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ワタナベフラワー

ワタナベフラワーってダサさの極み。 どうせ体制にすり寄る、エセ芸能バンドやろう!? でたな妖怪、クマガイタツロウの化けの皮を剥いでやる!!

kumapj山の手、おしゃれな港。お嬢様・セレブに、貧乏人&下町。おまけにやくざも混在する日本一魅惑に満ちた街、神戸。ワタナベフラワーの原点があり、魅力ある音楽人が息づいている。デビューから数年を音楽事務所に所属し、TV・ラジオなどのメディアでもタレント活動をする彼らは、現在すべての活動を自身の責任と意志のもと運営している。多くの誤解と中傷を大きなバネに変えて“音楽でメシを食っている”ワタナベフラワーとクマガイタツロウにパンクロックを見た!!
 

 
●僕はクマ(クマガイ)に鮮明なイメージがあって。まだ君が牛乳びんの底みたいな分厚いメガネをかけてた頃(10年くらい前)、サウンドもキャラクター的にも好きなタイプのバンドじゃないけど、素のクマと話した時に“意外と好感度の良い奴やな”って印象があって。でも事務所がついた頃から“やっぱり何かスカン奴やな”と思ってた(笑)。

クマガイ:何でなんですか?

●やっぱり顔やな。やらし〜い顔してるもん。

クマガイ:顔は僕のせいじゃないですよ! というか、それは僕のお母さんに謝って欲しいです(笑)。

●タッパがあるし、ガツガツしてる(エセ芸能人的)イメージがあるからね。他の人にも言われへん?

クマガイ:昔からそうですね。中学ではサッカー部でディフェンシブ・ハーフをやっていたんですけど、先生に「お前のエエとこはがめついとこや」って言われてましたから。やりたいことや欲しいものに対しては、執念を燃やしているんですよね。

●なるほど。今回は“アンチ・ワタナベフラワーな奴と話をしよう”という企画だけど、周りのバンドの中にもアンチな奴っていてる?

クマガイ:いますね。やっぱり僕がテレビタレントの仕事を始めた時は、「ロックの人がテレビに出るのはチャラい」という批判もたくさんありました。もう7年くらいやっているんですけど、タレント歴が長くなるとだんだん認めてくれるようになって、昔ほど何かを言われることはなくなりましたね。若いバンドマン達からしたらまだまだチャラいと思われてるみたいですけど、逆に“かかってこいよ、対バンしようぜ”くらいの気持ちなんですよね。自分達がやっていることには自信を持っているし、ライブでそういう子達に負ける気もせえへんし。33歳になっても、まだ鼻息が荒いんですよ。

●でも、そういう風には見えないけどな。

クマガイ:内心では。僕らって実はヒネてるんですよね。それを人に見られないようにしてきたというか。例えば、僕はパンクロックが大好きで、最初にワタフラを始めた時は金髪でピアスをつけてハットを被っている時代もあったんですよ。

●そうなんや!

クマガイ:パンク調のメロディで“恋☆愛☆恋愛!”って叫んでみたり、ユーモアを入れつつ、ありがちな見せ方に反抗していたんです。でもだんだん“わざわざ人を嫌な気分にさせる必要はないやん”って思うようになって。もともとみんなが楽しめるようなことが好きやったし、自然とポップな方向になっていきましたね。

●何でそう思うようになったの?

クマガイ:ロックと言われる人は、物事に対して否定的なキライがある中で、ポップの人はアンダーグラウンドなものを否定しないなと思ったんです。そういう部分にポップミュージックをやっている人達の魅力を感じたというか。

●僕はワタフラのここ10年くらいの変遷を見ていると、逆にパンクやなと思って。やり方がブレてへんし、いろんな企業ともコラボしているし、単にバンドをやっているだけではここまで出来へん。クマにはそれが出来る才能があるよな。後は見せ方の問題やけど…やっぱり顔が!?

クマガイ:何でなんですか!

●なんか作為的な”やらし〜い感じ”がするもん。僕だけじゃなくて、アンチなバンドもそこを感じてるんちゃうかな。

クマガイ:でも、チャラいと思われるのは、実はもう受け入れているんですよ。合コンと一緒で、前段階で見せてもらう写真がめっちゃ可愛かったら、期待度が上がっていきますよね? でも実際に会った時“あれ? 写真の方が可愛いんちゃう?”って思われたら損じゃないですか。だから初めはハードルを下げて“あいつは大したことがない”と思わせておいて、ライブで証明すればいいし、僕がライブで何を言うかちゃんと聞いてくれたら、わかる人にはわかるハズ。

