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TëKMO+連載コラム「サウンド設計室」 第3回|教材は『♭Boy』

(この曲を聴く→https://pci.lnk.to/flatboy

1)今月の問い

「体が動いてしまう“気持ちいいリズム”って、何でできてる?」

2)結論

『♭Boy』の気持ちよさは、
①シンプルなドラムが作る、まっすぐな進み方
②一音一音をしっかり踏みしめるベースライン
③シンセとピアノが“テーマ”と“物語”を与えるフレーズ設計

の3つでできています。

この曲は、音をたくさん詰め込んで盛り上げるタイプではありません!

むしろ、大きな流れの中で自然に体が揺れるようにできている。

だから、無理にテンションを上げなくても、気づいたらノってしまう、そんな曲。

しかも歌詞では、もう戻らないと決めながらも、頭の中では何度も自分に言い聞かせている。

失ったものを抱えたまま、それでも自分の在り方や勝つ方法を探していく。
つまり『♭Boy』は、迷いが消えた歌じゃなくて、迷いを抱えたまま前を向こうとする歌なんです!

だからこそ、サウンドの中でも、過剰に跳ねたり暴れたりしない。
大きく、まっすぐ、でも内側にはちゃんと揺れがある。
そのバランスが、この曲の“体が動く気持ちよさ”になっています。

3)設計ポイント3つ

① ドラム:細かく煽るんじゃなく、「自然に歩きたくなる流れ」を作っている

『♭Boy』のリズムの良さは、音を細かく埋めて勢いを出すタイプの快感じゃないです。

まずはドラム。
パターン自体はかなりシンプルで、余計なことをしすぎない。だからこそ、リズムの芯がぶれず、聴いている側も自然に身を任せられる。技で引っ張るというより、まっすぐ進むための道を作っている感じです。

このシンプルさは、歌詞ともよく合っています。
この曲は、感情を派手に爆発させる歌ではなく、頭の中で何度も同じことを反復しながら、自分の進み方を探していく歌。だからドラムも、気持ちを煽るというより、進み続ける時間そのものを鳴らしているように聴こえるんです。

 

② ベース:細かく暴れるんじゃなく、「地面を踏みしめる気持ちよさ」を作っている

この曲で体が動く要素に、ベースの存在も強く絡んでくる!

ここでのベースは、細かく動き回ってノリを作るというより、一音一音をしっかり置いていくことで、曲全体に“前へ運ばれる感じ”を作っています。
だから耳だけで追うというより、まず体で受け取れる。

聴いていると自然に揺れるし、歩幅まで整えられるような感覚にしたくてこのベースを弾いています。

さらにベースのこのプレイも、歌詞の意味を反映しています!
『♭Boy』では、もう帰らない、戻らない、という意思がはっきり示される。

だったらリズムも、右往左往しすぎない方がいい。

ベースが太く、長く、まっすぐ進むことで、後戻りしないと決めた人の歩き方みたいなものを音にしているんです。

 

③ ピアノとシンセ:リズムを埋めるんじゃなく、曲に“物語”を与える

この曲のシンセは、イントロ、間奏、アウトロでテーマを弾いて、曲の顔を作っている存在です。「この曲はどんな景色なのか」を最初に見せています。物語の入り口に近い役割ですね!

そして、そこに対してすごく大事なのがピアノ
この曲のピアノは、単なる後ろの伴奏ではありません。

シンセと同じ動きをしたり、フレーズとして場面に意味を足したりして、

サウンドに人の気配みないなものを入れてくれています。
シンセだけだと無機質になりやすいところに、ピアノが入ることで呼吸が生まれています。『♭Boy』の世界はただおしゃれなだけじゃなく、ちゃんと人間の感情が通った景色にしているんです。

“表面はクールだけど、中では熱が消えていない感じ”を、シンセとピアノの関係性でうまく表現しています。

4)「今日の“懐かしい音”」の正体

【正体:80年代シンセポップ/ダンス・ロックの“前へ進む気持ちよさ”】

  • Tears For Fears - Pale Shelter

https://www.youtube.com/watch?v=BUfcT5OoP-8

ただノれるだけではなく、内省やドラマをちゃんと含んだポップス。歌詞の感情とサウンドの広がり方の噛み合わせに近さがあります。

だから『♭Boy』は、懐かしいだけで終わらない。今の耳で聴いても、ちゃんとかっこいい。 そこが強いと思っています!

5)今夜の“耳トレ”(1分でできる!)

「ベースの“前へ進む感じ”と、ピアノの“物語の足し方”を分けて聴いてみよう」

今日は、歌より先に土台の気持ちよさを追ってみてください。

まずはドラムとベースだけに集中して、
「この曲、なんでこんなに自然に体が揺れるんだろう?」と聴いてみる。
たぶん、ベースが一音一音をしっかり置きながら、曲をまっすぐ前に運んでいるのがわかるはずです。

そのあと、シンセとピアノに耳を移す。
ここで注目してほしいのは、
「この2つはリズムを埋めているというより、景色や場面を作ってるな」ということ。

そうやって分けて聴くと、『♭Boy』は
ドラムとベースが体を動かし、シンセとピアノが物語を運んでいる曲として見えてきます。

そして歌詞まで重ねると、
ただノれる曲じゃなくて、迷いながらも前を向こうとする意志の歌として、もっと深く刺さってくるはずです!


【作品とライブの案内】

3rd Album:『CONTINUE?』全国発売中!
『navyblue』を収録したアルバム。全曲はこちら:
(配信で聴く→https://pcim.lnk.to/continue

(全国のCDショップにてお買い求めいただけます。)
(販売元購入サイト:https://pcimusic.com/s/pec/item/detail/TKMO-0003?ima=4016

(タワーレコード:https://tower.jp/search/item/T%C3%ABKMO%EF%BC%8B

(楽天:https://books.rakuten.co.jp/rb/18420063/?l-id=artistpage-item

 

ONE-MAN LIVE 2本同時解禁!

 5/23(土) 下北沢Music Islanmd O

「たっぷりテクモvol.2サウンド設計-実演編-」

〜近距離でテクモサウンドを紐解く〜

https://www.tekmoplus.com/blank-6/tappuritekumovol-2-saundosekkei-jitsuenhen

 

8/21(金) 月見ル君想フ

TëKMO+ ONEMAN LIVE ”Summer pulse”

〜テクモと騒ぐ夏〜

https://7057.zaiko.io/e/tekmo0821

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