音楽メディア・フリーマガジン

THREE LIGHTS DOWN KINGS

4人で駆け抜けてきた8年間の集大成

PHOTO_TLDK012007年に結成し、地元名古屋を中心に精力的に活動を重ねて2012年にインディーデビュー。その後、メジャーデビューを経て目を見張る勢いでその存在感を大きくしているTHREE LIGHTS DOWN KINGS。ラウドシーンのみならず、音楽シーンで多くの注目を集めている彼らが、その活動の集大成とも言える2ndフルアルバム『ENERGIZER』(エネルガイザー)を完成させた。聴く者の感情を一瞬で沸騰させるエネルギー、ライブハウスでクラウドを狂気の渦に落とし込むビートとグルーヴ、そして胸の奥底に突き刺さる熱い想いが込められた今作で、彼らは新しい扉を開こうとしている。アルバムリリース直前となる今月号では、そんな彼らの全メンバーインタビューを敢行。その8年間の想いをじっくりと訊いた。

 

INTERVIEW #1

「親父には小さい頃から“とにかく好きなことをして稼げ”って言われて育ったんですよ。だからずっと音楽をやることしか考えていなかった」

●インタビューをさせていただくのは今回が初めてなので、まずはバンドの成り立ちを訊きたいんですが、結成はいつなんですか?

Ko-ichi:僕たちは同い年で今26歳なんですけど、結成は18歳のとき…だから8年くらいになります。

●あ、結構キャリアがあるんですね。

Ko-ichi:そうなんですよ。もともとは別のバンド名でやっていたんです。

u-ya:THREE LIGHTS DOWN KINGSというバンド名になったのは2010年ですね。

●前から今のような音楽性だったんですか?

u-ya:いや、もともとはポップパンクというか。洋楽が好きで。

●Green Dayとか。

Ko-ichi:そうですね。他にはFALL OUT BOYとかNew Found Gloryから影響を受けて。僕とNORIは高校の同級生で3年間同じクラスだったんですよ。僕は中学校の頃からずっとバンドをやっていて、NORIは高校からバンドを始めて。u-yaとはその頃によく出ていたライブハウスで知り合ったんですけど、僕とNORIが入った音楽学校で知り合ったJUNE Mを加えた4人でバンドを組んだんです。

●当時からバンドでやっていこうと考えていたんですか?

Ko-ichi:4人ともそう思ってました。

●就職とか一切考えずに?

Ko-ichi:一切考えずに。u-yaなんて大学中退してますからね(笑)。

●え? マジで?

u-ya:中退しました(笑)。僕は中1からギターを始めたんですけど、その当時から働くつもりがなかったというか。高校は工業高校だったんですけど、工業高校の進路ってだいたい就職じゃないですか。でも就職しちゃったらバンドができなくなるので、大学に行って(笑)。

●ハハハ。

Ko-ichi:今だから言っちゃうけど、あれ結構ひどいよね(笑)。大学を留年しても通わせてもらって、しかも中退してるもんね(笑)。

●アハハハハ(笑)。4人が揃ったとき、このバンドでがんばっていこうと決意したんですか?

Ko-ichi:そうですね。更に言えば、僕は中学校でギターを触ったときに「もう音楽しかない!」と思ったんです。僕も工業高校だったんですけど、歳をとってマジで音楽ができない身体になったときのことを考えたら、工業高校に入っておいた方がなんとかなるんじゃないかなっていうノリで。

●気合いが入っていると(笑)。

Ko-ichi:とにかくバンドがかっこよく見えたんです。バンドマンというものが圧倒的にかっこよかった。そういう憧れの対象がいっぱい居て。

JUNE M:うんうん。

Ko-ichi:俺の親父がすっげぇ音楽が好きで、その影響が大きいのかもしれないです。親父の世代って、いわゆる“ロックスター”じゃないですか。まずそういうロックスターの生き様がかっこいいと思いつつ、大きくなるに従って洋楽や日本のバンドからも刺激を受けつつ。親父には小さい頃から「とにかく好きなことをして稼げ」って言われて育ったんですよ。だからずっと音楽をやることしか考えていなかった。

●いいお父さんですね。ということは、今は小さい頃からの夢が現実になりつつあるという。

Ko-ichi:でも「やっと!」という感じですね。バンド結成してからCDデビューまでにはめちゃくちゃ時間がかかっているし、過去の僕らが苦労していた時期を知らない人も多いんですよ。最近出てきたバンドって思われがちというか。

●2012年にリリースした1stミニアルバム『HEY!!NOW!!』から数えたら3年ですけど、それまでに5年くらいかかっているんですね。CDデビュー以降の3年間はめまぐるしかったですか?

