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忘れらんねえよ

初期衝動を取り戻すためにもがき続ける童貞の叫び 表紙 & 2ヶ月連続大特集第1弾 Vo./G.柴田隆浩ソロインタビュー

PHOTO_忘れらんねえよ01忘れらんねえよが1stシングル『CからはじまるABC』をリリースする以前、約3年近く前に彼らのライブを初めて観たときの衝撃(とライブ後にレーベルのスタッフから「ヴォーカルが30歳童貞のバンドです」とメンバーを紹介されたときの衝撃)は、未だに強く胸に残り続けている。2011年の鮮烈なCDデビュー以後、音楽シーンに名を馳せ、目覚ましいスピードでファンを獲得してきた前代未聞のクソバンド・忘れらんねえよ。2013年10月に2ndアルバム『空を見上げても空しかねえよ』をリリースし、レコ発ツアーを満員の恵比寿LIQUIDROOMワンマンで見事締め括った彼らは、バンドを取り巻く状況にまったく安堵することなく、常に何かに怯えながら眠れない日々を過ごしているという。JUNGLE☆LIFE初インタビューとなる今回は2ヶ月連続で彼らに迫り、デビューから現在までの心境と、6/11にリリースを控える最新作・メジャー1st両A面ミニアルバム『あの娘のメルアド予想する』について訊きまくる。

その1:柴田、秒速で1億稼ぐ男から影響を受ける。

「いまの俺たちは階段の踊り場に居ると思っていて。次の新しい一歩を踏み出さなきゃいけないっていう。そういう意味での危機感がすごくある」

●CDデビュー前からライブを観させていただいているんですけど、いまのバンドを取り巻く状況はすごくいいですよね。飛ぶ鳥を落とす勢いというか。

柴田:それがね〜。

●あれ?

柴田:まだまだですよ。自分自身では全然飛ぶ鳥を落とす勢いを感じてないですし、あと何が嫌かっていうと、いいバンドがどんどん出てきているじゃないですか。キュウソネコカミとか。

●どんどん出てきてますね。

柴田:あれ、やめてほしいんですよね。ここ最近はすごく思うんですけど、そういうことにめっちゃ危機感を感じていて。ヤバいと。

●ハハハ(笑)。

柴田:俺、キュウソネコカミは超好きなんですけど、やっぱりいいんですよね。音楽もいいし、人もいいし、闘っている姿勢とかもすげぇ学ぶべきところが多くて。

●ああ〜。

柴田:トライしまくってるもん。自分たちを固定しようとしていないというか。俺は最近、すごくそこを意識しているんです。どんどん変わっていかないといけないし、リスクを背負わないといけない。新しい人たちがガンガン出てきてるから、「忘れらんねえよキテるぜ!」とかマジで1mmも思わない。不安で眠れないですもん。

●眠れないんですか。

柴田:オリコンのデイリーチャートのページを携帯でブックマークしてるんですけど…

●わっ! キモい!

柴田:そのページをチェックして「うわ! ゲスの極み乙女。すごい順位! やめろー!」とか1人で言ってます。

●自分の順位を見るんじゃないのか…。

柴田:先輩も後輩もそうですけど、近しいバンドの順位を見て、基本的に落ち込んでる。

●ものすごい嫉妬心ですね。

柴田:嫉妬がいちばんデカいです。「くっそー!」って胃が痛くなるんです。嫉妬と危機感。いまね、そこに夢中になってます。

●もっと自分のバンドのこと考えろ(笑)。

柴田:重症です。

●でも規模もどんどん大きくなってきているじゃないですか。結成当初は、いまの状況は予想していたんですか?

