全国15万部を誇る日本最大級のミュージックフリーマガジン on Web!!

twitter instagram

nano.RIPE

誓い続けた歳月を投げ捨てて辿り着いた新境地。その先の暗闇を照らす答えがここにある

nano_main今年でメジャーデビュー5周年を迎えたnano.RIPEが、4thフルアルバム『七色眼鏡のヒミツ』をリリースする。インディーズ時代から常にライブバンドとして走り続けてきた彼らだが、1/3にはZepp DiverCity TOKYOでのワンマン公演を実現。過去には数々のメンバーチェンジを経ながらも、現在の4人となり固まったバンドとしての充実度は未だかつてないほどに上がっている。ミト(クラムボン)をアレンジャーに迎えたM-1「こたえあわせ」を筆頭に、同期も取り入れるなど初めての試みにも挑んだ今作はその自信あってこそだろう。自らがこだわり続けてきたことすらも捨てる覚悟で作られたという今作は新境地的でありながらも、それゆえにやはり“nano.RIPE”らしいのだ。どこまでも続くような研鑽の日々の先に辿り着いた、いくつもの“今”が重なって生み出された最高傑作。このアルバムが導く1つの到達点の先には、まだ果てしない世界が広がっている。

メンバー全員インタビュー#1

「“誓い続けたものを壊したり投げ捨てたりしてみましたけど、どうですか?”というのがアルバム全体のテーマみたいになっているなと」

●今回の4thフルアルバム『七色眼鏡のヒミツ』のレコーディングは、すごく順調に進んだそうですね。

きみコ:今まではツアーやライブをしながら、合間にレコーディングしていたんですよ。でも今回は1/3のZepp DiverCity TOKYOのライブを終えてからは、レコーディング期間ということでガッツリ地下にこもっていて。そういう中で予定どおりにポンポン進んだというのもあって、色んなことが上手く進んだ感じでした。

●集中してレコーディングに入れたのも良かったと。

ササキ:あと、今回は2デイズツアー(※nano.RIPE LIVE TOUR 2014 「有色透明」)をまわった直後だったので、ライブの本数を重ねる中で生まれたグルーヴをレコーディングに活かせたのも大きいんじゃないかな。

青山:僕が加入して3年近く経ったんですけど、「ようやくバンドになってきたな」と思っていて。実は最初の1年くらいは苦戦していたんです。前作(3rdフルアルバム『涙の落ちる速度』2014年)には僕が入る前にサポートの人が叩いていた曲もあったりして、最初から全部を自分が叩いたアルバムは今回が初めてなんですよ。そういうのもあって、ようやく馴染めたなと思っています。

●リズム隊の結束も固まってきているのでは?

アベ:固まってきた感じがします。僕は今回のレコーディングではクリックをほとんど使っていなくて、ドラムの音しか聴かずに弾いている曲も結構あるんですよ。お互いの音を聴きながら、レコーディングしたという感じはすごくありますね。

●お互いへの信頼も感じられているし、この4人でバンドが固まっている状態なんでしょうね。

きみコ:やっと固まったなっていう感じですね。

●ちなみに(青山)友樹くんが加入当初、苦戦していたというのはどういったところで?

青山:僕は元々ロックバンドをやったことがなくて、ポップスばかり演奏してきたので速い曲とかが単純に苦手だったんですよ。1年くらい経ってようやく、そういう曲もできるようになりましたね。ライブをいっぱいやってきた中で、成長してきたのかな。

●今作に向けた曲作り自体は、ライブやツアーの合間にやっていたんでしょうか?

きみコ:そうですね。前作を作り終えて、次はまだいつ出すか決まっていない段階から作り続けてきて。その中から厳選した14曲という感じです。

●曲に関しては創作の泉が枯れることなく、常に作り続けていますよね。

きみコ:今のところ、まだ枯れないです(笑)。

ササキ:僕もまだまだですね。いつか途切れちゃうんじゃないかという不安もあるんですけど、きみコも曲を作るのでお互いに刺激を受け合う中で作れています。

●お互いの作る曲が刺激になっている。

きみコ:今回はジュンらしい曲ときみコらしい曲とで、ほどよいバランスがとれているというか。作品全体を通して、nano.RIPEの色んな面を見てもらえる作品になったかなと思いますね。アレンジャーさんが参加したりとか他にも色んな要因はあるんですけど、きみコしか作れない曲/ジュンしか作れない曲というのがより一層明確に分かれてきた感じはします。

●きみコさんはブログで“新しいことに挑戦した”と書かれていましたが、アレンジャーさんに参加してもらったこともその1つ?