Ko-ichi:そうですね。いい意味でも悪い意味でも、現時点の僕たちは描いていたよりも上手くいっているんですけど、でもやっぱりステップが上がっていくと、新しい壁というか難しさもいろいろと出てくるし、現状に満足しない感じも常にある。2012年3月にインディーでデビューしたことは、僕たちにとって初めての前進だったんですよね。すごく大きな出来事だった。

●はい。

Ko-ichi:その翌年、2013年に出した2ndミニアルバム『BRAIN WASHING』が、いい感じで受け入れてもらって。それですぐソニーと出会ってメジャーデビューさせてもらって。端から見ると上手くいっている感がすると思うんですけど、最初から考えるとすごく時間がかかっているし、今ももちろん苦しんでいるし。なんか、もどかしいですね(笑)。

●正直に言うと、僕もそう思ってました(笑)。最近ガーン! と出てきたバンドだなと。でも今回リリースとなるアルバム『ENERGIZER』の歌詞を読むと、バンドの背景というか、今までの苦悩みたいなものがにじみ出ていて。

Ko-ichi:だから今作で「本当はこういうこともあったんだよ」というところも含めて伝えたかったんです。

●歌詞は結構ありのままを書くんですか?

Ko-ichi:そうですね。でも今回は今まで以上にありのままっていうか。自分の音楽人生を書きたかったんです。

●お。

Ko-ichi:僕は嘘をつきたくないので、今までもありのままを書いてきたんです。いつわりの姿では居たくないので。当初は英語詞が多かったんですけど、今回はもっともっと伝えたいことがあったので、日本語で歌う曲も増えたんです。

INTERVIEW #2

「バンドとしての集大成となるアルバムを作りたいんだったら、今、自分がどういう気持ちで、どういうことを考えてバンドをやっているかを書けばいいんだ」

●先ほどKo-ichiさんが「嘘はつきたくない」とおっしゃっていましたけど、M-2「伝心 MESSAGE」はそういう心境がめちゃくちゃストレートに綴られていますよね。バンドの宣言とも言える曲だと思うんですが。

Ko-ichi:すごくストレートですよね(笑)。歌詞は後から乗せるんですけど、こういう感じになっちゃいました。

u-ya:曲の作り方としては、僕が最初にオケを作って、メロと歌詞をKo-ichiが作るんですけど、「伝心 MESSAGE」のオケを作ったときに「メッセージ性が強い曲になったらいいね」っていう話をして。それがこういう形になったのかなって。

Ko-ichi:疾走感もあったし、割と英語詞のパートも多いので、逆に日本語詞の部分はよりストレートにしようと。

●「今回はもっともっと伝えたいことがあった」ということですが、アルバム自体はどういう作品にしようと思っていたんですか?

Ko-ichi:アルバム全体は、バンドが今までコンセプトとしてやってきている“ライブ感”はもちろんだし、“テンション”とか“ハイエナジー”がキーワードで、そこに加えて“メッセージ性”を強くしたかったんです。

●はい。

Ko-ichi:そういう要素を全部詰め込むことができたら、自分たちが持つエネルギーを聴いてくれた人に供給できるような作品になるだろうなって。だからタイトルを“ENERGIZER”にしたんです。タイトルは最後に付けたんですけど、アルバム制作にあたって、そういうニュアンスのコンセプトをまず決めたんです。

●なるほど。

Ko-ichi:2014年7月にリリースした3rdミニアルバム『ALL or NOTHING』に「ONE」という曲があるんですけど、その曲はそれまでよりも聴いてくれた人に寄り添うような歌詞が書けたんです。リリースするまでは不安だったんですけど、それが想像以上に受け入れられた感覚があって。

●ああ~。

Ko-ichi:だったらもっと自分自身が素直になって、わかりやすくストレートに気持ちを書いたとしても受け入れられるんじゃないかなって。だから僕の中では「ONE」という曲がすごく大きなきっかけになったんです。“こういう歌詞をもっと書いてもいいんだ”って。ぶっちゃけ、探り探りだった部分があったんですよ。

●さらけ出すのが怖いというか?

