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BLUE ENCOUNT

支え合うように、寄り添うように歌われた“もっと光を”

_N1A40522015/1/28 ebisuLIQUIDROOM
“TOUR2014 ROOKIE'S HIGH”追加公演

即完売となった“TOUR2014 ROOKIE'S HIGH”の追加公演として行われた今回のライブ。平日にも関わらず、オーディエンスで埋め尽くされた会場は熱狂と歓喜に溢れていた。メジャー1stシングル『もっと光を』のリリース日でもあった1/28@恵比寿LIQUIDROOM公演の模様をレポートする。

開演前からハンドクラップとともにメンバーの名前を呼ぶ観客。会場はもう待ちきれないという様子だ。程なくして暗転し、大歓声が上がる中でメンバーが続々とステージへ。この日はVo./G.田邊の力強いアカペラで幕を開ける。格段に上がった田邊の歌唱力に息を呑む瞬間。フロアは一心に歌声を聴き、会場には張り詰めた空気が漂った。歌い終えた田邊が「ようこそ!! 恵比寿、かかってこい!」と煽り、「アンバランス」を放つ。リズミカルなアッパーチューンでフロアの温度はぶち上がり、「GO CRAZY」、「SLUGGER」と立て続けに演奏される楽曲にオーディエンスは踊り狂っていた。

MCでは田邊が、恵比寿LIQUIDROOMへ観客として初めて行った日のことを語る。当時は自分にとって、とてつもなく遠く、憧れのライブハウスだったと言う。その後、出演者として訪れる時が何度もあったが、力みすぎて納得のいくライブができる日はなかったそうだ。だが今日は「自分でもビックリするくらい緊張していない」と、自然体で演奏ができることを純粋に喜んでいた。

「HANDS」からの後半戦では、会場をさらにヒートアップさせる。途中、唐突に「もっと光を」のヒット祈願を行い、生中継中のテレビカメラに向かって会場がお祈りをするという、自由すぎるほどのパフォーマンスを展開。フロアは快くそれに応え、サプライズを楽しんでいた。

本編最後の「もっと光を」を前に、田邊は涙を浮かべながら話す。今回のツアーのこと、そして「もっと光を」がオーディエンスによって育てられ、完成したこと。一時はプレッシャーから眠れず、重圧に押しつぶされそうになりながら「ツアーから一度、逃げ出そうと思っていた」とも告白する。そこから救ってくれたのは、紛れもなく会場に足を運んでくれるオーディエンスだと感謝を告げた。演奏が終わった後も、“もっと光を”と大合唱が起こり、フロアからメンバーを呼ぶ声は止まない。光を分け合うように、互いを尊ぶバンドとオーディエンス。その間には、目に見えない確固たる絆を感じることができる。会場の熱気に応え、アンコールでは急遽「マキャベリズム」を加えて合計3曲を演奏。最後の「PLACE」では、クラウドサーフやサークルモッシュでキッズが暴れまわる。その顔はステージに立つ彼ら同様、屈託のない笑みで溢れていた。

5月からの全国ワンマンツアー“TOUR 2015 GRAB THE LIGHT”では、Zepp DiverCity公演を行うことも発表したBLUE ENCOUNT。会場の空気から感じたのは、その勢いが間違いなく本物だということだ。

TEXT:馬渡司
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