きみコ:そうですね。せっかくアレンジャーさんに入ってもらったので、どうせならできることは全部やっちゃおうと思って。今までのnano.RIPEのサウンドに寄せてもらうんじゃなくて、「ブッ壊して下さい」という感じでお願いしたんですよ。だから鍵盤が入っていたりピコピコしていたりと、今までのnano.RIPEが絶対に入れてこなかったような音も鳴っているんです。このアルバムで急に入れたのでもしかしたら「4人だけの音が好きだったのに…」という人もいるかもしれないけど、より一層nano.RIPEの世界観を伝えられる作品になったと思います。

●4人以外の音を入れることに対して、以前は抵抗があった?

きみコ:あたしがすごくこだわりがあって、今までは入れてこなかったんです。でも最近のライブではジュンが作ったオープニングSEの上に、あたしがポエトリーリーディングを乗せるということもやっていて。その延長で、今回のラストに入っているM-14「有色透明」という曲を作ったんですよ。それを1/3のZepp DiverCityのアンコールでやってみたらお客さんの反応も良かったし、自分が思っていたほど同期を入れることにみんなは抵抗がなかったんだなと気付きましたね。それによって曲の良さがもっと活きるということもわかったので、だったら思い切って入れてしまおうという感じでした。

●同期も曲の良さを引き立てるものになっている。

きみコ:“歌詞とメロディの良さを出すためにはどんなアレンジが良いか?”ということで進めていったので、すごく世界観を広げるキッカケになったかなと。友樹が入って3年近く経って、バンドとしても固まっている段階でそういう音を入れられるというのはすごく良いタイミングだったと思います。

●アレンジャーに関してはM-6「神様」とM-7「アポロ」が福富雅之さんの担当で、M-1「こたえあわせ」がミトさん、M-8「パラレルワールド」はミトさんと鈴木秋則さんの連名になっていますね。

きみコ:元々は福富さんとミトさんのお2人にお願いしようと思っていたんです。でも最初に打ち合わせをした時に「パラレルワールド」のイメージとして「センチメンタル・バスみたいにしたい」と言ったら、ミトさんから「じゃあ、(鈴木)秋則くんに弾いてもらえばいいじゃん」という話が出て。あたしは「そんなことができるんですか…!」っていう(笑)。それでお願いしてみたら秋則さんも快く引き受けて下さったので、共同アレンジという形になりました。

●そもそも今回、ミトさんにお願いした経緯とは?

きみコ:出会いは『花咲くいろは』(※nano.RIPEとクラムボンは共に同アニメのエンディングテーマを担当)でしたね。でもそれ以前から、クラムボンはメンバー4人が共通して大好きなバンドだったんです。『花咲くいろは』をキッカケに知り合って、「いつか一緒に何かやりたいね」とは話していたんですよ。それで今回のアルバムを作るにあたって「アレンジャーを入れてみたらどうか?」という話になった時に、「ミトさんが良い」というメンバー全員の意見でお願いすることになりました。

●クラムボンはメンバー全員が好きだったんですね。

ササキ:俺は昔からミトさんのベースがすごく好きだったんですよ。双子の兄がベーシストだったので、一緒にミトさんの音を研究したりもしていて。夢が現実になった感じで、「願えば叶うんだな」と思いました。

アベ:ミトさんはフレーズがすごくオシャレなんですよね。音色とプレイもすごく練られている感じがして。レコーディングではベーシストの前でベースを弾くことにすごいプレッシャーを感じつつ(笑)、一緒に機材トークができたりして楽しかったです。

●アレンジャーさんが参加した曲に関しても、すごくnano.RIPEらしいものになっていると思いました。

きみコ:ミトさんも福富さんも元からnano.RIPEをよく知ってくださっている方なので、安心してお任せできましたね。むしろお2人のほうが「こんなことしちゃって大丈夫?」と気を遣ってくれるくらい、nano.RIPEらしさというものを大事に考えてアレンジして下さったので、すごく良いところに落ち着いたのかなと。

●「神様」と「アポロ」のアレンジを福富さんにお願いした理由とは?

