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GEEKSTREEKS

喜怒哀楽の全てをさらけ出す異形のライブバンド

AP_GEEKSTREEKS2005年の結成以降、度重なる挫折を繰り返しながらもその全てを糧にして貪欲な進化を遂げてきたGEEKSTREEKS。昨年1月に初の全国流通盤となる1st ep『シリアスネバーランド』を発売後、精力的なライブ活動で支持を広げてきた彼らが遂に1stフルアルバムを完成させた。強力なバンドサウンドが放つ爆音の中でも、耳に突き刺さってくる歌と言葉は歪(いびつ)だがどこか優しく胸を打つ。喜怒哀楽を全てさらけ出すような異形のライブアクトと共に、今作が孕む強烈な中毒性は一度ハマると何もかも愛さずにはいられない魅力に満ち溢れている。

 

「人間って、本来は汚いものじゃないですか? “俺が見本を見せてやるから、おまえも全部出してみろよ”っていう感じですね」

●前作の1st ep『シリアスネバーランド』が初の全国流通盤でしたが、活動歴自体は長いんですよね?

河野:結成は2005年なんですけど、本格的な活動は2009年頃からなんですよ。最初の3年くらいは好きなことをやって、ただ遊んでいる感じでしたね。

●プロフィールには「2008年頃から本気を出し始める」とありますが、現メンバーになったのもその頃?

浅見:いや、その時点からいるオリジナルメンバーは1人(河野)だけですね。本気を出し始めてから1年くらい活動休止していたんですよ。

河野:3年くらいやった後に、1年休止して。当時のメンバーはイツエやfifiでも活動していたんですけど、俺は他に何もやっていなかったので「ヒマだな」と気付いたんですよ。だったらまたバンドをやろうと思って声をかけたら、他のバンドで活動しているメンバーは忙しいから無理だと…。そこで新しいメンバーを探すことにして、声をかけたのが浅見だったんです。

●この5人になったのはいつ頃なんですか?

浅見:ついこの間です。『シリアスネバーランド』の時とはリズム隊が変わっているんですよ。

●えっ、そんな最近のことなんですね。

浅見:実は今作のレコーディング中にも、メンバーが変わっているんですよ。プリプロは前のメンバーで録っているのでその音源は使えないし、ドラムとベースだけ差し替えたりもしているのですごく複雑な作業になって。大変だったけど、本当によくわからないものができあがったから良かったですね。

●よくわからないものって(笑)。確かにサウンドには、良い意味での違和感がある気がします。

浅見:違和感だったり、不可思議な感じがあるんですよね。(演奏上の)違和感については、あえて残している部分もあるんですよ。

金成:加入した当初はその違和感がすごく気になったけど、今はそこも受け入れて演奏しています。

中尾:僕は元々GEEKSTREEKSのファンで、よくライブも観に行っていたんですよ。そこで知っている曲が多かったので演奏できましたけど、何も知らずに加入していたら「何だ、これ?」ってなると思いますね。

●中尾くんは元々、ファンだったんですね。

中尾:コピーバンドもやったことがあります(笑)。

浅見:僕も自分でCDを買うくらいファンだったんです。だから(河野のことを)最初はすごく尊敬していたんですけど、実際に入ってみたらただの素行の悪いおじさんですからね(笑)。

河野:でも内心では、すごいと思っているんでしょ?

浅見:うん…。言葉選びはすごいと思う。

河野:あと、曲とかボーカルとかも…何かあるでしょ? みんな、俺をもっとほめて!

金成:………すごい人だと思います。

●無理やり言わされている感しかない(笑)。でも元々はみんなが河野くんをリスペクトしていたと。

浅見:今は「しょうがないなあ」という感じですけどね。

河野:「私がいないとダメなんでしょ?」って(笑)。

中尾:僕は加入してからまだ日も浅いので、今はまずここで下地を作ろうという感じで…。

●ここでプレイヤーとしての下地を作って、いずれはイツエやfifiのような他バンドへ巣立っていこうと…。

一同:ハハハハハ(爆笑)。

浅見:そんな専門学校的な場所じゃないですから(笑)。

中尾:卒業生が色んなバンドにいるっていう(笑)。というわけではなくて、楽器隊でまず下地を作るという意味です。…実はそっちの下地かもしれないけど(笑)。

河野:それ、笑えないやつだから! みんな真似するから、やめて下さい(笑)。メンタルが弱いんで…。

●意外とメンタルが弱いんですね(笑)。

浅見:弱いですね〜。

河野:人を傷つけるくせに、自分は超打たれ弱いんです。

●“悩みなさそうと言われる度「そうだね」と笑う奥の僕が「誰も分かってくれない」呟く”(M-9「ペドフィリアとネクロフィリアの議論」)という歌詞も、実は河野くん自身のことだったり…。

