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水曜日のカンパネラ

水曜日のカンパネラ・1st EP『トライアスロン』リリース記念 SPECIAL TALK SESSION:コムアイ × OBKR(N.O.R.K.)

IMG_0010初のワンマンライブとなる2015年3月29日の恵比寿LIQUIDROOM公演も即完するなど、水曜日のカンパネラの勢いが止まらない。昨年11月に4thミニアルバム『私を鬼ヶ島に連れてって』を発売以降、WEBやラジオを中心に認知度が急上昇。さらなる飛躍が確信される中でリリースされる1st EP『トライアスロン』は、新たな一面を見せる1枚だ。これまでは全てメンバーでもあるKenmochi Hidefumiのプロデュースで進んできたが、今回はオオルタイチとOBKR(N.O.R.K.)との初のコラボで可能性を広げている。そのリリースを記念してJUNGLE☆LIFEでは、コムアイがかねてより親交があるというOBKRとの対談が実現! 同世代の2人が生み出す未知なる化学反応に迫る…。

 

「でも何か匂いはあった気がする。人と同じ道を歩きたくないオーラはずっとあって」(OBKR)

「ちょうど良いところで“違うものが欲しいんだろうな”というものをポンと投げてくれそうな人というか」(コムアイ)

●お2人が最初に出会ったのは?

OBKR:上池袋にシェアハウスがあって、そこのヌシみたいな人の誕生日会で色んな人が集まっていた中に、僕もコムアイちゃんもいたんです。僕はそこにいる役者界隈の劇伴を今回の「ナポレオン」を作曲した酒本(信太)がやっていたつながりでその日は来ていたんですけど、コムアイちゃんは何であそこにいたの?

コムアイ:教育系のワークショップで知り合った役者さんに連れてきてもらったんじゃないかな。役者や写真家だったり、物を作っている人が多かったよね。あの頃は色んなシェアハウスに行くっていう遊びをよくやっていた気がする。本当にヒマすぎて…。音楽をやっていたわけでもないし、役者をやっていたわけでもないから。映画館に行っても1人だし、たくさんの人に会うところがないじゃないですか。人に出会う場所が欲しくて、そういうのに誘われたらなるべく行くようにしていたんです。

●お互いの第一印象は?

コムアイ:女の人みたいな感じで、きれいな顔立ちの人だなって。きれいな青年っていう感じでした。

OBKR:あんまり覚えていないんだけど、コムアイちゃんは当時ほとんど喋っていなかったよね? 「無口な人が来たな」というイメージがあって。

コムアイ:クールぶってたんじゃないかな(笑)。

OBKR:しかも颯爽と帰ったんですよ。20分くらいしかいなかったと思う(笑)。

●そこで仲良くなったわけではないと。

コムアイ:でもその後で1回、ごはんを食べに行ったよね? Facebookではつながっていたと思います。と言っても、年に1回会うか会わないかというくらいで。

OBKR:常に連絡をしているわけでもなくて。一番最後に会った日に「私も音楽をやるんだよね」と言っていた気はして。でもその当時は、水曜日のカンパネラ自体もまだ立ち上がっていなかったんじゃないかな。

コムアイ:その時は(OBKRは)全然違うことをやっていたよね?

OBKR:僕は当時、もう音楽をやっていなくて。ちょうど就職活動の時期も近付いてきて、音楽をやめようかなと思っていた時期でした。

●そこから音楽を再び始めたのは?

OBKR:N.O.R.K.を始めたのが、1年半前くらいなんですよ。「何で俺は22歳で勝負しないんだ?」と思って就活をやめて、一念発起してN.O.R.K.を始めた感じなんです。

コムアイ:速いよね。この歳だと、本当に周りのことがどんどん変わっていくから面白くて。お互いにどんどん転換していっている感じがするんですよ。20代前半って、みんなすごく変わる。主軸が急に全く変わったりするのがすごく面白いですね。

OBKR:たぶんお互いに同じことを思っているんだよね。「あいつ、こんな感じになったんだ!」みたいな(笑)。でもコムアイちゃんが一番変わったと思う。

コムアイ:確かに(笑)。あの時は音楽をやるなんて思ってもいなかったもんな…。のんびりしていたし、ちゃんと歌ったこともなかったから。

OBKR:「歌うんだ!」と思って、ビックリしましたね。

●水曜日のカンパネラを始めた当初から知っていた?

