音楽メディア・フリーマガジン

木村竜蔵 / 『恋愛小説』

 “愛してる”という言葉を歌詞に入れたのは初めてです。
 そもそも“愛”と“好き”という言葉の明確な違いも知らなかったし、そんな答えのないものを自分の意志として曲にはしたくなかった。そんな僕が『恋愛小説』という、ラブソングだけのアルバムを作るとき、まず考えたのはそんなことでした。
 恋愛にはいくつもの形があるとよく耳にしますが、僕にはもうひとつ感じるものがあり、それは“恋愛にはいくつもの事情がある”ということ。相手と歳が離れていたり、家庭があったり、同性だったり、中には人にはいえないようなことも含め、ほとんどの人が様々な事情を抱えて恋愛をしていると感じます。
 そんな大小ある事情なんてどうでも良くなるほど相手を想ったり、自分の立場や大切な何かを傷つけてまで相手を守りたいと想ったときに、“好き”から“愛”に変わるのではないか。そんな考えに到って作った曲が、リード曲の「25時の月」です。
 その他の5曲も様々な恋愛模様を描写し、小説を読んでいるかのように聴けるアルバムなので、恋する全ての方に是非聴いていただきたい作品です。

木村竜蔵

“君の唄と僕の声”
4/21(月)下北沢CLUB Que

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