浅見:この歌詞そのまんまの人です。実際、暗い曲とかネガティブな曲のほうがすごく映えるんですよ。彼のそういうところが好きだし、逆に明るい姿は見たくない。気持ち悪くて、怖いところをどんどん増長させていきたいですね。

河野:そういう部分って、人間誰しもが持っていると思うんですよね。言い知れぬ不安というか。

●自分の弱さや醜さもそのまま歌詞に書いているのが、大きな魅力なのかなと。変にカッコつけた言葉で、飾った歌詞を書くわけじゃない。

河野:そういうのは無理なんですよ。だから、わかってもらえないとムカつくんです。前作に「エクスペリメント」という曲があるんですけど、その中に“サイゼでミラノしか頼まぬやつに否定される日々を越えて”という歌詞があって。それは「サイゼリアでミラノ風ドリア(299円)っていう安いメニューしか食わないようなケチくさい男に俺はずっと否定され続けてきたぞ」というメッセージ性があるわけですよ。でもTwitterで「河野さんの歌詞を見たら、サイゼリアでミラノ風ドリアが食べれなくなりました」とか「今、サイゼでミラノ風ドリア食ってま〜す」みたいなことを送ってくるやつがいるので…「バカか!?」と。

●ハハハ(笑)。言葉そのままで受け取るなと。

河野:「そういう意味で言っているんじゃねえんだよ。フザけんな!」っていう感じですよ。そういうバカみたいな解釈をされると、超イライラします。今回のM-3「東京ポータビリティー」もそうだと思うんですよ。“有りもせぬ夜に期待する不完全な君と ヨウツベで低評価押す人のしなくても良い感は類似してて”という歌詞があるんですけど…。

●YouTubeにこの曲のMVがあがっていたので、さっき低評価ボタンを押しておきました(※嘘)。

河野:何でだよ!?

一同:ハハハハハ(爆笑)。

河野:そういうことじゃなくて、「バンドマンに恋した女の子が“あの人と付き合ったらこういう夜を体験して…”みたいな想像をしているのは、YouTubeで低評価を押すようなやつと一緒で意味がないぞ」ということを言いたいんです。でも「これをやれば盛り上がるんだろ?」みたいな感じで低評価を押す、バカみたいなやつらがいるから…。「こんなにわかりやすく書いてやってるのに、おまえらは何を聞いているんだ?」と思いますね。

●本当に言いたいことが伝わっていない。

河野:たとえば、まだ付き合ってはいないけど両想いの2人がいたとしますよね? それでセックスするじゃないですか? で後日、女のほうが飲みの席だか女子会だかでこの話を友人に相談という名のノロケでしますよね? 人間って、この手の話を陰で友だちに対してする時「私、今両想いの人がいてとても幸せなの! で、こないだヤったんだけど〜」という感じでは言わなくて、「こないだあいつとヤった」って簡潔にしか言わないんですよ! それで中身のない情報ばかりが広まる。しかも自分だけ被害者ぶるでしょ? レイプでもされたかのように言うじゃないですか? いやいや!! そうじゃねぇだろ! と。俺が歌詞で伝えたいのは「両想いで愛し合った」っていうところなのに、「付き合ってもいないのにヤった」っていう事実しかみんなにわかってもらえない!!

浅見:たまに言葉選びが下手だよね。“上手すぎて、下手”な感じというか。面白いから、そうなっちゃう。

●面白いから言葉尻を捉えて、イジりたくなるんですよね(笑)。その結果、耳に残る言葉にもなっていて。言葉も音もすごく歪(いびつ)というか、曲にしても急に変な展開をしたりする。

河野:Aメロ〜Bメロ〜サビみたいな普通の展開が続くのはイヤなんです。俺自身が飽きちゃうから。

●そういうところも含めて、歪でトゲトゲしい部分がフックになっているのかなと。

河野:ただ、トゲトゲし過ぎて伝わらない時もあるんですよ。「東京ポータビリティー」で“下北系とか笑わせんなよ”という歌詞があるんですけど、あれもそのままの意味で言っているわけじゃなくて。たとえば4つ打ちが流行っているから4つ打ちをやるみたいな感じで、「みんながやっているからやっているような音楽が本物なのか?」と。「そんな下北系なんて最近できたような言葉にすがってバンドをやっているようじゃダメだよ」という意味で言っているのに、「河野さんって、下北系とか嫌いなんですか? 私はそういうのがすごく好きなので、ちょっと傷つきました」みたいなことを言ってくるやつがいて…「バカか!?」と。

●また怒った(笑)。

河野:俺だって、andymoriとかクリープハイプが好きだし、絶対におまえらより好きだよ! ナメんじゃねぇぞ! そんな聴き方をしているおまえがダメなんだよ! …ということをわかってもらいたい。

●引っ掛かりのある言葉を使っているからこそ、誤解も生みやすいんでしょうね。メンバーとも、歌詞について話し合ったりする?