OBKR:ほぼ始まった時から見ていたので、僕は結構コアなファンですよ(笑)。「お七」(1stミニアルバム『クロールと逆上がり』)のMVあたりから見ていて。

コムアイ:Facebookに「オズ」(※初のデモ音源)とかもアップしていた気がするので、聴いてもらっていたのかな。全然、誰も知らない頃から知っているっていう…コアファン過ぎ(笑)。

●その頃から良いと思っていた?

OBKR:最初は正直よくわからなくて…。僕はストレートな音楽が好きなので、奇をてらった感じの音楽があんまり好きじゃないというのもあったんです。でも「桃太郎」や「千利休」を発表した頃から、だんだん「良くなっている!」と思いましたね。

コムアイ:単にクオリティの問題なのかもしれないけどね(笑)。すごく変わったというわけでもないので、こつこつとクオリティを積み上げてきたのかもしれない。

●そういう中でだんだん好きになっていったと。

OBKR:あと、謎の主体性があったんですよね。“やらされている”感じではないのが面白かったです。

コムアイ:完全に“やらされて”いるんだけどね。自分でやっていることはほとんどないわけで。曲も歌詞も作っていないし、そもそも“歌”自体も自分から始めたわけじゃないのに、“やらされている”感はパフォーマンスとかにはあんまり出ていないと思うんですよ。歌っている時もそういう気持ちにはならないし。

OBKR:音を聴いていても、それは何となく感じて。

コムアイ:でも最初は“やらされている”感がすごく強かったと思う。嫌なところがあっても、あんまり言えなかったから。その違いが音に出ているんだとしたら、面白いですね。

●ライブも初期から観ていたんですか?

OBKR:ライブを初めて観たのは、わりと最近ですね。そのライブで2年ぶりくらいに再会したんですけど、変わり様が半端じゃなくて(笑)。マイクのコードをお客さんに巻きつけているのを見て「ヤバい!」と思って…ビックリしました(笑)。肝が座っているなと思いましたね。

コムアイ:肝が座っているというか、自分に戻った瞬間にそこから何もできなくなっちゃうから緩められないというか。超楽しいけどね。楽しい時は記憶がないくらい、本当に楽しい。

●当初の印象では、そんなことをやりそうなキャラではなかった?

OBKR:でも何か匂いはあった気がする。人と同じ道を歩きたくないオーラはずっとあって。ライブを観た時もビックリはしたけど、「こういうことになったんだな」という感じでしたね。一生懸命やっていて、すごいなとは思いました。“就職して何して〜”みたいなことを毛嫌いしている感じがあったから。

コムアイ:そう、毛嫌いっていう感じ。同じところに並べられた瞬間に萎縮しちゃって、競争に勝てないんですよ。たとえば学校のテストみたいに1本の同じ評価軸で比べられると、やる気がなくなっちゃうんですよね。別にそういうものを否定しているわけではなくて、それで勝てる人たちは頑張ったらいいと思うんです。でも自分は苦手だから、そういうところには行きたくない。だから自分のために、そこをズラしていくしかないというか。

●そういう感覚は近いところもある?

OBKR:“軸をズラす”というところは、すごくよくわかりますね。

コムアイ:私たちがやっているのは、スキマ産業みたいなものだから…(笑)。

●日本でN.O.R.K.みたいな音楽をやっている人は他にもいるんですか?

