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HER NAME IN BLOOD

4年という歳月をかけてエグく研ぎ澄まされた最強の音塊

HNIB_メインアー写HER NAME IN BLOODというバンドが、シーンに登場したのは2008年のこと。BEFORE MY LIFE FAILSとのスプリットEPを世に放った当時はまだ現在ほど、メタルコアやラウドというジャンルに認知度が高まっていない時代だった。そんな時代から自らの信じる音をひたすら求道し、鳴らし続けていた彼らが約4年ぶりに2ndフルアルバム『HER NAME IN BLOOD』をリリース。1stフルアルバム『DECADENCE』を2010年3月に発表以降も積極的なライブ活動を続けてきたところから、3年ぶりに放たれた前作『THE BEAST EP』を超える衝撃がここにはある。極太の芯を持っていることを容易に想像させるヘヴィ&ハードなサウンドは、聴くものをただ圧倒するだけではない。その強靭なグルーヴは体幹を揺さぶり、有無を言わさず踊らせる。スクリームやシャウトだけではなく、時に美しいメロディをも描き出すボーカルはフロアにシンガロングやコール&レスポンスを自然発生させるだろう。A Day To RememberやThe Ghost Insideを手がけるAndrew Wadeをミックス/マスタリングに迎え、かつてないほどにエグく最強の音塊と化した今作。セルフタイトルが示すとおりバンドにとって1つの集大成でもあり、新たなマスターピースとなる作品が今沸き返るラウドロック・シーンのど真ん中へ容赦なく突き刺さっていく。

●2010年に1stフルアルバム『DECADENCE』を出してから、去年3月に『THE BEAST EP』をリリースするまでに3年ほど空いたわけですが、その間も活動が止まっていたわけではない?

TJ:とりあえず、ライブばかりしていましたね。淡々とツアーを続けているような感じでした。

Ikepy:自分たちでは行き詰っているとは思っていなかったんですけど、周りからはそう見えたかもしれないですね。

●単にリリースがないというだけで、活動自体は普通に進んでいたと。

TJ:そんなに重くは考えていなかったですね。(リリースがなかったのは)単純に、ケツを叩いてくれる人が周りにあまりいなかったというのがあって。

●そういう意味で、2012年にTRIPLE VISIONに移籍したことは大きかったわけですね。

Ikepy:そこまでは、自分たち自身も“音源を作ろう”という意識になっていなかったと思うんですよ。TRIPLE VISIONに移籍してから“新しい音源を作ろうか”という流れになって、やっと作れたのが前作『THE BEAST EP』(2013年3月)だったんです。

TJ:でも『THE BEAST EP』を出してからまた期間が空いてしまったので、ちょっともったいないことをしたなっていう反省はあります。

●そこから今回の2ndフルアルバム『HER NAME IN BLOOD』まで、1年以上空いたわけですからね。

TJ:でも今回は、本当にみんなで楽しく曲を作っている感じだったんですよ。今までの作品ではギリギリの曲数だったんですけど、今回はアルバムに入りきらないくらい曲があったんです。そういうところで、曲作りの面でも成長しているなっていうのは実感しましたね。

●結成からここまでの間で、音楽的な方向性にも変化があったんでしょうか?

Ikepy:結構、変わったと思います。よりシンプルになったというか、曲自体も短くなったんです。その中でも自分たちの個性を出して、より上手い形にまとめるっていう方向に変わっていきましたね。

TJ:あと、ライブを意識して曲を作るようになりました。みんなと一緒に盛り上がれるパートを作ったりして。そこが大きく変化したところですね。

●HER NAME IN BLOODの音からはハードロックやメタルの匂いも感じられるんですが、そういったジャンルも通ってきている?

TJ:ハードロックの要素が強いのは、G.Daikiがそういう音楽が大好きだからですね。メンバーはみんな音楽オタクなので、何でも聴くんです。今回はみんなが好きなものをまとめたという感じなんですよ。自分たちがやりたいことをやった結果、上手くオリジナリティも出せていると思います。

●ちなみに、お2人のルーツになっている音楽とは?

TJ:僕は中学校の頃にまずニューメタル(Nu Metal)から聴き始めたんですよ。今はKillswitch Engageとかが大好きでよく聴いています。

Ikepy:僕もメタルから入ったので、メタリカやパンテラがルーツにはあります。僕やDaikiは特に、そのあたりが好きですね。

●すごくストイックさを感じさせる本格派のサウンドでありながら、どこか聴きやすさもあるのがHER NAME IN BLOODの特徴かなと思いました。

Ikepy:そこは“お客さんと楽しみを共有したい”っていう部分が大きいですね。ただ自分たちのためにだけに音を鳴らすというよりも、みんなで楽しみたいなっていう気持ちの方が強いんです。ライブをやり続けてきた経験からそうなってきたので、エンターテインメント性も大事にしていて。

TJ:やっぱり、観ている人に“楽しい”と思わせたいというのはありますね。あと、僕らは怖い人だと勘違いされることが多いので、そういう部分も見せられたらなっていう。

●確かに一見、見た目は怖そうですよね(笑)。

Ikepy:でもメンバーに不良がいるわけでもないし、誰も怖い人はいないですから(笑)。そこは隠さず、フレンドリーさを出していけたらなと。

●そう言っているIkepyが特に、鍛えあげられた肉体から放つ凄まじい威圧感が…。

Ikepy:そこはとことん追求したいですね。

●Ikepyは筋トレが趣味なんですよね。

Ikepy:昔からやっています。でも部活ではたいして体を動かしていなかったので、本当に個人的にやっているという感じで。

●部活は何をやっていたんですか?