柴田:いや、全然。俺、もともとは大学時代に女殺団(にょさつだん)っていうバンドをやっていたんですよ。俺はサイドギターで歌も歌ってなかったし曲も作ってなくて、全然人気がなくて。それで就職して、おもろくなかったからバンドも辞めて6年くらい営業をやっていたんです。でも28歳くらいのときに…これはネタじゃなくてガチなんですけど…たまたまチャットモンチーさんのライブ動画を観てマジで泣いちゃって。すっっっげぇかっこよかったんですよね。「俺、なにやってるんだろう!」って。「こういう人たちみたいになりたかったのに、そこから逃げてなにやりたくもないことやってるんだろう!」って。それで忘れらんねえよを始めたんですけど、そのときはここまでバンドが人生のメインになるとは思わなかったし、オリコンデイリーチャートを毎日チェックして胃が痛くなってるとは思っていなかったですね。気づいたらここに来てしまった。

●なるほど。

柴田:いまの俺たちは階段の踊り場に居ると思っていて。次の新しい一歩を踏み出さなきゃいけないっていう。そういう意味での危機感がすごくあるし、だからこそ胃が痛くなるんです。

●病気ですね。

柴田:嫉妬はもちろんデカいんですけど、それとは別に「世の中に広がっていくものは何なんだろう?」ということにすごく興味があるんです。そういう意味で、賛否のあるものってやっぱり広がっていくと思っていて。全然音楽とは関係ないですけど、与沢翼って居るじゃないですか。

●「秒速で1億稼ぐ」とか言ってる人ですね。

柴田:そうそう! あの人ヤバいじゃないですか(笑)。でもみんな知ってるもん。なぜなら賛否が出ることをやっているからだと思うんです。あと、自分の彼女をきわどい服装させてブログで紹介したりしていて。すげぇなって思うんですよね。

●方法は別にして、すごいことはすごいですね。

柴田:あの人が言っていたことで衝撃的だったのが、「100の常識的な行動よりも1の非常識な行動」という言葉で。「なるほど!」と思ったんです。要するに、忘れらんねえよは与沢翼に影響を受けたロックバンドです(※編集部注:奇しくもこのインタビューの数日後、与沢翼が「資金が完全にショートした」と発表)。

●アハハハハハ(笑)。

柴田:俺、自分の音楽を無視されるのがとにかく嫌なんですよ。2ndアルバム『空を見上げても空しかねえよ』で俺がいいと思うメロディとか言葉やサウンドだけに集中して、いまでも本当にいい作品になったと思っているんですけど、ぶっちゃけ踊り場から出ていくほどの反響はなかったんです。それがもうすんんんんんんげぇ悔しくて。更に、年下のバンドがズバーン! と人気が出ちゃったりして…あ、これはまたキュウソネコカミのことなんですけど。

●キュウソネコカミ好きだな(笑)。

柴田:悔しくて、「どうやったら自分の音楽を世間に通せるのかな?」みたいなことを考えたとき、人気を集めているバンドは音楽がいいことがもちろん基本にあるんですけど、意識しているかどうかは別にして話題を作っているんですよね。俺も、そこまでやり切ろうと思って。

●なるほど。

柴田:作っている音楽は絶対にかっこいいから、聴いてもらう手段を増やすことに苦労を惜しまない。

●その前提が大切ですよね。話題だけを先行させるのではなく、まず音楽に対して誠実であることが絶対条件。

柴田:いままでの俺だったら、賛否が出ることに対して恐れていた部分もあったんです。「思っている本音を言っちゃったらひかれるかな?」とか。でもそれって、純粋か純粋じゃないかって考えたら、本当の自分を隠しているわけだから純粋じゃないじゃないですか。だからいまは、ストッパーを外してもいいと思っている。賛否が出ることって、要するに振り切っている表現だから「いい」と思う人も居れば「好きじゃない」と思う人も居るということで。だから振り切った表現をするということに対して恐れずにいこうと。