OBKR:いや、今のところはいないんじゃないかな。そもそも英語でR&Bを歌える人がバンド界隈ではあまりいないんですよ。だから、新規性は高かったと思いますね。日本にはこういうシーン自体がないというか。

●日本人が思い浮かべるような、いわゆる“R&B”とは全然違いますよね。

OBKR:そうですね。ちょっとクラシックの要素もあるので。ひとことで「N.O.R.K.って何?」と訊かれたら「クラシックの要素もあるR&B」と言えば、「なるほど」ってなる。それは今回の曲作り(「ナポレオン」)も同じですけど、自分の中でまずコンセプトを決めていて。実際に自分の手を動かすことはほとんどなくて、プロダクションでは「ああいう音を入れたい」みたいな感じでどんどん口を挟んでいくというのが僕の立ち位置なんです。

●今回はどういう曲にして欲しいという要望を先に何かもらっていたんでしょうか?

OBKR:最初の打ち合わせで言われたのが「とにかく新しいことをしたい」ということで。今までの路線ではなく、新しいものを打ち出したいという話でしたね。

コムアイ:そもそも(Kenmochi Hidefumi以外の)他のプロデューサーを迎えるという時点から、そういう企画だったんです。これまでに4枚(ミニアルバムを)出してきたことで、私の中ではもう完全に飽きていて。

●飽きていたんですか(笑)。

コムアイ:1枚目は違ったんだけど、2〜4枚目は同じ路線でクオリティを上げていくという感じだったから、もうそろそろ変えないとなと。毎回「もっと変えたい」と言っているのに、結局は「あんまり変わんなかったね」で終わっちゃうんですよ。(イメージが)強くなっていくだけで、印象自体は変わらないんですよね。だから、ここらで1回崩したいと思って。これまでに水曜日のカンパネラを好きになった人はもう何をやっても大丈夫だと思うから(笑)。何をやっても受け入れてくれるだろうし、逆にそれで離れられても別に良いと思ったんです。それよりも今まで興味が全然なかった人に興味を持ってもらうことにしか、自分自身は興味がないっていうか。

●新しい人に知ってもらいたい。

コムアイ:新しい人が振り向いてくれるようなことがしたくて。それで今回は、オオルタイチさんとOBKRさんにお願いしたんです。最初にOBKRさんと話した時にすごくスムーズだったのが、「今までと全然違うことがしたくて俺に話が振られたということは、こういうものを出せば良いんだろうな」みたいな感覚があったところで。最初のほうの作品があんまり好きじゃないという話も含めて信頼できるなと。ちょうど良いところで「違うものが欲しいんだろうな」というものをポンと投げてくれそうな人というか。(今までの)水曜日のカンパネラが本当に好きな人に任せると、あんまり変わらなくなっちゃうんですよね。そのへんの距離感がすごく良かったです。

OBKR:今までの水曜日のカンパネラらしい、早口のラップ的なエッセンスをどう入れていくかというところは考えましたけどね。彼女が歌いやすい、一番良いところを引き出さないとなという気持ちはありました。でもさっきも言ったように、奇をてらった変なものを作るのは好きじゃなくて。普通の女子高生が聴いても「良い」と思うんだけど、何か違う…。その“何か”をどう表現するかみたいなところが、僕の中にはずっとテーマとしてあるんです。そういう意味でも今回は良い仕事ができたと思います。

●「ナポレオン」に対するネット上の反応を見ても、既に賛否両論で面白いですね。

コムアイ:今までと違うことをやってみたからみんなビックリするだろうなとは思っていたけど、私は良いビックリしかしないだろうなと思っていたんです。でも意外と「こういうものを待っていたんじゃないのに」みたいな反応もあって、それがすごく気持ち良いんですよ。今やっておいて、本当に良かったなという気がしますね。もっと(同じ路線で)真っ直ぐ進んじゃっていたら、絶対にやりづらくなっていたから危なかったなと。「違うものをどんどんやっていくんですよ」という宣言になっていて、良い折り返し地点になれたかなと思いますね。

Interview:IMAI

 

obkr■OBKR プロフィール

R&Bユニット「N.O.R.K.」のボーカル兼プロデューサーであり、平成世代のクリエイターのみで構成された音楽レーベル「Tokyo Recordings」も主催する1991年生まれの作詞家/プロデューサー。

 

 

 

 

 

 

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