Ikepy:部活は…、卓球をやっていました(笑)。

●卓球って、全然イメージに合わないですね(笑)。

TJ:Ikepyと僕は2人とも卓球部なんですよ。2人で一緒にやったことはないんですけどね。でも、こんなIkepyが卓球をやっている姿って想像できないですよね…(笑)。

●Ikepyが全力で打った瞬間、ピンポン球が破裂しそうな想像はできます(笑)。

一同:ハハハ(笑)。

●そんなIkepyのイメージを前面に押し出したのが、『THE BEAST EP』のジャケットだったのかなと。

Ikepy:そうですね。作品としても、ストレートで強い曲が多かったから。

TJ:「顔のジャケットって印象が強いよね」ということを、みんなで話していて。そこで「だったら、Ikepy1人で良いんじゃない?」となって、すぐに決まりました(笑)。

●なぜ『THE BEAST EP』のタイミングからだったんですか?

TJ:ちょうどその頃から、Ikepyのガタイが大きくなってきたんですよ。

Ikepy:昔より20キロくらい重くなりました。

●それは意識的にイメージを変えたんですか?

Ikepy:あんまり意識はしていないんですけど、気付いたら筋肉が付いていました(笑)。元から筋肉はあるほうだったんですけど、さらにそこから筋肉が付いていったという感じですね。

TJ:急にプロテインを買い始めたり、ツアーに鉄アレイを持ってきたりするようになって。“これは筋トレをやりに来ているな?”って思いました(笑)。

●サウンド的にも、力強さが増していった?

TJ:『DECADENCE』と比べるとIkepyの声がすごく成長しているので、彼の“BEAST”感をもっと出していこうかなって。

●ボーカルの進化が大きかったわけですね。

Ikepy:声の出し方自体が、今とは全然違うんです。そこは意識して変えていったものが、上手くまとまっていったという感じですね。

●意識的に歌い方を変えていった。

Ikepy:もっと自分の声自体のクオリティを上げるため、というのが一番大きいですね。

●Ikepyはシャウトやスクリームだけでなく、メロディアスな歌も特徴的ですよね。

Ikepy:そこはもっと頑張りたいなと思っていますね。

TJ:Ikepyは歌が上手いんですよ。普段から何を聴いてるのか訊いてみると、ビヨンセやブルーノ・マーズの名前が挙がるんです。バンドよりもR&B系のボーカルを意識して聴いていたりするところも、やっぱりボーカリストとしてすごいなと。

●日常ではそういう曲を歌ったりするんですか?

TJ:前にカラオケでニッケルバックを歌っているのを聴いたら、上手くてビックリしました。玉置浩二とかも好きだし、そういう歌も上手いですね。あと、Ikepyはヒップホップも好きなんですよ。ツアー中に車で「これヤベェよ!」って、いきなりキングギドラの曲をかけたりもして。昔はラッパーを目指していたらしいです(笑)。

Ikepy:それは中学生くらいの時の話で、本格的に目指していたわけじゃないんですけどね…。

●そんな過去もあったんだ(笑)。キャラやルックスも含めて、Ikepyがバンドの顔になっている気がします。

TJ:「あのイカついボーカルがいるバンド」みたいな感じで、顔になりますよね。でも実は動物が大好きで、犬にすごく優しかったりするんですよ。

●ハハハ(笑)。

TJ:初めてIkepyの家に行った時、僕らが見たことのないような優しい表情でIkepyが犬をなでまわしていて…。ツアー先でも1人で犬に餌をあげていたりして、他のメンバーもビックリしていましたね。Ikepyには動物たちが自然と近寄ってくるんですよ。しかも手懐けているし、ビックリします(笑)。

●そんな心優しいIkepyですが(笑)、歌詞は怒りを感じる激しい内容が多いですよね?

Ikepy:基本的に、僕は曲を聴いて歌詞を考えるんです。やっぱり曲自体がパワフルで激しい曲が多いので、メタル・ハードコア的な力強いメッセージを掲げていきたいなと思っていて。それでこういうテイストの歌詞になりましたね。

●モロに伝統的なメタル・ハードコアといったイメージの歌詞になっているのが面白いなと。

Ikepy:そういう歌詞が好きなんです。

TJ:あとイメージカラーを意識しているみたいです。僕が作った曲について、「この曲は何色のイメージなの?」と訊かれたりもして。

Ikepy:「どういうイメージなの?」と訊いても、答えは何も返ってこないですけどね(笑)。

●返ってこないんだ(笑)。

TJ:自分で作っていても、わからないんです(笑)。Ikepyは必ず曲を聴いてからイメージして、歌詞を書いていて。だから、歌詞を書き貯めたりはあまりしないみたいです。

Ikepy:今のところはそのスタイルで書いていますね。

●M-1「Here We Come」の“長い間待たせたな(I made you wait so long)”というのは、4年ぶりのアルバムリリースへの想いも込めている?