河野:歌詞についてはあまり話さないですね。

浅見:歌詞に関しても言いたいことはありますけど、(河野は)ギターがあんまり弾けないから…。弾き語りで曲を聴かせてくれる時、どんなコードを弾いても6弦がずっと鳴っているんですよ(笑)。その不可解なコードを解析しながら曲を組み立てていくので、歌詞まで聞き取る余裕がない。

●でもそこでメンバーの解釈が加わることによって、GEEKSTREEKSらしい音楽になっているのでは?

河野:それがGEEKSTREEKSです! ありがとうございます!

浅見:代わりにまとめられちゃっているよ(笑)。

●アレンジは全員でやっているんですか?

浅見:最初に(河野から)イメージを出してもらうんですけど、ドラムについて彼はうるさいんですよ。だから歌とドラムだけでまず合わせて様子をみて、そこにイタズラ的な感じでアドリブを加えていったりします。この人(河野)は基本的に「速い」と「うるさい」しか言わないんです。それ以外の部分を作るのが、僕らの仕事ですね。

河野:だからメンバーには感謝しています。実際に俺1人じゃ、何もできないから。

●急に良い話が出ましたね。歌詞も本人はいたって真面目に書いているんだけど、言葉選びが面白いからイジられるっていう…。

河野:狙ってやっているのにイジられると、ムカつくんですよね。

浅見:本人はいたって真面目だから…、余計に面白いんですよ(笑)。

河野:いいかげんにしろ!

一同:ハハハハハ(爆笑)。

●メンバーも普段からイジっている?

浅見:加入した当初からイジりたかったんですけど、やっぱり先輩なので最初は様子を見ていたんですよ。ここ1年くらいで僕らもイジるようになりましたね(笑)。

河野:それは別に良いんですよ。変にかしこまられても困るし、1つ屋根の下であんな大きな音で一緒に演奏しているわけだから。

●ライブでの動きはかなり激しいですよね。

浅見:ライブは動物園みたいというか。四方八方駆けまわって、高いところに登りまくるは、血が出るは、客席にすぐ飛び込むは…って、よくわからない感じなんですよ。もはや事件ですもん。

河野:小ぎれいにまとまるのが嫌なんです。人間って、本来は汚いものじゃないですか? 「せっかくお金を払って観に来ているんだから、全部出していけよ」っていう。「俺が見本を見せてやるから、おまえも全部出してみろよ」っていう感じですね。

●メンバーもライブを楽しんでいる?

中尾:楽しいですね。僕はドラムセットに囲まれることでタガが外れて、ワケがわからなくなる感じで…。ずっと舌を出していたりとか、普段は見せない顔しかしていないと思います(笑)。

金成:集中するところは集中しているんですけど、やっぱり楽しくなっちゃいますね。

浅見:横を向いたら、お祭り騒ぎだからね(笑)。

河野:それが楽しいんだろうなって思います。「最初は大嫌いだった」とよく言われるんですよ。でも何かがキッカケでライブ動画を見ていて「あれ? これ良くない?」となって、ライブを観に来たら「めちゃくちゃカッコ良い!」となる。今いるお客さんの8割は、そういう人たちですね。

●今回は初のフルアルバムということで、これまでの集大成的な部分もあるのでは?

河野:集大成的なものになりましたね。だから、タイトルを『GEEKSTREEKS』にしたんです。

●でも“朝勃ち”という意味ですよね…。

河野:結成当初から「速くて、うるさいものをやるぜ!」という気持ちはあって、パンクがやりたかったんですよ。パンクといえば、男らしさなわけで。男らしくて強いものの象徴といえば…勃起しているチン★じゃないですか? 勃起しているチ★ポの中でも、より強いのが朝勃ちだと思うんです。あのバッキバキ感は、起きている時には出せないから。あのバッキバキ感を音で表現したくて、バンド名をGEEKSTREEKSにしたんです!

●要は“朝勃ち野郎ども”みたいな意味だと。

河野:そうですね。

浅見:俺たち、“朝勃ち野郎ども”だったんだ…。

一同:ハハハハハ(爆笑)。

Interview:IMAI

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