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BACKDRAFT SMITHS

フロア中に花開いていた最高の笑顔。かけがえのない景色を生み出したツアーファイナル

2015/11/28@下北沢GARDEN
“Static Chronicle Tour〜TOUR FINAL ONEMAN LIVE”

PH_Backdraft_main全国各地を2周まわる全34本のツアーから、BACKDRAFT SMITHSが東京に帰ってきた。2015年5月に1stフルアルバム『Static Chronicle』をリリースして以降、その作品を掲げて爆走してきた旅の最終地点。ツアーファイナルをこの日、下北沢GARDENでのワンマンライブで飾る。まずはオープニングアクトを務める先輩バンドの月光グリーンがフロアを温めた後で、いよいよ彼らの登場だ。

場内が暗転すると自然発生した手拍子とSEに合わせて、メンバーが1人ずつステージに現れる。オープニングナンバーは、優(Vo./G.荒川優)の歌から始まる「Candle Flames」。そこから一気に上昇していく楽曲展開は、爆発力のあるBACKDRAFT SMITHSのライブをまさに象徴するかのようだ。アルバムの曲順通りに2曲目「The Brave」から、3曲目「PANCRASE」へと突入。「Static Chronicle Tourへようこそ、最高の1日にしようぜ!」と優が叫べば、祐弥(G.小川祐弥)は演奏中にローリングソバットのような派手なアクションで宙を舞って興奮を表す。

激しく頭を振りながらギターを掻きむしる祐弥、観客を煽りながらグルーヴィーなベースを奏でるコニたん(Ba.小西祐喜)、冷静に全体を見渡しながらも身体全体でドラムを叩きつけるナリ(Dr.成田括大)。そして中央でギターを構えて威風堂々と歌う優という4人が、ダイナミズムに満ち溢れたバンドサウンドを生み出していく。そのダイナミズムは、紛れもなく今回のツアーを通じて磨き上げられてきたものだろう。ライブという現場を数々体験することによって、個々の力はもちろんバンドとしてのパワーが確実に増している。4人の音が有機的に絡み合いながら、“BACKDRAFT SMITHS”というライブバンドが1つの巨大なエネルギーを放出しているのだ。

「今日をもって、『Static Chronicle』というアルバムが本当の意味で完成すると思ってツアーをまわってきた」とMCで優が語ったとおり、アルバムに収録されていた楽曲たちが作品以上の威力を発揮していく。さらに中盤では、『新劇場版 頭文字D Legend3 -夢現-』の挿入歌に選ばれたという新曲を2曲続けて披露。その「September's 7th Day」と「Curious」という2曲からは、彼らのまた新たな可能性も感じることができた。

“MINAMI WHEEL 2015”に出演した際のエピソードを語りつつ、「それ以上にすごい」とこの日の盛り上がりを評した優。「この4人でライブができて幸せ」という言葉を体現するような、喜びと幸福感に満ちたパフォーマンスを見せていく。「今日しか見ることのできない、かけがえのない景色を見ようぜ!」と呼びかけてからの「Knock on the door」、「まだまだ行くぞ!」と煽ってからの「カムパネルラ」。終盤にかけて高まり続けるバンドの熱量に応えるべく、オーディエンスのヴォルテージもどんどん上昇していった。

2016年に向けてレコーディングも始めているという彼らに期待がさらに高まったところで、「これからも一緒に突っ走って下さい」という優の言葉から本編ラストの「Cornflakes」へ。ステージ上で飛び跳ねる4人に合わせて、フロアの観客たちもジャンプ! アンコールの「Rascal」まで、最高の笑顔が会場中に花開いていたライブだった。『Static Chronicle』を完成させた今回のツアーを終えても、まだまだ4人の旅は続いている。その先を彼らが見せてくれる時を楽しみに待ちたい。

TEXT:IMAI

Release
1st Album 『Static Chronicle』
Candle Label
DDCZ-2025 ¥2,400(+税)
NOW ON SALE
more info→ http://backdraftsmiths.com/

 

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