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KEMURI

日本のスカパンク・シーンの先駆者が駆け抜けた20年は その先にある“明日”を今なお輝かせ続ける

PH_KEMURIKEMURIが2015年、結成20周年を迎えた。1995年の結成以降、“PMA (Positive Mental Attitude:肯定的な精神姿勢)”を掲げて活動を続けてきた彼ら。日本のスカパンクシーンの先駆者と称されるとおり、まだそのジャンルが国内で定着する前から動き始め、後のシーンにつながる礎を築いた存在だ。もはやレジェンド的存在とも言える、このバンドは今なお現在進行形で進化を続けている。2007年12月のZepp Tokyo公演を以って一度解散するも、2012年9月にHi-STANDARDからの呼びかけにより“AIR JAM 2012”にて約5年ぶりの復活を果たす。

そこからの活躍が目覚ましい。翌2013年には復活後初となる9thアルバム『ALL FOR THIS!』をリリース。各種フェスにも出演し、その存在感とサウンドが健在であることを示してみせた。2014年には初のカヴァーアルバム『KEMURIFIED』をはじめとして、自らがプロデュースしたSKAコンピレーションアルバム『STRANGER THAN SKA』、さらには10thアルバム『RAMPANT』と立て続けに作品を発表し、尽きることなき創作意欲を見せつける。“再結成後はマイペースにのんびりと”などというベテランらしさは全く見せない。というよりはこの活動ペースこそ、彼らにとっての“マイペース”なのかもしれないが。

…などと思わせるほどに充実した作品とライブを放ってきたKEMURIが、6/17にオールタイム・ベストアルバム『SKA BRAVO』をリリースする。今年4月にはアメリカのAsian Man Recordsより編集盤『Mirai Wa Akarui』を発売しているが、同月に17年ぶりのUSツアーを敢行。そこで現地に1ヶ月ほど滞在した間に今作『SKA BRAVO』と7月リリース予定の新作のレコーディングを完成させたという。『SKA BRAVO』はオールタイム・ベストとはいえど、全14曲中8曲が新録によるものだ。そのスピード感からも、バンドの状態の良さは推して知るべしだろう。

記念すべき1stアルバム『Little Playmate』に収録されていた「New Generation」の再録バージョンから、幕を開ける今作。ここで鳴っている音は“クラシック”とも言うべき名曲の風格を漂わせながらも、決して風化することのない“今“の輝きを放っている。もちろんKEMURIの核となる代表曲「PMA (Positive Mental Attitude)」も、新たにレコーディングされた最新版で収録。彼らの名声を確立した記念碑的2ndアルバム『77days』と同様に「Along the longest way...」で飾られるラストまで、あっという間に駆け抜けていく。

この感覚は、まさにKEMURIというバンドの結成からの20年と“今”を追体験させるものかもしれない。不慮の事故による活動休止や解散など数々の出来事も全て経た上で、今の彼らが奏でる楽曲たち。それは激しい盛り上がりと同時に、常にピースフルでハッピーな空気に満ちたライブの光景を眼前に浮かび上がらせる。20年間で作り上げてきたものを土台にしつつ、今もその音は新鮮な響きを伴ってリスナーの興奮を呼び起こすのだ。この機会に初めて聴くというビギナーも初期から知る古参のファンもまずは今作『SKA BRAVO』でしっかり準備をして、来るべきニューアルバム『F』の発売を心待ちにしていて欲しい。その先には大きな期待を遥かに超える、歓喜が待ち受けているのだから。

TEXT:IMAI

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