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自らの音楽を信じて突き進む3人のきもちはつたわる

自らの音楽を信じて突き進む3人のきもちはつたわる

ghostnoteに初めて取材した2006年、インタビューで大平は「ghostnoteは人と出会って繋がっていきたい」と言った。

あれから6年、メ ジャーシーンで活動してきた彼らは2011年を“ライブの年”として、リリースをせずに全国をツアーやライブで走りまわった。

ライブバンドとして産声を上 げ、ライブハウスで成長してきた彼らが、たくさんの人と出会って繋がっていくために選んだ道。その道はghostnoteの音楽とライブをより瑞々しいも のにし、ミニアルバム『きもちはつたわる』に繋がっていく。

たくさんの刺激を受け、今鳴らすことができる最高の音楽を詰め込んだghostnoteの最新 作『きもちはつたわる』。同作を携えて3人はまた全国を駆け巡る。新たな出会いを見つけるために。

Interview

"ライブの年"として全国を駆け回った2011年を振り返る

「"やっぱりghostnoteはライブハウスで始まったライブハウスのバンドなんだ"と改めて感じました」

●前作『ボクキミビリーバー』(2010年9月リリース)から今作に至るまでにはいろいろなドラマがあったらしいですね。去年は"ライブの年"としてリリースをせずに全国をツアーで走りまわっていたようですが、どういう経緯でそうなったんですか?

大平:メジャーデビューして3年の間に、インディーズ時代にしなかったようなトライをたくさんしたんです。例えばドラマの主題歌に決まって、そのドラマに合わせて曲を書き下ろしたり、アニメのエンディングをやったり。僕らはもともとインディーズの頃から、アルバムを出して、ツアーをまわって、自分たちも自信を持って「これぞ"ザ・バンド"だ」と言える活動をしてきたんです。そういう活動をしてきたからこそ、メジャーでは自分たちが今までしていなかったことにトライしようと腹を括って3年間やってきて。その中で「これからghostnoteをどうしていこうか」ということを3人で話したときに、原点に立ち返りたいと思った。ライブハウスでライブをやるとか全国ツアーをまわるということに、距離ができてしまっていたので。

●なるほど。天狗になっていたんですね。

大平:天狗になった瞬間は一度もないですよ!
一同:アハハハハハハ(笑)。

大平:"バンドといえばライブ"という根本的なことから離れてしまっていて、すごく負い目を感じていたんです。地に足が着いていないというか。それでもずっと言い続けていたのは「この3人で意地でも絶対にやめずに続けるぞ」ということ。それだけは貫き通していたことだったので「じゃあ原点に立ち返って、また一から始めようか」ということにしたんです。ちょうど結成10年目を迎えようとしているときだったし、2011年はリリースもせずに1年かけてツアーをまわって、いちバンドマンとして、ひとりの人間として、新しい出会いや別れ…要するに感じるべきことを感じようと決めたんです。それが2011年の1月のことで、急いでブッキングをして2/4からツアーを始めました。

●「負い目を感じていた」と言っていましたけど、それは精神衛生上決していい状態ではないですよね?

大平:そうですね。正直に話すとあまりいい状態ではなかったです。今思い返すと、いろんなことを経験できたし、今こうして原点に立ち返れているんだからいい3年間だったのかもしれないけど、当時はそう思えていなかったのが事実で。

●それはどんな気持ちだったんですか?

大平:例えばタイアップが1本決まるということについても、スタッフみんなが動いてくれて、3人も頑張らないと成し得ないことなんです。でも曲についてだったり、「ライブはもっとこうした方がいいんじゃない?」みたいに、いろんな人の意見をもらって自分たちなりに解釈してやっていくうちに、単純に"自分はこんなことがしたくて音楽を始めたんだっけ?"という疑問が出てきて、素直に音楽を楽しめなくなっていた。初めてFコードを押さえて弾いた瞬間の最高に楽しい気持ちとか、初めてライブをやったときの緊張していいライブかどうかも分からないけれど嬉しくて幸せだった気持ちとか。そういう大切な気持ちが、少しずついろんな経験をしていくうちに忘れるじゃないけど、薄まっていく感じがして。

●"原点に立ち返ってまた一から始める"ということに不安はなかったんですか?

