音楽メディア・フリーマガジン

泉沙世子

KOBE COLLECTION 2013 SPRING/SUMMERライブレポート

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2013/3/9@ワールド記念ホール

今どき女子の心を掴んで離さないファッションイベントと言えば、関西最大のファッションショーである“KOBE COLLECTION”。リアル・クローズを対象とした、ファションショーと音楽のイベントである。初公演は2002年8月。過去には、AI、安室奈美恵、倖田來未、BoA、スガシカオなど錚々たるメンバーが顔を揃えている。

 

“KOBE COLLECTION”の会場は、関西でも屈指のホールとして有名な神戸ワールド記念ホール。楕円形に近く、中央の天井がタマゴ型をした独特のホールなのだ。11時30分のオープンより大勢のオーディエンスがすでにアリーナを埋め尽くす中、DJのDAISHI DANCEがのっけから煽りまくる。12時30分、いよいよ1st Stageがスタートをきった。中村アン、藤井リナ、トリンドル玲奈などの人気モデルが次々にランウェイを彩る。オーディエンスはモデルの一挙手一投足に大きなリアクションで答え、すでに会場は一体感で包まれている。

そして、1st Stageの最後を飾ったのが泉沙世子。ハンドマイクを片手に、モデルと見まがうほどのスタイリッシュな出で立ちで堂々とステージに現れた彼女からは、とても昨年デビューしたばかりの新人とは思えないオーラが放たれている。今年の“KOBE COLLECTION”のテーマ曲である「アイリス」は、彼女自身のデビューまでの心の葛藤や、呟きを詩に綴ったものだが、このイベントに登場するモデルの心境ともシンクロするのではないかと感じた。決してサラブレッドではないけれど、夢を諦めず、負けない自分自身にエールを送るかのごとく、力強く歌い上げる姿に、満員のオーディエンスは温かな拍手で答えていた。「アイリス」の中で彼女は、”諦めたりしない 負けたりしない 後悔しない 今日がいいな 昨日よりもちょっと 前に進もう 描いていた輝きを この手に掴むために 隣のあの子を 羨んだり 焦ったりして 見失ってしまうけど やるべきことは いつもシンプルだったりする 信じられずに 迷ってしまうけど 強く揺るがず イメージして願えば もっと近づくはず…”

泉沙世子から放たれるメッセージは、きっと誰しもが感じている内包された意識の中に潜んでいる、ある種の感覚だったりする。ステージを終えた彼女は、また違った表情を魅せる。そこには、近寄りがたく美しい、少し怯えた少女の顔がある。内なる世界をしっかりと見据え、もがいている人だからこそ放つ神聖なリアルがある!! 静かに目を閉じて、見えないものを感じる。そんなアーティストに出会った。

TEXT:PJ

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