Ko-ichi:うん。表現者としては、そこに気を使っていちゃダメだと思うんですよ。ただ、怖い自分も居たりする。だったら、そういう葛藤自体を歌詞に書いていいじゃんって。

●はいはい。

Ko-ichi:変わることの怖さ、貫くことの難しさとか…今、このアルバムを作っているときの心境も歌詞にしたらいいんだと思えたんですよね。バンドとしての集大成となるアルバムを作りたいんだったら、今、自分がどういう気持ちで、どういうことを考えてバンドをやっているかを書けばいいんだなって。そういう感じですごく素直になれたし、自信を持って自分と向き合えたんです。

●なるほど。

Ko-iichi:自分がかっこいいと思うものを出して、誰に何を言われようと「俺はこれだ!」と貫くこともかっこいいと思うんですけど、僕は「ONE」で後押しされたことがすごくデカくて。繋がっているんですよね。

●語弊があるかもしれないけど、「ONE」以前は自分をさらけ出すのが怖かった?

Ko-ichi:ありました。素直には書いているつもりだけど、今から考えたら掘り下げてなかったというか。もっともっと素直になって、もっともっとストレートに伝えることを許してもらえた気がしたんです。

●いいことですね。先ほどおっしゃっていましたが、THREE LIGHTS DOWN KINGSの曲作りは、u-yaさんがオケを作ってきて、Ko-ichiさんがメロディと歌詞を乗せるパターンが多いんですか?

Ko-ichi:そうですね。

u-ya:僕がまずベーシックなオケを作って、Ko-ichiがメロディと歌詞を乗せて、メロディの調整を2人でするっていう。

●先ほど、バンドのコンセプトや今作のテーマとして“ライブ感”、“テンション”、“ハイエナジー”、“メッセージ性”というキーワードが出ましたが、アルバム全体に共通して“哀愁感”があると感じたんですよね。哀しさだったり、情景が見えるような雰囲気だったり。ただ単にテンション高いだけじゃなくて、テンションや熱さの裏には、闇や葛藤が見え隠れしているというか。歌詞だけじゃなくて、メロディやサウンドからそう感じるんです。

Ko-ichi:ああ~。嬉しいですね。気づいて欲しかったところでもあったんですよ。エモ感というか、メロディのちょっとした胸に刺さるニュアンスとか。どっちかというと、僕たちは“テンション感”や“ハイエナジー”、“ダンサブル”という言葉で形容されることが多くて。

●あ、そうなのか。

Ko-ichi:そういうエッセンスが無いとダメだと思っていて。

u-ya:音でも歌詞でも、その奥には伝えたいことがあったり、聴いて少しでも力になることができればいいなと思って作っているんです。

Ko-ichi:自分たち自身、こだわっているところなんですよね。影があるからこその光っていうか。それがTHREE LIGHTS DOWN KINGSのポイントだと僕は思っているんですよね。

●曲作りをするときにこだわっているところだと。他にもこだわりはあるんですか?

Ko-ichi:まずはメロディの抜け。歌詞を邪魔せずに、歌詞を際立たせて、抜けがいいメロディというところ。あとリズムのバリエーションという部分もかなり考えますね。

●今作でいうとM-8「88 NEXT Me」なんかは、おもしろいリズム感ですね。

Ko-ichi:完全に80sへのリスペクトですよね(笑)。好きなことをやりましたっていう。

●でも80sはリアルタイムじゃないですよね?

u-ya:そうですね。僕たちは88年生まれなので。

Ko-ichi:でも今僕たちがリアルに影響を受けているアーティストって、海外も含めて80sの影響を受けている人たちが圧倒的に多いんですよ。

●ああ~、なるほど。ルーツのルーツ。

Ko-ichi:“ハイエナジー”もそうなんですよね。シンセ感やリフ感もそうだし。

u-ya:ディスコっていうか。バブル的な。

●無知なりの無敵感というか(笑)。

Ko-ichi:世の中すべてがハイエナジーな感じで、最強ですよね(笑)。そういうところをしっかりと押さえたバンドっていうことを証明したいという想いもあるんです。ただ単に、流行っているエレクトロとかクラブミュージックを採り入れてるんじゃなくて、しっかりとルーツを辿って昇華させているんだよっていうところを、アーティストとして表現したかったんです。

●なるほど。思うところもいろいろとあるんですね(笑)。

Ko-ichi:はい(笑)。

INTERVIEW #3

「自分がいいと思ったものを提示して、それをみんなが“かっこいい”と言ってくれて。それが、どんどん新しいものを作っていきたいというモチベーションにも繋がっている」

●アルバムのきっかけになった曲はあるんですか?

