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グッドモーニングアメリカ

無情な現代にファイヤー!! と叫んでたくましく生きる彼らのリアルなロック

PHOTO_GMA飛ぶ鳥を落とす前にファイヤー! と叫ぶ勢いでシーンを縦横無尽に暴れまくっているグッドモーニングアメリカ。今夏は20以上のフェスでファイヤー!! しまくりつつ、V.A.『あっ、良い音楽ここにあります。その四』をリリースし、まさに一瞬たりとも立ち止まらずに突っ走っている彼らが、約1年5ヶ月ぶりとなる待望のアルバム『inトーキョーシティー』を完成させた。音楽的かつ人間的な成長をビシビシと感じることができる今作は、夢を持ち続ける者の胸に深く突き刺さっていくだろう。リリース後はグドモフェス(“あっ、良いライブここにあります。2014”)や年またぎ合計30本のツアーが決定。無情な現代にファイヤー!! と叫んでたくましく生きる彼らのリアルなロックが鳴り響く。

 

「最近はあまり深く考えずに、感じるままを歌にすることが多いんです。今回は特に、自然な形で歌詞になった曲が多いんじゃないかな」

●今年の夏はたくさんのフェスに出演されましたよね。印象に残っているフェスはありますか?

金廣:俺は“Sky Jamboree”です。ライブが全部終わったあと、お客さんが掃除していた光景が忘れられなくて。すごいなって。スタッフかな? と思ったんですけど、スタッフTシャツを着ている人はもちろん、普通のお客さんがゴミ拾いをしていて。あのフェスはすごいなって思いました。

●素晴らしいですね。

渡邊:俺は“ROCK IN JAPAN FESTIVAL”が印象的でした。今年はLAKE STAGEに出させてもらったんですけど、ずっと憧れていた場所だったということもあって、そこに立てたことと、お客さんもいっぱい来てくれたことが印象的に残ってます。

●たなしんは?

たなしん:そうですね〜、“SUMMER SONIC”かな。“SUMMER SONIC”は、お客さんがすごく少なかったんですよ。

●え? 飛ぶ鳥を落とす勢いのグッドモーニングアメリカが?

たなしん:僕らの裏がアヴリル・ラヴィーンとかSEKAI NO OWARIだったんですよ。僕らの後がBRAHMANで、同じ日にQUEENも観させてもらって。

●はい。

たなしん:それで、“バンドっていいな”とか“音楽っていいな”って素直に感動したんです。僕らの後のBRAHMANを観て“やっぱり先輩はすげぇな!”と思い、その後レジェンドのQUEENを観て。“こんな経験あまりできないな”って、理屈じゃなく感動したんです。自分がライブをやったあとに、BRAHMANとQUEENを観るなんて…特別な日でした。

●ペギはどうでした?

ペギ:うーん、“a-nation island”ですね。めちゃくちゃ天気がいい日だったんですよ。“a-nation”という括りでいろんなところでやっているみたいなんですけど、僕らが出させてもらったのは“a-nation island”という7日間渋谷で開催される中の1日で、ライブは僕らの他にはSilent Sirenが出ていたり、読モさんのファッションショーがあったり。

●すごいな。

ペギ:会場は代々木第二体育館だったんですけど、すごく天気がいい日で、お客さんも暑いけど外で楽しそうに過ごしていて。“夏フェス感”をすごく満喫できた日でしたね。あと、ライブを観てSilent Sirenがめっちゃ好きになりました。

●本当に色んなジャンルのフェスに出演したんですね。

渡邊:そうですね。でもライブのスタンスは変わらずに保ちつつ、“a-nation island”のように僕らのことを知らないお客さんが多いところや土地では、セットリストも考慮しつつ。

●特にはじめましての場所やフェスだと、普段以上にたなしんの掴みが重要だったりしますよね。

たなしん:でもどこのフェスでも、今まで培ったものを集中してやるだけですよ。あ、でも“イナズマロックフェス”に出させてもらったとき、主催者の西川貴教さんの「HIGH PRESSURE」で登場しようとしてわざわざ大きい扇風機を用意していたんですよ。でも舞い上がっちゃって、扇風機を使わずにやっちゃった。

●結構重要なもの忘れちゃいましたね(笑)。

たなしん:たまにそういうこともありつつ(笑)、基本的にはいつもと同じ心持ちでフェスを楽しませていただいたと思います。

●そんな夏を経てリリースとなる1年5ヶ月ぶりのアルバム『inトーキョーシティー』ですが、いつ頃から作り始めたんですか?

