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dmg

FUNKとエレクトロの独自融合が生む、自由かつ斬新なグルーヴ

PH_dmgUKのロックバンド・FEEDERのベーシストとして世界的な活躍を見せるTAKA HIROSEが、新たなプロジェクト“dmg”を始動させた。ドラムにはDETROITSEVENやTHE LIPSMAXのほかtricotなど多数のバンド、サポートで活動する山口美代子、ヴォーカルには個性的な歌声を持つ春奈鈴を起用。TAKA自身がもっと自由に音楽を楽しむため、そしてリスナーにもっと自由に音楽を楽しんでもらうために作ったというサウンドは、ライブハウスからダンスフロアにまで対応したものだ。FUNKとエレクトロの融合をベースにソウルフルな歌声が乗るというスタイルで生み出した、ジャンル分け不可能な新しい音にまずは何も考えず身を委ねてみて欲しい。

 

 

 

●TAKAさんはFEEDERやMuddy Apesでも活動している中で、新たにdmgを始めたキッカケは何だったんでしょうか?

TAKA:元々、エレクトロとFUNKを融合したようなものがやりたいとは思っていたんです。そもそもMuddy Apesも最初は日本に帰ってきた時に軽いフットワークでやりたいなと思っていたら、実際はすごく大変で。(メンバーの活動拠点が)アメリカ・イギリス・東京・大阪に分かれていたので、次に(新しいバンドを)やるならすぐ集まれるものが良いなと。「今やれる?」「じゃあ、すぐやっちゃおう」みたいな、そういう軽いフットワークでやりたかったんですよ。

●それで、お2人に声をかけたと。

TAKA:シーケンスも使いつつ、生の音を重ねたいというのがあって。俺はベーシストだからドラムとは一緒にやりたくて、そこでまず美代子ちゃんが浮かんだんです。彼女はMuddy Apesでもドラムを叩いてくれていて(※サポート)、「今度、女の子だけでニューオリンズのFUNKをやります」という話も聞いていたんですよ。

美代子:私がそういうバンドをやっていて。

●BimBamBoomですよね。

美代子:そうです。元々は私もソウルやFUNKが好きでコピーをしたりしていたんですけど、DETROITSEVENを始めてからはロックな方向にガッツリ入っていって。でも再びBimBamBoomでミーターズやブッカー・T&The MG’sとか色々カバーし始めたところに、TAKAさんからお話を頂いたんですよ。

TAKA:そこで、そういうのも好きなんだと知って。今年(2014年)の1月に東京に来る予定があったので、「試しに一度やってみよう」ということになったんです。その時に飲み友達だった(Vo.春奈)鈴にも声をかけて、歌ってもらうことになりました。

●TAKAさんと鈴さんも以前からお知り合いだった?

鈴:4〜5年くらい前に出会ったのかな。それでTAKAさんが作ったシーケンスとかのアイデアをたまに送ってもらっていたんですけど、なかなか形にはなっていなかったんですよ。でも1年くらい前にたまたま1日空いている時があったので、ガッツリ集中して歌入れしたものを送り返したらTAKAさんも「良いじゃん」と言ってくれて。そこから「これもやってみて」という感じで円滑にやりとりが進んで、曲数が集まっていきましたね。

TAKA:昔からあったデモに、鈴がボーカルを入れてくれたりして。最初のスタジオでは、インストとボーカル入りが半々くらいでしたね。そこからイギリスに帰ってデモをまた作ったりしている内に、“中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2014”に誘ってもらったんですよ。せっかくだからこの3人で出てみようということになって、そこで背中を一気に押された感じというか。

●“中津川〜”に出演したことが大きかった。

美代子:ライブが決まったので、そこに合わせてダダダダっと進んだ感じでしたね。あと、TAKAさんは岐阜出身なので…。

TAKA:中津川は岐阜県だからね。最初はもう少しファンキーな要素が強かったんですけど、そのフェスに出るということで中津川の青空を頭に浮かべながら作った曲もあります。

鈴:私、中津川を思い浮かべて作ったというのは初耳なんですけど(笑)、どの曲なんですか…?

●メンバーも知らない(笑)。

TAKA:M-6「BLAST」ですね。去年のフェスでの写真を見せてもらった時に、青空や山とか川の印象が強かったのでそういうイメージも入れました。“中津川”っていう言葉は、どこにも出てこないんですけど(笑)。

●“中津川〜”に出演した時は、もう“dmg”という名義だったんですか?