その2:柴田、「スッキリしたいんです」と本音を漏らす。

「とにかく正当に評価されていないっていうことがスッキリしない…すごくどうしようもないことを言っている気がするけど(笑)」

●「悔しい」とか「嫉妬」とおっしゃっていましたが、そういうものを音楽から生々しく感じるバンドってすごく好きなんです。言ってみれば、負の感情を原動力にしている表現というか。

柴田:はい。

●僕は忘れらんねえよをデビュー前から観ていますけど、負の感情を原動力にして闘っている姿がすごく好きなんですよね。だから反面、不安もあって。「このバンドは幸せになっちゃったら続かなくなるのかな?」と。

柴田:あ、それは俺も心配でした。「バンドが上手くいったら歌うこと無くなっちゃうのかな?」って。でも実際2年間やってきて、全然上手くいかないから歌うこといっぱいあるんですよね。

●ハハハ(笑)。そういう心配をいちばん感じたのは、実は去年のワンマンツアー“バンドワゴン”のファイナル、12/13の恵比寿LIQUIDROOMだったんです。

柴田:あ、鋭い。実はライブのやり方を今年に入ってからかなり変えたんですよ。俺、恵比寿LIQUIDROOMのときはちょっと「熱いことを言わなきゃいけない」と思っていたんですよね。あのときの俺はクソです。

●あの日のライブはお客さんの愛に溢れていてすごくピースな雰囲気でしたよね。でも柴田さんを見ていて気づいたんですけど、柴田さんはMCでちょっとがんばったり背伸びしたことを言おうとしたとき、髪の毛を触るというクセがあって。LIQUIDROOMのMCのときはめちゃくちゃ触っていたんです。

柴田:わ! マジですか! 確かに言われてみれば、クセで髪の毛を触っちゃうかもしれないですね。MCとかで「言うこと思いつかねぇな」と思ったときとか、何かのモードに入ろうとしたときにやっているかもしれない。

●最近観たライブでは全然髪の毛を触ってなかったから安心したんですけど。

柴田:当時はそれが正しいと思ってやっていたから間違いだとは思わないですけど、でもいまはああいうライブは絶対にやんない。いい意味でヤケクソになりたいんですよね。

●でもツアーファイナルのワンマンだから、お客さんの愛が溢れるライブになるのは当然だと思うんです。それでピースな雰囲気になるのも当然のことだと思うし。でも、もしかしたら恵比寿LIQUIDROOMのモードのままでいってたら、僕の好きな刺々しい忘れらんねえよではなくなっていたのかなって。

柴田:でもね、あのときのライブはいまから考えたらおもしろくないんですよ。

●ライブレポで「いいライブだった」と書いたので、そこまで否定されたら困るんですけど…。

柴田:ハハハ(笑)。でもやっぱりおもしろくないライブでした。スタッフとかも内心感じていたと思います。その頃にキュウソネコカミのライブを観て、思いました。キュウソネコカミは常にリスクを背負って闘っていると思うんです。その姿勢が理想っていうか、俺がやりたいと思う表現と近いというか。

●キュウソネコカミの名前よく出てくるな。

柴田:それに、キュウソネコカミのライブは単純に楽しいんですよ。ヤケクソで後先考えてない。その良さっていうか。それがLIQUIDROOMのときはかなり失っていたと思います。だからその反動で、いまはかなりライブのモードが変わってきて、だいぶ理想に近くなってきたという実感があるんです。

●ハートが弱いんですか?

柴田:弱い! なんかね、俺はホームが苦手なんです。嘘くさくなっちゃう。ギャグ言って笑いが起きても「本当はおもしろくないんじゃないか?」って思っちゃうんです。アウェイで笑いが取れたら絶対にウケたと思えるし、それでテンションが上がってアドレナリンが出るんです。

●ドMか。

柴田:ドMです(笑)。いまは、常に闘っているバンドでありたいと思っています。そっちの方が世の中に刺さっていくんじゃないかなって思ってます。

●ところで、さっき「自分の音楽を無視されるのがとにかく嫌だ」と言っていたじゃないですか。その行き着く先には何があるんですか?

