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片山ブレイカーズ&ザ☆ロケンローパーティ

原点にして最大の力を発揮するライブハウスからシングル3部作をリリース!!

その日、久々に観た片山ブレイカーズ&ザ☆ロケンローパーティ(以下、片山ブレイカーズ)のライブは、どこまでも荒々しく圧倒的な熱量を放っていた。

それは10/6、下北沢CLUB Queでの17周年企画でカーネーションとの対バンイベントに出演した時のことだ。フロア全てを巻き込む圧巻のライブパフォーマンスには元より定評のあった彼らだが、まるで野獣のような猛々しいオーラを放っている様は初めて見た気がする。昨年4月に発表した2ndフルアルバム『サカサマデアル』が意欲的にスタジオワークに取り組んだ作品だったところからのギャップも、余計にそう感じさせたのかもしれない。とはいえ一体、この1年半ほどの間で5人に何があったというのだろうか?
前作リリース後、彼らは怒涛のライブスケジュールをこなしてきたという。スタジオでの制作作業を一旦終えて、ライブという原点の場に活動の軸足を置いてきたこの期間。そこでの成果が確実に1つの実を成そうとしていることは、上述のライブでも実感できた。たとえば「キョート・トリッパー」のような前作収録の楽曲も、完全にフロア仕様のキラーなライブチューンへと生まれ変わっていたように。そんなツアー中に生まれた楽曲を、ライブ会場限定シングル3部作としてリリースすることを彼らが発表。新しい音源を待ち望むファンにとっては当然うれしいニュースでもあり、その楽曲たちは前作以降に片山ブレイカーズがどんな進化を遂げてきたのかを物語ってくれるはずだ。
まず8月に、第1弾シングル『終末のクレイジー』が各地の会場で発売開始された。彼らが今どんなライブを展開しているか、それを如実に表しているのはM-4「はてなならべ(Live Ver. 20110603)」だろう。ステージと客席の両方から嬌声の飛び交う中、ハイエナジーなパフォーマンスを見せる十三ファンダンゴでのライブテイク。冒頭に書いたCLUB Queでのライブで筆者が感じた野獣のごときオーラは、ここからも十二分に伝わってくる。それをスタジオ録音で1つ結実させた形が、M-2「ぶらぶらのらぶ」と言えるかもしれない。ワイルドなギターリフが荒れ狂う中を疾走していくガレージチューンはわずか2分足らずだが、ライブで盛り上がること必至の1曲だ。
タイトル曲の「終末のクレイジー」は、跳ねるように軽快なリズムに身体を動かされずにはいられない当然のキラーチューン。ハンドクラップや掛け声も織り込まれた曲構成に、怒涛のライブスケジュールから生み出されたことを実感できる。ライブでは合唱必至の掛け声とコーラスから、サビでのクライマックスが最高に気持ち良いM-3「いらいらのいー」もお祭り騒ぎを誘発すること間違いなしの名曲だ。全4曲いずれもが、片山ブレイカーズの“今”と“ライブ”の勢いを喚起させる今作。こんな音源を聴いてしまっては、またライブに行きたくならずにはいられない。11月から発売予定の第2弾シングル『PORNO/ACTION』、さらには来年2月に発売予定の第3弾までこの期待値は高まり続けていくことだろう。

TEXT:IMAI

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