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howlsend

3人が届ける遠吠えの先に 見える、さまざまな景色

A_howlsend2011年に結成、2013年から現在のメンバー構成となり活動中のhowlsend。現体制になって1年半、自身初のミニアルバム『湾岸に架かる「A」』をリリースする。今作は、冒頭から情景が浮かんでくるような、ストーリー性のある1枚だ。聴いてくれる人に遠吠え(howl)を届け(send)その終わり(end)に何かを残したい…そんな彼らの作品に、ぜひ触れてみてほしい。

 

 

 

●howlsendはどのような経緯で結成されたんですか?

岩井:もともとそれぞれが違うバンドをやっていたんですけど、ちょうど前のバンドが解散したりというタイミングが重なって「じゃあ一緒にやるか」って感じで。みんな偶然にも同い年やったんで、いきなり遠慮もなしでズカズカ入ってくる感じでしたね(笑)。

高塚:ボーカルに対してズカズカ入ってくるドラムと面倒くさいベース、みたいな。

梅本:ちょ、最初にそんなん言うたら変なイメージ付いてまうやん!

一同:アハハハハ!

岩井:こういう感じで、ゆるゆるとやってきました(笑)。

●最初からすごくいい雰囲気ができていたんですね。

高塚:結成1ヶ月後には、もう1年くらいやっているような感じでしたからね。岩やん(岩井)っていう軸があって、その軸に対して想像以上にリズム隊2人が相性が良かったというか。簡単に言うと、俺らの中ではテーマが岩やんなんですよね。

梅本:軸っていうのは確立しているかなと思います。それを汲み取りつつ“俺やったらこう弾くな”っていう音を入れていく。やからこそ、迷子になることってないよな。

高塚:うん。ブレたり向きが変わったりすることもない。

岩井:まあ、その分僕が迷子になってるからね。

一同:アハハハハハ!

●たとえ梅本さんと高塚さんの読み取り方が違っても、根本は変わらないから何をやってもhowlsendの形になるんですね。

岩井:本当にそうなんですよね。僕が「ここはこうして」っていうのがほとんどないんです。

高塚:このメンバーになって1年半ですけど、その期間がすっげー濃いんですよ。「まだ1年半しか経ってへんの?」って言ってしまうくらい濃いですね。

●そう思える要因は何でしょうか?

梅本:何だかんだ言っても、お互いにお互いを“すごいな”って思えるし、それを感じられるっていうのがあると思います。

高塚:ツアー中って一緒に行動する時間が多いし、家族ぐらいに思えるようになったっていうのはデカい。

岩井:梅モン(梅本)の実家に行ったら、お母さんに「あ、岩井君や!」って言われましたからね。初対面なのに(笑)。

●お母さんも知ってらっしゃるんですか(笑)。幼なじみみたいですね。今作についてですが、M-3「蝉時雨」は前にデモをリリースされていましたけど、その他の曲はこのアルバムに向けて作られたんですか?

梅本:“アルバムを作るから作ろう”っていう感じではなかったですね。

高塚:やりたい曲を順番に作っていって、そのときの感情が順番に流れていっているんですよね。それがまとまった結果こうなりました。

岩井:期間も1年弱くらいで作っているし、考えていることってそんなに短期間では変わらないんで。歌詞も見てみると結構繋がっているから、一通り聴いたとき曲順も想いや気持ちの流れが結果的に表現できたかなと思います。

●全体を通してストーリー進行しているような作品だと感じたのですが、なにかモチーフがあったんですか?

岩井:僕がちょうど1年くらい前から静岡に暮らし始めたんですよ。でもバンドは続けたいから、ライブやスタジオ練習のために大阪まで車で行くんです。その中で見る風景をキッカケに曲を書き始めたというか。

●今の話はまさにM-2「白い魚」にあたる内容ですね。曲順はどうやって決められたんですか?

高塚:M-1「A」については、「今回はインストを入れたい」という話があって。アルバムの出だしから雰囲気がほしいというか、まず何かが始まるニュアンスをしっかり伝えたうえで1曲目に入ってもらう。そこから“この曲も入ってんの?”っていう曲で懐かしさを思い出してもらえたらと思って。

梅本:個人的にも、雰囲気はすごく大事にしていて。1曲の雰囲気はもちろん、アルバムを通しての雰囲気っていうのもありますね。

岩井:例えば僕が静岡から大阪に来るとき、見える景色はずっと同じではないんですよ。街の中を通ったり、海沿いの湾岸を通ったり、山沿いを通ったりして景色が変わるように、曲から見えるものもだんだん変わるかなって。

高塚:物語みたいな感じなんですよ。だから、今作はシャッフル再生はしないでほしい!

梅本:わかるわかる(笑)。通して聴いてほしいよな。

●確かに。このアルバムは不思議とシャッフルで聴いたり、曲単位で聴こうとはあまり思わなかったです。

岩井:振り返ってみると自分でも“あ、こんなこと思っていたんだな”っていうのがありますね。例えば、今回のリリースにあたって自分自身成長できたらなという思いもあったんで“大人ってなんだろう”というのを考えたんですよ。昔だったら“自立してしっかりしている人”っていうイメージだったんですけど、実際この歳になってみると、逆に素直であることじゃないかと思うようになったんですよね。そういう意味でM-4「殻」では“頭ではわかっているんだけど、気持ちはこうだよな”っていうズレを表現していたり。“大人にならなきゃな”と思っていた時期だったんでしょうね(笑)。

●本当に、そのときの気持ちが如実に出ていますね(笑)。こうやって作品が形になったわけですが、今の気持ちはどうですか?

高塚:今まで支えてくれているバンド仲間とか、いろんな人への感謝の気持ちを改めて感じましたね。それは忘れたらあかん。

梅本:やっぱりメンバーにはいちばん感謝したい。ひとりやったらできひんかったことやし、ふたりがおらんかったら周りの人も動いてくれへんかったやろし。

岩井:僕らが時間をかけて作ってきたものが、ようやく形として商品として扱ってもらえるんで。ここはあくまで通過点ですけど、この経験を自分の中に落とし込んで、さらに先に進めたらと思います。

Interview:森下恭子