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モルグモルマルモ / 『もうひとつの地球』

絶妙に取り上げられたゆで卵の地上のものとは思えないやわらかさ! その感触は失われた記憶をありありと甦らせた。
屋根裏部屋がまだ春だった頃、過ごしやすい気候で紅茶を飲んだある日、やわらかい「何か」に触れたのだった。それは地球上のあらゆるものよりも心地よかった。夏には夜の散歩の最中に、秋には屋根裏部屋から「何か」を思慕して空を見上げた。この広い宇宙のどこかには、「何か」があるに違いない。星が瞬いていた。真冬でもビートルジュース"Betelgeuse"の揺れる光は暖かく、道を照らしていた。
宇宙の昼間に麦酒グビ。かなりサンデイに季節は廻り、「何か」との邂逅は一万年も昔のことのように、また一万年先に起こることのように感じていた昼下がりのうたた寝で「何か」の夢を見た。この思慕、執着は名づけることができないものだから、曖昧なままで始まりも終わりもしない。その間も宇宙には光が射したり射さなかったりしていて。
広東語で歌った宇宙の夕暮れにラーメンを食べて、これぞ地球の味だ! 故郷の匂いだ! と郷愁に駆られ、宛名のない手紙に「何か」への想いをしたためたが、結局、ハバナイスデーと祈るほかないのだと思う。
それでいて / それだから、私はきっと忘れます。

G./Vo.藤谷祐太