大平:すごくありました。果たして上手くいくのか? っていう。実際3年間でライブの本数も少なくなっちゃっていて、ghostnoteのことを待っていてくれる人がどれだけいるのかも見えなくなっていたので。

●ちなみにその3年間はどれくらいのペースでライブを?

大平:月に1本とか2本とか。シングルで1回インストアのツアーをして、アルバムで1回ツアーをしたくらいですね。あとはフェスとかのイベントに出るか、ワンマン。

●ということは、ご無沙汰している地方もいっぱいあったわけですよね?

佐藤:めちゃくちゃありました。メジャーデビューしてから一度も行けていない県もありましたし。

●「ghostnoteはもう俺らのこと忘れたんやろ」みたいなことを言われそうですね(笑)。

佐藤:僕らもそう思っていたんですけど、全然言われなかったんです。むしろ「よし! 来い!」って感じで。

大平:冗談で言われることはありましたけど(笑)、いざ連絡しても、ライブハウスに行っても、みんな待ってくれていて。本当に嬉しかったんです。

中村:「やっと来てくれるか!」って言ってくれるんですよ。

●めちゃくちゃ嬉しいですね。

大平:ライブハウスという場所から気持ちが離れることはなかったですけど、実質的に距離ができてしまっていたので"自分たちの居場所はあるのか?"というのが大きな不安のひとつだったんです。でも受け入れてくれたことで"やっぱりghostnoteはライブハウスで始まったライブハウスのバンドなんだ"と改めて感じましたね。

●結局2011年は何本ライブをやったんですか?

佐藤:153本です。

●2日に1回くらいのペースじゃないですか。

佐藤:でも全然しんどくなかったんですよね。本当に楽しくて、後半になるにつれて毎日ライブをしている方が楽しいくらいで。しかも9割がた打ち上げに出てお酒を飲んでいたし。

●ghostnoteといえばそういうバンドですもんね。

佐藤:メジャーでの3年間はそれすらもあまりできていなかったんです。

●「打ち上げでベロベロに酔っ払うバンド」と恐れられたあのghostnoteが? (※編集部註:ghostnoteはJUNGLE☆LIFE100号記念のライブに出演して打ち上げでベロベロに酔っ払ってとてもややこしかった)

大平:そうなんですよ(笑)。

佐藤:デビューしてからはプロモーターさんが組んだイベントとかが多かったから、みんなサーッと帰っていくんです。去年は毎日のようにライブをやって、打ち上げで「お疲れー!」って言いながら酒が飲めるのが幸せすぎて、毎日でもいいって思った。

大平:全然辛いとかはなかったですね。初めましての人にもたくさん出会いましたし、再会もたくさんあったし。バンドマンもお客さんもライブハウスの人も、各地のライブハウスの人も。"もっともっと出会いたい"っていう力で前進していきました。

●ライブをやればやるほどバンドが強くなると。打ち上げもあるから「ライブをやればやるほど、打ち上げで酔えば酔うほど強くなる」ですね(笑)。

大平:まさに酔拳です(笑)。

佐藤:久しぶりに行くわけだから僕らのことを知らないお客さんもいるじゃないですか。でもライブハウスのスタッフさんや媒体の人、対バンするバンドマンたちが、例え初めて会ったとしても僕らのことを知ってくれていて「ghostnoteと一緒にできる!」と言ってくれたし、対バン相手目当てで来たお客さんもghostnoteを知ってくれていたみたいで盛り上がってくれて。こんなにもみんなが待っていてくれたんだとすごく感じました。

●もう感謝しかないですね。

佐藤:本当にそうですよ。どこに行ってもすごく居心地がよかった。アウェーみたいなことがほとんどなかったです。

●ちょっとくらいあればよかったのに(笑)。

佐藤:ちょっとはあったんですけどね(笑)。それでも気にならないくらい楽しかった。

大平:もちろん思い返せば山あり谷ありだったんですよ。例えば新潟で10-FEETとやらせてもらったときなんかは、ほとんどが10-FEETのお客さんだったんですよ。それはある種のアウェーなのかもしれないけど、どんなときも"心を込めて自分たちの音楽を伝える"という部分を大切にして、ただ1回のライブをどれだけ死ぬ気でやれるか? というところでトライしていたんです。だから慎ちゃん(佐藤)も「気にならないくらい楽しかった」と言えているんだと思う。

