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ヒトリエ

新たなサウンドは未知の領域へ。 終わることなきロックの再構築。

ヒトリエA写メイン修正版(141010)2014年1/22に1stシングル『センスレス・ワンダー』でメジャーデビューを果たし、2/19にはミニアルバム『イマジナリー・モノフィクション』をリリース。4月には初の東名阪ワンマンツアーを成功させるなど、現在のロックシーンを駆け上がるバンド、ヒトリエの勢いが止まらない。主宰のwowakaが曲の原型を作るという今までの制作スタイルをガラリと変え、メンバー全員で短期間に作り上げた『WONDER and WONDER』。現在のロックシーンを再構築するかのようなクリエイティビティに溢れた意欲作となった今作のリリースを機に、JUNGLE LIFEとしては初のインタビューを行った。

 

「本当の意味での“僕ららしさ”になっていければいいなって思いますね。その第1作目が『WONDER and WONDER』みたいな」

●元々「ひとりアトリエ」として、シノダさん以外の3人で結成されたんですよね。

wowaka:2011年の終わり頃に「一緒にやろう」って言い始めて、2012年の1月から3人でバンドを始めたんです。その編成で一度ライブをやった時に「どう考えてもギターがもう1人必要だ」っていうことになって。

イガラシ:「逆にどう演奏するつもりだったんだよ!」みたいな(笑)。

●3ピースではできなかったということ?

wowaka:元々、自分が作ろうとしている音楽は、ギターの音が左右(のスピーカー)で2つ鳴っているものなんです。左右のギターが違うことを弾いているけど、噛み合っているっていう音楽が好きだったんですよね。1人でやっていた時からそういう作り方をしていて、バンドのデモもそうやって作ったものだったんです。その後シノダを呼んで、4人編成でライブをしたのがヒトリエの始まりですね。

イガラシ:元々wowakaは極度の人見知りなので、当時よくそんな状態でバンドをやろうと言ってくれたなと(笑)。

●それだけやりたかったことだったんですね。

wowaka:ボーカロイドで曲を作り始めてから、自分の作品をちゃんと世に発表し始めたんです。でもその活動を2年くらいやった時点で、1人で作ることに対してモチベーションがあまり上がらなくなっていたんですよね。自分が音楽をやり始めたきっかけだったり、本当に自分が憧れているのはどういうことかなって考えてしまって。その時に音楽的だったり人間的なやりとりをぶつけ合ってできる空気や文化の方が好きだって気づいたんですね。それに気づいた時に、今やっていることは素直じゃないって感じてしまって、何も手につかない時期が2〜3ヶ月あったんです。でも「こんなに何もしないで悶々としているくらいなら、もうバンドをやろう!」って思い立って、人見知りの壁を乗り越えるくらいのモチベーションが生まれたので、声をかけてバンドを始めたんです。

●去年のワンマンライブ“hitori-escape:11.4 -非日常渋谷篇-”でメジャーデビューを発表されて、今作の『WONDER and WONDER』のリリースまでの間、シングル『センスレス・ワンダー』とミニアルバム『イマジナリー・モノフィクション』を出されていますよね。とてもスピード感のある活動をされている印象がありますが。

イガラシ:元々曲作りは早くないんですけど、「ロックバンドだったらアルバムを聴きたい」って思うんです。だから「ミニアルバムの次はアルバムを出したい!」っていうことで作り始めたんですけど、そこで大事故が起きたんですよ。アルバムを作り始める前に具体的に「こういうことをしたい」っていうwowakaくんのイメージを聞いていたんですけど、実際に作曲期間が終わって「できた(デモの)曲を聴きましょう」って時にwowakaくんから「実は(曲が)全然ないです…」って言われて。作曲期間中に彼が全然曲を作れなくなっていたんですよね。それで、いざ「本格的に曲を作ろう!」という段階で、制作が一度ストップしてしまって。…そこからはもうカーニバルですよ(笑)。

●カーニバルですか(笑)。ポジティブなニュアンスですよね。

イガラシ:もう「どっひゃ〜!」っていう感じで(笑)。そこから空前絶後のハイテンションな日々を送って、脳みそが常に高速回転して、ずっとハイな状態が続いているみたいな。そんな状態で、メンバー全員で曲をめちゃくちゃ作ったんですよ。たしか30曲とか…。

wowaka:あの時は、とにかくずっと曲を作っていたよね。

シノダ:毎日みんなでスタジオに入って、瞬発力で出てくるアイデアをポンポン投げるっていう。

●そういうギリギリの状態で、自分たちの今までの蓄積が全部絞り出されたような感じがあった?

wowaka:ありました。各々が蓄積を出し尽くした気がしますね。

イガラシ:それと並行して、wowakaくんには今まで通りのやり方でデモを作ってもらったんです。だから『WONDER and WONDER』にはどっち(の作曲手法)も入っているんですよ。一度「曲を作れない…」ってなった後、wowakaくんが作ってくるものが変わったんです。

●具体的にどう変わったんですか?

wowaka:一番分かりやすいのは歌詞だと思うんですけど、1人称に“僕”っていう単語がすごく増えたんです。今までは登場人物に女の子っていうフィルターがあって、ボーカロイドで作曲している頃から地続きでそういう作り方をしていたと思うんですよね。でも今回はその女の子が自分の中で同化して、自分自身にちゃんと重なったような感覚で作れました。

