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Poet-type.M

幾つも遠回りをしながら編まれた「夜しかない街の物語」。 その終わりに何の理由も意味も要らない「YES」を。

A Place, Dark & Dark Public Performance
「God Bless, Dark & Dark」
2016/4/17@Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE

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2015年からの1年間をかけて「夜しかない街=Dark & Dark」の物語を、4枚の作品とライブで表現してきたPoet-type.M。その最終章となる独演会“God Bless, Dark & Dark”を渋谷マウントレーニアホールにて開催した。思えばこの物語の始まりとなった“A Place, Dark & Dark -prologue-”を2015年1月に県民共済 みらいホール(横浜・みなとみらい)で開いて以来となる、ホールでのワンマンライブ開催だ。その時と同様に観客たちは入場口でチケットを「Dark & Dark鉄道 乗車券」と引き換えた瞬間から、“乗客”となる。旅に出かける前の高揚感にも似た感覚に包まれながら、出発(開演)の時を待った。

停車場を思わせる雑踏の音が場内に流れ始めると、アンドロイドによるナレーションが聞こえてくる。「到着駅は決まっておりません。目的地はあなたの想いのままに」という言葉が、とても耳に残った。そして「やあ、よく来たね」という挨拶から始まる門田匡陽のイントロダクションが終わった後、SEに乗って黒いロングジャケットにハットという衣装で統一したメンバーが順に入場。最後にランタンを持った門田がステージ中央に立ち、「もう、夢の無い夢の終わり (From Here to Eternity)」からライブが始まった。ゆったりとしたスケール感のあるバンドサウンドで、いよいよ「夜しかない街」への道行きが始まる。

2曲目の「接続されたままで (I can not Dance)」までをミドルテンポで奏でた後に、列車が速度を増すように「窮屈、退屈、卑屈(A-halo)」からテンポアップ。「救えない。心から。(V.I.C.T.O.R.Y.)」「その自慰が終わったなら (Modern Ghost)」と攻撃的な言葉が突き刺さってくるナンバーを連発して、乗客たちの興奮を高めていく。鳴り響くビートは線路を走る列車の揺れのごとく、着席していることなどお構いなしに身体を揺さぶるのだ。まさしく音が煌めいているような幻視に襲われた「あのキラキラした綺麗事を (AGAIN)」、一気に目の前の風景が開けるような「唱えよ、春 静か (XIII)」を経て、「ダイヤモンドは傷つかない (In Memory Of Louis)」で第一部が終了。

いったん小休止を挟んでから再びの出発を告げる鐘の音が鳴り響き、第二部がスタートする。衣装替えをしたメンバーが、今度は弦楽四重奏を従えて登場。「だが、ワインは赫 (Deep Red Wine)」から、優雅に心地よく重なりあいながら音を奏でていく。ステージ上の足元に設置された電飾がキラキラと輝く「バネのいかれたベッドの上で(I Don’t Wanna Grow Up)」までの3曲を、弦楽四重奏と共に演奏した。その後はバンドメンバーだけに戻り、終盤戦へ突入。本編ラストの「楽園の追放者 (Somebody To Love)」まで一気に駆け抜けていく。本編の間は一切のMCがなく、要所に挟まれるナレーションのみで「夜しかない街」の物語を完全に描き切った。

アンコールではまた衣装替えをしたメンバーと共に、門田がランタンを持って歌う「氷の皿 (Ave Maria)」を披露。メンバー紹介をした後に弦楽四重奏も呼び込んで、「永遠の終わりまで、「YES」を (A Place, Dark & Dark)」で最終章の幕を降ろした。だが、これは一時的な“終わり”に過ぎないのかもしれない。最後の挨拶で門田が「みんなが『Dark & Dark』を聴いてくれる限り、『Dark & Dark』は終わらない。『A Place, Dark & Dark』が終わっただけ」と語ったように、いつかこの物語の続きが描かれる時はやって来るかもしれないのだ。これは“幾つも遠回りをして最終的に、何の理由も意味も要らない「YES」を言う僕やあなたの物語”(門田匡陽Tumblrより)なのだから。

この物語の続き、もしくは新しい物語の始まりを楽しみに待ちたい。また、何処かの未来で。

TEXT:IMAI

 

 

 

 
 
 
 

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