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藍坊主

挑戦と実りが多かった2011年の足跡を4人と振り返る

 2011年は藍坊主にとって刺激的な活動が多かった。

初の日本武道館公演はもちろん、初のタイアップシングル「星のすみか」の制作やベストアルバムのリリース、そして初めて外部サウンドプロデューサーを迎えて制作されたニューシングル『生命のシンバル』。

一瞬も立ち止まることなく、前に進みながら音を鳴らし続ける4人。人間としての成長とバンドとしての成長を重ねてきた2011年の足跡を4人と振り返った。

Interview

「色んなものを総決算して、自分の中で曲げてきたものだったり、曲がらなかったものだったり、そういうものを全部ひっくるめてもう1回、何も考えずにバンドに向き合う」

●2011年の年明けから初の日本武道館(5/6 藍空大音楽祭 ~the very best of aobozu~ at 日本武道館)までの流れはどういう感じだったんですか?

藤森:年明けはずっとシングル曲「星のすみか」(2011年4月リリース)の制作をしていました。「もっとこっちの方がいいんじゃないか?」みたいな、1回全部録り終わったものを崩してやり直したり。年明けから日本武道館まではほぼ「星のすみか」のレコーディングをやっていたのかな?

田中:うん、本当にギリギリまでメロを詰めたりとか。

渡辺:原型はシングル『あさやけのうた / すべては僕の中に、すべては心の中に』(2010年11月リリース)を出す前からあったんです。その頃から「あーでもないこーでもない」って言ってる。

田中:そうだね。歌詞も何度かやり直したりして、本当にギリギリギまで集中してやってたね。

藤森:初のタイアップ(TVアニメ『 TIGER & BUNNY 』エンディングテーマ)ということもあって、より世の中に広がっていくにはどうしたらいいのかとか、今バンドで音源にしたときにどういうものがいちばんかっこよくなるんだろうとか考えたりして。

●作っているときからアニメのタイアップは意識下にあったんですか?

田中:ありました。たぶん今までだったら、"僕らがオッケーだったらオッケー"という感じで話が早かったような気がするんです。でももうちょっと、僕らがオッケーということプラス、そう思っている僕らを聴いている人たちは果たしてどうなのか? ということも想像しつつ。それによってバンドが開けたという感覚があるんですけど、時間はけっこうかかりました。

●その後、5月には日本武道館でのワンマン。

田中:3月に震災がありましたけど、日本武道館でのライブは普通にやろうと思っていたんです。日本武道館でワンマンをやることは直接震災には関係しないだろうし、それがプラスになるとかマイナスになるとかなんてわからないけど、それを観た人が、いつか何処かでちょっと苦しい思いをしたとき、あのライブを思い出したりとか、あの曲を思い出したりとか…そういうことってきっとあるじゃないですか。

●そうですね。

田中:音楽って、そういう損得勘定抜きの部分ですごい力を出すと思っていて。だったらありのままにライブを精一杯やるというのが、自分たちが取るべき姿勢なのかなと。だから当日はあえて震災に絡めた話をあまりしなかったんです。あくまでも"いつも通りのライブを武道館でやるぜ"っていう意識で。

藤森:みんなで特別な話をしたわけではないですけど、いつもより力を入れてやりたいという気持ちで臨みました。今までもそうですけど、より中途半端なことはできないというか。音楽に一生懸命向き合うというのは当たり前なんですけど、音楽に向くまでの過程も含めて。スポーツ選手とかも、別にサッカーの試合をテレビで観て元気になったとかではなくて、試合に臨む選手の姿勢みたいなものに触れたときに感動するというか勇気をもらえるじゃないですか。

