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セックスマシーン

フライヤーアーシャセックスマシーンはキャリアの長いバンドだ。ガガガSPやメガマサヒデのレーベルメイトでも以前はあったので、いわゆる青春パンクシーンでも脚光を早い段階から浴びている。キャリア15年を越え、中堅ポジションに本来は入ってしまう中、彼らはド新人のような勢いと熱情でライブハウスシーンをかき回す。関西の名物イベンターである清水音泉とタッグを組み始めた近年は対バン相手も充実しており、このキャリアにして明らかに次のステージへ向かっている事が伝わってくる。そして、とにかくボーカルの森田がバンド業務をベースの日野に任せた事でライブも楽曲も、より伸びやかなものになっている。激しい曲と穏やかな曲といった緩急のつけ方が抜群に素晴らしい。そして、ずっと背中を見てきたガガガSP、後輩である四星球の大躍進、そんなライバルたちの存在も大きいようだ。シングル『文句はないな、野郎ども!』は、早速アルバムといった以降の動きが期待できる一歩となっている。

 

●毎回、セックスマシーンはモーリー(森田)発案での愉快な企画インタビューしか載ってないですよね(笑)。たまには真面目なインタビューをという事で、僕は呼んでもらったのですが、まずは、このメンバーになって何年になりますか?

日野「今年で5年目ですね」

森田「僕がやり始めてからは16年ですが、いまだに文化祭の時の衝動を忘れずに続けていますよね。何かをやりたいとなったら、そのために何をしたら良いのか調べてやっていく。曲作りにしてもアレンジにしても、そうですよね。新曲をメンバーに発表する時は、いつでも照れますけどね(笑)。まぁ、バンドを辞めようという話には恵まれなかったんですよ。だって、多分何をやっても突き詰めればしんどいですから。それにバンドマンって、就職に対して夢を見ていますから。就職すれば、世界が救われて解き放たれて幸福になれると信じていますから(笑)。結婚も辞めるタイミングになりますよね。抗うのって苦しいけど、達成感はありますから。小学校の時に極めて後悔する出来事があったんです。テスト中に先生が席をはずした時にみんなでカンニングしたら、バレたんですよ。それで、先生が『立て〜!!』と怒って、みんなの答案をビリビリに破いたら、僕ビビッてしまって立てなかったんです…。そういう悔いはもう残したくないし、後悔しないようにするにはやりたい事をやるしかない。前に高校時代からの友達のギターとドラムがいなくなった時も、その変化を楽しんでいましたから。で、次の方が、要は今のメンバーの方が感触よかったですし。まぁ、今度キーボードも抜けちゃうんですけど」

日野「5月1日に発表しました」

森田「リユニオンですね。脱退するのに、右肩上がり感しかないですよ。タイトさが増すし、パワーアップしますね」

●何にも動じていない感じが良いですね。日野君は、セクマシに加入した時のイメージってありましたか?

日野「大人との付き合いがヘタクソなバンドやなという印象でしたね(笑)」

森田「大人と関わった記憶がないですから(笑)」

日野「でもプラスな面としては、縛られる事なく自由にできるというのもありますから」

●関西では名物イベンターの清水音泉と近年組まれるようになり、出るライブの雰囲気も変わってきました。

森田「音泉さんからの視点を聞くと、全く自分らになかった視点で新鮮なんですよね。メインストリームのバンドが何を考えているかとか、考えたことなかったですし。まぁ、僕は10何年前という早い段階でコザック前田という人の強烈な個性に打ちのめされて…、彼にはなれないし、自分には何があんねん…と思ったんですね。だから、寄り道もあったし…。メインストリーム的なものに興味を持たずにいたのは、20代の走っている時は良かったんです。劣等感は、強烈なエネルギーになりますしね。ただ、最近は一花咲かしてないのに終わってたまるかという気持ちになってきて」

●やっぱり四星球が清水音泉と組んで、どんどん上がるステージが大きくなっていきましたよね。刺激というのは、確実にあったと思うんですが。

森田「それはありますよ。よく昔から、ライブを一緒にする事が多かったですから。より自分がやらないといけない事が強調して見えてきましたし」

日野「自主レーベルをやっている者同志ですし、U太さんからは同じマネージャーとして助言してもらう事もありました。良い刺激をもらいましたね。セックスマシーンのらしさ+αを常々考えていたんです。今まで森田さんが抱え込んでいた部分を僕がサポートする事によって、ボーカルとしての自由度が増して、良いライブが出来ていると思うんですよ」

森田「あんまり、僕はよくわかってないんですけどね。“SET YOU FREE”で出るようになったきっかけも、メガマサヒデが主催者の千葉さんに『森田君ひとりになったから、引っ張り出してあげて』と電話してくれたのがきっかけですし。めぐり合わせは、絶対にあるなと思いますね。清水音泉と絡むようになったのは、四星球がきっかけです。彼らが地元でオリジナル数曲しかなかった2000年ちょい過ぎから知っているんですが、ライバル心は凄いありますよ。四星球を観ていて思うのは、自分らがやるべき事は即興性を高めるという事ですね。シナリオのないリアルです。もうひとつは四星球とも共通していますが、クールにかっこつけずにホットな肉体性を持つこと。ホットであれば、完成形でなくてもいいとさえ思いますし。もっともっとできると思いますしね。劣等感を原動力にがんばるしかないですから」