中村:やっている側としては"盛り上がるライブ=楽しいライブ"というわけではなくて、それがどういう状況であれ場所であれ、やっていて楽しいと思えるライブだったんです。ドラムを叩いていることも、3人で音を鳴らせているということ自体も楽しくて、幸せに感じられている。

●そう感じられるのはすごくいいことですね。さっき10-FEETの話が出ましたが、特に印象に残っている対バンはありましたか?

大平:去年はたくさんの出会いがありましたけど、自分がこれからも歌を歌っていくにあたって大きかった出会いは、ツアーファイナルに地元の岡山で怒髪天と2マンをやったことですね。

●大先輩との2マンですね。

大平:僕らがデビューしたての頃に増子さんが司会を務めるTV番組に出たことがあって、連絡先だけは交換していたんですが、そこから改めて怒髪天の音楽を聴くようになって、いつか対バンしたいと思っていて。なかなか機会がなかったんですけど、メールはよくさせてもらっていたんですよ。それで今回お誘いしたら出てくださることになって。リハーサルから本番、打ち上げの最後まで集中力を持ち続けることの重みを感じました。

●打ち上げの最後までって(笑)。

大平:とくに本番中は本当に説得力があったし、結成25年以上経った今でも、"この人たちは今がいちばんいいライブをしているんだろうな"って思うくらいキラキラしていて。"いつだって俺たちは死ぬ気でライブをやるんだ"っていう姿勢に魅せられて。ghostnoteも10年目に入って「中堅だ」とどっしり構えるんじゃなくて、若手よりも上のバンドよりも、誰よりもいちばん最高のライブをしたいと思えました。もちろん怒髪天兄さんは打ち上げもものすごく破天荒で…(笑)。

佐藤:終わってから「怒髪天兄さんの打ち上げは毎回こんなにすごいんですか?」って聞いたら、「1年に1回くらいしかない。今日はまさにその日だ」って言われました(笑)。

●アハハハ(笑)。

佐藤:最高でしたよ(笑)。僕もその打ち上げで携帯が壊れましたし…。増子さんからいろんな金言もいただいたんですけど、中でも印象に残っているのが「音楽は人生だ。飯が食えようが食えまいが、客が居ようが居まいが、俺たちは4人でやり続けるし、俺は歌い続ける。ただそれだけだ」という言葉で。それはいろんな人への感謝を含んだひと言で、かなり重く突き刺さりましたね。

●中村くんはどうですか?

中村:刺激を受けたバンドはたくさんいたんですが、SUPER BEAVERは去年1年間で何十回も一緒にやって。出会ったのが去年なのに。

●あ、そうなんですか。

中村:最初"すっげーいいバンドじゃん!"と思って「ツアーしようよ」と誘ったんです。それでライブを重ねるうちに彼ら4人の人間性も分かってきて、音楽やバンドに対してすごく前向きな姿勢に刺激を受けて。ただがむしゃらにやっている若い子とは違うというか。

●無知なりの勢いではなく、腹を括っている感じというか。

中村:そうなんです。SUPER BEAVERという音楽を信じている4人がいて、すごいなと。俺らが年を取って少しずつ減ってきていた"純粋な力"みたいなもの。それはバンドにとって、10年後も現時点でもすごく必要なものだろうなと思いました。

佐藤:僕も怒髪天とSUPER BEAVERが印象的でしたね。あとウラニーノ。インディーズのときに一度対バンしているんですけど、独自のスタイルをずっとやり続けているスタンスと、それでちゃんとお客さんを呼んでいるというところにすごく刺激を受けたんです。以前は勝手にコミックバンドみたいなイメージを持っていたんですけど、去年のツアーで聴くと曲の突き刺さり方がハンパなくて。"こんなにもいい言葉を使って歌っているんだ"とすごく感動しました。それを10年間ずっと貫いていて。自分たちもやりたいことを貫けばいいんだと思わされましたね。

