音楽メディア・フリーマガジン

ドラマチックアラスカ

飛躍的に高まるバンドの力と勢いを見せつけた東京初ワンマン

9/5@渋谷CHELSEA HOTEL

“アラスカナイズツアー Vol.3”

一歩足を踏み入れると、フロアは溢れんばかりの人で開演前から熱気を放っていた。今年7月に新作ミニアルバム『ビヨンド・ザ・ベーリング』をリリースしたドラマチックアラスカの“アラスカナイズツアー Vol.3”、その序盤にして東京で初となるワンマンライブ。会場の渋谷CHELSEA HOTELは誰が見てもわかる期待感と興奮に包まれる中で、「東京ワンダー」からライブの幕が開く。

歌い出しからすぐ再認識させられるのは、Vo./G.ヒジカタナオトの声がやはり特別なものだということ。パワフルなバンドサウンドの中でも最後列まではっきりと通る歌声は、ライブハウスすら突き抜けてどこまでも届いていきそうだ。音源でももちろんわかっていたことだが、生で耳にすればなおその特別性と唯一無二さを認めずにはいられない。いつまでも耳に残るメロディをしっかりと、時にエモーショナルに歌い上げるヒジカタの声は間違いなく、このバンドの核となるものだろう。

その特別な歌声を引き立てつつ、会場の熱量をより高めていくのがバンドの演奏とグルーヴだ。「マヤカシドリームランド」などで特に顕著なG.トバナオヤの独創的なギターリフも、メロディに匹敵するほどのキラーな中毒性を持つ。Ba.マルオカケンジとDr.ニシバタアツシによるリズム隊も一体感を生み出しながら、オーディエンスの身体を否応なく揺さぶっていく。個人的には今年3月に同会場で行われたジラフポットとのツーマン以来のライブ観戦だったが、バンドとしての力が飛躍的に高まっていることを感じた。

MCでヒジカタ自身が言っていたように、彼らが初めて東京でライブをしたのもここCHELSEA HOTELだったという。そして、その時の動員が0人だったというところから、わずか1年半ほどの間に作り上げてみせた今の状況…。バンドとしての進化に合わせて、リスナーからの支持も急速に増していることを実感させる勢いとエナジーに満ちたライブだった。12月には再び、同会場でワンマンを行うことも宣言。さらなる大きな舞台を見据えて大海に漕ぎだしたドラマチックアラスカの旅路はまだ始まったばかりなのだ。

TEXT:IMAI

 

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