Ko-ichi:M-3「BoomOVER」と、シングルにもなっているM-4「NEVER SAY NEVER」ですかね。曲作りの段階からアルバムの方向性をしっかりと見い出すきっかけになったと思います。この2曲が決まったからこそ、そこからの制作がすごくスムーズだったんです。

●なるほど。

Ko-ichi:俺さ、今回全然苦労しなかったんだよ。だって全然不満言ってなくない?

JUNE M:確かに言ってなかった。

●いつも不満言ってるんか(笑)。

一同:アハハハハハ(笑)。

Ko-ichi:書けないときに「辛い!」「書けない!」って。

●自分に対する不満ということですね(笑)。

Ko-ichi:もちろん作る上でのいい意味の苦労はありましたけど、でも停滞することがなかったんです。前作に収録した「ONE」が今作のきっかけになったと言いましたけど、今から考えたら「ONE」を作ることがいちばん苦労したかな。僕は前作の『ALL or NOTHING』の制作のときが本当にダメだったんですよ。方向も見えないし、歌いたいことはあるんだけど上手く表現できないし、メロディも浮かばなくて、メンバーにも迷惑をかけたし。

●そうだったのか。

Ko-ichi:今回のシングルとアルバムの制作は、その経験をバネにした感じはありました。

●なるほど。サウンド面でひとつ訊きたかったことがあるんですが、基本的にはバンドサウンド+エレクトロという構成ですが、ちょこちょこアコギが入っていますよね。

u-ya:アコギは今回初めて入れたんですよ。今まではクリーンで表現していたんですけど、アルバム全体の音もバンド感も、生っぽいテイストを入れたかったんです。

●うんうん。

u-ya:アナログとデジタルを融合したくて。そこでアコギを入れてみたら、より生っぽいニュアンスが出ておもしろいなと。

●すごく合ってますよね。

u-ya:「伝心 MESSAGE」とかは、最初は頭のところにちょろっと入れるつもりでデモを用意していたんですけど、実際にレコーディングをやってみたら「もっと入れたいな」ということになって、その場でアレンジを考えたんです。結果的に、アナログとデジタルがいい具合で共存するものになったなと。

●肌触りも違いますよね。

u-ya:そういう新しい試みをした曲でもあったから、アルバムの幕開け(M-1はSE)に持ってきたらいいんじゃないかなと。「俺たちはこういうこともできるんだよ」ということを提示したかったんです。

●そういう意味でいうと、今後音の種類とか楽器の種類とか、サウンド的な幅は拡がっていくんですか?

u-ya:そうですね。当然ながらCDを出すたびに“前よりももっとすごい作品を作りたい”という想いがあるので、今後もどんどん吸収していきたいですね。もちろん軸はブレさせずに、そこを中心にしていろんな要素を付け加えていきたいと思っていて。

●うんうん。

Ko-ichi:“すげぇな!”と思ったんですけど、何の前触れもなくu-yaはいきなりアコギ入れてきたんですよ。でもドンピシャで3人は「かっこいい!」となって。

●他のメンバーが「ん?」と思うようなものは提示しないと。

Ko-ichi:そうなんです。作品を重ねるごとに、4人の阿吽の呼吸というかグルーヴ感みたいなものがどんどん強くなっている感じがあるんです。だから今回オケに対してはほとんど口を出していない。

u-ya:だから僕もやりやすいんですよ。自分がいいと思ったものを提示して、それをみんなが「かっこいい」と言ってくれて。それが、どんどん新しいものを作っていきたいというモチベーションにも繋がっているんです。