きみコ:「神様」には、鍵盤をすごく入れたくて。ああいう和風なメロディの曲は今までnano.RIPEにはなかったし、情景的な歌詞の世界観をより広げるべき曲だなと思っていたんです。福富さんはそういうことが得意なんじゃないかなと一方的に思っていたので、「神様」をお願いするのは早い段階で決まっていましたね。でも「アポロ」に関しては「果たしてどうなんだろうか?」という気持ちが正直あって、福富さんも最初はちょっと戸惑ったみたいなんですよ。「こういう曲はやったことがなかった」と言っていたんですけど、そこはもうお互いに挑戦という感じで…。

青山:アレンジャーさんに挑戦させるっていう(笑)。

きみコ:「すごいプレッシャーだった」と言っていましたね(笑)。でも結果として、想像を遥かに超えるものを作って下さったと思います。

●「神様」についてはブログで「まさかこのあたしがこんなタイトルで曲を書く日が来るとは夢にも思わなかった」と書いていましたが。

きみコ:2ndフルアルバム(『プラスとマイナスのしくみ』)のリードトラックだった「ナンバーゼロ」という曲で、“神頼みなんて意味がない”と歌っていて。プライベートでも、神頼みをしないっていうこだわりがずっとあったんです。そんなあたしが神頼みする曲を書くというのはある意味で心境の変化だし、もしかしたらこれも成長の1つなのかなっていうふうに捉えているんですよね。“神頼みなんて意味がない”と言っていた2作目の自分を4作目の今回では否定するような、そこまで思い切ったことをどうせならやってしまおうという。

●過去の自分がこだわっていたことを捨て去るくらい、思い切った。

きみコ:今までの自分を否定することによって、肯定するというか。「かつてはそういう自分もいたし、結果として今のあたしはこうである」っていう感じで、「変わっていくことは別に悪いことじゃないんだ」というようなことも今作全体のテーマとして伝えたくて。そのあたりは思い切って書きました。

●実際に今は神頼みをすることもあるんですか?

きみコ:この歌詞はほぼ実話なんですけど、神頼みをしたのは最近のことでそれもたった1回きりなんですよ。最後の“お願い 神様 そこに居て”という歌詞も、私が次にいつ行くかわからないから「行った時にまたちゃんとそこに居て下さい」というお願いをしているんです。この先また神様に祈るような人生を送るかどうかはわからないですけど、とりあえず1回は神頼みをしたということがあたしの人生の中では大きな出来事だったから。

●信じる/信じないは別にして、そこまで頑なというのも珍しい気がします。

きみコ:ジュンには「そこまで頑なだとそれはある意味、宗教だ」と言われましたからね(笑)。

ササキ:すごいなと思って。「みんなで初詣に行こうよ」とか誘ってみても、「いや、あたしは神頼みはしないから」みたいな感じで。

●そこまでのレベルなんだ…。

きみコ:ツアー中にみんなで出雲大社に行った時も、あたしは車で待っていましたからね。でも「お蕎麦は一緒に食べるから、あとで呼んで」っていう。足を踏み入れもしない(笑)。

ササキ:超めんどくさいんですよ(笑)。

●ハハハ(笑)。でも今はキッカケがあって、神頼みもできる心境になっている。

きみコ:そうですね。でも作っている時は(「神様」の)歌詞と同じように悩みながら、「今まで私が頑なに拒んできたことを本当にここで崩してしまっていいんだろうか?」と考えていて。「神頼みをするっていう行為で今までの自分を否定することによって、あたしの中のバランスが何か崩れるんじゃないか?」ということまで考えて、緊張したんですよ。でも一度経験したので、次にまた何か神頼みしたいと思うタイミングがあったら、今度はすんなりとできると思います。

●こだわりを捨てるという意味では、アレンジャーの参加や同期を取り入れたことにも通じるのかなと。

きみコ:「神様」の歌録りをしている時に、ディレクターから「この曲の歌詞はアルバム全体を表している感じだね」と言われたんですよ。そう言われてみれば、確かに「誓い続けたものを壊したり投げ捨てたりしてみましたけど、どうですか?」というのがアルバム全体のテーマみたいになっているなと。あくまでもリードトラックは「こたえあわせ」なんですけど、「神様」という曲もすごくキーになっていると思うんです。

メンバー全員インタビュー#2

「色んな“今”が重なってこのアルバムができたのと同じで、メンバーがやっと固まってnano.RIPEというものが確立された“今”、47都道府県に行きたい」

●「こたえあわせ」は、今までの自分たちの曲へのアンサーソングにもなっているんですよね。

きみコ:特に歌詞ですね。この曲をジュンが書いてきた時に「リードトラックにしよう」ということになって、そこから次のアルバムのテーマや歌詞を考えていったんです。インディーズの最後に出したシングル曲の「世界点」(※1stアルバム『星の夜の脈の音の』にも収録)は、初めてワンマンライブをした時の気持ちを忘れちゃいけないと思って書いた曲で。今でもライブの定番なのでお客さんも知っている人は多いんですけど、それの“今”バージョンみたいな歌にしたいという話になったんですよ。

●「世界点」の“今”バージョンというのは?

