音楽メディア・フリーマガジン

BACKDRAFT SMITHS

興奮と歓喜に満ちた下北沢の夜。“伝説”を刻む旅は今も続いている

6/26(金) 下北沢SHELTER “Static Chronicle Tour” / "D"nights vol.2

PH_BDS_main渾身の1stフルアルバム『Static Chronicle』を遂に完成させ、5/20に全国リリースしたBACKDRAFT SMITHS。アルバムを引っさげて、彼らが次に向かうのは全国各地を巡る“Static Chronicle Tour”だ。6/15の千葉LOOKを皮切りにツアーのスタートを切ったばかりの4人が、下北沢SHELTERに登場。この日は共に『新劇場版 頭文字[イニシャル]D』の挿入歌を担当した月光グリーンとの2マンライブ・"D"nights vol.2というスペシャル感もあり、会場には数多くのオーディエンスが集結した。期待感溢れる雰囲気の中でSEが鳴ると歓声が湧き、1人ずつ登場するメンバーが手拍子で迎え入れられる。

Vo./G.優(荒川 優)の力強い歌から、「PANCRASE」でライブがスタート。ゴリッとした男らしいバンドサウンドを疾走感たっぷりに鳴らす4人が、ステージ上でいきなり躍動する。スタートダッシュの勢いに乗って、「Rascal」「Knock on the door」と立て続けに披露。ダイナミックなアンサンブルと荒々しくもタイトなプレイで、オーディエンスを惹きつけていく。アニメ『最強銀河 究極(アルティメット)ゼロ 〜バトルスピリッツ〜』オープニングテーマにもなっていた「I WISH」では、突き抜けてキャッチーなメロディと爆発力のある曲展開で会場全体に一体感を生じさせた。

MCでは対バンの月光グリーンとのエピソードで観客の笑いを誘い、メンバー同士の絡みでは幼なじみならではの仲の良さを見せて、和やかな空気を漂わせた。アーティスト写真などで見せるクールな表情からは想像できないほど、人懐っこく柔らかい表情を見せる4人。こういった生の人間性を感じられるのも、ライブという空間ならではだろう。観客たちを見据えながら、表情豊かに歌い上げる優。長身で時にクール、時にアグレッシブなギターを奏でるG.祐弥(小川 祐弥)。太いベースラインでしっかりボトムを支えながら、コーラスワークでも魅せるBa.コニタン(小西 祐喜)。全身を使って、ソリッドなビートを叩きつけるDr.ナリ(成田 括大)。メンバー4人がプレイヤーとしても人間的にも、それぞれが強い個性と魅力を兼ね備えているのだ。

演奏中はシリアスでエモーショナルな姿を見せつつも、自然とメンバーの表情には笑みが浮かんでくる。「Dance our waltz」ではメンバー全員での息の合ったコーラスワークを聴かせ、会場も含めた一体感はさらに増していく。ステージ上で彼らが感じている充実度の高さと楽しさのレベルは、その笑顔を見れば明らかだ。もちろんフロアにもそこかしこに溢れている笑顔、笑顔、笑顔…。いよいよ終盤を迎えるという時、いつまでもこの楽しい時間が続いて欲しいと願うように優が「タイトルコールをすると曲が始まっちゃうから、言いたくない」と話す。そんな後ろ髪引かれる想いを何とか振り切るように始まった「Cornflakes」で、興奮と歓喜に満ちた夜は幕を閉じた。

だが、BACKDRAFT SMITHSの旅はまだまだ始まったばかりだ。活動拠点である東京を離れて四国や東北といった地方に至るまで、自らの足で音を届けに旅立つ4人。様々な場所で、様々な人と出会い、たくさんの経験を得てくることだろう。ツアーファイナルは11/28に下北沢GARDENを舞台に、ワンマンライブを開催することも発表。この日も対バンした盟友・月光グリーンをオープニングアクトに迎えて、どれほど進化した姿を見せてくれるのか。その時を楽しみに待ちたい。

TEXT:IMAI

 

PH_BDS_sub1 PH_BDS_sub2

  • new_umbro
  • banner-umbloi•ÒW—pj