●自分らでマネジメントして、大人とも組んで色々とやっていくのは充実感がありますよね。

日野「その分忙しくなりましたけど、遣り甲斐を凄い感じていますね」

●5月末に清水音泉のイベント“OTODAMA〜ヤングライオン編〜”に出演されましたね。若手バンドの登竜門的イベントに、セクマシが出たのは嬉しかったです。

森田「ヤングライオンは、若いお客さんが多かったですね。出演バンドでは前日に爆弾ジョニーのイベントにも呼んでもらいましたし、ボールズもめっちゃ良かったですよ。大体30歳を超えたバンドにライブハウスで会うと、『若いバンドに会わへんわ』と言われるんですけど、多分若いバンドと対バンやってないだけの話なんですよ」

日野「確かに、そうですね。去年、“OTODAMA”にSET YOU FREEテントで出してもらって、その後、後夜祭の“SUZUDAMA”と大晦日の“KINDAMA”とDAMAシリーズコンプリートさせてもらったんです。普段、中々対バンしないバンドと一緒に出来て、お客さんに対しても広がったと思うんです」

森田「バンドでファラウェイな状況はたくさんあったし、それでもお客さんははなから味方だと思うようにしていて。『君らはゲストボーカル!』とも言っていますしね。知らない人も楽しめる、で、知っている人はより楽しめる、そんなライブにしたいですから。最近作る曲は、みんなと一緒にライブをしやすい曲が多いんです。色んな人の距離のど真ん中にいれる曲を作れたらいいなと思いますね」

日野「それにしても、ヤングライオンは気合が入っていましたよね」

森田「ただ、暑かった…。最近広いところで少しずつやれるようになって広い場所の使い方がわかってきたし、それにトップバッターって好きなんですよ。ひとバンド目がやることって、顕著にわかりやすいですから、何の迷いもなかったですよ」

●さて、ニューシングル「文句はないな、野郎ども!」ですが、どんどん届けたいものがシンプルになってますね。

森田「歌詞に関しては思っている事が出てしまうし、自分の中でもOKラインを突破できましたね。ただ、いつにも増して難産でしたけど。思いついてからは、一晩で書き上げました。とにかく、照れるのを辞めたんです。若い時はスノッブに濁したりしたいんですが、それより本質を書かなければと、ここ数年思っていて。完全に照れを捨てられました」

日野「どんどんストレートになってきていますよね。小手先じゃないし、上手い事を言うではないし、その場で思った事をそのままぶつける感じですかね」

森田「余裕ない時でも余裕ぶろうと思っていて。アップアップになった人の歌を聴きたいかと思った時に、そうでもないなと。昔、深夜映画で主人公がピンチになっていて、水が溢れ出したのを押さえていたんですよ。そしたら、飴を舐めた女の子が『何をしているの?!』と聞くんです。そしたら、主人公は『見りゃ、わかんだろ! 遊んでんだよ!』って!!」

日野「かっこいい!!」

森田「情熱的な部分と舐めた部分が混在しているものが好きなんです。冴羽遼とか中村主水とか(笑)。1曲の中で別に両方の要素を入れなくてもいいと思うし。ただ、『文句はないな、野郎ども!』は、僕の持っている情熱を全部ぶちこんだ感じですね。後、今ってなんぼでも修正が効くじゃないですか。だからこそ、バラードはつるっとそのまんま録った方が良いなと思って。去年、岡村ちゃんのライブを観に行って、機械のビートなのにボーカルが生々しかったりして、ミドルテンポの曲こそ人間っぽい部分があるなと感じたんです。明らかに、今の僕らの作り方はメジャーの音楽とは作り方自体が違うと思うんです。そういう人たちの音源は、ひとくち目だけが美味しい音源やと思うんですよ。僕らは、ずっと味わいたくなる…ずっと聴いてしまう音源を作りたい。さらっと聴きやすいものにはしたくないので」

●今ふと思ったのですが、ガガガや四星球ってフォークの匂いが凄くして、そこがまたエエじゃないですか。でも、セクマシって又そことは違うなと思って。

森田「あ〜、なるほど。ニューミュージックでいたいのかも知れませんね。フォークの中でも、ボーカルが情熱的なものというか。アリスとかのヒーロー感は、どこかにあるかもですね(笑)。ルーツの出所わからない人に、憧れを抱くとこともありますから」

●こうなると楽しみは、アルバムになりますが。

森田「アルバムは考えていますよ。今で丸2年空いちゃっていますからね」

日野「3年ぶりくらいに出せたら良いですけど。スタジオに入る回数も増えていますし、ライブを意識した曲作りをひたすらしています」

森田「曲作りは始めています。HOTなままのミドルテンポの曲とか、ぐっとこさせるものができたらなと。おもしろいことを、とにかく考えています。バンドは辞めれないですからね。辞めたら、暇で死んじゃいますよ! 積極的にいきたいですし、色んなバンドととも当ててもらいたい。やっぱり、対バンは原動力のひとつですから。それにガガガDXでMステに出させてもらいましたけど、自分らだけでは出てないですからね。さっきもちょっと言いましたけど、10年前とかってガガガや銀杏に対して『何くそ!』という思いがあったんです。でも、今はキャッチーさは負けてないぞという思いや求心力ある事をやっているという自負心もあるので。誰にも負けたくないですから」

●先ほどの四星球といい、やはりライバルは大切ですね。

日野「ライバルの存在っていいですね」

森田「もっといい曲を作りたいという意欲に溢れてます」

●今日はゆっくり聞けて、良かったです。とにかく、引き続きぶちかましてください!

Interview:鈴木淳史

■鈴木淳史
関西在住ライター・インタビュアー。2009年から清水音泉主催“OTODAMA〜音泉魂〜”の後夜祭“SUZUDAMA〜鈴木魂〜”を開催。現在ABCラジオ『よなよな〜なにわ筋カルチャーBOYZ〜』(火曜夜10時〜深夜1時)パーソナリティー兼構成も務める。

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