金廣:ちゃんと作り始めたのは6月くらいからかな。

●最近だ。

金廣:そうなんですよ。今年はツアーやプロモーションで忙しかったし、シングルもあったので忙しくて、6月くらいから「よし! アルバムを作ろう!」と気合いを入れて。7月にレコーディングすることも決まっていて。とは言っても、どういうアルバムにするかは何も決めずに着手したんです。いい曲であることはもちろんですけど、2ビートも入れたい、エレクトロで俺がギター弾かないような曲も作ってみたい…そういうことをぼんやりを思いつつ。

●前回のアルバム『未来へのスパイラル』では金廣くんがどういうことを大切にしていて、どういうことを思って生きているかが伝わってくる作品だと僕は思っていて。今回のアルバムも、その“何を大切に想っているか”という部分は変わっていないと感じるんです。

金廣:ああ〜、そうですね。

●その中で、今作はより“死生観”が具体的になっているような印象があった。

金廣:それはあるかもしれないですね。特に意識したわけじゃなくて、結果的にかもしれないですけど、そういうことを歌っている曲が多いですよね。といっても、僕自身が常に“死”のことを考えているとかそういうわけではなくて、“死”は当然あることとして生活しているような気がします。

●もともと?

金廣:そうですね。そういうことを意識したり、物事を集中して考えるわけでもなく。最近はあまり深く考えずに、感じるままを歌にすることが多いんです。今回は特に、自然な形で歌詞になった曲が多いんじゃないかな。生活の一部をピックアップしたというか。

●確かにリード曲のM-1「inトーキョーシティー」とかも、普段生活している東京という街がモチーフになっていますね。この曲は「痛みのない音楽は作りたくない」と言う金廣くんらしい歌詞と、疾走感あるサウンドがマッチしたグッドモーニングアメリカらしい曲ですけど、MVがパンチあり過ぎてびっくりしました。

金廣:監督がすごく愛のある方で、曲を噛み砕いて作ってくれたんです。MVはすごく気に入ってます。

●この曲はどういう経緯でできたんですか?

金廣:今年の元旦に書いたんです。書き初めみたいな感じで。歌詞は後からだったんですけど、最初のサビくらまでは元旦にバーッと。もともとのアイディアとしては、ライトハンドの曲をやりたいと思ったことがきっかけなんです。去年TOTALFATのツアーに出させてもらったとき、TOTALFATのG.Kubotyが幸ちゃん(渡邊)に楽屋でライトハンドを教えてたんですよ。それで「あ、俺もやってみよう」と思って練習してみて、「inトーキョーシティー」のリフを思いついたんです。

●サウンド面でいうと、M-10「STAY WITH ME」がすごく新鮮だったんです。デジタルというかなんというか、不思議な雰囲気がある曲ですよね。

金廣:これは新しいものを作りたかったんです。デジタルで、俺がギターを弾かないようなものを作りたいなと。新しいことってやろうと思わないとできないじゃないですか。だから意識的に、エレクトロをどんどん増やしていこうと。

●それはこの曲だけではなくて、今後の方向として?

金廣:そうですね。どんどん増やしていきたいと思っていて、その一環で作ったのが「STAY WITH ME」なんです。この曲は最初に歌メロを作ったんですけど、エレクトロの曲はなんせ作ったことがなかったので、“じゃあここからどうしよう?”と考えて。日々パソコンに向かって、色々と考えながら作ってみたんです。

●これライブではどうなるんですか?

金廣:4人で手を振りながら歌うんじゃないですか。

●楽器演奏せずにトラック流して、4人ヴォーカルで?

金廣:そうそう(笑)。嵐みたいに。

●もうバンド違うやん。

金廣:実際にライブでどうするかはこれから考えるところなんですけど、俺がギター持たずにやろうとは思っています。キーボード弾くのもアリだろうし。

●音楽性に於ける“新しいことを”というベクトルは、今後どんどん拡がっていくんでしょうか?

金廣:うーん、拡がっていくというより、まわっているような感覚かもしれないです。

●その時々にやりたいことをやりつつ、ぐるぐるまわっていく。確かに今作のM-4「STOP THE TIME」とかは、バンドの初期というか前身バンドfor better, for worseに戻っていますよね。新宿ACB(※2000年代前半のメロコア/エモの聖地)な感じ。

金廣:そうですね(笑)。もしくは新宿ANTIKNOCKか…いや、やっぱりACBだな(笑)。

一同:ハハハハ(笑)。

金廣:音楽性という意味では、いろんな輪が同時に存在している感じがありますね。デジタルにどんどん寄っていっている輪と、アナログになっている輪と、メロコア…それこそ青春時代に戻っていっている輪。そういうのが自分の中に色々とできてきている感覚があります。その中で、自分がやりたいこととメンバーがやりたいことをすり合わせて、あとは状況とすり合わせてアウトプットしていくっていう。