●去年は非常に中身の濃い1年だったんですね。

大平:バンドとしても個人としても濃かったです。地震があって"自分には何ができるんだろう?"と考えたときに、歌を歌うことしかできない自分に気付いたというか、気付いてしまったんですよね。だからこそ、それをするしかないし、自分自身もそれにすがっていかなきゃいけない。そういう意味で自分自身と向き合う時間が長かったです。

●"自分たちがなぜ今音楽をやっているのか?"ということを考えるきっかけでもあったということなんでしょうね。

大平:そうですね。

佐藤:俺はこれしかないから音楽をやっていて。働くための技術は持っていますけど、マインドの部分で、自分の中にこれ以外の他のことをして働けないということが分かっているんです。ステージに立ったときに救われる気持ちになるし、必要としてくれる人がいるとこれでよかったと思うし、一から他のことをやれと言われても無理だと分かるし。

●ある意味悟りみたいな境地ですね(笑)。

佐藤:たしかに悟りですね(笑)。

中村:俺はやっていて"これだ!"という感覚があるのが音楽だから今も音楽をやっているんだと思います。スタジオに入っているときも、ライブをしているときも、お客さんが居ようが居まいが、自分がドラムを叩いているときに"これが俺だ"と思える瞬間が音楽にはあるんです。他の仕事はしたことがないですけど、バイトとかでも嫌だからとかではなくて"なんか違う"って思うんですよね。ただ単に「好きだから」と言ってしまうとそれまでなんですけど、音楽には特別な感覚があるから、がむしゃらにやれるんです。そのがむしゃらになれることをがむしゃらにやることで、力になるんだと思うんです。

INTERVIEW#2

"きもちはつたわる"という言葉に込められた3人のきもち

「伝わったかどうかは誰にも分からないことだけど、それでもなお気持ちは伝わるんだと信じ続けること」

●久しぶりのリリースとなる今作『きもちはつたわる』は5曲入りですが、4曲はツアーの中で演奏してきた曲で、M-5「きもちはつたわる」がツアーを終えてから作った曲らしいですね。

大平:そうなんです。"きもちはつたわるツアー2011"が終わって書き上げました。

●作品の印象としては、ghostnoteの音楽のスタンスである"人との繋がり"というか、聴き手に対して発しているような曲が多いと思うんです。でも「きもちがつたわる」という曲は、そんなことは関係なしにghostnoteの気持ちがほとばしっているような感じがあって、1曲だけ印象が違ったんですよね。いろんなアーティストにインタビューをしていると「聴いたみんなが元気になってくれたら嬉しい」とみたいな言葉をよく聞くんです。もちろんghostnoteもそうだと思うけど、その発言の根底に"誰かのために音楽をやることが自分のためになる"という自覚があるかどうかで、説得力や形は全然変わってくると思うんですね。この曲は「きもちはつたわる」というタイトルなのに、ひとり人間の葛藤のような歌詞だし、歪な感じが出ていて。でもすごい曲だと思う。

大平:なんというか、2011年、そして今の自分を1回ちゃんと完結させる曲がどうしても書きたかったんです。

●完結させる曲とは?

大平:極端な話、この1曲を聴けば2011年のghostnoteや今までの俺のいいことも悪いことも全て分かるような曲というか。それがアルバムの最後に絶対欲しいと思ったんです。自分が歌を歌うことへの意地というか、それができなければ2012年は走ることができないと思い込んでいて。ずっと書けなくて書けなくて…。

●そこまで強く思いながらも書けなかったんですか?

大平:そうなんですよ。M-1「a walk in the life」なんかは慎ちゃんが曲を持ってきて20~30分で書いたし、基本的に直感に任せて書くんです。でもこれだけは書き始めるまでにすごく時間がかかって。ちょっと書いてはゴミ箱へ捨てを2週間くらい続けて、ツアーが終わってやっと完成しました。

●なかなか書けなくて苦労したけど、完成したときは納得できたんですね。

大平:できました。"きた!"と思ったし、最初にメンバーへ聴かせるときも「いい」と言ってもらえると確信がありました。もし駄目でも無理矢理作品に入れてやろうと思っていたくらい(笑)。バンドマンとしても、ghostnoteのソングライターとしても、ちゃんと完結させる1曲だったので。

●他の4曲は候補の中から選んだんですか?