柴田:もちろん武道館でやりたいとか思ってるし、Mステに出たいとかもあるんですけど、まずはスッキリしたんです。

●スッキリ? 射精したいんですか?

柴田:もちろん射精してスッキリしたいんですけど、毎日オナニーしているからそこはとりあえず大丈夫なんです。なんて言うのかな…自己評価があるんですよね、自分たちの才能に対する。

●はい。

柴田:そこがまったく正当に評価されていない感じがするんです。それがいちばん気に入らない。一方で、それを世間に通せてない俺の責任だし、通し方が悪いっていうことなんですけど、でもその状況がマジでイライラするし、モヤモヤするんです。だからオリコンで仲良いバンドが10位とかに入ったらマジで悔しいし、すごく羨ましいって思うんです。羨ましいと思いながら、「俺はこのままだったらヤバいかもしれない」と思う。それがスッキリしないんですよね。とにかく正当に評価されていないっていうことがスッキリしない…すごくどうしようもないことを言っている気がするけど(笑)。

●売れないバンドが酒を飲みながら愚痴ってる感じですね(笑)。

柴田:でも実際に思ってる。すげぇ思ってる。Twitterのフォロワーも5万人くらいいけよって思ってる。

●いまは何人なんですか?

柴田:いまは1万8千です。

●即答した。

柴田:しかもちょくちょく後輩のバンドに抜かれたりしていて。1日でガクンと減ったりしますからね。俺のフォロワーが2人減っただけでも落ち込むし。もっと言うと、2〜3ヶ月前まではゲスの極み乙女。よりも俺のフォロワーの方が多かったんですよ。でもいまは怖くて見れない。確認できない。

●病気か(笑)。

柴田:これはやっぱり性格だと思うんです。人生の95%をバンドに注いでいるので、それがすごく発露しているというか。

●でもそういうエネルギーは、忘れらんねえよというバンドですごくいい方向に作用していますよね。

柴田:そうですね。そこが表現になってくれているからなんとかなってます。普段の生活の中で思ったことをぶちまけるというか。

その3:柴田、オナニーしているときはくしゃみが出る。

「1から100まですべて筋が通っている人なんて絶対に居ないし、だったらもうさらけ出しちゃえって。ヤケクソってそういうことだと思う」

●忘れらんねえよは歌詞の背景とかバックボーンが注目されがちですけど、それ以前にメロディの普遍的なキャッチーさが重要な役割を占めていると感じるんです。一度聴いたら忘れられない要素がどの曲にもある。そういうところにバンドの美学を感じるんですよね。「クソバンドです!」と言っておいて、実はその裏には美学があるというか。

柴田:おっしゃるとおりですね。それがたぶん俺らのやるべき表現方法だと思っているんです。逆に言うと俺らは、パッと見てイロモノだと感じさせるような部分を取っちゃったらダメなんですよ。

●お、なるほど。

柴田:エグい要素は絶対に入れないと俺ららしくないんだなって。それはいままでの2年間で学びました。

●例えばライブで既に披露している「体内ラブ〜大腸の小腸の恋〜」という新曲があるじゃないですか。この曲を初めてライブで聴いたとき、まさにタイトル通り大腸と小腸のことを歌っていて「こいつらひどいことを歌ってるな…」と思ったんです。思ったんですけど、でもサビのメロディとかメッセージがすごく突き刺さってきて、不覚にもジーンとしてしまったんです。それはなぜか? と考えたんですけど、いわゆるJ-POPとかではよく“絆”をステレオタイプ的に歌った曲がありますけど、実は「体内ラブ」は“絆”を忘れらんねえよなりにリアルな言葉で歌った曲なんですよね。

柴田:あ、ホントだ。

●自覚なかったんかい!