●そこまで考えているんや。

クマガイ:どんな企業でもそうですけど、続けるためには絶対にやらなければいけないことがありますよね。自分の本意ではないこともあるだろうけど、その中にやりたいことが入っていると思うんです。それを良いと思えるかどうかなんですよ。

●そういう意味ではグダグダ言いながら呑んでいるサラリーマンも、文句を垂れてるバンドも一緒やな。

クマガイ:いろんな人達と絡む中でわかったんですけど、出来る人はやっている人なんですよね。バンドマンが食えないのは、やってないからというだけの話なんです。僕らも全国的にまだまだ知名度も高くないですけど、実は音楽で食えてるんですよね。それはもちろん支えてくれている人達の力もありますけど、みんなが寝ている間に起きて行動している“やってる側”の人間だから出来ているわけで。不満を言っている人達に見せてやりたい。

●それを見せられる最たる場がライブだったりするけど、不思議とパンク好きの子達も、ワタフラの曲で、ものすごく素直に楽しんでるよね。その理由は何だろう?

クマガイ:“COMIN'KOBE”でやらせてもらってることと、ガガガSPの存在は大きいと思います。僕は前ちゃん(コザック前田)と同い年やし、ずっと意識してやってきたというか。青春パンクブームの時にガガガSPがドカンと売れて、ライブのお誘いを受けることがあったんですけど、僕はずっと拒否していて。それは“今ガガガSPと一緒にやっても、相手に飲まれて1番になれない”と思っていたからなんです。実はデビュー前に対バンしたこともあって。それまでゲストや対バンの相手は全部大したことがないと思っていたんですけど、ガガガSPはお客さんが全然いなくても、めっちゃライブが良かったんです。さっそく次の日にタワレコでCDを全部買い揃えました。

●けど10周年を向かえた時に、ガガガSPと2マンライブをしたんだよね。

クマガイ:10周年は僕の中でも節目やったし、今やったら思い切りやれると思って。前ちゃんも僕のことをチャラいと思っていたらしいんですけど、絡んでいく中で“認めてくれていってるな”という実感があったし、だからこそ2マンもやってくれたと思う。まっちゃん(COMIN'KOBE実行委員長 松原氏)や前ちゃんといった、神戸のシーンを作っている人達が、ワタフラのことを認めてくれたから、そこを慕う子達も徐々に認めてくれたんでしょうね。

●つまりワタフラは理解するまでに時間がかかるから、40〜50年は続けないとあかんってことやね。

クマガイ:あははは(笑)。ほんまにそうやと思います。

●何も知らなかったら「ロックバンドみたいなことをしているエセタレントちゃうの?」って見方をされているかもしれないし。9月には東北ツアーにも行っているし、震災以降、東北には特別な思いがあると聞いたけど。

クマガイ:僕も中学3年生の時に阪神大震災を経験しているんですけど、震災直後はみんながこぞってボランティアに参加したんですよ。でも1年後、まだ仮設住宅がたくさんある中、たくさんいたボランティアの人がいなくなっていたんです。それがまるで“支援”がファッションみたいになってるように感じて。それを体験していたから、今回の震災も、みんながいなくなった後が大事だと思ったんです。“1年後に必ず現地で必要とされる時期が来るから、それまではまず関西で頑張ろう”と。そして1年経ってから、ワタフラメンバーと賛同してくれたラジオ関西のディレクターさんと一緒に東北に行ったんです。現状を自分の目で見て、地元の人の話を聞いた上で、ほんまに僕らが必要なのかを確かめるために。実際にお話を聞くと「歌ってほしいし、東北を楽しんでほしい」って言われて。

●うんうん。

クマガイ:もちろん南三陸の現状を見た時は“本当に歌っていいんだろうか”って気持ちが揺れました。でも話していくうちに東北が好きになって“支援”とかじゃなくて、対決するくらいの仲になれたらいいなと思ったんです。“僕らは被災の先輩やけど、今はこんなに元気になった。お前等はどうやねん”と。それを踏まえて僕らがするべきことを考えた時、現地にお金を落とすことが必要だと思ったんです。例えば、現地の人が仕事としてご飯を作ってくれる。それに対して僕は「美味しいご飯をありがとう」と言ってお金を払うし、現地の人は「ありがとう、また来てね」と言う。そういう関係性が良いなと思ったし、僕が知り合った人達はそうだったので、僕達が見た東北を関西のみんなにも見てほしくて“ご飯を食べて、ライブをして、楽しんで帰る”という目的で東北ツアーを企画したんです。