TAKA:そうでしたね。

鈴:名前も最初は決まっていなかったんですけど、ギリギリで決めて。

●この名前に決めた理由というのは?

鈴:「3文字のイニシャルが良いな」という話はしていて、3人でLINEで色々とやりとりしながら決めました。

TAKA:俺はBeckのエレクトロとファンキーでルーズなものが混ざっている感じが大好きだったので、『Mellow Gold』(1994年)というアルバムタイトルがまず浮かんで。そこに合うものを考えていた時に“dusty”が浮かんで、“dusty mellow gold”が良いんじゃないかなと。そのイニシャルを取って、“dmg”になりました。“dusty(ほこりっぽい/くすんでいる)”だけど、“mellow(豊潤な)”で“gold(黄金)”っていうのが良い感じだと思いますね。自分で言っちゃうと、カッコつけている感じがして照れちゃいますけど(笑)。

一同:ハハハ(笑)。

●Beckの『Mellow Gold』的な音のイメージもあったと。

TAKA:ちょっと違うかもしれないけど、ミュージックビデオにもなったM-3「Slow Down」はそういうファンキーでエレクトロな感じを目指していたところがありましたね。

●FEEDERともMuddy Apesとも異なる音楽性ですが、Twitterではご自身でdmgについて“大好きな趣味の音”と書かれていましたね。

TAKA:FEEDERもMuddy Apesもロックじゃないですか。dmgはよく「ジャンルは何ですか?」と訊かれるけど、ジャンルは関係ないんですよね。そんなことを考えて作っていないし、自分の趣味の世界というか…それで良いんじゃないかなって(笑)。

美代子:最初にTAKAさんから送られてきたデモを聴いた時に、すごくビックリしたんですよ。FEEDERやMuddy Apesでゴリゴリのロックをやってきたイメージがあったので、「TAKAさんがこんなことをやるんだ!」っていう驚きがあって。そのビックリから始まって、今に至るという感じですね。

●TAKAさんが個人的に好きなものを前面に押し出した音楽性というか。

TAKA:昔からソウル〜FUNKや70年代のフュージョンも好きだったし、東京に住んでいた時はダンスミュージックも好きだったので、いつかそういうものを融合させたいなと思っていたんですよ。ハウスミュージックでもファンキーなものはあるけど、自分の中ではもう少しファンキーさが足りないなという気持ちがあって。そういうことを一生懸命考えていた中で、今回こういう形になって良かったですね。

●シーケンスを使っていることで、クラブミュージック的な雰囲気も強いですよね。

TAKA:ファンキーなバンドがやりたいという気持ちもあるんですけど、日本に来た時にリハをガッツリやるような時間もないから。「だったら、もう少しエレクトロの要素を入れたら良いんじゃないか」という気持ちになったんです。

●声を加工して楽器の一部のように使っていたりするのも、エレクトロ的な手法かなと。

TAKA:それをいつも言っていたんですよ。鈴が関わるんだったら、ただ単にボーカルとしてメインの部分を歌うだけだとつまらないなと。鈴の声を曲に活かしたいという気持ちがあったんです。

●鈴さんの声の特徴を活かしている。

TAKA:俺も鈴も2人とも、エリカ・バドゥ(※ネオソウルを代表する、アメリカの女性シンガー)が大好きなんですよ。ヴォーカルをどうしようかと考えた時に、鈴だったらエリカ・バドゥの曲を歌えるなと思って。今、ライブでも1曲カバーしているんですけど、やっぱり個性のあるシンガーじゃないですか。でも最初はクセが強すぎたので「一緒にやるんだったら、こっちからの注文に合わせて、もう少しオープンにやってくれ」とは言って。だから昔に比べて、歌い方は変わりましたね。

鈴:「コブシを全部取れ」とか「もっとサラッと歌え」と言われて、苦戦する部分も最初は結構あって。でもこの1年で、すごく勉強になることが多かったですね。色んなディレクションをもらって、それに合わせてやっていくという感じでした。私は1人で黙々とやる作業がすごく好きで、熱中するとずっとやっちゃうんですよ。だからそうやって言われたことに対して何かやるのも苦じゃなくて、楽しく取り組めましたね。

●曲のベースとなるものはTAKAさんのデモに、鈴さんが歌を入れるところから作っているんでしょうか?

