ircle、熱狂のツアーファイナル・ライブレポート「この15年間ワクワクしっ放し」だった

2017/03/25 11:25

　2017年3月16日(木)に渋谷CLUB QUATTROで、ircleの『CopperRavens』Release Tour〜Raven claw tour final oneman live〜が開催された。その熱狂のツアーファイナルについて、ライブレポートを掲載する。
　
■ライブレポート

　
　今回のツアーはリリースツアーであり結成15周年の節目に、ircle史上最大キャパでのワンマンライブでもある。
　定刻を10分過ぎての開演。河内健悟(Vo./G.)の「3月16日、QUATTROツアーファイナル、準備はいいね？ from1987 ジャパニーズロックの救世主ircleです！よろしく！」という言葉から、「呼吸を忘れて」でライブがスタート。
　イントロから「行ける？」と煽ってくる河内にオーディエンスは拳で応える。「ベニ」では仲道良(G./Cho.)の象徴的なリフがハンドクラップと共に響き渡り、伊井宏介(Ba./Cho.)のベースが激しく頭からかき鳴らされる「2000」へと駆け抜けていく。
　

　
　頭のブロックが終わり最初のMCになると、初めてのQUATTROワンマンに対して客席から拍手が鳴り止まなくて「どうした？」と驚きつつも、メンバーからは嬉しさが見えた。
　ircleが“今まで”と“これから”を唄う「光の向こうへ」では「できるだけ一緒に歌ってください！」と普段言わないようなことを言いつつコール&レスポンスでステージ上と客席を一つにさせ、「元気あるかい!?」とそのまま「風の中で君を見たんだ」を投下して、勢いは加速。
　

　
　中盤では「さよならリリー」から「after school planet」「バタフライ」「嘘つき少年より」という3曲が15周年を彩りつつ、色褪せない彼らの名曲群からの「一夜完結」へと過去から未来につなげて聴かせてくれた。
　結成15周年について河内は「結成15年です。走れ走れ！突っ込め突っ込め！行け行け！みたいな、そんな曲多めです。この15年間ワクワクしっ放しでここまでやってきて」と恥ずかしそうに、自分たちの歩みを再確認していた。
　「俺が見てきたのはいろんなとこで目を合わせて心を通わせて一歩ずつ一歩ずつ何年も突っ走って確実に一個一個刻んできた自信があるからなので、人と比べるなんてやめました。もっと深くもっと清く本当の本当の心でもっと深く刻んでいかんとなと思う」と言葉を一言ずつ届けて今回のアルバムのリード曲「orange」を披露。彼らの新たな代表曲であり、武器であり、“あなた”と“私”の唄である。
　

　
　「Blackbird」の途中ではギターが鳴らなくなるというハプニングもまた彼ららしかったが、全てを乗り越えて最後の曲では「俺、今凄い感動しとるからこうやってみてくれる人たちがおるっつうのは絶対0じゃなかったし、今はせめて少しでもあなたの日常のあなたの流れる音楽になりたい、それだけ俺の願い！」と言って「サーチライト」を演奏。
　“そう「あなた」の何かになりたいの私はサーチライト　嬉しいも悲しいも照らしだすの　あたしは「誰か」じゃないの”。ircleがお客さんと常に1対1で真剣に紡いできた日々が現れた、そんな唄が最後に会場全体を包んで本編は終演。
　アンコールではショウダケイト(Dr.)が「あっという間でした！めちゃくちゃ楽しかったです」とツアーについても感謝を込めて話し、「心を込めて1曲やっていいですか？いくよ！」と言って「本当の事」をQUATTRO全体の大合唱でスタート！終盤では客席にダイブをして、そのまま初期の名曲「未来」を演奏した。
　

　
　鳴り止まない拍手にダブルアンコール。「本当に愛してます！ありがとうございます！何年も前の3月に自分が心から書いた。大してノリの良い曲ではないかもしれんけど、それやらせてもらってもよろしいでしょうか？心底歌いたい曲でしたので、ダブルアンコールがきて歌えるとなってとても嬉しいです」と言って、歌とギターだけのシンプルな始まりで響かせてくれる「優」を奏でると、全てをやりきった表情を見せた。
　15周年という記念すべき年をまわってきて今まで関わってきてくれたお客さん、バンド、関係者と共に築き上げてきたツアーファイナル。彼らの16年目もまだまだ熱く決して冷めることない日々が待っていると、そう感じさせてくれる未来に向かっていく1日だった。
　
　
■公演情報
ircle「CopperRavens」Release Tour
〜Raven claw tour final oneman live〜
3/16(木) 渋谷CLUB QUATTRO
　
　
■セットリスト
1. 呼吸を忘れて
2. 覚醒
3. ベニ
4. 2000
5. ダイバーコール
6. 光の向こうへ
7. 風の中で君を見たんだ
8. i hate you?
9. after school planet
10. バタフライ
11. 嘘つき少年より
12. 一夜完結
13. 悲しいのは僕の方だ
14. ピストル
15. orange
16. 明瞭度
17. セブンティーン
18. Blackbird
19. サーチライト
　
EN1. 本当の事
EN2. 未来
W EN. 優
　
PHOTO：Masanori Fujikawa
　
　
■WEB
Official Site
　