●価値観も共有できているし、u-yaさんが提示した新しい方向にもみんなで進んでいける。

Ko-ichi:今回のアルバムを作ったとき、バンドの今までとかいろんなことを考えたんですけど、ずっと同じメンバーでやっていればこういうメリットも出てくるんだなって。今まではメンバーが居ることが当たり前だと思ってバンドをやってきたんですけど、今回のアルバムが完成したあとに改めて考えてみたら、僕たちだからこそできたアルバムなんだということに気づけたんです。

●はいはい。

Ko-ichi:僕はいちいち言葉で確認したいタイプなんですけど、今回の制作でメンバーに「そんなこと言わなくてもわかってるよ」って言われたんですよ。「俺らはそういう次元じゃないでしょ」って。それが僕はすごく嬉しくて。

●見えない信頼関係というか。

Ko-ichi:まさにそういう感じで、アルバムを作ったことで絆も深まったし、メンバーのありがたさにも気づけたし。そういう意味でも集大成だなって。

INTERVIEW #4

「言葉で表せないですよね。その瞬間、“やべぇ! 俺の人生で最高の瞬間!”と思えるし、そういう感覚を味わえているってすごいことだと思う」

●リリース後は東名阪ワンマンツアーが控えていますが、楽しみですね。

Ko-ichi:楽しみですね。気合いが入りまくってます。地元名古屋でのワンマンは今まで2回くらいやっているんですけど、ワンマンツアーというのは今回が初めてなんですよ。ぶっ潰すつもりでやります。

●LIQUIDROOMぶっ潰すのか(笑)。

u-ya:これを決めなくして次はないっていうつもりで。

●ライブは楽しいですか?

Ko-ichi:最高ですね。ライブをやっているときがいちばん“生きてる”って実感できるんです。

●即答した(笑)。

Ko-ichi:MCでもよく言うんですけど、ライブをやっているときがいちばん生きていることを実感するんですよね。心からそう思える。最高ですね。

●「NEVER SAY NEVER」に“分かり合えたあとの時の感動”という歌詞がありますけど、ライブでしか味わえない一体感ってありますよね。

Ko-ichi:そうですよね。なんていうかもう、言葉で表せないですよね。その瞬間、「やべぇ! 俺の人生で最高の瞬間!」と思えるし、そういう感覚を味わえているってすごいことだと思うんです。キッズみたいにTwitterのアカウントの後ろに“@[会場名]余韻”と付けたくなるくらい、ライブ後の余韻もすごいんですよ。

●アハハハハハ(笑)。

Ko-ichi:もちろん上手くいかないときもあって、ライブが終わった後はひと言もしゃべりたくなかったりすることもあるんですよ。でも、そういうときがあるからこそ、逆にいいライブができたら最高だと思えるんですよね。あと、お客さんがすっげぇいい顔をしているだけでもアガるんです。例えばお客さんが一体になっていなくても、表情を見たらアガるんですよね。

●ライブハウスで汗だくになって、人に見られていることをまったく気にせずに楽しんでいるお客さんの顔って、すごく美しいんですよね。

Ko-ichi:そうなんですよね。かっこよくて、美しい。そういう表情を見たらアガるんですよね。それに自分たちのライブだけじゃなくて、対バンのライブのときに僕たちのTシャツ着てラババン付けてタオル巻いてるお客さんがダイブとかしている人を見ると、もう誇らしくて。「こいつら音楽が本当に好きなんだな」って。逆もあるんですよね。他のバンドのTシャツ着てる奴らが僕たちのライブを楽しんでいるのを見ると嬉しいです。

●そうでしょうね。

u-ya:ライブはやっぱり生じゃないですか。僕らは同期を使っていますけど、でもその瞬間に出している音で、会場のみんながひとつになって、同じ気持ちで音楽を楽しんでいて。その感じが好きなんですよね。

JUNE M:お客さんも僕らも同じだと思うんですけど、まずライブの日までが楽しみじゃないですか。で、実際にライブ当日になったら、それまで楽しみにしていた気持ちがバーン! と爆発して。僕らもお客さんもそうなっていて、そういうところでも一体感を感じるんですよね。

●ああ~。ライブが始まる瞬間の雰囲気ってそうですよね。

u-ya:繋がり合えてるんですよね。楽しみにして来てくれていて、僕らも楽しみにしてライブに臨むので、お互い100%出し切らないと成立しないというか。だからお互いが全力で楽しむっていう。闘うわけじゃないけど、お互いが全力っていう感じ。