きみコ:デビューして5年目に入って、初めてワンマンライブをした頃の景色とは全然違うものが今は見えていたりするんですよね。同じようにステージに立っていても、当時とは全然違う心境でライブに臨めていたりする。そういう意味で「今はこんな気持ちで歌っているよ」というのを伝えたくて書き始めたところから、何となく「ハナノイロ」や今までのキーになっている曲の“答え”みたいなものを散りばめていったらどうだろうかという発想に変わっていって。その結果、nano.RIPEがデビューしてから今までの曲の“こたえあわせ”みたいな歌詞に落ち着いたんです。

●書き始めた段階から、そういうイメージがあったと。

きみコ:そうですね。今まで長く応援してくれてきた人たちであればあるほど、色んな仕掛けに気付くような曲にしたいと思っていました。

●今作は他にも過去曲へのアンサーソングになっているものがあるそうですが。

きみコ:M-13「空飛ぶクツ」は、2008年に出したミニアルバムのタイトルでもあって。あと、M-3「スノードーム」とM-11「ラルミー」は過去作からの再録ですね。

●「空飛ぶクツ」は作品タイトルとしてはあったものですが、曲としては存在していなかったんですよね。

きみコ:そうなんですよ。これは『空飛ぶクツ』のリードトラックだった「色彩」のアンサーソングをイメージして書いたんです。でも今思うと、あの作品全体のアンサーソングみたいになっているなと。当時から応援してくれてきた人たちには「あの時からnano.RIPEはこういうふうに成長したんだな」と思ってもらえるような歌詞になったので、思い切って「あの時のアルバムタイトルを付けてしまおう」っていう感じでした。

●再録の2曲を選んだ基準とは?

きみコ:「ラルミー」はインディーズ時代の作品にしか入っていないのに、ライブでもずっとやっている曲なんです。だから、よくライブに来てくれる人は「聴いたことはあるけど、何という曲なんだろう?」という感じだったと思うんですよ。「スノードーム」は『世界点』のシングルがまだ入手しやすいのもあって、新しいファンの人もさかのぼって聴いてくれたりしていて。

●こちらもライブでよくやっていたんですか?

きみコ:こっちはそんなにやっていなかったんですけど、「ライブでやって欲しい」という声が結構多くて。そんなに愛されているのなら、あたしもノブ(アベ)も好きだからやってみようかなっていう感じでした。

アベ:実は去年の2デイズツアーでは結構やっていたんです。だんだん冬になる時期に合わせて、「スノードーム」をやろうということになって。僕は「やっとライブでやれる日が来た!」という感じでしたね。結果的に、上手い具合に今作への前振りにもなったというか。

●リリース前のツアーでもやっていた曲がタイミング良く再録されたと。改めて聴くと「ラルミー」はすごく良い曲だなと思いました。

きみコ:そうなんです。たぶん「ラルミー」あたりで1回、ジュンの曲に打ちのめされたんですよ。あたしの中にはない感じの曲なので、すごく衝撃を受けましたね。

●ジュンくん自身にとっても重要な曲だった?

ササキ:いや、最近まで自分が書いた曲だということを忘れていて…。ずっと、きみコの曲だと思っていたんですよ。

きみコ:今回のマスタリングの時に思い出したんです。

青山:自分の曲だということは忘れているのに、逆に他人の曲を自分が書いたと思っていたりして(笑)。

●それもすごい(笑)。

きみコ:あたしが書いた曲を、自分が書いたと勘違いしているんです。

ササキ:きみコの曲は暗いものが多いので…。この曲はシリアスな感じだから、メロディもきみコから出てきたものだとずっと思っていたんですよ。

きみコ:“暗い曲=きみコ”みたいな(笑)。

●ハハハ(笑)。

ササキ:そう思っていたんですけど、実は自分の曲だったという…。今の自分の中には「ラルミー」みたいなものはないんですよ。絶対に今ならこういう曲は書かないと思うけど、それって自分の書く曲も成長しているっていうことだなと。

アベ:確かに、明るい曲が増えてきましたよね。

きみコ:この曲の進化バージョンが前作の「マリンスノー」あたりだと、あたしは思っていて。これ自体はすごくシンプルな作りなんですけど、そこからより一層洗練されたものが「マリンスノー」には出ているので、そこにジュンの成長がつながっているのかなと思います。

●ジュンくんの成長が見える曲にもなっていると。M-12「ホタル」はスピッツのカバーですが、これを収録した理由とは?