Ikepy:そういう意味合いは大きいですね。

●この曲の“ダセえお遊びはもう終わりだぜ(Just cut all of your spineless bullshit!)”という歌詞は、具体的な何かに対する言葉なんですか?

Ikepy:具体的なものはないんですけど、力強いdisのメッセージを書きたいなと思って。人それぞれの色んなものに置き換えてもらって構わないんですよ。だから、これといって何かに特定はしていないですね。

●M-5「Impulses Within」の歌詞は風刺的なものを感じますが。

Ikepy:これは善と悪の二面性について書いたものですね。…というか、ほとんど悪の方ですけど(笑)。一番ブルータルな曲だったので、ブルータルなことを書きたくなったんだと思います。

●そこはやはり曲調を反映した歌詞になっていると。バラード的なM-10「If I Melt Away」はちょっと異色な気がしました。

TJ:これは僕とDaikiで作った曲ですね。バラードっぽいものが1曲でも入ると、作品全体としても映えるかなって。あとはそういう曲が今までなかったので、挑戦という意味合いもありました。

●フルアルバムだからこそ見せられる振り幅というか。

TJ:そうですね。あとはライブを想定して作っていたので、長いセットリストで今後やることになった時にそういう曲があると映えるかなっていうのもあって。今回はIkepyがメロディ(を歌うこと)に挑戦しているから、それをバラードに活かせるだろうなというのもありました。

●M-6「All That Living Inside Our Head」のハードロックっぽいコーラスワークも、ライブを想定して作ったのでは?

TJ:お客さんとみんなで楽しもうっていう曲をイメージして作りました。あと今回はすごくテクニカルな部分もあるんですけど、自分たち自身が楽しむことも重視してやっているんですよ。

●テクニカルな部分というのは?

Ikepy:特に弦楽器の3人はライブでの動き方も考えながら、曲を作ったりしたんです。

TJ:今回はグルーヴ押しの曲調がいっぱいあるので、ライブ中にみんなで同時に動きを止めたりするのも考えていて。ユニゾンするパートに合わせて動いたらカッコ良いだろうなということで、そこも意識して作りました。ライブでの見せ場はすごく意識して作っています。

●ライブ活動に専念していた時期があったからこそ生まれた曲たちというか。収録曲は新しいものが多いんでしょうか?

TJ:曲作りは去年の9月〜10月くらいだったかな。

Ikepy:その頃から本格的に作り始めたものなので、ほとんどが新しい曲ですね。

●他にもストックはある中で、あえて新しい曲を選んだりもした?

Ikepy:新しくできた曲のほうが良いなと思ったし、そっちの方が(作業も)スムーズに行ったんですよ。

TJ:これ以外にも何曲かあったんですけど、そういうものはアルバムに入れなかったですね。Ba.Makotoなんて、(真面目に作った曲よりも)遊びで作った曲のほうが選ばれちゃいましたからね。みんなと笑いを共有するために作った曲が入っちゃいました(笑)。

●それはどういった曲?

TJ:「Here We Come」やM-3「Zero(Fucked up world)」、M-9「Void」もそうですね。『DECADENCE』の頃から遊び心はあったんですけど、『THE BEAST EP』ではあえて正統派のことをやるという感じだったんですよ。今回は1stを思い出して、遊び心がある曲も良い感じにミックスさせました。

Ikepy:それぞれの良いところを出せたなと思います。

●今作はバンドにとって、1つの集大成的な作品でもあるのでは?

TJ:だからセルフタイトルにしたし、自信作ですからね。

●セルフタイトルにするというのは全員で決めた?

Ikepy:タイトルはなかなか思い浮かばなかったんですけど、Daikiが「セルフタイトルが良いんじゃない?」と言ったんですよ。みんな「そうしよう」となったので、それに決まって。

TJ:今回はみんなで作ったアルバムなので、集大成としてセルフタイトルが良いんじゃないかなと。

●集大成でもあり、まだ進化の過程でもあるわけですよね?

Ikepy:集大成でもあり、スタートですね。セルフタイトルなので、新しい名刺代わりみたいなものなんです。

●その作品を持って、5月からはリリースツアーが始まります。

TJ:ライブを意識して曲を作ったので、みんなと楽しむ空間を共有したいなと思ってます。コール&レスポンスもしたいので、音源をいっぱい聴きこんで来てほしいですね。

Ikepy:聴きこんで来てくれたら、絶対に楽しいと思うんですよ。今は何よりも、みんなと一緒にライブで楽しみたいです。

Interview:IMAI
Assistant:馬渡司

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