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THE LEAPS

私が辞書を作るなら、 バンド=THE LEAPSと書く

バージョン 2THE LEAPSは、NANA-A(ex.THE PINK☆PANDA)とMAYOU(ex.ロリータ18号)による2人組バンド。まるで言葉を紡ぐように、自然体で発せられるキャッチーな音楽は、飾らないありのままの姿を伝えてくれる。楽しい時には楽しい音が、悲しい時には悲しい音が生まれるという彼女達は、バンドという存在をそのまま体現しているようだ。もしも私が辞書を作ることがあれば、バンドの項目に“意味:THE LEAPS”と書き入れたい。

 

●プロフィールを見ると、2人はもともと幼馴染みだったんですよね?

MAYOU:そうですね。でも高校生まではお互いのことを知らなかったんですよ。共通の知人は周りにいっぱいいたのに、どうして出会わなかったんだろうってくらい(笑)。

NANA-A:お互い小2の頃から同じドラムスクールに通っていて、同じ先生に同じ曜日に教わっていたんですよ。

●そこまで被っているとは(笑)。でも、かなり早い時期から音楽に興味を持っていたんですね。

MAYOU:最初はピアノを習っていたんですけど、あまり上達しなくて(笑)。だからリズム感を養おうと思ってドラムスクールに通い出したんです。4年生のときに「ギターもいいなぁ」と思ってそのままギターになっちゃった、みたいな(笑)。

NANA-A:私も3歳でクラシックピアノをやっていて。ドラムを始めたのも、同じ音楽教室にドラム科があったからなんです。

●小さい頃に音楽に触れていたからこそ今があると。THE LEAPS自体は2012年に結成ですが、このタイミングで一緒にやろうと思ったキッカケは?

NANA-A:自分でも何でかわからないんですけど、そのとき頑なに“MAYOUのギターでバンドをやりたい!”って思ったんですよ。だから「MAYOUがやんないんだったら、音楽辞めるから」みたいな無責任なことを言っていて(笑)。その時MAYOUは別のバンドをやっていたんだけど、来てくれたんだよね。

MAYOU:前のバンドの活動休止が決まって、途方に暮れている時に誘ってもらって。NANA-Aちゃんは地元の憧れの先輩だったから、ぜひやってみたいと思ったんです。しかも「一緒にできなかったら音楽を辞めるらしい」って話を人づてに聞いて、「辞めちゃダメだよ!」みたいな(笑)。

NANA-A:もはや先輩の脅しだよね(笑)。

●(笑)。2014年に現在の2人体制になりましたが、それによってどう変わりましたか?

NANA-A:さすがに1回目のリハでは同期を使ったんですけど“なんか違う”って思って。「じゃあギターとドラムだけでやって、アレンジも曲もそれ用に作り直そう」ということになったんです。メインボーカルは主にMAYOUが執ってくれるんですけど、歌いながら演奏する事によってお互いの楽器もすごく良くなっている気がします。

MAYOU:うんうん。歌に寄り添うリズムになるというか。歌のレコーディングもギターを持ってブースに入らないと、教頭先生のお話みたいな感じになっちゃうんですよ(笑)。

●妙に固い感じというか。今の状態は、それくらい自然な形なんですね。今作『オンリーワン!』はどのような基準で曲を選んだんですか?

MAYOU:セットリストを組むような流れで作ってみたら、自然とこういう形になりました。この2人だと“自然とそうなる”っていうのが多くて。例えば、ミュージシャンの方は信じられないかもしれないですけど、私たちはメトロノームを使わないんですよ。使うと逆にギクシャクしちゃったりして。

●合わせる為のクリックなのに(笑)。

NANA-A:あと、パンチインもやったことが無くて。全部一発録りなんです。

●生粋のバンドマンというか。ずっとそばに音楽があったから、それが出来るんでしょうね。リード曲「HAPPY BIRTHDAY」についてですが、MVに出演しているキャラクターは誰ですか?

MAYOU:私達の出身である横浜市戸塚区の公式マスコットキャラクター「ウナシー」ちゃんです(笑)。区長さんにお願いして、特別に許可をもらって出てもらったんです。MVも戸塚区役所の屋上で撮ったんですよ。この街は私たちにとって始まりの場所だから、この場所で何か形にしたいなぁと思って。それに今、戸塚区の中で“地元で頑張っているミュージシャンを応援しよう”という事業があって、そこにうまく乗っかっていけたらいいなって(笑)。

●ハハハ(笑)。でも、良いバンドって不思議とそういうのを呼び寄せちゃう気がします。いろんな縁がすごく良いタイミングで繋がったりとか。

NANA-A:そういうのはめっちゃ多いんです! 本当に“私達って周りに恵まれ過ぎてる!”って思う。「星に願いを」が出来たときも、印象的な出来事があったんですよ。以前私が仕事で合宿に行く時に、MAYOUも一緒に連れて行っちゃった時があって(笑)。

MAYOU:運転手としてね(笑)。冬はスキー場になる小高い山で合宿だったんですけど、ちょうど流星群が来る日だったらしくて、2人で外に出ていた時にバァーって流れ星が振ってきて。そこからインスピレーションを受けて曲が生まれたんです。

NANA-A:本当びっくりしたよね! “星 燃えてる”で検索して、「あぁ、流星群か!」って(笑)。まるで漫画みたいでした。

●しかも、ちょうど最高のロケーションで起こったという(笑)。やっぱり“持ってる人”ですね。そもそも2人で続けようと思ったのは“まだ見たことのない景色を一緒に見たいから”という理由ですよね。実際に2人だからこそ得られたものはありましたか?

MAYOU:4人の時はあまり遠征には頻繁に行けなかったんですけど、今では回数が増えてきて。そしたら、各地で家族のように待ってくれている人もどんどん増えていったんです。その温かさを知れたのが嬉しい。

NANA-A:私は、いちばんありのままで居られるかなって感じています。2人共が思ったことを言い合えるし、特にMAYOUは何かあるとそれが曲になるんですよ。楽しい事があれば楽しい曲が出来たり、ムカつく事があったら怒りのこもった曲が出来たり(笑)。

●きっと、音楽が言葉みたいに自然なものなんですね。

NANA-A:でも、ありのままだけどすごくキャッチーで。

MAYOU:やっぱり、いろんな人に聴いてもらいたいから。今作も『みんなのうた』みたいに、子どもも大人も口ずさんでくれるような1枚になって欲しいですね。

NANA-A:『オンリーワン!』に入っている曲達も、隣で見ていてすごいなって思うくらい自分をさらけ出していて。生き方そのものが音になっている感じがあるので、今作を通じてそれが伝わるんじゃないかなって思うし。私達自身も曲に励まされたり元気をもらったりしたので、皆にとってもそんなフックのあるものになれば、とっても嬉しいです。

Interview:森下恭子
Assistant:絹丸

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