●ライブはバンドだけが作っているわけじゃなくて、ステージの上と下で一緒に作っている感じがありますよね。

Ko-ichi:僕らのライブにかける想いももちろんありますけど、それを楽しみにして来ているキッズたちの想いって、きっと僕らの想像を超えてると思うんです。ツアーとかにしても、僕たちは当然いろんな街に行ってライブをやりますけど、お客さんは全部来れないですよね。そう考えたら、きっとライブに対する期待値はすごいと思う。それは裏切りたくないですもんね。

●今日まったく発言がないNORIさんはどうですか?

NORI:ライブは、唯一素面でアドレナリンが出る瞬間です。

3人:ああ~。

JUNE M:確かにそのとおりだね(笑)。

Ko-ichi:確かにNORIのあの顔はライブでしか見られないな。もういっちゃってるもんね(笑)。

●ハハハ(笑)。

Ko-ichi:あのNORIの顔を見ただけでアガるもんね。

●4人にとってライブは最高の瞬間だと。

Ko-ichi:はい。だからとにかくワンマンツアーは気合いを入れてガッツリとやって、次のステップに進みたいなと。本数が少なくてごめんねと思いつつ、この3本を最高のものにしたいなと。

●期待してます(笑)。では最後にメンバーそれぞれに訊きたいんですが、THREE LIGHTS DOWN KINGSを同じメンバーで8年間やってきたということですが、このバンドをやっていて喜びを感じるのはどういう瞬間ですか?

NORI:素晴らしい楽曲があって、その素晴らしい楽曲で叩いてる自分…それが気持ちいいなって。

●心から素晴らしいと思える楽曲があって、そこで叩けていることが喜びだと。

NORI:はい。気持ちいい。

●Ko-ichiさんは?

Ko-ichi:今日も何度か言ったんですけど、このバンドは僕の人生そのものなんですよね。それとこの4人の中で1人でも欠けたらTHREE LIGHTS DOWN KINGSはやらないって決めてるんです。

●あ、そうなんだ。

Ko-ichi:はい。だからさっきNORIが「このバンドで叩けていることが喜び」って言ってくれたことがすごく嬉しいんです。僕はヴォーカルだし、こういう風に前に出てバンドの話をたくさんしているからこそ、メンバーが思う方向にバンドを持っていかなきゃいけないだろうし、逆に思ったことをすぐ口にするから迷惑をかけることも多いんです(笑)。

●でもそれは、メンバーがKo-ichiさんの魅力を最大限引き出すために、そうさせてくれている部分も在るんじゃないですか?

Ko-ichi:そう思うところもあるんですけど、でもそれは甘えなのかなとも思ったり。だからこのバンドが無くなっちゃうと、表現する場所が無くなっちゃうし、自分をさらけ出す場所も無くなっちゃうんです。だからこのバンドは自分にとってのチューナーというか。1人の人間として、1人のミュージシャンとして自分を保つためにはTHREE LIGHTS DOWN KINGSが絶対に必要なんです。“これが無くなっちゃったら俺はどうしてるんだろう?”って思います。

●それも「伝心 MESSAGE」の歌詞に書いていることですよね。本当にさらけ出してるな(笑)。u-yaさんは?

u-ya:このバンドを8年くらいやっていて、もう生活の一部というか、自然なことになっているんですけど、僕がこのバンドの曲のきっかけを作っているわけじゃないですか。それがCDとかライブとかで形になるのは、このバンドがあるからこそだと思うんです。このメンバーが居るからこそ、自分がやっていけているんだなって。当たり前に感じているけど、でもすごいことなんですよね。

●それも「伝心 MESSAGE」の歌詞にありますね(笑)。

Ko-ichi:“当り前じゃないことを/普通って思う事が「不幸」で”ですね。

u-ya:そんな感じです(笑)。

●JUNEさんは?

JUNE M:NORIくんが言っていたように、素晴らしい楽曲があって、その中でベースを弾けていることが幸せなことだし、それに人自体が好きなんですよね。今、他のバンドをやるということを一切考えられなくなっているんですけど、そのこと自体が喜ばしいことだなと思います。だから幸せです。

interview:Takeshi.Yamanaka
PHOTO:takeshiyao

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