●なるほど。

クマガイ:以前Date fmさんに出させてもらった時に、僕は「“うちには誰も支援に来へん”という方がいたらメール下さい」って言ったんですよ。そしたら、子どもが気仙沼の保育所に通っているという親御さんから“ラジオ放送を聞いて、勇気を出してメールしました。子どもたちを笑顔にしてあげて欲しい”ってメールが届いたんです。“これは行かなあかん”と思って、保育所の体育大会にサプライズライブで出させてもらったんですよ。僕が「てんとうむし」を歌ったら、子どもたちが歌にあわせて踊ってくれて、曲が終わった後には言葉が出なくなって、涙がどばっと出てきて。そしたら、子ども達が僕に向かって「ガンバレ!」って言ったんですよ。「頑張れ」って言いに来たつもりやったんですけど、逆にそういう言葉を掛けてもらって…その時に僕から出てきた言葉は「ありがとう」やったんです。そして“僕の言いたかったことは、これや!”と思いました。東北だけの話じゃなくて、ワタフラを続けているのも、そういうことなのかなと。

●実は、クマから東北ツアーの模様を綴ったメールをもらったけど、それでまたお前のことが好きになったっていうか。どんなにライブが良くても、クマみたいに真心を持ってそういったこともきっちり出来ないと、バンドが成立しないような気がした。

クマガイ:全て上手くいくわけではないけど“自分が好きな奴らと一番好きなことをやろう”っていうのがバンドなんですよね。東北に行くのも楽しいから行くし、みんなが“営業”と呼ぶようなことも、司会の仕事もテレビも、楽しいからやってるんです。そして続けていくには、生活の基盤も大事やと思っています。

●大事なのはそこだよね。クマも家庭ができて充実しているからこそ言えることなんでしょう。

クマガイ:“何となく嫌”とか“カッコ悪い”という理由で、お金の話を避けていたらダメやと思っているんで。やる気がありエエもんを作ってるなんて、当たり前の世界です。まだ知られていないけど、山ほど天才がいるわけじゃないですか。良い曲があって、良いライブができるのは当たり前と思わないと。その中で“どうすれば自分の夢に届くのか”を具体的に考えて動かないと叶わない。僕はそれを“大人を倒す”って言ってるんです。

●“大人を倒す”?

クマガイ:お金がなければ活動出来ないけど、納得してもらわないとお金も出ないじゃないですか。どこに説得材料があるかわからないけど、ビジネスとしてお互いにメリットがなければ違うと思う。

●そうやね。僕がJUNGLE☆LIFEをやっているのも、インディペンデントで活動する人達を、もっと日の当たるところに押し上げていきたいというのがあるんや。良いなと思う奴はキラ星のごとくいるのに、日の目を見ずに流れ星のごとく去っていくわけよ。その現状が嫌やから、せめて同じ土俵に乗せてもらえるように押し上げたい。それであかんのはしょうがないけど、1回くらい勝負の舞台に出してやれよと。

クマガイ:僕らも「1回ライブを観てくれ!」って思いますからね。

●紅白歌合戦も10回くらいに分けて、僕らが良いと思う奴らを100組くらい出して欲しいね! それで判断せえよ、NHK!! 矛盾に対するエネルギーが僕の命やねん。

クマガイ:PJさんも大人と戦っているんですね。

●ワタフラもそうやね。イメージがどうとかじゃなくて、「まずはライブを観て!」って言いたい。老若男女関係なく、あれだけの人を湧かせるんやから。MCでも嘘くさいことを何度も繰り返すんじゃなくて、最後の最後に、肝になるようなことを一言だけ言う。

クマガイ:“受け手側のセンスにも寄るんだ”ってことですよね。アーティストの表現の奥にあるものを感じられるかどうか。ページの都合でどうしても省かないとあかん文章とか、ライブの演出とかもある中、見えているものだけじゃなく、その奥にあるものを感じて欲しいなとほんまに思います。

●アンチワタフラ・アンチクマガイの人達にぜひ読んで欲しいね。僕もこのインタビューを通じて、無性にワタフラの曲を聴き込みたくなったもん。ワタフラを嫌いな奴がいたら、ライブを見れば良さがわかるから「対バンを申し込んで来い!」と。

クマガイ:なんなら、一緒にイベントをやりたいですね。“ワタナベフラワーVSアンチワタナベフラワー”みたいな。それでも嫌いやったらしょうがないですけど、何か感じてもらえる自信はありますからね。JUNGLE☆LIFE企画でやりましょうよ。

●おお、やろうやろう! バックアップ出来ることはなんでもするよ。そして今度会う時は、クマの目が心から笑ってますように!

クマガイ:今もちゃんと笑ってますって(笑)!
※クマガイ君は顔は笑っているようで目が笑っていない(PJ)

Interview:PJ
Edit:森下恭子

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