全国15万部を誇る日本最大級のミュージックフリーマガジン on Web!!

twitter instagram

PAN

想像をこえた1日、最高の PANマン。

“20祭やDAY!ファイナル!PANマン!~イチかバチかハッチか!~”
2015/12/20@なんばHatch

151220_185035結成20周年を迎えた今年、毎月20日に全国各地で主催イベント“20祭やDAY!”を開催しまくっていたPAN。その集大成として、なんばHatchでPAN結成20周年記念イベント“20祭やDAY!ファイナル!PANマン!~イチかバチかハッチか!~”が開催された。同イベントはPANマン(ワンマン)。キャリア史上最大キャパの会場で、PANの4人が20年目をどう締めくくり、これからの道を築いていくのか。これは単なるライブではなく、闘い続ける男たちの生き様である。

 
なんばHatchに詰めかけたたくさんの観客と、PANの雄姿を心に刻むべく駆けつけた多くのバンドマンたちが見守る中、PANマンは始まった。ステージ前に張られた大きな白い幕。その白幕をスクリーンにして、PANのロゴが映し出され、大歓声が沸き起こる。今年各地で開催されてきた“20祭やDAY!”のダイジェスト映像が流れた後、スクリーンにはその後ろでスタンバイしていた4人のシルエットが浮かび上がる。否が応でも高まる緊張と興奮。手に汗にぎる中で「Z好調」がスタートし、早くもダイバーが発生。みんなが腕を振り上げて歌う。当然のことながら4人のテンションは絶好調だ。

Vo.川さんがフロアの1階と2階を見て「行くぞ大阪!」と叫ぶ。ダイバーがひっきりなしに打ち上がっては人の波に消えていく。次から次へとキラーチューン連発するものだから、興奮と興奮、熱狂と熱狂の境目がなく、根源的なエネルギーがどんどん会場を埋め尽くしていく。そうだ、これは祭りだ。ロックバンドというよりも、日本の祭りが持つ、あの全員が浮足立つような異様な雰囲気。汗と笑顔と爆音とリズムと歓声で隙間なく埋め尽くされている光景を目の当たりにしてそう思っていると「今日だけ祭り」が始まり、川さんの「行こか大阪! 声出せよ!」という声でフロアの動きは更に加速する。

メンバーの掛け合いが絶妙な「ムサンソ」、G.ゴッチの超絶プレイで魅せた「遊SONG」、Dr.よこしんのボイパを皮切りに4人がフリースタイル的ラップで暴れまくった後に始まった「こめかみ」。今まで何度もライブで聴いてきた楽曲たちだが、アレンジの完成度は今まで以上に抜群で、会場は強烈な一体感に包まれる。そして、最初からずーっとハイテンションだった彼らは、中盤の「そこに光る」でグッと聴かせる。スポットライトに照らされた川さんが歌う同曲に、感情がぶるぶると揺さぶられる。単に楽しむだけではなく、暴れるだけではない。PANがたくさんの人に愛されるのは、こういうピュアな側面を持ち続けているからだろう。

野球経験者らしき観客を3人と女性客3人をステージに上げ、楽曲中ずっとトスバッティングをさせ続けた「心のバッティングセンター」、川さんとゴッチの小芝居から始まった「ゴッチメン」、ミラーボールが回る中、観客と一緒にBa.ダイスケが楽しそうに身体を揺らした「今夜はバーベキュー」、この日の最多ダイバー記録を更新した「直感ベイベー」。音楽で、ライブで、観客をとことん楽しませて、たくさんの笑顔を作る…PANというバンドのポテンシャルをまざまざと見せつけたPANマンはいよいよ佳境に入り、川さんがマイクを手に「この1年は、PANの中でいちばんたのしい1年やった。いろんなことを想像しながらこれからもPANをやっていくのでよろしくお願いします」と頭を下げ、バンド史上最高傑作(作者調べ)の名曲「想像だけですばらしいんだ」がスタート。いままで何度か同曲のライブを観てきたが、この日のこの曲はいちばん深くまで突き刺さった。観客が腕を振り上げて4人と一緒に歌い、数えきれないほどの笑顔で埋め尽くされる。駆け抜けるようにやり切った22曲、楽しくて感動して最高な瞬間が続いたPANマンは、大きな感動に包まれて本編を終えた。

しかし、PANマンはこれで終わりではなかった。

事前に告知されていた“【食パン早食い】ギネス世界記録に挑戦”という企画が、アンコール前にステージで実施されたのだ。ギネス認定員・石川佳織さん(日本で初めてギネス認定員になったすごい人)をステージに招き、パンの重量や不正が無いかなどを厳しくチェックするというかなり本格的なもの。ギネス的ルールとして同時に挑戦できるのは3人までということで、ゴッチはデモンストレーション。食パン早食いのギネスレコードは8.47秒らしいのだが、その世界記録に挑んだ3人の記録は…ダイスケ57秒、よこしん24秒、川さん43秒。バカバカしいことを本気でやるというPANらしい企画に、残念な結果だったが会場からはあたたかい拍手が沸き起こる。そしてギネス認定・石川佳織さんがステージを去ったのだが、その後スペシャルゲストとしてステージに現れたガリガリガリクソンが「せっかくなので自分もやってみる」ということで、非公認ながらまさかの7秒台を記録!! PANの“【食パン早食い】ギネス世界記録に挑戦”という企画に、見事なオチをつけてくれた。

そしてアンコールへ。ギネス記録挑戦でなごやかな雰囲気に包まれていた会場は、再びモッシュ&ダイブの嵐。春頃にDVDのリリースとイベント“春のPAN祭り”の開催を発表し、パンを食べて気力体力が更にみなぎっている4人は、全身全霊&渾身のステージで魅せた。川さんが「最高やな! お前らほんまにありがとうな!」と言った言葉に会場は大歓声に包まれ、最後の「天国ミュージック」をやりきって終演。過去最大規模の会場で、過去最高の笑顔を作り出したPAN。彼らの輝かしい未来を想像しつつ、会場を後にした。

TEXT:Takeshi.Yamanaka
PHOTO:冨田味我