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SECRET 7 LINE

自由を掴むために強く生きる

PHOTO_S7L012007年に結成し、メロディックパンクやイージーコアを昇華させたオリジナリティを武器にライブを重ねてきたSECRET 7 LINE。活動の結晶とも言える自主企画フェス“THICK FESTIVAL”を2012年にスタートさせ、バンドとしてますます勢いを増す生え抜きのライブバンドだ。そんな彼らの約1年9ヶ月ぶりとなる新作は、高いポピュラリティと普遍的な強さが音からビシビシと伝わってくる極上キラーチューン揃い。ほとんどが盟友・GOOD4NOTHINGとのWレコ発となるリリースツアー、そして“THICK FESTIVAL 2014”と、リリース後もキッズ垂涎のライブ/イベントが目白押し。結成7周年を迎えたSECRET 7 LINE、激要チェックです!!

 

 

「いろんなバンドと対バンできたのも今に繋がっていると思うし。でも強くなったかどうかは自分ではわからないです。相変わらず必死ですね」

●今年はSECRET 7 LINEにとって区切りのいい7周年ですよね。

3人:ぴったり7周年です!!

RYO:山あり、山あり、山ありの7年でしたね〜。

TAKESHI:早かった気はするけどね〜。

SHINJI:長かったようで短かったようでもありますね。初めてのライブは足がガクガク震えてたんですけど。

●え? ガクガク? それまでもバンド経験ありましたよね?

SHINJI:ありました。

RYO:この7年は楽しいことと苦しいことの連続っていうか。バンドを続けていけばいくほど、クリアしなければいけないポイントっていうのは常にあるし。そういう意味で、安心は1mmもできないですね。

SHINJI:苦しかったけど、それまで夢だったことが実現したこともたくさんあったし。昔大好きでCDを聴いていた人たちと対バンしたり、一緒に打ち上げしたり、仲良くなったり。

TAKESHI:俺は楽しかったことしかないですね〜。

●それぞれの性格を表しているというか、三人三様ですね。自主企画フェス“THICK FESTIVAL”は今年で3回目となりますが、あのイベントを始めたことは大きかったんじゃないですか?

3人:大きいですね。

●どう大きいですか?

RYO:会場が大きいです。

●もうちょっとメンタル的なこと言ってもらっていいですか?

SHINJI:俺ら単体でCLUB CITTA'でワンマンやれるか? って考えたら絶対にやれないですけど、自分たちよりもキャリアや実力のあるバンドにいっぱい出てもらって、みんながいいライブをしていちばん最後にやるっていう。そういうことを経験できたのもデカいし、それだけのイベントをやることができたっていう経験も大きくて。

●SECRET 7 LINEはいつも必死でやってきたじゃないですか。こういうインタビューのときはバカなこと言っていつも笑ってますけど、前のバンドが解散して、大阪から上京してきたRYOくんとSHINJIくんが始めたのがこのバンドで。上京したての頃は年下のバンドに交ざってがんばっていて。だからこそ、“THICK FESTIVAL”は拠り所にもなっているだろうし、自信にも繋がっているだろうなと想像するんですが。

RYO:“バンドをやっていてよかった”といちばん思えるのが“THICK FESTIVAL”ですね。ツアーファイナルのワンマンとかももちろん感動するんですけど、“THICK FESTIVAL”は先輩や後輩のバンド、いろんな人に力を貸してもらってやるからだと思うんです。出演者のみんなも「めっちゃ楽しい」って言ってくれるし、そういう状況が“バンドをやっててよかった”という気持ちに繋がるんだと思います。

●出演する人たちも対バンしたことのある仲の良い人たちばかりで、要するにそれまでのSECRET 7 LINEの歩みの結晶が“THICK FESTIVAL”だと。

3人:そうですね〜。

●今年は5月に開催する“THICK FESTIVAL”ですが、その前にアルバム『LIVE HARDER』がリリースとなりますよね。今回のアルバムを聴いたときのいちばんの印象は“強さ”なんです。SECRET 7 LINEはメロディックパンクやポップパンクをルーツにした音楽をやってきて、さっきも言ったようにこの7年間必死に活動を続けてきましたよね。

3人:はい。

●でも人柄的には、決してパンクスではない。

TAKESHI:あ、そうですね。

●というか、人的にはポップだし。

RYO:高円寺にも住んでないし。

●今作はそういうSECRET 7 LINEが培ってきたものや、その人柄が全部詰まっている感じがしたんです。音楽的にはライブ感があったり楽しくてポップな要素もあれば、熱い想いもあるし、ずっと必死に走ってきたことも伝わってくる…SECRET 7 LINEそのものから受ける印象に近いなと。

SHINJI:ああ〜。

●そんな3人が7年間続けてきて、これからも好きなことをやっていくには自分たちが強くならないといけない、みたいなマインドを今作から感じる。

RYO:その通りです!

3人:よくできました!(拍手)

●インタビューは毎回このパターンやないか!