佐藤:そうですね。3人とも自分たちの曲が好きで、去年ツアーをまわっていろんな曲をやったんですけど、最終的には「みんなを応援するような曲がいいね」ということで落ち着いたんです。「この5曲ならコンセプトが定まるよね」と満場一致で。

大平:あらかじめ5曲入りにすることは決まっていたんですけど、5曲でバンドのいろんな表情を見せるのは難しいと考えたんです。そこで今作を間口にして、ghostnoteのいちばん根本にある背中を押すようなポジティブな曲を集めて、そこからライブに来てもらって、また新しい表情を見せることができればと。そんな感じで厳選した5曲ですね。

●音楽的なバランスを重視したわけではなく、曲に込めた感情のベクトルを重視したと。

大平:ひとつの表情を見せ切ろうと思って。ghostnoteの看板のような作品にしたかったんです。

●"きもちがつたわる"という言葉は昨年のツアータイトルであり、今作の曲名でもあり、作品名でもあるわけじゃないですか。なぜこのタイトルに?

大平:実はghostnoteがアマチュアのときに岡山で初めてやった自主企画のタイトルも"きもちはつたわる"だったんです。

●あ、そうだったんですか。

大平:昔から使っている言葉で、3人ともこの言葉が好きだし、この言葉を持って育ってきたんですよね。去年"ghostnoteって何?"とか"やりたいことって何?"ということを考えたときに、3人ともすぐさま「ライブだ!」となったし。そういう根本があったので、今自分たちが本当に思っているものは何かと考えたときに、やっぱり"きもちはつたわる"だなと。

佐藤:まだリリースも決まっていないのに、そのとき「次に出すなら『きもちはつたわる』だね」と言っていたし。

中村:去年のツアーは原点回帰という意味合いが強かったので、そもそも自分たちが使っていたイベントのタイトルにしようと。そうして1年間まわって、やっぱりこの言葉はいいなと思ったんです。

●会話していてもライブでも、気持ちが伝わったときはなんとなくお互い分かるじゃないですか。同じ言葉を発しても人によって伝わる場合と伝わらない場合があるし、ライブも日や場所によって伝わってくる度合いや内容は全然違ってくる。それがライブのおもしろさだと言ってしまえばそれまでなんですけど、伝わる/伝わらないというのは手法的なレベルの問題だけではないと思うんです。どうやったら気持ちは伝わるんだと思いますか?

大平:根本にある自分の強さというか。伝わったかどうかは誰にも分からないことだけど、それでもなお気持ちは伝わるんだと信じ続けることだと思います。

●大ちゃんらしい答えですね。

大平:ある意味思い込みですけどね(笑)。

●でもそれは強いと思う。

佐藤:人間は誰でも正しく生きているわけではないじゃないですか。悪いことだってするんだから。それでも、音楽に対してだけは誠実さが必要だと思うんです。

●確かにそうですね。ライブバンドの人って普段はどうかわからないけど(笑)、音楽には誠意を持ってまっすぐに向き合っていますよね。

佐藤:俺もここだけには自信を持っていていいんだろうと思っていて。ghostnoteで10年やってきましたけど、この3人は「音楽で何とかしてやる! ghostnoteでやってやるんだ!」っていう根拠のない自信だけここまで来てますからね。そこはずっと培った経験値だったり、佇まいだったり、他がいくらグダグダだろうがステージに立つ瞬間だけは正直だって言えます。

中村:音楽でも会話でも、本心で思っていたら伝わると思うんです。笑顔ひとつでも、作り笑顔と心から幸せだから出る笑顔では伝わり方が全然違うと思う。会話だって、言葉は間違っていても気持ちを汲み取ることはできるし、それはつまり気持ちが伝わっているということじゃないですか。嘘があるかないかで気持ちの伝わり方は変わるし、僕らががむしゃらにやっているっていうのは「思いっきりghostnoteのライブを楽しむんだ」という気持ちがあるからこそのものだから。"激しく見せよう"とか"大きく動こう"とか考えても、見え方は変わる気がする。

