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太陽族

いいことばかりじゃないけど、悪いことばかりでもない

“5月5日は太陽族の日 10周年記念!”
太陽族 / THE SNEEZE / フラワーカンパニーズ / THEラブ人間

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太陽族が自主企画イベント“5月5日は太陽族の日”をスタートさせて10年。“5月5日は太陽族の日 10周年記念!”と題された記念すべきスペシャルイベントが今年も5/5に開催された。

O-WESTは開演前から熱気ムンムン。太陽族が主宰するBANANA MOON RECORDSよりデビューフルアルバム『COLORFUL MUSIC and NEXT WORLD』をリリースするTHE SNEEZEが勢い良くステージに登場。ツアー直前にG./Cho.朝倉シュンが左手首を骨折するというアクシデントがあったらしいが、盟友・THE GREEN JAMBOのVo./G.山下がサポートギターとして参加。朝倉も元気よくステージで暴れ、トップバッターとしてこの上なく温度を上げまくる。先輩バンドに囲まれた彼ら、Vo./G./Synthesizer.大泉スバルの“絶対に負けない”という気迫がビシビシと伝わってくる激情のステージは心を動かす力がある。

そして次は1stフルアルバム『恋に似ている』のリリースが5/16に控えているTHEラブ人間。歌手.金田は早々にフロアへと乱入し「行くぞ! 渋谷!」と檄を飛ばす。音楽的な深みと、メンバー間に流れるどこか土着的なグルーヴがとても気持ちよく、彼らの歌と音を中心にフロアは大合唱に包まれる。その中心にある金田の歌は、感情そのものをまとった言葉が溢れている。その場で初めて発せられたような瑞々しい気持ちに触れ、ステージにグッと惹き込まれる。

誰にも真似のできない人間味溢れるロックンロールを鳴らしたのはフラワーカンパニーズ。ノリノリの「ラララで続け!」で軽快に幕を開け、「チェスト」で汗を撒き散らし、新曲「ロックンロール」で存分に魅せられ、名曲「東京タワー」で感情と涙が溢れ、観ているこっちのテンションも大忙し。そして最後は「真冬の盆踊り」で大団円。ヨサホイのリズムとメロディがいつまでも鳴り止まぬ中、会場に集まった全員の心を奪う圧巻のステージ。その堂々たるステージは、ただただ「最高!」のひと言。

そしていよいよ太陽族。Dr.りょうが1人で登場してドラムを叩き始める。その太いリズムに乗ってステージ後方にバンドロゴを記したバックドロップが競り上がり、会場からは「おおおおーっ!」と興奮の声。残りの3人も登場し、Vo.花男がブルースハープを鳴らして「バカ」が開始。早々にダイヴが起き、O-WESTは上へ下への大騒ぎ。ステージの4人は一瞬も止まることなく「素晴らしい人生じゃないか」「水色ソーダゼリー」と垂涎のキラーチューンを連発。オーディエンスは沸騰状態で暴れ、歌い、腕を振り上げる。花男の「この10年の中でいちばん楽しい夜にします!」という言葉に間違いはなかった。

この日リリースとなったニュー・ミニアルバム『SUNNY』からの新曲も惜しげもなく披露。「PLAY」「SUNNY」「虹に願いを」と続け、観客はこの上ない瞬間を味わい尽くす。このイベントを始めて10年、メンバーチェンジや自主レーベル設立など、数々のことを乗り越えてここに辿り着いた4人の佇まいはとても頼もしく見える。力強く地に足をつけ、2012年5月5日、この渋谷の真ん中に立って自分たちの音楽を奏でているという自覚、覚悟、自信を感じさせるステージだ。

花男がアコギを持って未発表曲「あきらめた夢の向こう」(仮タイトル)を演奏。心からこぼれ落ちたような心境を綴った同曲は、たまらなく胸に染みこんでくる。アコギをかきむしって歌う花男、汗まみれの笑顔でギターを鳴らすG.そら坊、リズミカルにベースを刻むBa.まる、しっかりとバンドを支えるりょう。

しばしば視線を合わせて楽しそうな表情を浮かべる4人による、かけがえのない音楽と、泥臭いけどとても暖かい時間。今年の5月5日もオーディエンスは汗まみれになって暴れながら、隣にいた者と手をつないで花男と一緒に歌いながら、心ゆくまで1秒1秒を楽しんだ。「いいことばかりじゃねぇけど、悪いことばかりでもねぇぜ」と叫ぶように言った花男の言葉が印象的だった。

TEXT:Takeshi.Yamanaka