●1月に出したシングル曲「イチ、ニッ、サンでジャンプ」に続き、寺岡呼人さんプロデュースの楽曲はM-7「夕暮れ」とM-12「スクランブル交差点」ですけど、この2曲はすごく奥深いアレンジが印象的でした。

金廣:「夕暮れ」はすごく前に作った曲なんです。インディーズの頃に作った曲でデモもできていて、そもそも呼人さんにプロデュースしていただくつもりじゃなかったんですよ。でも呼人さんと飲んでて、「次はどんな曲がいいですかね?」って聴いてもらってたら「これやりたい」って。「じゃあ是非お願いします」って。

●なるほど。

金廣:そこからシンセを入れつつ、歌詞も相談しながら作りつつ。すごく学ぶことが多かったですね。それこそ呼人さんには「イチ、ニッ、サンでジャンプ」からお世話になっていますけど、教わってきたことが活かされてるなって。

●寺岡呼人さんがプロデュースされたもう1曲の「スクランブル交差点」は、すごくエモーショナルな楽曲ですよね。さっき言っていた金廣くんの“死生観”みたいなものがぎゅっと凝縮されている気がする。

金廣:うんうん、そうですね。

●モチーフは渋谷のスクランブル交差点なんですか? 八王子ではなく?

金廣:渋谷のスクランブル交差点です。八王子にスクランブル交差点なんてあったっけ?

渡辺&たなしん:ないね。

ペギ:いや、ありますよ。駅前の…。

渡辺:あっ、あるか! 薬屋のところの。

ペギ:そうそう。

たなしん:ああ〜! あるね!

金廣:ビジョンもあるね(笑)。

●ハハハ(笑)。八王子にもあるけど、この曲のモチーフは渋谷のスクランブル交差点だと。アルバムが「inトーキョーシティー」で始まって、「スクランブル交差点」で締め括るっていうのがすごくいいなと。作品全体に1本筋が通った感じ。

金廣:そうですね。でもそれも特に意図したわけではなく、結果的にそうなったんです。「inトーキョーシティー」の歌詞ができたのは制作のいちばん最後なんですよ。ある程度ワードは揃っていたんですけど、歌詞を作ったときにアルバム全体を見てみたら、最初に言っていたように普段の生活に身近な曲が多いなと感じたんです。前回のアルバムは山中湖で作ったんですけど、ある意味現実の中の非現実な場所で作ったものなんですよね。対して、今回は自分の生活の中で作ったもの。そう考えたときに、自分が住んでいる“トーキョーシティー”という言葉が、曲名とアルバムタイトルにしっくりとハマったというか。

●なるほど。

金廣:だからさっきおっしゃったように、「inトーキョーシティー」で始まって「スクランブル交差点」で終わるっていうアルバムが、俺の中ですごく腑に落ちたんです。とはいえ、自分の中で“東京”なだけで、聴いてくれる人は別の場所を当てはめてもらえばいいと思うし。

●というか、今作で描かれている“東京”は“現代”とか“社会”みたいな言葉にも置き換えることができると思うんですよね。

金廣:そうですね。「スクランブル交差点」は、もともとは暗黒の時代…グッドモーニングアメリカという名前で始める前の、誰にも相手にされなくて空ばかり見ていた時代に曲の構想を思いついたんです。“スクランブル交差点”という言葉と、サビと、コードがDっていうのを思いついて作っていたんですけど、当時はいまいちで。

●はい。

金廣:でも“スクランブル交差点”という言葉とサビのメロディをずっと覚えてて。それを今回、呼人さんと色々と相談しながら完成させたんです。「どこの交差点だろうね?」「渋谷ですね」「渋谷の駅前って何があったっけ?」「甘栗屋さんがありますけど、歌詞にします?」「甘栗屋さんはあまり良くないね」…みたいな話をして作ったんです。

●「スクランブル交差点」で歌っていることは、アルバムのタイトルにも通じるし、それこそ金廣くんがずっと歌ってきたことに通じる視点ですよね。“つまらない世の中かもしれないけど、その中で自分なりに大切なものを見つけて生きていく”っていう。

金廣:そうかもしれないです。この曲は自分でもすごく満足しているんです。いい曲ができたなって。何年越しでやっと形にできたっていう達成感もあるし、今回すごくおもしろいなと思ったんですけど、もともと自分の中ではスタンダードなロックの曲をイメージしていたんです。バンドの音が基本で、入れてもバイオリンくらいっていう。でも今回、ペギがこの曲を作っているときに「電子ドラムやりましょう」と言ってきて。

●お。

金廣:それが意外だったんですけど、すごくハマったんですよね。自分が想像していた以上というか、斜め上にいった感じ。それがおもしろかった。

●グッドモーニングアメリカらしいアルバムになりましたね。ところで先日、たなしんがTwitterで2年前のライブ写真をアップして昔を振り返っていましたよね?