●そういう感覚で作れるようになったのはなぜ?

wowaka:メジャーデビューをしてからライブの数も増えて、お客さんの前で歌ったり、関わってくれるスタッフと話したりすることが急激に増えたりして。そういう経験を積んでいるうちに、どんどん自分自身の思っていることが恥ずかしげもなくライブで出せるようになってきたんですよ。ワンマンツアーが今年の4月にあったんですけど、そのファイナルを東京でやった時に「あ、これが音楽でコミュニケーションを取るっていうことか」みたいな、1つの実感があったんですよね。

●より自分の言葉として出せるようになったと。

wowaka:“作曲ができなくなる”という大事故が起きた時に、バンドのみんなと話し合って。強制的に曲を作っていくこと中で、自分をどんどん出して行ってもちゃんと拾ってくれる人はいるし、それを良しとできるんだなっていうことをすごく感じたんですよね。

●では今作の中で、より自分が出ていると感じる曲はどれですか?

wowaka:M-4『5カウントハロー』ですね。これは自分の中の攻撃的な部分を何のためらいもなく強い言葉で出しました。だから書き終えてすごくスッキリしましたね。自分の中のものを出しきった、しかもポップに出しきった印象があります。

●確かに歌詞を読むとネガティブなワードが多いんですけど、曲を聴くと全然その印象がないですよね。

wowaka:そのバランスで成立している部分があると思うので、そういう印象を持ってもらえるのはすごく嬉しいです。

●1曲目が「終着点」で始まりますよね。そういう今までのものを精算する、みたいな思いがあった?

wowaka:精算というか、行き着いちゃった感じですね。自分の中でモードが変わった感じがあって。この曲は歌詞とタイトルを最後に付けたんですけど、タイトルの言葉を探した時に、「ここから始まる」っていう意味でも『終着点』がしっくりきたんです。

●MVにもなっている、M-2「インパーフェクション」は、イントロのギターリフが特徴的ですよね。これはどのように作られたんですか?

シノダ:ギリギリな状態で制作しているとメンタル的にも追い詰められていくんです。自分の提示したフレーズがボツになると自分へのダメージもでかくなっていくので、そうなってくると打率を自分で上げていくしかない。「打率を上げていくにはアホみたいなフレーズを提示していくっていうのが、どうやらこのバンドでは通りやすいらしい」っていう分析のもとに作りました(笑)。

●間奏のギターフレーズもどことなくDJのスクラッチにも似ていたりして、斬新な奏法だと思いました。

シノダ:「突然アホの神様が降ってきた」みたいな(笑)。間奏のギターなんかは丸投げで、wowakaくんが「格好良いギターを弾いて下さい」って言うだけなんですよ。そういう抽象的なやりとりが定期的に起こるんです。

イガラシ:M-12「センスレス・ワンダー」の時もそうだったよね。

シノダ:wowakaくんから「何か良い具合のリフはないですか?」って丸投げされて「え? 良い具合のリフですか!?」って(笑)。

●ははは(笑)。毎回試されているような感覚というか。

シノダ:良い具合って結局wowakaくんの中での良い具合なので「え? 何だろう…?」と思って弾いてみたら「それですっ!」って採用されたり。だから、wowakaくんのグッとくるポイントを自分で探すしかないっていう。

●でも、その打率は相当上がってきているってことですよね。

wowaka:もちろん。お互いがお互いのツボを分かり始めてきていると思うので、要求する内容も応える内容も精度が高くなってきて、すごくやりやすくなっていますね。

●今作を聴いた印象として、歪なパーツを組み合わせてすごく綺麗なものを作り上げているようなイメージがあったんです。ロジカルにパズルを組み立てるような感覚で曲を作っているのかなと思ったんですけど。

wowaka:元々僕が得意なのはそういう作り方なんですよ。今回のアルバムは今までと違ってメンバー総動員で作ったんですけど、それでもちゃんと噛み合っている感じが出ているなら僕は嬉しいです。「あぁ、バンドやっていて良かったな」って思いますね。

●メンバー全員が自然と噛み合っていると。

wowaka:それぞれの素地があった上で変わり続けていると思うんですよね。その中でヒトリエっていうフォーマットに全員が乗せられるようになってきていると思う。それが本当の意味での“僕ららしさ”になっていければいいなって思いますね。その第1作目が『WONDER and WONDER』みたいな。僕も今作を作るにあたって一度開き直っていて、ちゃんと完成できたことで自分の中でいろんなものがスーッと昇華されていった感じを持っています。

●これからツアーがありますね。今度は全国ワンマンツアーになるわけですが。

wowaka:お客さんに直接会った時に一番思うだろうけど、「ここに来てくれるんだ!」っていう反応があると嬉しくなりますね。

イガラシ:いろんなところで僕らの音楽を聴いてくれている人がいるので「ありがとう!」って感じです。

●どんなツアーにしたいですか?

wowaka:このアルバムの曲をお客さんの前で歌うっていうことは、自分にとってとても意味のあることなんです。フィルターを通さずに言いたいことを言いまくっている作品になっていて、それをお客さんたちの前で歌えるっていう。自分がどんな感情になるのか分からないですけど、めちゃくちゃ楽しみにしているんですよね。そこから得るものはすごく大きいと思う。絶対面白いことになると思うし、このバンドがもっとバンドになるためのツアーになるんじゃないかなと思っています。

Interview:馬渡司

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