●うんうん。

藤森:だから日本武道館まではなんとか、自分のベースに対するコンディションとか、"どうしても新曲もやりたい"という気持ちだったりとか、"絶対に自分の中で納得できるライブをやりたい"という気持ちにちゃんと向き合えたと思います。

hozzy:「日本武道館はすごく特別な場所だ」って色んな人から言われていたんですけど、本当にそんな感じがあったんですよ。なんというか、お客さんに助けられている感じというか(笑)。「うわーヤバイ!」と思ったときになにか"グワッ"っと来るんですよね。いつもよりそういう感覚が強かった。

渡辺:俺は浮かれっぱなしでしたね。

●それはちょっと見て取れました(笑)。そんな日本武道館が終わり、夏はフェスなどがありつつ、hozzyが昔から敬愛してやまないTHE BACK HORNとの2マン(8/23@恵比寿LIQUIDROOM)がありましたね。

hozzy:会場で観ていて、やっぱりすごくよかったなと思って。今まで何度も観てきましたけど、ものすごくよかった。

●それTHE BACK HORNのライブの感想ですよね?

hozzy:THE BACK HORNです。

●客目線やん(笑)。

一同:(笑)。

藤森:「ポルツ」から始まったよね?

田中:そう、「ポルツ」をやるのもけっこう久しぶりだったし。

●あの始まりは「おっ!」って思いました。攻め攻めでしたよね。

田中:そんなこと言われると恥ずかしいじゃないですか(笑)。

●いきなり「うわ! 攻めてる!」と思って(笑)。

田中:ほとんど僕がセットリストを考えるんですけど、セットリストを考えているときってそのライブを想像するんですよ。そこでバシッと1曲目に「ポルツ」が入ったとき"きっと観ている人はこう思うんじゃないか?"とか"俺らもそれを受けてこうなるんじゃないか?"とか考えて。実際にステージでやってみたらそれ以上の膨らみになったというか、久しぶりに「ポルツ」とか「低迷宮の月」をやったのでテンションが高かったのもあるんですけど、思っていた以上によかったです。

●その後、東北ツアーやイベントなどがありましたが。

渡辺:その東北ツアーで、今回のカップリングに入っている「ワンダーランドのワンダーソング」の原型をやったんです。ライブをしつつ新曲を試しつつみたいな感じ。そのときからアレンジがまた変わったんですけど。

田中:ライブで手応えを見て、そこでアレンジはスッとまとまったよね。その制作のときからサウンドプロデューサーの野間康介さんと一緒にやり始めたんですけど。

●サウンドプロデューサーを入れるということも初めての経験ですよね?

田中:そうですね。最近はほとんど自分たちでやっていたんですけど、完全に外部のサウンドプロデューサーに入ってもらうのは初めてですね。その野間さんとの作業で「ワンダーランドのワンダーソング」のアレンジが変わったんです。

●なるほど。

田中:ガラッと変わったわけではないですけど、でもやっぱり今まで僕らが意識していなかったところを言葉で説明してくれたりとか。「このドラムはこのパターンだから、今この部分に合っている」とか、そうやって言われると作業がすごくスムーズになった。

●決定が早かったということ?

田中:早かったです。今までは、こっちの意見とこっちの意見がぶつかったりすると、結局想いの強い方が勝つっていう感じってあるじゃないですか(笑)。

●理論的にというか、明確な根拠がある上での判断というか。

田中:野間さんは真ん中に立って、その場を上手く仕切ってくれたので、今までより話が早かったです。

●「ワンダーランドのワンダーソング」は、雰囲気的にはすごく明るくて、多重的な音の重なりがすごくエネルギッシュでいい雰囲気にもなっているし、ただ単にポップ一辺倒じゃないというか。それがすごく藍坊主らしいんですけど、歌詞も含めてポップなのになんかちょっと不気味なんですよね。

hozzy:今回の2曲とも作曲が藤森で作詞が俺なんですけど、歌詞は今までけっこう好き勝手に書いて、メロディとかあまり考えてなかったんですよ。雰囲気が合っていればその中で歌詞を展開させれば、そこで違和感が出てもむしろその方が俺はいいと思っていたんです。