たなしん:はい。ノスタルジックなことつぶやいてました。

●あのツイートを見てふと思ったんですけど、こうやって話を聞いていると、会うたびにバンドの成長を感じるんです。CDデビュー前に取材させてもらったときのインタビューなんて迷いしか感じなかったけど(笑)、今は経験に裏付けられた自信も感じるし、頼もしさも感じるし、自分たちがやっていることに対してブレていないというか。メンバーが同じものを見つつ、それぞれの役割をしっかりやっている印象なんですよね。第三者的に見ると、すごく変わったなって。

金廣:意識してとかがんばってとかじゃなくて、自然にそうなってきていると思います。特にこのバンドはそれぞれの役割がわかりやすいと思うんですけど、自分がしなきゃいけないことをしっかりやることでバンドの成長に繋がっていく。それで自分自身“成長できたな”って思うこともあるし、とりあえず自分が見えるところまでは行けるかなと思ってますね。

●なるほど。

ペギ:徐々にかもしれないけど、自然と自分がやるべきことが見えてきた感じはありますね。

●ペギはいつかは覚えていないんですけど、あるときからライブ全体を引っ張っていくようになりましたよね。まさにバンドの屋台骨というか、このバンドのライブを支えているのはペギだなと思った瞬間があった。

ペギ:それもバンドをやっていくうちに…例えば幸一さんはバンドのリーダーですけど、別に率先して「リーダーになりたい」と言ったわけじゃなくて、気質としていちばんリーダー的な部分を持っていたからこそ、今もリーダーをやってくれているんです。

●そうだったのか。

ペギ:その話を俺に当てはめてみると、俺は性格的に結構完璧主義なところがあるんですけど、そういう性格だからこそライブ全体を見るようになったというか。ちょっとしたミスとかも完璧にしたいし、ライブ全体を見据えて引っ張っていきたいとも思うし、その自信もある。そもそも、俺は自信がなかったわけじゃなくて、結果も出ていないのに自信があるような性格なんです。

●なんとなくそう見えます(笑)。

ペギ:そういうところが自然に寄り添ってきたというか。だからおっしゃったように、ある時期から俺がライブについての意見を言うようになって、徐々にバンドが今のような形になってきたというか。

●「ある時期から」っていうのは自分でも自覚があるんですね。

ペギ:うん。“なんとかしなきゃ”と思ったんだと思います。誰かがバンドを仕切ってまとまらないと、ライブがもっともっと良くならないなって。そこで「だったら俺が」っていう。それをメンバーが認めてくれた。

●幸一くんはどうですか?

渡辺:うーん。俺の場合は“まだまだだな”と思うことが最近多いです。最初に夏フェスの話がありましたけど、毎年たくさん出させてもらって、最初の年は単純に“出演できて嬉しい”という感じだったけど、出るたびに“もっともっと良くできる”と思いつつも、なかなか前に進めない歯がゆさも感じるし。夏フェスは短いセットが多かったですけど、これから自分たちのツアーが始まるわけで、そのツアーに向けてしっかりやらなきゃいけないことはたくさんあるなって思います。

●たなしんは?

たなしん:え?

●インタビュー中にJUNGLE☆LIFE読むのやめてもらえますか?

たなしん:あっ、すみません。SiMのインタビューでBa.SINくんが「ファイヤー!」と言っていたので、パクられたと思って。

一同:ハハハハ(笑)。

たなしん:バンドの成長って髪の毛や爪が伸びるような感覚に近いと思うんです。ライブやツアーを重ねて、バンドとしても個人としても、こないだのTwitterのように改めて振り返ってみたときに初めて“成長したのかな?”と思うというか。だから日々成長しているんでしょうけど、あまり実感はないかもしれないですね。

●そうなんですね。

たなしん:僕はペギとは真逆で、もともと自信がないタイプなんですけど、その感覚は以前からあまり変わらないし、成長のスピードも遅い方だと思っていて。チームとしても、色々と試行錯誤しながら色んなことにチャレンジしつつ、1つ1つ乗り越えてきたというか。今回のツアーの2DAYSも結構大きな壁だと思っているんですよね。お客さんの期待値も高いだろうし。だからなんとかして乗り越えたいですね。その気持ちは変わらないです。

●なるほど。

たなしん:ただ、その重みはどんどん増えてきているかもしれない。そう考えると、成長って責任の重みと比例するのかもしれないですね。今話してて思いました。

●これからも目が離せないですね。では最後にたなしん、いつものやつお願いします。

たなしん:ではみんな! アルバム聴いてね! ツアーも来てね! “あっ、良いライブここにあります。2014”も来てね! 3! 2! 1!

一同:ファイヤー!

interview:Takeshi.Yamanaka

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