柴田:アハハハ(笑)。言われてみればそうですね。自分ではクソな曲だという認識なんです。「なに言ってんだよ!」って曲じゃないですか。でも、曲の最後で“足りないな”と繰り返し歌っているところとか、歌っていて泣きそうになったりするから気に入っていて。さっき「“絆”を歌っている」と言われて「あ、ホントだ」と初めて気づいたように、俺はしっちゃかめっちゃかなんだと思う。

●破綻してる。

柴田:でもそれでいいんじゃないかなって。それも俺らのリアルだと思うんです。1から100まですべて筋が通っている人なんて絶対に居ないし、だったらもうさらけ出しちゃえって。ヤケクソってそういうことだと思うし。つじつまが合っていないところはたくさんあるんじゃないかな。

●それは、忘れらんねえよなりのつじつまが合っていると思うんです。だからリアルな表現だと感じる。

柴田:それが俺らにしか出せない味に繋がっているんじゃないかな。

●さっき「歌っていて泣きそうになる」とおっしゃいましたけど、その哀愁感みたいなものもバンドの個性ですよね。

柴田:ああ〜、でも哀愁は狙って書いているわけじゃないんです。6月にリリースする両A面ミニアルバム『あの娘のメルアド予想する』は、「これおもしろそうだな」とか「これは嘘がないな」とか思いながらバーッと書いた感じの曲が多いですね。確かに聴いてもらった人から「哀愁がある」と言われることは多いですけど、自分では「ああ、そうなんだ」という感覚というか。

●そうなのか。

柴田:梅津くんと話してて「これおもしろくない?」みたいな会話からスタートすることが多いですね。でも録り終わって聴いてみたら「あれ? これ感動するな」と自分自身感じたり。きっと、俺自身の置かれている状況が哀愁感ただよっている感じだからなんじゃないですかね。決して幸せじゃないっていうか、いつも「なんだかな〜」と思ってるのが曲に出ているんじゃないかな。

●なるほどね。メロディはどうやって作っているんですか?

柴田:なんかスカッと出てくるんですよね。言葉よりも先にメロディを作るんですけど、なんの関係もないときに出てきます。階段を登っているときとか、うんこしているときとか。あ! うんこしているときに出ますよ。

●うんこじゃなくてメロディが出る?

柴田:うんこも出ます。おしっこも一緒に出ます。

●おしっこも一緒に出ますよね。あれちょっと恥ずかしいけど。

柴田:あと、オナニーするときってくしゃみ出ません?

●いや〜、出ないです。オナニーした後にくしゃみしたら残ってたのがちょっと出ますけど…。

柴田:ちょっと! 下ネタはやめてください!

●あ、すみません。

柴田:メロディは全然困らないんですよ。むしろ得意ですね。ここ最近は言葉で苦しむというか、歌詞を書くのが嫌だなって思ってます。

●嫌なのか。

柴田:メロディは「これが正解だ!」って言い切れるんです。別の人からしたら「こうした方がいい」とかあるかもしれないけど、俺の中では究極の形だと思えるんです。全然悩まない。

●忘れらんねえよのメロディは普遍的で王道なものが多いですよね。

柴田:そうそう。みんなが鼻歌で歌えるもの。でも言葉がしんどいんですよね〜。どうしたもんかな〜。

●結構ろくでもない言葉使ってますけどね。

柴田:曲にもよるんですけどね。「体内ラブ~大腸の小腸の恋~」とかは5分くらいで書いたんですけど。出したものに対して“まだあるんじゃないか?”と迷いが出てきたらもうダメなんです。ドツボにはまる。

●迷いが出てきたらダメ…精神的に弱い。

柴田:そう! 弱いんです! 加えて、さっき言ったようにバンドが危機的状況だと思っているからこそ、なおさら迷ってしまう。ちょうどいまは、必死で初期衝動を取り戻そうと思っているのかもしれないです。

