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The Cheserasera

全てを受け入れ肯定していく意志に満ちた新作ミニアルバム

PH_Chesera_YESThe Cheseraseraが新作ミニアルバムを11/18にリリースする。昨年6月にメジャーデビューを果たして以降はツアーなど数々のライブで経験値を積みつつ、紆余曲折を経て濃密な時間を過ごしてきた彼ら。「どんなものも全て受け入れて肯定していきたい」という願いを込めた『YES』という名の今作は、過去最高にシンプルで3ピースバンドらしいサウンドだ。今後の“転換点”ともなりそうな1枚について、Vo./G.宍戸翼に訊いた。

 

●2015年はThe Cheseraseraのバンド史上、最も波瀾万丈だったと思うんですが。

宍戸:前作『WHATEVER WILL BE, WILL BE』のフリーライブが、僕の喉が思わしくなくて中止になったときはだいぶ落ち込みました。その頃は音楽を聴くだけで緊張して喉に負担がかかるというので、植物みたいな無に近い状況でいるしかなくて…もう自分が消えてしまいそうな感じでしたね。だんだん歌えるようになってきたと思ったら今度はBa.西田君の病気でツアーファイナルが中止になるまさかの連続で。デビューからわりとハイペースでずっと緊張している状態で、それで行けると思っていたしそれでしかできなかったステージも絶対あったけど、思いもよらずガタが来たという。

●危機的状況から肯定モードの『YES』というアルバムができたのには驚きました。

宍戸:ライブ中止などがあったことで、確実にこういうものを作ろうとは思っていましたね。

●これまでのThe Cheseraseraは、今の世代ならではの焦燥感や倦怠感を見事に歌いあげるバンドという印象が強かったんですが?

宍戸:生活の上で世の中に対する苛立みたいのは絶対に消えることのないものだし、それをどう捉えるかだと思うんですけど。苛々のピークだったことに対して、その苛々の先を見るようになったのが今回のアルバムかなと。あくまで延長線上というか、この先も過去は絶対否定しないので。そういう今までの自分ありきで変わっていく姿を見せられたらと。

●『YES』の核とも言うべきM-1「賛美歌」は、The Cheseraseraゆえのポップスタンダードというべき看板曲になった気がします。

宍戸:サビメロは元々前半後半が同じ繰り返しだったんですが、後半は西田君が当てたがったルート音があって、それにコードを当てはめたら今の形に変わっていったんです。西田君は元々僕のボイシングやコードの使い方が面白いと言っていたんですね。それに影響を受けた西田君が逆に僕に影響を与えた曲という。サウンドもとにかくシンプルにしたいと思っていたんですが、「賛美歌」はその点でも1つの結果を出せたと思いますね。「賛美歌」とそれに続くM-2「Youth」でそのとき自分が思っていたこと、言いたくて仕方がないことが言えた節がありました。西田君も「Youth」が今までで一番好きかもしれないって言ってくれて。メロディをとっても歌詞をとっても痒いところにまで手が届く感じというか、そういうものができたなって。

●今作はバンドサウンドもよりソリッドになっているんですが不足感がなくて。The Cheseraseraならではの3ピーススタイルが確立したような到達感も感じます。

宍戸:前作ではフレーズを思いついたままに重ねていった感じだったんですが、今回は例えば4和音の肝になっている1音だけでまとめることで、トラック数を抑えたりしていて。特にギターサウンドは効果的なものしか乗せないことを心掛けていました。今回ギターはストラトが多いんですけど、アンプでフェンダーのトーンマスターを使ったら凄く相性が良くて。もう他の音は要らないなと思ったんです。

●M-6「インスタントテレビマン」も今までになかったタイプの歌詞ですよね。絶望の中に希望がある描写が面白い歌詞だなと。

宍戸:それこそ自分が部屋に閉じこもって、インスタントな食べ物を食べてTVを付けっぱなしにしている状況を、いかに肯定していくかってときに人工衛星に例えたというか(笑)。だから現実と妄想とが行ったり来たりしているような歌詞なんですけど。

●続くM-7「灰色の虹」も絶望的なようで最後には七色の虹が待ち受けるという。生々しいセッション感あふれる演奏も魅力的ですね。

宍戸:曲をまとめる上でここは行く、ここは行っちゃいけないみたいなものが多分暗黙のうちにあるんですけど、この曲はドラムもベースもひたすら攻めのアレンジでした。同じ構成がほとんどないんですよね。「インスタントテレビマン」で終わるんじゃなくて、「灰色の虹」のようなちょっと荒々しいけどそれでも前に行くニュアンスというか。バンドとしても凄く想い入れの曲がある曲で、アルバムの最後に入れたのも僕らの希望なんです。

●ポエトリーリーディングの部分も当初から入れるつもりだったんですか?

宍戸:そうですね。導かれるままに語ろうと思ったんです。メロディを乗せてしまったらまた違ってくるというか。ひたすら言いまくろうと思ったのがその部分ですね。

●『YES』はプレイ面でもサウンド面においても突き詰めたギターもそうだし、ボーカルスタイルにしろ、これがThe Cheseraseraなんだっていうものができた気がします。

宍戸:多分ベース、ドラムに関してもそうだと思います。僕らの素の部分というか、本当の部分が詰まったアルバムになったと思います。次の作品を作るにしてもこのアルバムはその転換点となる1枚になるような気がしますね。今までは何か足りない気がしてギターを足していたところもあったのですが、それは今回全くと言っていいほどなくて、3人が1つになってまとめきれたなと思っていますね。

●今年前半の地獄から這い上がっての追い込み方は相当なものでしたね(笑)。

宍戸:本当にそう(笑)。年始に出したアルバムと年末に出すアルバムでカラーが変わるという、結構な展開だなって自分でも思います。

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