きみコ:カバーはずっとやりたいと思っていたんですけど、今回は新しいことに挑戦したアルバムというのもあって、このタイミングでやるのが一番ナチュラルかなって。今のnano.RIPEだからこそできることかなというのもありましたね。あたしはカバーをやるなら、絶対にスピッツだと思っていたんです。他にも色んな候補がある中で、「ホタル」はよりnano.RIPEらしい曲だなと。それをさらにnano.RIPEっぽくするということに挑戦してみようということで、この曲を選びました。

●「ホタル」がnano.RIPEらしいと感じる部分とは?

きみコ:「ホタル」の儚いんだけどグサッとくるようなメロディや切ない雰囲気は、すごくnano.RIPEらしいなと。そこをさらにnano.RIPEっぽくするというのが、今回のカバーの目的としてやってみたかったことなんです。

青山:僕もこの曲が大好きで、ダークな雰囲気がすごく良いと思うんです。「そういう曲をnano.RIPEがやったらどうなるんだろう?」っていうところでやってみたら、意外とハマったんですよね。nano.RIPEらしくなったし、すごく良いなと思いました。

●M-4「ルーペ」は、伊藤かな恵さんに提供した楽曲のセルフカバーなんですよね。

きみコ:提供した時から作詞・作曲はきみコで、アレンジと演奏はnano.RIPEでリリースしているので、今回も演奏に関しては録り直していなくて。ボーカルはあたしが歌い直して、ミックスもnano.RIPEらしい感じに変えましたけどね。かな恵ちゃんに楽曲提供することが今のところ一番多いんですけど、自分の色をかなり出せるんですよ。あたしと似ている部分もあったりするので、すごく自分らしく書けるんです。

●元々から自分らしい曲を提供していると。

きみコ:「ルーペ」もあたしが歌ってもおかしくないように元々書いていたので、カバーすることに抵抗は全くなくて。むしろnano.RIPEが演奏もアレンジもしているので、それは「きみコ・バージョンで出すべきだろう」くらいの感じでしたね(笑)。当たり前のように「これは絶対に入れよう」と、早い段階で決めていました。

●自分たちの中で14曲という収録曲数は決まっていたんですか?

きみコ:今まで出してきた3枚のアルバムは全部14曲入りなので、今回も14曲でいきたいなという想いはすごくあって。最初に収録曲を選んでいる段階では他にも入れたい曲がまだまだあって、14曲じゃ足りなかったんですよ。そこから14曲まで削ぎ落としたので、「曲がありすぎて、どうしよう?」っていう感じでしたね。

●厳選した結果の14曲だと。アルバムタイトルの『七色眼鏡のヒミツ』はどういったところから?

きみコ:たくさん候補を考えた中に“七色眼鏡”という言葉があったんですけど、元々は万華鏡の(別称の)“百色眼鏡”から来ているんです。「有色透明」はこのアルバムの中でもキーになっていて、これからのライブでも大切な曲になるだろうと思っていて。その歌詞の中で“虹”が出てくるので、本来の“百色”じゃなくて“七色”にしようということで“七色眼鏡”になったんですよ。(このアルバムを)覗いてもらえば、“こたえあわせ”みたいな感じで色々なところに色々なこたえが入っていたりするので、そのあたりの秘密は「あなたの目で覗いて探して下さいね」というような意味合いで付けました。

●きみコさんがブログに書かれていたように、“新境地”的な作品になったと感じている?

