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レトロ本舗

祝結成10周年! どこを切っても100%レトロ本舗な金太郎飴的ベストアルバムリリース!

 港町神戸、異国文化の情緒が交錯する街「元町」を拠点に地に脚の着いた活動を続けてきた関西を代表する歌謡スカPOPバンド“レトロ本舗”が10年以上に及ぶそのキャリアを総括するベスト盤を遂にリリース!! 結成以来、他に類を見ないオリジナリティー溢れる楽曲と日本人の琴線に優しく触れるメロディーで独自の道を歩んでいる彼女達の今日までの軌跡を辿るフルボリューム全19曲を、現メンバーで再レコーディング。メンバーチェンジを経た後も一貫して貫かれて来たレトロワールドが、過去最大のボリュームで詰め込まれた今作は、どこを切っても100%“レトロ本舗”な、まさに金太郎飴的ベストアルバムだ。

Interview

「"こういうアーティストみたいな音にしたいな"っていう理想とする音はあったんですけど、結局レトロ流になる」

●結成してもう10年なんですね。最近はどういう活動をされているんですか?

かなちゃん:ここ1年は月に1回くらいのライブでマイペースに活動していますよ。

はまちゃん:ベースの正式メンバーが決まったので、それで音源を作ろうという話になって『買いすぎブギ』を作りました。それがちょうど1年前ですね。10年間やってきたし、今の新しいメンバーで今までの曲を取り直そうという話になって、ベストアルバムをリリースすることになりました。実は全曲再録音してるんですよ。

●どうりで"前に聴いたのと違うな"と思いました。19曲の再録っていうのは、結構な労力だったんじゃないですか?

はまちゃん:1、2分の短い曲も多いので、もうノリかもしれないですけど(笑)。今回レコーディングも自分達でやろうという事でミックスまで自分達で、というか僕がやったんです。

●はまちゃんがレコーディングエンジニアを?

はまちゃん:そうです。元々そういうのもちょこちょこやってたんです。自分の作品を初めてでしたが、19曲収録なので明らかにレコーディングに時間がかかるじゃないですか。どうせならちゃんと時間をかけて、いいテイクを録りたいと思ったし、リラックスしながら録りたかったんですよ。プロのスタジオに比べれば音質やクオリティは劣るかもしれませんが、自分達でやりたいなと。

●どんな場所でレコーディングしたんですか?

はまちゃん:ドラムだけはちゃんとしたスタジオで録って、あとは…ただの箱(笑)。

かなちゃん:会館みたいな練習の出来る場所で。

はまちゃん:静かでコンセントさえあれば出来るかなと(笑)。必要最低限の機材もなけなしのお金で揃えて、それで録るという。

●スーパーDIYですね。

はまちゃん:アメリカンな感じです。本当はガレージで録りたかったくらいですよ(笑)。それくらいの方がカッコいいですよね。

●期間も結構かかったんじゃないですか?

かなちゃん:2ヶ月くらいかな? もっとかかってるっけ?

はまちゃん:週1くらいでちょこちょこ録っていたので、期間としては3ヶ月くらいかな。毎日やると気がおかしくなるし、小分けにして録れば"19曲もあるのか"と思わなくて済むし(笑)。

●"ベストを出そう"と決めた時に、19曲が決まったんですか?

かなちゃん:本当はもっとやる予定だったんだけど、みんなで厳選しました。

はまちゃん:理想と現実のギャップですね。

●ベストアルバムだとしても、これだけ欲張りなベストは中々ないですよ。

はまちゃん:だから『まんぷくベスト』なんです! 19曲も録るとなれば変化を付けないといけないし、自分のパートを録る時は僕しかいないんですよ。他のメンバーは「頑張れー」とか「良かったやん!」って言い合いながら出来るけど、僕は僕しかいないから「僕、お疲れ」みたいな。それが寂しかった…。

かなちゃん:リーダー(はまちゃん)から「今日は僕レックなんです」ってメールが来て「よし、頑張れ!」って返信だけして(笑)

●それは寂しい(笑)。

はまちゃん:みんな結構ドライな感じですね。でも寂しさは音に出てないと思います。

●サウンドは超ハッピーですもんね。

はまちゃん:今回はオリジナルと違う解釈をしてやろうという事で、あえて忠実にはやらなかった。今のメンバーで変にアレンジをこねくり回すのではなく、どっちかというとライブでやってる感じを素直に出したかった。テンポはどうしても早くなっちゃってますね。

●元の曲よりスピード感がある?

