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にこいち

地元・兵庫に根っこを張って、 その魅力を全国へ届けます。

にこいちA写横2014.7.1神戸在住大型アコースティックデュオ・にこいちからニューミニアルバムが到着! 今作『ふるさと』はあらゆる要素を通して、地元・兵庫の魅力とそれらへの愛情が詰まった1枚。神戸ワイナリーとのコラボで生まれた「幸せのサイン」、自身の震災経験と向き合い、誰もが共感できる曲へと昇華した「故郷」。さらにジャケットは兵庫の有名な錦織物“播州織り”を意識した生地に、過去と現在の神戸の景色を対照的に配置したデザインとなっている。今作を聴けば“彼らが今なぜこの歌を歌っているのか”がしっかり伝わるはずだ。

 

●2015年は、にこいちにとって激動の時期でしたね。

松田:そうですね。淡路島が舞台の映画『種まく旅人 くにうみの郷』の主題歌に選んで頂いたり、それがキッカケでメジャーデビューしたり…この1年は“兵庫県の魅力を自分達が体感して伝える”という活動を軸に、今までにない経験をたくさんさせていただきました。

井指:兵庫県に住んでいたからこそ淡路島を舞台にした映画とも出会えたので、その良さをたくさんの人に知ってもらいたいと思ったんです。映画上映に向けて淡路島にもたくさん行きました。

●かなり地元に密着した動きですね。具体的にはどんな活動を?

松田:映画が第一次産業をテーマにしたものなので、名物のたまねぎを植えて収穫したり、淡路島で盛んな“底引き網漁”を体験させてもらったり…兵庫県民でもまだ知らなかった魅力が詰まった映画だから、ちゃんと勉強して「淡路島の映画の主題歌を歌っています」と胸を張って言えるようになりたいな、と。

井指:“自分達をメジャーに引き上げてくれた人たちのために何ができるだろう”“自分達が今、何の為に活動しているのか”ということを、徹底して考えていって。

●感謝から来る所が大きかったんですね。実際に淡路島に行って、どんな点に魅力を感じましたか?

松田:自然が豊かで、食べ物がものすごく美味しい所ですね! でも淡路島の人にとってはそれが当たり前だからか、本人達はその凄みにあまり気付いていないような気もして。“この良さ伝えていかなアカン”って思って出来たのが、今作のM-5「たまねぎ日和」なんです。

●歌詞にも“淡路島”という言葉が入っていますよね。

井指:まずテーマがあったので、それに沿ったメロディと歌詞を詰めていって。恋愛をたまねぎに例えた、ちょっと面白い曲に仕上がりました。

●今作の曲は、テーマありきで作っている?

井指:そうですね。メジャーデビューをキッカケに、何かを必要とされて曲を生み出す大事さを覚えたというか。今までどうやって作っていたんやろうっていうくらい、白紙から作る事が無くなりましたね。

●例えば今作の場合、リード曲のM-1「こころね」はどういうテーマから生まれたんですか?

井指:メジャーデビューしたとき“東京に行くべきか”を話あったんですけど…兵庫の魅力をいっぱい学んで、それを音楽を通じて全国に広める事で、全国から兵庫にたくさん人が集まる作用を自分達がもたらせたらと思って。もちろん全国を視野に入れているけど、まずは今一度、自分達のふるさとに根っこを降ろすような活動をしていこうという想いからですね。

●それは、アルバム自体のコンセプトにも通じているように感じます。

松田:別の曲でも兵庫に関わる曲が多いんですよね。M-3「幸せのサイン」は、神戸ワイナリーさんとのコラボによって生まれたものだし、「故郷」は僕が阪神淡路大震災から経験ことが書かれていて。M-6「捨て猫のラブソング」は、三ノ宮でずっと路上ライブをやっていて、その時に感じた事とかを書いた曲。

●「捨て猫のラブソング」は初めて聴いたとき「そのまんまにこいちの事を歌った曲だ」って思いました。

井指:そうですね。この曲だけはアマチュア時代に出来た曲なんです。8年前に路上でライブを始めた頃は、冷たい目で通り過ぎる人達も居たし、チラシを配ってもライブが終わった後に捨てられて回収して帰ることもあって…そんな悔しい思いをしつつも、年を重ねるごとに曲を聴いてくれる人達が増えていて“やってきたことは間違いじゃなかった”という手応えを感じられたんです。悔しかったから頑張れたことも、足を止めてくれた人達への感謝の気持ちも忘れたらアカンなと思ったから、改めて今、下積み時代の苦労をこのアルバムに入れておきたいなと。

●その経験があったからこそ、今のにこいちがあると。

井指:これまでのにこいちは「捨て猫のラブソング」に、今のにこいちは「こころね」にはっきりと表れていますね。意味のない曲なんてもちろん無いですけど、今作を聴けば“にこいちが今なぜこの歌を歌っているのか”っていうのがしっかり伝わると思います。

松田:これはアルバム中でも唯一、弾き語りなんですよ。ずっと路上ライブでやってきたそのままの音をこのアルバムに入れたかったので。

●全体的に様々なパートの音が入っている分、それが一層映えると思います。一緒にレコーディングした方達は、来年3/5にある神戸国際会館こくさいホールワンマンのバンドメンバーでもあるんですよね。

松田:はい。僕らはよく三ノ宮のOPA近くにある歩道橋で路上ライブをやっていたんですけど、すぐ横にこくさいホールがあって。ずっとここに立ちたいと思っていたので、その夢がやっと叶うというか。

井指:路上ライブをやっていた場所からこくさいホールまで、距離でいうとたった300mくらいなんですよ。8〜9年かけてやっとたどり着いた道のりを、1つのストーリーとして形にしたいなと思っていて。だから、中途半端な成功で終わらせたくないんです。しっかり2000人集めてSOLDOUTして、なおかつちゃんと良いライブが付いて来るっていうのを目標にやりたいと思っているので。諦めずに春まで突っ走ろうと思っているので、これを読んでくださったみなさんには他人事やと思わんと、応援して頂きたいなと思います! むしろ神戸市民全員に来てほしい!

●ハハハ(笑)。でもにこいちの曲って、幅広い年齢層に響くというか。10代の若い子でも50代の大人の方でも良いなって思える音楽だと思います。

松田:それこそがユニットとしての目標なんですよ。“老若男女誰からも愛される曲を作りたい”という想いが根底にあるので、そう言ってもらえると嬉しいですね。

Interview:森下恭子
Assistant:絹丸

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