鈴:最初にTAKAさんが作ったトラックを送ってもらって、そこに私がメロディや歌詞を載せていくんです。「自由にやっていいよ」と言って頂けるので、コーラスとかも含めて自由に作らせてもらいました。

TAKA:それを俺がブツ切りにして構成も変えたりして「こんなふうになったよ」と聴かせると、「え! そんな感じになったの!?」となったりして(笑)。

●原型とは全然変わっていたりもする(笑)。

鈴:TAKAさんに送り返したら、すごく面白いところでちょん切られてミックスされたものが返ってきたりもして。そういう感じのやりとりをしながら、曲を仕上げていきましたね。

TAKA:いわゆる“Aメロ〜Bメロ〜サビ”みたいな決まりごとには関係なく、やりたかったんですよ。ポップ感はあるかもしれないけど、別にポピュラーソングを書いているわけじゃない。かといって、無機質なダンスミュージックでもないから。だから鈴にも「何も考えなくて良いから、思い付いたものを全部歌え」と言ったりして。それを後から構成を変えたりして、仕上げていきました。

●歌詞も自由に書いたんでしょうか?

鈴:英語の部分はTAKAさんにチェックしてもらいましたけど、基本的には自由にやらせてもらいました。いつもデモにはTAKAさんが仮タイトルを付けているんですけど、だいたい最終的には変えちゃうんですよ。でもM-1「Bootsy Wah Wah」はどういう意味か気になって訊いてみたら「これはブーツィー・コリンズへのリスペクトソングなんだよ」と言っていたので、「じゃあ、ベースに沿った歌詞を書いたほうが良いんだろうな」と。そういうヒントをもらって書く場合もありますね。

●M-5「イチ・ニ・サン・シ」の歌詞が面白いなと。

鈴:これが一番最初にTAKAさんと作った曲なんですよ。最初なので何も考えずに全部、日本語で書いちゃった感じですね(笑)。

TAKA:最初はインスト(に使おうか)と思っていた曲なんですけど、鈴の声にも合うし、美代子ちゃんが叩いたらカッコ良いかなと。それで2人に頼んでみたら、面白い感じになりましたね。

●この3人でやることでの化学反応もあるのでは?

TAKA:それはライブに曲を持って行く時にありますね。作った作品をそのままライブでやるつもりは全くなかったので、「同じようにやらなくて良いよ」と2人にも言ったんです。作品をそのままやると全部がタイトになっちゃって、生でやる意味がないから。まだそんなにライブができていないので、今は探っている段階なんですけど。

●ライブで聴くと、音源とは全然違ったりする?

TAKA:そうですね。本当はもっと変えたいんですけど、とりあえず今はまず自分たちが馴染まないといけないので、そっちのほうが先なんです。

鈴:ライブの回数を重ねる度に、どんどんdmgのグルーヴが出てきたなとは思っています。最初とは違ってきているのを感じますね。

●ライブを重ねる中で、バンドが進化してきている。

美代子:そこは本当にライブをやりながらという感じです。最初はシーケンスをまず聴きながらという感じだったんですけど、自分もどんどん自由にやったほうが面白いんだなと思うようになってきて。

TAKA:やっぱり遊べるくらいにならないとね。

●遊び心は作品にもすごく出ている気がします。

鈴:おもちゃ箱をひっくり返したような感じというか、ガチャガチャした音が詰まったアルバムだなって(笑)。自分の中では、遊び心満載な1枚だと思いますね。

美代子:「大人が本気で遊びました」というイメージがありますね。元々のイメージよりも、いっぱい遊べていると思います。

TAKA:古いデモも使っていれば、最近できた曲もある中でよく(1枚の作品として)形になったなと。元々インスト用に作っていたデモに鈴のヴォーカルが入ることで「こういう方向性にもなるんだな」というのを学んだりもしたんです。美代子ちゃんが叩いてくれたドラムを聴いて、もう少しグルーヴを活かしたものをやってみたいなと思ったりもしていて。まずはライブをもう少しこなして馴染むようになってから、次に進んで行きたいですね。

Interview:IMAI

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