はまちゃん:ライブ感が増したものもあるし、逆に10年目だから落ち着いて行こうって意識したものもあります。

●なるほど。結成して10年という歴史の中で、ボーカルが1人になったことは大きな変化なのかなと思ったんですが。

かなちゃん:やっぱり大きいですね。私が入った時からツインボーカルだったんで、1人になる時は"どうしよう…無理や~!"と思いました。でもやっぱりライブはしたいし、バンドも続けたいので頑張ってます。

はまちゃん:最近のライブでは、オルガンのじゅんちゃんとトランボンのみーちゃんがフロントに出てMCしたりコーラスもしっかり歌っているので、今は今で凄いまとまりがありますよ。

●以前は女性ボーカルの2人だけだったのが、今は女性3人で前に出れるという。

はまちゃん:女性3人だから見栄えもいいですしね(笑)。僕的には結成当時からずっと同じ感覚なんです。頑張るとこは頑張るけど、抜くとこは抜くって感じも、レトロ本舗のいいところだと思うし、気付いたらもう10年かって感じですね。

●作詞作曲も全部はまちゃんですよね?

はまちゃん:はい。全部の曲で僕が作詞作曲しています。

●素晴らしい! レコーディングもして作詞作曲もやって…まさにバンドマンの鑑ですね(笑)。

かなちゃん:素晴らしい(笑)。本当にリーダー様々です。

はまちゃん:そんなに凄い人間じゃないですよ(笑)。結成メンバーって、実は僕とトランペットのたくろうくんしかいないんです。どうしてもライブがしたくて始めたバンドなんですけど、最初のライブに来てくれたのがオルガンのじゅんちゃんだったり、前のボーカルのまきちゃんだったりで、最初のデモ音源を作る時は、今のベーシックなレトロ本舗の形がすでに出来ていたんです。意外かもしれないけど、最初のライブは僕が歌ったりしてたんですよ。

●はまちゃんボーカルバージョンもベストで聴きたかった!

はまちゃん:残念ながら僕の前にマイクはもう無いんです。ギターでいっぱいいっぱいなんで(笑)。

●それは失礼致しました(笑)。レトロ本舗は元々どんなバンドを目指していたんですか?

はまちゃん:レトロ本舗は、ほとんど日本語の歌詞なんですよね。結成当時スカバンドで日本語詞メインのバンドっていなかったんです。だから日本語詞でやりたかったっていうのと、あとは大勢で楽団っぽいものをやりたかった。管楽器も6人くらい入れたかったんですけど、移動が無理だったんで諦めました(笑)。

●具体的に憧れていたバンドはありますか?

はまちゃん:結成当時はDANCE HALL CRASHERSとかThe Chinkeesとかが好きで、日本のスカとはちょっと違う、独特な空気感が好きだったんです。でもJITTERIN'JINNはみんな好きで、憧れの存在ですね。ラスティックとかポルカとかワールドミュージックも好きで取り入れようとしてるんですけど、メンバーはよく解んないみたいです(笑)。

かなちゃん:ちょっと難しい…(笑)。

●はまちゃんがリーダーで本当によかった(笑)。今回のレコーディングで、今までと大きく違う点ってどんなところですか?

はまちゃん:ツインボーカルじゃなくなったっていうのがあるので、やっぱり歌ですね。

かなちゃん:ひとりじゃ歌えないとこもいっぱいあるんで、コーラスでカバーしてもらっています。初めて自分の声にハモリを重ねたのは面白かった(笑)。

はまちゃん:注文として、気持ちを込めた歌い方をしてもらいました。ベストだから意識した訳ではなく、ライブで自然とそうなっているのでそれでいいんじゃないかなって。

●そういう変化は、ソロボーカルになってから?