●はい。

hozzy:で、今回はサウンドプロデューサーも入って、今までやったことが無いことをしてみたいという気持ちもあったので、"もっとメロに沿うように"とか"メロの響きを意識して"という作業をしながら歌詞を書いたんです。それは普通のことだと思うんだけど…。

一同:そうだよね(笑)。

hozzy:でも俺は今まで全然意識していなかったなと思って。

●今まで全然意識してなかったのか…ちょっとびっくりした(笑)。

hozzy:要するに俺にとっては初めての試みだったので、今回の作詞はものすごいストレスだったんですよ。

一同:(爆笑)。

hozzy:だから1日100回ぐらいずーっと曲を聴いて。ユウイチはアレンジするときいつもそうやるって言ってたじゃん?

田中:うん。聴いてるとだんだんアイディアが湧いてくる、みたいな。

hozzy:それを俺もやってみた。

一同:アハハハ(爆笑)。

hozzy:だからこの歌詞は藤森が作ったメロディの歌詞なんです。

●あ~、なるほど。そういう感覚か。

hozzy:実際には俺が書いたし、藤森が書いたら別のものになるけど、さっき言われた"不気味さ"とかはきっと曲から出てきたものなんだと思います。だから逆に言うと、歌詞はあまり考えてないです。だってそういう曲だもん。

●シングル曲の「生命のシンバル」はいつできた曲なんですか?

藤森:去年の頭ぐらいから原型はあったんです。そこからちょこちょこ変えていって。最初はもっと爽やかというか、もっと普通のロックみたいな感じに落ち着くかなと自分で思っていたんですけど、作っていくうちにどんどんイメージが大きくなって。

●うん、スケール感が大きい曲ですよね。

藤森:それが気持ちよくなっちゃったんです。このスケール感は狙って作れるものじゃないし、それをちゃんと突き詰めていこうかなという。長いスパンで楽器を重ねてみたり、ピアノをいじってみたりとか。だけど気持ち的には、テンションで持っていきたかった。やっている作業自体は理論っぽいんですけど、結局判断するのは自分の気持ちが上がるか、下がるか。そこをかなり重視して作りました。

hozzy:この曲はすごくいい曲だと前から個人的に思っていて、だから「この曲出しませんか?」みたいなことをちょくちょく言ってて(笑)。

●「そろそろこれいいんじゃないですか?」みたいな(笑)。

hozzy:そうそう(笑)。「寝かせとくのはもったいなくないですか?」みたいな感じで。

藤森:そうだね、hozzyから提案があって。

hozzy:リリースの間隔を空けすぎるのもイヤだったし、すごくいい曲だから形にして絶対に損はないなと。

●今作をリリースし、12 / 30 にCLUB CITTA'で年末恒例のワンマンライブで今年を締め括るわけですが、来年はどう考えているんですか?

田中:アルバムっす!

渡辺:目指せアルバム!

●どんなアルバムになるんでしょう?

hozzy:曲はできつつあるんですけど、今の段階ではまだ全然わからないですね。

藤森:自分たちでもどうなるか楽しみっていう、そういう段階です。

●楽しみにしてます。では最後に、最近MCが上手くなったと評判の拓郎くんに今年の総括をお願いします。

渡辺:個人的には、2011 年は2周目が始まる感じだったんです。色んなものを総決算して、自分の中で曲げてきたものだったり、曲がらなかったものだったり、そういうものを全部ひっくるめてもう1回、何も考えずにバンドに向き合う…それぐらいフラットにやれそうな感じがしています。

●いい状態なんですね。

渡辺:そうですね。今まではみんなに説明するときに言葉を選ばなくちゃいけなかったんですけど、それが言葉を選ばなくても自分が素直に出した言葉が通じるような状況っていうか。そういう信頼関係を築いてきたのかなっていう気がした1年かもしれません。

interview:Takeshi.Yamanaka
Assistant:HiGUMA

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