SHINJI:でもその通りだと思います。言われて“あ、強くなったのかな?”みたいな。

●強くないとこういう楽曲は作れないし、歌えないと思う。

RYO:自分で強くなったとはなかなか感じられないんじゃないですかね。

●そういうもんか〜。

SHINJI:確かに自信は持てるようにはなれましたけどね。俺、“THICK FESTIVAL”っていうイベント名に最初は抵抗があったんですよ。

●え?

SHINJI:パッと聞いただけで俺らのイベントってわかるじゃないですか。「シクセブ」が主催する「シクフェス」っていう。いい名前だと思うんですけど、でもそういうイベントに先輩を呼ぶのはちょっと失礼になるんじゃないかなって。

●ああ〜。

SHINJI:そんなことを思っていたんですけど、去年の“THICK FESTIVAL”の数ヶ月前かな? RADIOTSのYOSHIYAさんが「“THICK FESTIVAL”ってすごくいいイベント名だよね」と言ってくれたんです。「でもそういう名前のイベントに先輩を呼ぶのは失礼かなって思うんですけど…」って俺が思っていることを話したら、「いいんだよ」って。「出るバンドはお前らのことが好きで出るって言ってるんだから、自信を持って“THICK FESTIVAL”と言えばいいんだよ」って。その言葉で、俺はすごく前に進めたんです。

●なるほど。

SHINJI:いろんなバンドと対バンできたのも今に繋がっていると思うし。でも強くなったかどうかは自分ではわからないです。相変わらず必死ですね。

●今作は、音楽的にはすごくポップでキャッチーだと思うんです。でもそれを綺麗に演奏するんじゃなくて、CDだとしても生々しく演奏して歌っていて。だからポップなのに気迫みたいなものが伝わってくる。普段はバカなことを言って笑ってるけど、ステージの上では汗だくで必死になってライブをしている3人の姿と重なるんですよね。

SHINJI:今作を作っているときは必死だったんですよね。“とにかくいいもの”をという感じで、そのときにいちばんいいと思うものを曲にしたというか。

RYO:僕もそうですね。あ、でも、遊び心を入れることは意識しました。インパクトのある楽曲だったとしても、そこにも遊び心を入れる。そういう意味で、今までと比べても更に幅を拡げようとは思ってました。

SHINJI:それはあったね。敢えて自分たちの幅を壊したというか。

●最たる例はM-3「BURN TO THE GROUND」ですよね。ジャンルを超えてるというか、今までのSECRET 7 LINEの常識を超えたポピュラリティがある。掛け声というか叫びというか、とにかくびっくりしました。この曲いいですよね。

RYO:「オー!」とか「イエー!」は今までもいっぱいやりましたけど、それを超えたものを入れたかったんです。「BURN TO THE GROUND」は曲調的にはシリアスなんですよね。でもあの掛け声が入ることによって違和感が出るじゃないですか。

●そうですよね。シリアスなのにポップ。

RYO:ヒントはゴレンジャーのエンディングなんです。あとはドリフ。あともう1つ言うなら、MY CHEMICAL ROMANCE。

●ああ〜。

RYO:いい意味での違和感を出したかったんです。

TAKESHI:評判もいいもんね。今までそんな手法を使ったことがなかったから意表も突けたというか。

●違和感という部分では、M-11「MY SWEEET HOME」にはホーンが入っていて。

SHINJI:自分が今までやってきたこともやったし、今までやらなかったことにもチャレンジしたんです。その延長で「MY SWEEET HOME」はホーンが合うんじゃないかと思って。

TAKESHI:あのホーンは、後輩を招集したんです。

●あと歌詞についてですけど、吹っ切れたような強さを感じたんです。悩みとか葛藤があるかもしれないけど、その一歩先の視点や気持ちが歌詞になっているというか。

SHINJI:確かに、気持ち的には吹っ切れた感じはありますね。いつからかな〜? 自分ではよくわからないですけど…。

●同棲していた彼女と別れたから? (※SHINJIは以前同棲していた彼女と別れ、住む場所を失ってレーベルスタッフ宅にしばらく住んでいた)

一同:アハハハハハ(笑)。

TAKESHI:「MY SWEEET HOME」はそのことを歌っています。

●え? マジで?

SHINJI:そんなことも笑って歌えるようになったんでしょうね。そういう意味でも吹っ切れた(笑)。だからちょっとふざけた曲にしたくて、ホーンも入れて。彼女と別れて、同棲していたから住む家もなくなって、そのタイミングで仕事もなくなったんです(笑)。

●不幸の三重奏だ!

SHINJI:“よく生きてたな”って思うんですけど(笑)、でも今だからこそ曲にできた。

●まさに吹っ切れましたね。

SHINJI:あと、この曲に関してではないんですけど、俺は諦めるのをやめたんです。

●わっ! 名言出た!