●ああ〜、なるほど。

柴田:だって初期衝動がなぜいいかって、いまの俺みたいなストッパーが一切ないんですよ。なぜなら責任がないから。責任がないから自由に書けるし、「CからはじまるABC」なんてマジで意味わかんないけど、やっぱりみんな歌うもん。それをいま、なんとか理性の力で取り戻そうとしている闘い。それを出すときもめちゃくちゃ勇気が要るし。だからとにかく怖いです。すんげぇ怖い。

●怖いのか。かわいそうに…。

柴田:誰か助けてください! 俺を抱きしめてください!

interview:Takeshi.Yamanaka
Live Photo:岩佐篤樹

LIVE REPORT

忘れらんねえよ主催 “ツレ伝ツアー ~序章~”
2014/4/2@TSUTAYA O-WEST w/ フラワーカンパニーズ

PHOTO_忘れらんねえよ02

フラワーカンパニーズ先輩の熱いステージの後、AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」をバックに登場した3人。そのSEを遮ってVo./G.柴田が「SEXこんばんはー!」と3回繰り返して深遠なる静寂を作り出し、「AKB48です!!」と叫んだあと、たくさんの手拍子に包まれた「僕らチェンジザワールド」でライブがスタート。

忘れらんねえよのライブはデビュー前から観てきたが、常に攻め続け、タブーを超えた先にある禁断の果実を手に入れるかのようなステージングには更に磨きがかかってきた。昨年12月の恵比寿LIQUIDROOMでのツアー“バンドワゴン”ワンマン公演では、観客との一体感と温かい気持ちが溢れるステージで魅了したが、この日のライブはあの“人の温かさ”を忘れたかのように牙を剥く。客席からは3人に対する愛のある歓声が向けられていたが、ステージの3人は何か重要な体液を撒き散らすかのような極限のテンション。そしていきなり驚愕したのは新曲「体内ラブ」。“君は小腸 僕は大腸さつながってる/クソが通ると 僕らは一つさ つながってる”というあまりにも酷い歌詞がキャッチーなメロディに乗れば、会場がひとつになってノリノリで騒ぐという衝撃的な光景。

「改めましてこんばんわ! flumpoolです!」という挨拶の後、いつもの“おがっち”の初恋エピソードで会場を失笑させた後、気が狂ったように感情を振り絞って歌う「慶應ボーイになりたい」でなぜか胸を打たれ、毒を吐きまくる言葉と激烈POPなメロディが秀逸な新曲「タイトルコールを見てた」「運動ができない君へ」でなぜか興奮がMAXに。忘れらんねえよのすごいところは、どう考えてもバカバカしいことを歌っているにも関わらず、そこに込められた気持ちの純度が限りなく高いため、ライブを観ている者の心をぐいぐいと揺さぶってしまう強引さにある。突き抜けたステージは例え共感がなくても感動を呼ぶのだ。

フラカン先輩への感謝の気持ちを告げ、6月のミニアルバムリリースを発表したあと、「この街には君がいない」で3人は更にテンションをスパーク。Ba.梅津が叫び、観客が歓声をあげ、Dr.酒田がビシビシとリズムを刻む。アッパーなキラーチューン「ばかばっか」ではウォールオブデス(キュウソネコカミのパクリ)、そしてステージ前に殺到した客と一緒に「CからはじまるABC」を歌ったあとにグッドモーニングアメリカのBa.たなしんのパクリ(「1! 2! サンキューセックス!!」)をするという、他人のふんどしを自分のふんどしの如く使っての横綱的盛り上がり。本編最後は純粋で真っ直ぐな新曲「バンドやろうぜ」で締め括り、フラカン先輩と一緒に歌ったアンコール「忘れらんねえよ」で終演。

いつまでも童貞心を忘れずに攻め続ける忘れらんねえよのライブに観客は大満足。6月のミニアルバムを楽しみにしつつ、汗だくのままに会場を後にした。

TEXT:Takeshi.Yamanaka

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