かなちゃん:そうですね。ツインボーカルが一人になった事で、正直プレッシャーもありましたが、新たな自分を発見することができたんです。全部の歌詞を自分1人で歌うので感情が入りやすいし、2人の時とは違う気持ちで歌ってますね。ライブもレコーディングの時もアツく歌いすぎて「ちょっと抑えめに…」って言われます(笑)。

●その辺も変化のひとつですよね。やっぱり歌詞ももう一度読み直しただろうし。

かなちゃん:そうなんですよ。読み直して"あ、こういう事だったんだ!"って気付いたり。

はまちゃん:遅いから(笑)。

かなちゃん:(笑)。でも、それは1人になって本当に感じました。

●曲に新たな命が吹き込まれたわけですね。

はまちゃん:今までの曲との変化も楽しんでもらいたいですね。選曲もベストアルバムとしていいバランスになったかなと思います。ほのぼの系もあるし、アッパーな曲もある。ただ、基本はベストなので"この曲来たー! さらにこれも来たー!」みたいな満腹感が出したかったので、アッパー寄りではあります。

●『まんぷくベスト』ですからね。曲順はすんなり決まった?

はまちゃん:2つのパターンまで絞り込んでみんなで通して聴きながら決めました。結局"ライブで19曲やるとしたら、こうなるかな"って感じの曲順になりましたね。

●どうすればお客さんが楽しんでくれるかを考えた結果だと思います。

はまちゃん:ただ、楽しい曲が来て、次に楽しい曲が来て、また楽しい曲が来てって感じなんで、飽きられたりしないかなって不安はありますけどね(笑)。

●レトロ本舗にシリアスな曲は必要ないじゃないですか。

はまちゃん:そうですね。僕らみたいに、一貫して変わらずやってるバンドって中々いないと思うし、楽しんでもらえると思います。歌詞が普通じゃないから、いちいち耳にひっかかってサラっと聴けない独特な感じが僕らの売りかなと思ってます。ドライブで聴いていたら「え? 今なんて言った?」って気になっちゃうような。

かなちゃん:「歌詞カード歌詞カード!」みたいな(笑)。

●レコーディングを終えた率直な感想を聞かせてください。

はまちゃん:僕は地獄の…じゃなかった、ストイックなミックスが終わってからしばらく聴かないようにしてたんです。1ヶ月くらい経ってから聴いたら、めっちゃニヤニヤしました。"この曲の次にまたこの曲来るの?"みたいな。完全に客観的に聴けるようになってから"やって良かったな"って実感できました。"こういうアーティストみたいな音にしたいな"っていう理想とする音はあったんですけど、結局レトロ流になるんですよ。みんなの意見をきいていても、自然とそうなっていくんです。

●はまちゃんが内からも外からも10年間レトロ本舗を見て来たからこそ、"今のレトロ本舗"の音になったんじゃないですか?

はまちゃん:自分では分からないです(笑)。かなちゃんの感想は?

かなちゃん:単純に1人になった事が大きいので、やっぱり今までの2人だったCDとは、自分的には全然違う感じで聴いてました。その違う感じが嬉しいし、新しいレトロ本舗としてみんなに聴いてもらえたらと思います

●リリース後のライブも楽しみですね。

はまちゃん:本数が劇的に増える訳ではないんですけど、東京とか普段行けないところにも行きます。

かなちゃん:「昔の音源が欲しいです」っていう声がたくさんあったんですけど、中々手に入らない方も多くて。このベストには昔の曲もたくさん詰まってるし、楽しみに待ってくれている人もいるので、ぜひこれを聴いてライブに来て欲しいです。

はまちゃん:10年間のレトロ本舗を知らなくても、これ1枚聴けばレトロ本舗が分かると思うので、ぜひぜひまんぷくになって頂ければなと思います。今の文字におこしやすいコメントだったでしょ?(笑)。

一同:あははは!(笑)。

Interview:上田雄一朗