音楽メディア・フリーマガジン

グッドモーニングアメリカ

彼らの夢の先をこれからもずっと一緒に見ていたい

SPECIAL LIVE REPORT“未来へのスパイラルツアー2013”
2013/10/5@Shibuya O-EAST

Main_GMA観客で埋め尽くされたO-EASTのフロアに、未来から来た(という設定の)たなしんロボットが登場。爆笑する観客を掻き分けてステージへと進むたなしんロボットにみんなが注目する中、ステージの幕から本物のBa.たなしんが登場。たなしんロボットの中にはRhythmic Toy WorldのBa.須藤が入っていたとのこと。毎回毎回、手間を惜しまずに観客を楽しませようというたなしんの精神には頭が下がる。最高の幕開けを経て、「突破していこう」でライブがスタートした。

「キャッチアンドリリース」ではそのキャッチーで緩急のある展開よろしく、フロアはおもしろいように揺れ、みんなが腕を振り上げ、叫び、宙を舞う。Dr.ペギが繰り出す強力なリズムからスタートした「タイムスリップしたみたいに」、イントロからオーディエンスがノリノリで踊る「だけど不安です」と、すべての楽曲が観客に馴染んでいて、それが得も言われぬ一体感を作り出す。激情を溢れさせながらギターを掻きむしるG.渡辺、個性的かつ耳に残る歌を歌うVo./G.金廣。5/8にリリースした彼らの1stフルアルバム『未来へのスパイラル』は激しい曲調の楽曲も多かったが、この日のライブは定番曲はもちろん、新曲たちもガンガンに客を暴れさせている。4人が4人とも全力でライブを楽しんでいる様を観て、観ている側も思わず暴れ出さずにはいられないのだろう。

MCのたなしんコール&レスポンスタイムでは、たなかみさと(たなしんの実妹)が会場に駈けつけていることを告白し、たなしんの「3、2、1」からの全員の「ファイヤー!」で会場がひとつになる。最強の一体感のままライブは「バンバンガンガン」「光となって」で大盛り上がり。ペギが立ち上がって興奮をあらわにする。そんな4人に応えるようにオーディエンスは時にダイブし、時に腕を振り上げ、時に踊り、時にモッシュし、時にジャンプし、金廣と一緒に歌い、グッドモーニングアメリカのライブを余すところ無く味わい尽くす。ワンマン恒例のたなしんセカンドファイヤーを経て、熱狂必至の「言葉にならない」では曲がスタートした直後からフロアはぐちゃぐちゃでダイブ乱発。

後半のMCで、渡辺がここにいる仲間と今まで支えてくれた観客たちに感謝の気持ちを告げ、母親がライブに来ていることを打ち明ける。「今の俺らにはこんなにたくさんの仲間がついて来てくれてます」と、母親に音楽にかける想いを伝える一幕は、思わず胸にグッとくる。

金廣の「みなさんには、忘れられないような大切な人はいますか」という言葉を聞き、次に演奏されるのが「餞の詩」であることを知る。胸に染み渡る、壮大かつ想いが溢れる同曲。MCでは多くを語らない金廣だが、「餞の詩」には溢れんばかりの彼の真っ直ぐで飾らない想いがたくさん詰まっていた。

本編最後の「未来へのスパイラル」はこの日いちばんの大合唱。歌に聴き入ったかと思えば、腕を振り上げ、モッシュし、ダイブし、一緒に歌い、笑い、叫び、涙する。こんなに幅の広い反応を、1つのステージで作り出すバンドはなかなか居るもんじゃない。4人が持ちえる個性を存分に発揮し、バンドとして更なる成長を遂げたグッドモーニングアメリカ。MCで渡辺は「まだまだ俺らは夢の途中だ」と言っていたが、彼らの夢の先をこれからもずっと一緒に見ていたいと感じる、素晴らしいワンマンだった。

TEXT:Takeshi.Yamanaka

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