●そうですね。打算というか、"こう思われたい"みたいな欲が入ってしまいますもんね。

中村:たぶんghostnoteは今の自分たちに自信が持てているから、真っ裸になって、ただがむしゃらにやっている。それが伝わることへのいちばんの近道なのかなと思っています。

●それは今作で歌っていることにもリンクしていますね。「a walk in the life」の"一歩ずつ 一歩ずつ 歩いてゆこう"という。

大平:後悔したくないんですよね。こうやって作品を作ることも"3人が今できることを思いっきり楽しんで、これでアルバムが出せなくてもいいや"と思えるくらいにやったし、ライブも"このライブが終わって死んでしまってもいい"くらいの気持ちでやっています。とにかく後悔を残さないように、自分を信じて歌うことでしかない。そんな気持ちでghostnoteと向き合っていますね。

●誰しも"かっこよく見られたい"と思うときがあると思うんです。嘘とまではいかなくても、ちょっと自分を飾ったり演じたりする、みたいな。でもそこを超えなければ出てこない説得力のようなものがあると思うし、色んなバンドのライブを観るとより強くそう感じる。ghostnoteの今作はそういう作品になっていると思います。

大平:でも2011年にツアーをまわる中で、自分自身では「この瞬間に何かが変わった」と思った瞬間は特になくて、月日を重ねるごとに、より濃くなっていった想いなんですよね。2011年という年が、そこでの出会いや活動がそうさせているんだと思います。

佐藤:僕も、2011年の1月に「来月の頭からブッキングを入れる」という無茶なことをし始めてから「もうやるしかない!」と吹っ切れていたし、3人とも「今の俺らは最強だ」と取材で答えるくらいにスイッチが入っていたんだと思います。不安もあったけど、1年を通してそれを確かめたから、今は"間違いない"と思えているし。

●2011年を走りきって、バンドとして更に強くなったと。

佐藤:原点回帰とはいえ、昔と同じことを繰り返すのではなく、自分たちが成長した姿を見せ、昔思い描いていたことをひとつひとつ実現していこうという意欲があったというか。

大平:去年があったからこそ、これからghostnoteはまたいろんな部分を更新し続けられるような自信があります。もっといい曲が書けるし、もっといいライブができると思っています。ghostnoteはこの3月で10年目に入るんですけど、今がいちばん楽しいし、いちばん自信があって、「ここから行くぞ!」という気合いに溢れてますね。誰かが死なない限りは(笑)、絶対にこの3人でghostnoteを何十年も続けていきたいです。

●リリース後にはO-Crestで3daysの自主企画が予定されていますが、なぜまた3日連続で?

大平:去年O-Crestで2daysのイベントをやったんですが、思いの外たくさんのお客さんが集まってくれて。しかもO-Crestの店長さんに「来年もパンチのあることをしていきたい」と話したら「じゃあ次は3daysにしちゃえば?」と言われて、その日のうちに3日間押さえたんです(笑)。

佐藤:それが運良くリリースのタイミングと合いまして。

●リリース時期を決める前に3daysを決めていたんですね。

佐藤:せっかくいい流れができたので、リリースに合わせてライブを組むようになると戻ってしまうような気がして。ライブありきで、ライブに合わせてリリースを目指すスタイルでいきたかったんです。

大平:自主企画初日の4/30は5バンドが出演して、5/1は4バンド、5/2は3バンドで、10月には2マンをして、11月からはワンマンツアーに入る、という流れで考えていて。

●つまりどんどん友達が減っていくという…。
一同:アハハハハハハハハ(爆笑)。

佐藤:いやいやいや! みんなの後押しを受けてワンマンに向かうんです(笑)。

大平:決して友達が居なくなるわけじゃないです(笑)。去年の経験で、どんな状況でも3人でghostnoteをやるんだという想いを更新し続ければ、これからもきっと上手く転がっていけるんじゃないかと思っていて。だからまずは去年得たものを持って、これからも更に進化し続けたいと思っています。常にパンチを出していかなきゃ駄目ですね。

interview:Takeshi.Yamanaka
assistant:Hirase.M