音楽メディア・フリーマガジン

ギルガメッシュ

唯一無比の存在であることを証明してみせたツアーファイナル。 その先も4人は一歩たりとも立ち止まらない

2015/3/14@新木場STUDIO COAST
girugamesh 2014-2015 tour “gravitation” FINAL ONEMAN

20150314-IMG_5390渋谷clubasiaに狂乱をもたらした昨年10月の初日からスタートした、「girugamesh 2014-2015 tour “gravitation”」。そのツアーファイナルの幕がいよいよ、新木場STUDIO COASTという舞台にて上がる。初日を体験したものであれば余計に、この日がどこまで凄まじいものになるのか予想できないだろう。熱狂がもたらされることは当然、問題はどこまで行ってしまうのか…ということだ。定刻どおりに暗転すると、オーディエンスから一斉に大歓声が沸き起こる。開演前は不気味にフロアの中空に待機していた照明セットが徐々に上昇していく様は、まるで観る者たちのテンションを表しているかのようだ。

「Are you ready?」という左迅(Vo.)の野太い声での荒々しい呼びかけに、フロアに張り詰めていた緊張感が一気に解き放たれる。「gravitation」のイントロが戦いの始まりを告げるサイレンのように鳴り響くと、会場の中央には巨大なサークルモッシュが瞬く間に出現。日常で溜め込んできたネガティヴな想いも全てエネルギーに変えて回り続けるその渦は、止まることのないモーターのよう。回転する度に加速度を増し、興奮度も高めていく。「Go ahead」「斬鉄拳」と激烈なキラーチューンを立て続けに連発するギルガメッシュも、観客たちの熱量を真正面から受け止めて、それを倍返しにする腹づもりだと感じる。

冒頭3曲が終わって今日初めてのMCでは、左迅がいきなり「もう満足だわ」と満面の笑顔で言い放つ。その言葉も納得できるくらい、異常なレベルの熱気が序盤から渦巻いているのだ。ペースなど何も考えずに最初から全力でぶちかますようなオーディエンスのテンションに、メンバーも刺激されたのは間違いない。そこからも「antlion pit」や「CRAZY-FLAG」など次々と繰り出される楽曲に、激しいヘッドバンギングやシンガロングで応戦する観客たち。そんなフロアの光景に全身全霊で応えんとするメンバー4人が、ステージ上で躍動する。「Never ending story」からの「ALONE」で会場を一体感で包み込み、ライヴは終盤戦へと突入していく。

「今日一番のお前たちの声を届けてくれ!」と煽ってからの「Another way」で絶頂寸前まで持ち上げ、「ブッ倒れるくらい頭振れ!」という叫びに続いての「お前に捧げる醜い声」でフィニッシュした本編。まだまだイキきれない観客たちをさらに高ぶらせたのは、アンコール1曲目の「絶頂BANG!!」だ。さらに「evolution」「arrow」と休ませることなく容赦ない猛攻を繰り広げて、全てのオーディエンスを昇天させてみせた。

様々な対バンを迎えて約5ヶ月42公演に及ぶロングツアーの末に辿り着いたファイナル公演は、彼らの音が強靭さを増しながら独自の進化を遂げていることを物語っていた。だが、唯一無比の存在であることを証明してみせたギルガメッシュの旅はまだ終わらない。この日で10周年イヤーを締め括ったばかりの4人は、結成11周年イヤーへの突入を宣言。全11ヶ所のワンマンサーキット「-Memories of LIVEHOUSE oneman circuit- 『XI』」を4月後半からスタートする。一歩たりとも立ち止まらないという強力な意志は、その行く先に必ずや誰も歩んだことのない未来を描き出すだろう。

TEXT:IMAI

  • new_umbro
  • banner-umbloi•ÒW—pj