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ヒグチアイ / 『三十万人』

「葬ってみたら?」
の一言で、常識が変わった。
取り入れるばかりが曲を作る方法ではないということを知った。
その言葉をプロデューサーの大柴さんに言われたとき、昔、声楽を習っていたときに、息を全部出し切る練習をしたのを思い出した。

今ある曲を、出し切ってみよう、と思った。葬ってみよう、と思った。

『三十万人』は、自分のふるさとを想う気持ち。
たまに帰省して、ここに住んで歌い続ける自分を想像してみるけど、全く見えてこないのは、たぶん、帰る場所だから。
いつまでも、自分を甘やかしてくれる、優しく迎えてくれる、特別な場所にしておきたいからかもしれない。

東京、に出てきた意味をよく忘れてしまうけど、それが常に変わらずにいる必要はないし、そのまま忘れてしまってもいいのかなと思うことが、今では、ある。
意味、のために生きていくと、依存してしまう。

自分の好きなように生きていくほうが、楽しい。好きなよう、を探す方法はいくらでもある。
私は、音楽に依存している。音楽に救われている。『三十万人』はそんな曲ばかり。いつかの私を救った曲ばかり。
ヒグチアイ