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山中さわお

“破壊的イノベーション”を経て、活動再開する25年目のピロウズへ 高まる期待は決して裏切られないと確信した渾身のツアーファイナル

“Buzzy Roars Tour” SPECIAL LIVE REPORT
2013/6/2@Shibuya O-EAST

188_yamanaka『破壊的イノベーション』というインパクトあるタイトルのソロアルバムを今年2月に発表した、the pillows(以下、ピロウズ)のVo./G.山中さわお。活動休止中のピロウズに対するカンフル剤的な意味合いも込めたという今作を引っさげ、ソロでは初めてとなるバンド編成でのツアーを敢行してきた。そのツアーファイナルとなったのが、この日のShibuya O-EASTだ。全国各地で20本以上のツアーを重ね、バンドとしてのグルーヴも最高潮に高まっているであろうファイナル公演。期待に胸を高鳴らせてフロアを埋めたオーディエンスの中には今回のツアーTシャツはもちろん、ピロウズのツアーTシャツを着たファンも多数見える。

バンドでもソロでも関係なく応援し続けてくれるファンたちの熱い想いへ、ステージ上に現れた山中さわおが応えないはずがない。新作同様に「RED BAT」でライブの幕を開けると、イントロが鳴り始めた瞬間から観る者たちの鼓動を速くさせるような熱いパッションに満ちたパフォーマンスを見せていく。「久しぶりじゃないか! みんな元気かい?」と客席に呼びかけると、観客以上のテンションで「俺は元気!」と自ら叫んでみせる。新作のインタビューでも「(今作が)ピロウズと同じように受け入れられるわけではないと思う」と一抹の不安をこぼしていたが、そんなものを吹き飛ばすフロアの大盛況に本人の気持ちも高ぶったのではないだろうか。

気持ちの高揚を投影するように、心の底から楽しそうな表情で次々と楽曲を演奏していく山中さわお。そんな彼の姿は20年を超えるアーティスト活動の中でも、バンドを始めた頃の衝動と喜びを今も持ち続けているのだと実感させる。「The Devil's Pub」や「Absurd Song」といったソロでの2ndアルバム『退屈な男』収録曲も、今回のバンド編成でのアレンジで新鮮に鳴り響く。それに続いての「Slide in tomorrow!」「Desert me」といった新作からのアッパーチューンは当然のようにライブアンセムと化し、会場内のボルテージをさらに上昇させていった。ステージ上の山中も熱気に打たれて、もはや汗だくだ。

観る側とステージ上のどちらも心地よくクールダウンさせてくれるような、MCでのリラックスした空気も絶妙。これもまさしくツアーで構築してきたであろうメンバーとの関係性の良好さを思わせる会話に、ステージ上を見つめながら思わず笑みが溢れる。今回のツアーで販売されていたライブ会場限定CDに収録の「たとえば僕が死んだら」(森田童子のカバー)に続いては、名曲「Answer」を情感たっぷりに披露。そこからは「All memories」「HEAVEN'S PINHOLE」「Mallory」「Buzzy Roars」と新作を代表するキラーチューンを4曲続けて、充実の本編をシメた。

アンコールの声に応えてステージに現れた山中からは感謝の言葉と共に、ピロウズの活動再開と秋のシングルリリースが告げられる。歓喜に湧き上がるフロアを、「DAWN SPEECH」でさらに盛り上げてみせた。興奮冷めやらない観客からの要請に1人で登場すると、ピロウズの名曲「Fool on the planet」を弾き語りで熱唱。さらなるアンコールでは永遠の名曲「Funny Bunny」をファンと共に大合唱し、感動的なライブの幕を降ろした。今回のソロアルバム〜ツアーという流れを経たことで、復活後のピロウズへの期待値がさらに高まったのは間違いないだろう。そして9/16から結成25周年に突入する彼らが決して裏切らないことを今、もう既に確信している。

TEXT:IMAI