青山:完全に新境地ですね。今まではまずアレンジャーが入ることもなかったので、自分たちにないものを持ってきてもらった感じがしていて。それ以外でも「嘘と月」のギターでワーミーペダルを使っていたり、色々と挑戦しているんですよ。だから、このアルバムは全体的に“挑戦”という感じが僕の中ではしています。

ササキ:「有色透明」は元々SE用に作った曲に歌を乗せているんですけど、そういうこと自体が初めてだったんです。今まではメロディが先にできて、そこにバンドの音を乗せていく感じだったんですよね。でもこの曲はオケを先に作ってから歌のメロディを後で付けているので「こういう作り方もやれるんだ」という新しい発見があって。今後も今までとは違うところから曲ができたら面白いだろうなと感じました。

きみコ:まだまだやれることはたくさんあるなというのをすごく感じましたね。「これができたなら、もっとこういう曲が書けるんじゃないか」というイメージも湧いてきたりして。

●今回は新たな挑戦をしたことでバンドとしての幅が広がって、今まで以上に開けている感じがします。

アベ:今回は初めてリードトラックが明るい曲なんですよね。今までのアルバムではシリアスな曲がリードトラックになっていたんですけど、今回は明るいnano.RIPEというか、「こういうところもあるぞ」というのを認識してもらえたらなと。アーティスト写真も爽やかな感じだし、自分たちの見え方というのも(既存のイメージを)壊していけたらという気持ちがありますね。

きみコ:この先のnano.RIPEを考えた時に「ここが分岐点になって、また変わっていけるだろうな」という感覚があって。でも“新境地”と言いながらも最終的にできあがったものを聴いてみると、これはよりnano.RIPEらしいものなのかもしれないとすごく感じたんですよ。「これがnano.RIPEだったのかもしれない」というくらい、すんなり聴けたというか。

●新たなことに挑戦しつつ、自分たちらしいものになっている。

きみコ:新しいことをたくさんやるわけなので、結果として「ここはnano.RIPEの迷走期だったね」と後で言われるくらいのものになってもいいというくらいの覚悟で最初は作り始めたんです。でも今回のアルバムを作り終えて聴いてみると、昔よりもクオリティや演奏技術が上がってきているのもあるんですけど、そういうものも引っくるめて「一番良いものができたな」と思えて。これまでの作品を作った時も感じていたことなんですけど、それをより一層感じられる作品になりました。

●自分たちの成長や進化も含めて、現時点での最高傑作ができた。

きみコ:そういうものができたのもメジャーデビューして5年目に入って、ここまでライブも含めて基盤を固めてきたからこそで。友樹が入ってもうすぐ3年で、バンドとしてもしっかりした今だからこそできたことだなという感覚もすごくあるんですよ。色んな“今”がぴったりハマって、このアルバムができたという感じがしています。

●その作品を持って、久々に長期にわたるツアーに入るわけですが。

ササキ:死なないように頑張ります(笑)。メジャーになってからは一番多い本数なんですけど、ライブでたくさん成長できたらなと。『空飛ぶクツ』のツアーでも63本まわったんですけど、初心に戻るというか、その頃の気持ちを思い出せたらなという気持ちがすごくあって。これで終わりじゃなくて、ここからが始まりという気持ちでいますね。

青山:僕はこれだけの規模のツアーをやるのは人生で初めてなので、まだ想像もつかないんです。でも単純に、47都道府県全てでワンマンライブがやれるという幸せがあって。すごく大変だと思うんですけど、やりきった時に「最高の1年だった」と言えるようにしたいです。

●47都道府県全てでワンマンというのは、本当にすごいことですからね。

アベ:デビューしてからリリースやツアーを色々してきた中で、「私たちのところにも来て下さい」という声はもらっていたんです。そういう声に応えられるというのが、自分としては一番大きくて。せっかくワンマンで全会場をまわれるので、良いものにするのはもちろんとして、期待を超えるようなライブを見せていけたらいいなと思っています。

きみコ:nano.RIPEはライブバンドとしてインディーズの頃からやってきたんですけど、まだ行ったことのない県が4つだけあるんですよ。それをいつ達成しようかという想いはずっとあって、それが今だなと。色んな“今”が重なってこのアルバムができたのと同じで、メンバーがやっと固まってnano.RIPEというものが確立された“今”、47都道府県に行きたいなという想いがすごくあったんです。今回はアルバムも明るいものに仕上がったので、ぼくらもお客さんも過去最高に笑ってハッピーで、とにかく「ライブって楽しいね」と言えるようなツアーにしたいですね。

●そして10/10に沖縄でファイナルを迎えて、あとはバカンスが待っているという…(笑)。

きみコ:これは完全にそういう感じですね(笑)。

青山:僕は誕生日が10/12なんですよ。そこまでは沖縄にいるつもりだから…最高に楽しみです!

一同:ハハハハハ(笑)。

Interview:IMAI

banner_228 new_umbro banner-umbloi•ÒW—pj