TAKESHI:いつか言ってたよね。「できないって言いたくない」って。

SHINJI:諦めの方向っていろいろあると思うんですよ。例えば「なにかをやりたいけどやらない」というのも1つの諦めだし、人に対しても自分に対しても「所詮こういうもんでしょ」っていう諦めだったり。そういう気持ちは今作のいろんな曲の歌詞に入れているんです。例えば「所詮人は1人だ」と言う人ってすごく多いと思うんですよ。俺もそう思うんですけど、その諦めを俺はしたくなくて。“夢を叶えるのは無理だ”と思った時点で終わりだと思うし。年を取ったからこそそう思うようになったのかもしれないけど、いろんな人にも諦めることをやめてもらいたいなって。いろいろなことを踏まえた上で、諦めることをやめたくないなって。

●確かにそういう視点はいろんな曲に現れてますね。アルバムタイトルにも。

TAKESHI:そうですね。“◯◯HARDER”というタイトルにしたいなっていうのが昔からあって。HIP HOPの人の「SLAM HARDER」とか「PARTY HARDER」という曲があったりして、かっこいいなと思っていて、それで“LIVE HARDER”というタイトルを思いついたんです。“LIVE HARDER”って、字面からしたら“強く生きろ”みたいな意味かと思いきや、“放埒に生きる”という意味らしんですよ。自由に近いというか。これはおもしろいなと。

●へぇ〜。

TAKESHI:その時点でこのタイトルにしたんですけど、俺らもともとライブバンドだし、キッズにも「お互い強くなろう」って言いたいし、「もっと自由になろうぜ」って言いたい。そういういろんな意味でこのタイトルにしたんです。

●言い得て妙ですね。

TAKESHI:自分でもいいタイトルになったなと思います。ジャケットともリンクしてるし。

●タイトルやジャケットも含め、今のSECRET 7 LINEを表した作品ですね。そしてリリースのツアーですが、ほとんどがGOOD4NOTHINGとのWレコ発ということで。

3人:楽しみです!!

●GOOD4NOTHINGのU-tanがインタビューで言っていたんですけど、GOOD4NOTHINGはバンドとしてはSECRET 7 LINEの先輩だし、Kick Rock MUSIC出身ということもあって近い存在だからこそ、敢えて今まで絡んでこなかったらしいですね。RYOくんは同い年だから(※GOOD4NOTHINGのU-tanとTANNYとMAKKINはRYOと同い年)、プライドもあるだろうし。でも、SECRET 7 LINEは“THICK FESTIVAL”を始めたし、もう気にせずに対等の立場でツアーができるのが嬉しいって。

SHINJI:ああ〜。

TAKESHI:嬉しいね。

RYO:U-tanが言ってたことは僕もまったくその通りで。年齢は一緒だけど、でもバンドとしては先輩で。僕らが結成した7年前って、GOOD4NOTHINGはアルバム『Kiss The World』を出したくらいの頃なんですよ。

●GOOD4NOTHINGがブレイクした作品ですね。

RYO:僕らが上京してすぐ『Kiss The World』のツアーファイナル観に行きましたもん。

SHINJI:あ、そうや。

●天と地の差だ!

RYO:だから年齢が一緒なだけで、バンドとしては活動しているラインが全然違うんです。僕は、年下だったらもっと絡めただろうなってずっと思ってたんです。でも同い年だからこそ、どうしゃべっていいかもわからない。タメ口を聞くことも僕にはできなかったんです。

●ああ〜。

RYO:でもあいつらは「同い年なんやから敬語使われても」って感じになるじゃないですか。そうなると、難しかったんですよね。で、結局は自分たちが自信を付けて、胸を張って「一緒にやろう」と言える状況になるまでは、なかなか絡めなくて。

●なるほどね。

RYO:だから徐々に徐々に間を詰めていって。もちろんまだまだ上の存在ですけど、そんなことも考えなくていいくらいになって。1年くらい前からかな? 打ち上げとかでU-tanとガッツリしゃべるようになって、他のメンバーともバントとして仲良くできるようになったんです。それって自分としても嬉しいし、GOOD4NOTHINGがそう思ってくれていたっていうのも嬉しいです。だから個人的にも、今回のツアーはすごく意味がありますね。

●7年前にRYOくんが引け目を感じていたことは、きっと彼らもわかっていたんでしょうね。

RYO:もちろんそうだと思います。彼らも不用意に絡んでこなかったし。今だからこそ、やっと一緒にツアーができるっていう。

●めっちゃ楽しみですね。

SHINJI:めっちゃ楽しみです。バンドとしても絶対に成長できるツアーだと思うんです。

TAKESHI:ただ、GOOD4NOTHINGは1月にアルバムを出して、僕らより先にツアーを始めてるから、絶対に仕上がってると思うんですよ。これはがんばらなければ(笑)。

RYO:ただでさえめっちゃライブやってるバンドやのに、1ヶ月くらいツアーやったところに僕らが合流するという(笑)。

●ハハハ(笑)。

SHINJI:俺は日本一好きなバンドがGOOD4NOTHINGなんです。ライブのやり方で悩んだときとか、全部GOOD4NOTHINGのライブからヒントを得てきたくらいで。

●めっちゃ好きですね。

SHINJI:だからもう、楽しみしかないんです。ずっと背中を追いかけてきた存在だし、俺にとっては夢のひとつが叶うツアーなんですよね。

●ツアー中に“THICK FESTIVAL”もあるし、今回のツアーはいろんな意味で楽しみですね。

3人:いろんな意味で楽しみです!!

interview:Takeshi.Yamanaka

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