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心にそっと火を灯すエレクトロ文学ロック

PH_retolighterベース・ギター・ドラムによるバンドサウンドに、シンセやピアノの要素を取り入れた独自の“エレクトロ文学ロック”を鳴らす3ピースバンド、retolighter。2006年に仙台で結成、2009年からは東京に拠点を移して活動を続けてきた彼女たちが遂に初の流通盤をリリースする。自らの中にあるイメージの具現化に成功し、斬新なアイデアを有機的に昇華したサウンドは、聴く者の心にそっと火を灯すように広がっていく。

 

 

●今回の『明星のおとづれ』は2006年に仙台で結成して以来、初の流通盤になるそうですね。

サキ:今回が初めてですね。当時は「もっと良いものを作ってから、みんなに聴いて欲しい」という気持ちがあって。そうこうしている内に、どんどん時間が経っていったという(笑)。

モモ:理想と現実のギャップがあって。たとえばデモを録ってみても自分たちの演奏力が足りないとか(笑)、本当に表現したいものにはなっていなかったんです。曲が持っているものを出し切れていないという感覚があって、あまり聴いてもらうことに対して積極的ではなかったですね。

●初期は今と音楽性も違っていた?

モモ:今より、もっとギターロック寄りでしたね。キーボードも入っていなくて。

●今のようなエレクトロの要素は入っていなかった。

サキ:全く(笑)。元々がBUMP OF CHICKENとか、ギターロックばかり聴いていたせいなのかなと思うんですけど。曲を作っている時に、シンセやキーボードの音が鳴っているイメージが頭の中に湧くようになって。そこから取り入れるようになった感じですね。同期を使うことで、頭の中で鳴っている音をそのまま鳴らすことができるんだという発見があったので、自然とそういう方向に向いていったのかなと。

モモ:最初はその音をギターで鳴らそうとしていたんですけど「何か足りないな」と思っていたら、楽器自体が違っていたという(笑)。試しにキーボードを入れてみたら「これじゃん!」となって、やっと抜け出せた感じです。

●今回の収録曲は、それ以降で作ったものが多い?

サキ:そういうものもあるんですけど、古い曲をアレンジし直したものもあります。M-2「夕景ホログラフ」に関しては、仙台で活動していた頃からやっていた曲で。原型からはかなり変わっていますけどね(笑)。

●その曲を今改めて収録したのは、大事な曲だから?

サキ:そうですね。作品タイトルの『明星のおとづれ』というのも、「夕景ホログラフ」の歌詞に出てくる言葉なんです。大変な時にこそ、すごく助けになってくれる人との出会いというのがあって。「明星」というのは喩えなんですけど、そんな節目節目で出会った人たちのことで(笑)。自分はその“明星のおとづれ”という感覚が結構気に入ってます。

●明星のように勇気を与えてくれるものというか。

サキ:たとえば今回お世話になっているmona recordsの方も「CDを出したら良いんじゃない?」と背中を押してくれて、「じゃあ、やってみようかな」となれたんです。その人がいてくれたから理想のものが広がっていくというか、そういうキッカケになるような出会いがいくつもあって。タイトルには、そういう想いを込めていますね。

●歌詞には、サキさんの想いが反映されている?

サキ:今回の収録曲は、ちゃんと自分の言いたいことが言えているなと思える曲が多いですかね…溜めていただけあってか(笑)。M-4「雨とレイン」に“音も立てず僕は生きていたい”という歌詞があるんですけど、確かに今でもそう思っている部分もあって。目立ちたくないなっていうビビりな反面、でも“朧月に僕は吠えていたい”っていう目立ちたい感じもあって。

●どちらの気持ちもあると。

サキ:そこから先は結局、自分たち次第なんですが、どちらもやっぱりありますね。この曲を作った当時は実際に音も立てずに生きていたんですけど(笑)、今回は吠えるほうを選んだという感じですね。

●M-5「colors」でも、“君が吠える身になって秋が来る”と歌っていますが。

サキ:そうですね。たぶん言いたいことや根本的に持っている気持ちはずっと一緒なんでしょうね。「早く吠えろよ」と(笑)。

●自分の中に溜め込んでいるものがあるから、曲やライブで吐き出しているのでは?

サキ:それは少なからずあると思います。ただ吐き出すと言っても凄く内向的というか。「わかるかな、わかんねぇだろうな」みたいな、勝手にひねくれていってる感が強くなっていって。

●わかってもらえるかどうかも、リリースしてみないとわからないわけですからね。

サキ:それで今回リリースすることになったんですけど、わかってもらいたいというよりは、単純に「聴いて欲しい」という想いが強いですね。聴いてもらうための努力ってあまりしてこなかったので(笑)、聴いてもらえたら何か伝わるんじゃないかなって。

モモ:そこである意味、覚悟が決まって「やっと外に出ていこうかな」という感じです、今更(笑)。

●録り終えたものに自信を持てたから、リリースに至ったところもあるのでは?

モモ:自分が好きなアーティストの曲って「今この環境でこの曲が聴きたい」っていう、“気持ち”にフィットするものが多くて。今回は初めて自分たちの曲に対して「あ、今聴きたい」って自然と思えるタイミングがあったんです。「これだったらいけるんじゃないか!」と思えたので、人にも聴いて欲しいなと。

●今作をリリースするタイミングからメンバーも変わって、新たなスタートという面もあるのかなと。

モモ:メンバーが変わったことも含めて、自分たちの中ではすごくポジティブというか。色んな人と関わってCDを出して、これから今作を持って色んなところに行くっていうところで、気持ち的に全てがポジティブな状態なんですよね。

サキ:今までの歌詞は「理想を描いていこう」みたいな感覚が多かったんですけど、M-7「トランジスタダンス」で“期待通りの過去を描こう”という歌詞があって。それって「こういうふうになりたいな」と思っていたことを実現して過去にしていくという感覚なんですけど。ふわっと思い描くというよりは、ホントにガリガリ描いていく感じですね(笑)。

●今回のリリースに至った気持ちとも、ちゃんと重なっている。

モモ:シンクロしていますね。

サキ:期待通りの過去になってます(笑)。

Interview:IMAI

 

 
 
 
 

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