音楽メディア・フリーマガジン

CRAZY WEST MOUNTAIN

音と言葉で自在に遊ぶ若き男たちの面白可笑しい奇想天外クレイジーワールド

PH_CWMメンバー全員が1991年生まれという東京の5人組ロックバンド、CRAZY WEST MOUNTAINが1stミニアルバム『ROCKY』を完成させた。90’sオルタナを沸騰とさせるグルーヴィーでミクスチャーなサウンドを基盤に、音と言葉で遊ぶ面白可笑しい奇想天外なクレイジーワールドは強力な中毒性を持つ。普遍性や王道感すら漂わせる不思議な音の魅力に、一度触れたらもう離れられない…。

 

 

●2006年結成とのことで、活動歴は長い?

鶴岡:結成したのは中学生の時なんですけど、その時からいるのはBa.西山とG.前田の2人だけで。

西山:中学の頃は本当に遊びみたいな感じで、レッチリ(Red Hot Chili Peppers)のコピーとかをやっていて。メンバーも固定せずにやっていたんですけど、高校になってから今と編成が同じ5人組になって。ボーカルが抜けた時に鶴岡を誘って、今から1年前くらいにドラムが抜けた時にマッハが入りました。

●バンド名はずっと変わっていない?

鶴岡:これは中学で結成した時から同じですね。

西山:俺がいない間に勝手に決められていて…。

前田:元々は文化祭に出演するためのバンドだったんですよ。その時に柔道部の怖い先生に「あと3分でバンド名を決めないと張り倒すぞ」みたいに言われて、「ヤバい!」となって(笑)。西山がリーダーだったので、名前(※西山=WEST MOUNTAIN)の前に“CRAZY”を付けて“CRAZY WEST MOUNTAIN”にしたんです。

●やっぱり西山くんはクレイジーなんですか…?

西山:いや…、この中だと一番普通だと思います。リーダーなので、何かを任されがちではありますね。それでバンド名にもなったという(笑)。

●最初から今のようなサウンドだった?

鶴岡:初期の頃はもっとゴリゴリでダークな雰囲気の曲ばかりだったんです。でも2年前くらい前に「CWMのテーマ」という曲ができたあたりから、俺の書く歌詞もちょっとずつ明るくなって。それに寄り添うように演奏もだんだんポップになっていって、今では初期に比べるとだいぶポップになっています。

●歌詞は基本的に…フザけていますよね?

鶴岡:フザけています(笑)。でも、ちゃんと言いたいことは歌詞の中に設けるようにしていて。それをユーモラスに言っているだけなんですよ。メッセージ自体はフザけていないんですけど、それをそのまま言っちゃうと面白くないから。

●メッセージとしてはまっとうだと。

鶴岡:たとえばM-4「ダイダラ」も“夢に向かって突き進むぜ”ということを歌っているんですけど、それをそのまま言っちゃうのはこっ恥ずかしいんですよ。だから「ダイダラボッチ(※妖怪)の曲だからね」ということにして、そういうメッセージを発信しているんです。

●題材のセレクトが面白いですよね。M-1「曙」の歌詞は清少納言の『枕草子』から?

鶴岡:“曙”というワードがまず最初に出てきて、そこから掘り下げようとなった時に“春はあけぼの”というのが浮かんで。『枕草子』を引用してラップ調で歌ってみたら“ようよう白くなりゆく山際”の“ようよう”が、ラップでよくある“YOYO”と重なるなって気付いたんです(笑)。

●語呂的にも良いなと(笑)。M-3「全力オフサイド」もフザけた歌詞ですが…。

鶴岡:基本的にはハミチンの歌ですからね(笑)。サビのメロディに何が当てはまるかなというところから考えていた時に“オフサイド”が浮かんで。実はサッカーのことを全然知らないので、そんな自分がオフサイドの曲を書いたら面白いに違いないと思って書いたら、見事に「オフサイドではイエローカードはもらわないよ」という指摘をされて「やっぱりね」と(笑)。

●そこも狙い通りだと(笑)。メンバーは歌詞についてどう思っているんですか?

レイ:すごいと思いますね。昔の曲でも古文を使った歌詞があったりしたんですよ。

マッハ:正式に加入する前に試しで1回スタジオに入った時に、一緒にやったのが「鬼殺し」という曲だったんですよ。日本酒をテーマにした内容なんですけど、ハードコアみたいな曲調にそういう歌詞が乗っているのはユーモアがあって面白いなと。そのセンスがカッコ良いなと思ったのもあって、入ることにしたんです。

鶴岡:マッハを誘う時にまず「俺の歌詞はフザけているけど、大丈夫?」って訊きましたからね(笑)。

●その当時から自覚もあった(笑)。

前田:よく毎回こういうネタが出てくるなと感心しますね。ストレートじゃなく、ちょっとヒネっているんですけど、ちゃんとメッセージも含まれているというバランスがすごいなと思います。

鶴岡:たとえばラブソングだったり、日常のしょうもなさを歌っているものだったりとテーマ自体は普遍的なんだけど、言い方をヒネっているというか。どうでもいいテーマの曲は作らないようにしています。

●メッセージ的には普遍的だし、サウンドも実は王道感があるというか。

鶴岡:逆に言えばテーマ自体は王道すぎるくらいなので、それを普通に歌っても面白くないなというのは自分でも気付いていて。だからこそ歌詞にユーモアを散りばめるという手法になったのかなと思います。

西山:サウンド的にも何かに似ていることは絶対にしたくないんですよね。そういう意味では自分もヒネくれているのかもしれない(笑)。

●色んなところに遊び心が見えますね。今年の8/11にはメンバー全員で富士山登頂するそうですが…。

前田:2016年から8/11が“山の日”に制定されるんですけど、それに先駆けて何かイベントをやったら面白いんじゃないかというのが出発点で。将来はフェスとかをやれたら良いなというイメージを持ちつつ、去年は8/11にイベントをやって。今年は何をするかとなった時に、富士山に登ろうという話になったんです。

マッハ:来年から制定されるので、イベントが実現した時に「実は2年前からやっていて、去年は富士山に登りました」という話をしたら面白いかなって(笑)。でも、俺以外は誰も山に登ったことがないんですよ。

●えっ、そうなんですか?

レイ:登ったことがないですね。僕は一番体力がないので、高山病にかかりたくない…。

一同:ハハハハハ(笑)。

Interview:IMAI

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