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Predawn

心地よい春の夜の夢がいつまでも醒めて欲しくないと願った

2016/3/26@日本橋三井ホール
“Nectarian Night Tour 2016”

PH01_Predawn 「こんばんは、春ですね」と開口一番にPredawnこと清水美和子(Vo./G.)がMCで発した言葉のとおり、穏やかな陽気に包まれていた東京の夜。日本橋三井ホールという普段はなかなか訪れることのない会場にて、“Nectarian Night Tour 2016”のファイナル公演が開かれた。思った以上に広くて雰囲気のある場内を見渡して「気付くと、すごいホールでビックリする。緊張しなくて大丈夫です。…あ、私か!」という清水のMCに、ほっこりとした気持ちにさせられる。舞台は変わっても、やはりPredawnらしいライブだ。

「Over the Rainbow」から始まった本編では、まずはアコースティックを主体にした演奏による静謐で緩やかな時間が流れていく。神谷洵平(Dr.)とガリバー鈴木(Ba.)を従えたトリオ編成で奏でられる音が会場全体を優しく包み込み、“春眠暁を覚えず”ということわざを思い浮かべるほどに心地よい気分になる。草原に横たわって聴きたくなる「霞草」に、爽やかな春風が吹き抜けていくような「Suddenly」。東京の中心地とも言える日本橋、そんな都市の中にいることを忘れてしまいそうなリラックスした清廉な空気に身を委ねる。

トリオ編成ながらもそれぞれが楽器や演奏法を変えながら奏でていくため、観ている側も全く飽きさせられることがない。清水はアコースティックギターとエレキギター、ガリバーはウッドベースとエレキベースを曲に応じて持ち替え、神谷はピアニカを吹いたかと思えば泡立て器でドラムを叩いたりと、楽曲ごとに多種多様な表情を描き出していく。終盤の「Breakwaters」では後半に向けて徐々に激しさを増していき、いつの間にやらオルタナ〜グランジ感すら漂う轟音の渦へ。続く本編ラストの「Apple Tree」では最後をジャンプでぴょこんとシメた清水が、ステージを走り去っていった。

アンコールで再びステージに登場すると、本編中でMCを1回飛ばしたことを告白して観客の笑いを誘った清水。演奏だけでなく、ほんわかしたトークも含めて「これぞPredawnのライブ!」というのは、どんな会場でやったとしても決して変わることはないのだろう。日本橋三井ホールという特別な会場でのライブは、そのことを心から実感させてくれた。この日の最後に奏でられたアントニオ・カルロス・ジョビン作によるボサノヴァの名曲「Aguas de Marco」に浸りながら、誰もが心地よい春の夜の夢がいつまでも醒めて欲しくないと願ったはずだ。

TEXT:IMAI
PHOTO:山川哲矢

PH02_Predawn

 

 
 
 
 

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