛り上げた後に「ファントムガルシア 最後のレース」で本編ラストをシメて、観客全員が心にくるものがあったはずなのに鳴り止まないアンコールの声。結果的に3度にもわたったアンコールが、彼らの音を求める気持ちがさらに強まっていることを示しているかのようだ。

20年目を超えてもなお、バンドとして進化を続けるPLAGUES。彼らが放つ次なる音への待望感が、さらに高まるような素晴らしいライブだった。

TEXT:IMAI

DSC_3361

  • new_umbro
  • banner-umbloi•ÒW—pj