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SiMの武道館が“最初で最後”だった理由

PH_D035957_webメイン 2015年11月4日、SiMが“最初で最後”と銘打った“ONE MAN SHOW at BUDOKAN”が日本武道館で開催された。当誌のライブレポやライブ後のインタビューはもちろんのこと、当日のレポは音楽系雑誌やwebメディアに多く掲載された。なぜ彼らは“最初で最後”と銘打ったのだろうか? その答えは簡単だ。日本武道館がSiMの目的地ではなかったからだ。

SiMの3rd DVD & Blu-ray『WHO SAYS WE CAN'T』が5/11にリリースされるこの機会に、改めて経緯や情報を整理しつつ振り返ってみたい。

東京オリンピックの柔道競技会場として1964年に開館した日本武道館で最初にライブを行ったミュージシャンはザ・ビートルズで、今まで最も多く日本武道館で公演を行っているのは矢沢永吉である。まさにその名前の通り、もともとは柔道競技の会場として建設されたという経緯があるが、今でも“ロックの聖地”として多くのミュージシャンやバンドがあの場所で単独公演を行うことを目標としているのは、ザ・ビートルズの影響が非常に大きいのだろう。

ロックの聖地で開催されたSiMのワンマンは、その会場の作りから観客の度肝を抜いた。会場の真ん中に据えられた八角形のステージは、客席との距離を出来る限り近くしたい、モッシュエリアを作りたいというメンバーの意向が反映された結果。アンコールも含め全17曲が披露されたワンマンは、ライブハウス出身の彼ららしい熱く激しい部分だけではなく、3階席の観客にスペシャルシートをプレゼントしたり、普段とは違うアコースティックセットで魅せたり、GODRi(Dr.)が空を飛んだり(ワイヤーで)、オクタゴンの8つの角から炎が吹き上がったりと、エンターテインメントが満載だった。

SiMが日本武道館でのワンマン開催を決めたのは、飽くなき向上心の賜物である。当誌に語ったMAH(Vo.)の言葉をここに再掲する。

「2〜3年前にZeppが見えてきたくらいから、“Zeppの次はどこに行くのか?”っていうことを考えていたんです。俺らは“上に行きたい”って思っていたから、当然武道館も候補に挙がったんですけど、椅子席が大半を占めているっていうのがネックだった。逆に横浜アリーナの方が先にやりたかったんです、スタンディングのフロアを作れるから。でもバンドとして成長をしなきゃいけないという時期だった。“DEAD POP FESTiVAL”を野外でやるのにZeppクラスでいいのか? っていう。俺らだけで3000人しか入れられないバンドが、“DEAD POP FESTiVAL”で2万人近く入れているっていうのはリアルじゃないのかなと思って。だから“やっぱり武道館はやるべきだ”という想いがありましたね。反面、“そのために武道館を使うのはどうなのかな?”っていうのもちょっとあったんですよね。“武道館ってもっと神聖な場所じゃないの?”っていう。でもいろいろ考えていて、椅子有りの武道館でもやれそうな気がしたんです」(MAH)

SiMにとっての武道館は、簡単に言えば「通過点」…しかし、彼らはそれを単なる通過点にするのではなく、この先アリーナクラスでライブを行っていくための大きな区切りと考え(※武道館当日に2016年中に横浜アリーナで単独公演を行うことを発表)、自主企画フェス“DEAD POP FESTiVAL”を継続的に開催していくためには絶対に必要な通過点と考えたのだ。

では、SiMの目的地はいったいどこなのだろうか?

アリーナクラスの会場でライブを行う理由をMAHは「ライブハウスで下積みをさんざんやってきたバンドが、バンド人生を懸けて本気モードになったらどこまでいけるのかを証明して、次世代の人たちに繋げられたらいい」と説明し、武道館でのライブ中に「俺らがどんな場所に行っても、どんなステージに立っても、SiMがSiMでいることに変わりはない」と叫び、4/6にリリースされた最新作『THE BEAUTiFUL PEOPLE』についてのインタビューで新曲について「これからフィールドを広げていくとなると、どうしてもミドルテンポとか、ちゃんと聴けるものが必要になってくる」と発言している。

過去の発言を繋げてみると、彼らの目的地がぼんやりと見えてくるだろう。

ライブハウスで育ち、今もライブハウスを主戦場としながらも、武道館やアリーナクラスの会場でもライブを行い、地上波などのメディアにも出演し、バンドがどこまで高く跳べるかを自らの人生を賭けて挑戦しているのだ。CDが売れなくなって久しいこの時代に、音楽に夢を持ち、バンドに希望を見て、未来を描きながら駆け続ける4人の生きる様は、実に痛快だ。我々は、SiMを通して日本の音楽シーンの歴史が大きく動いていく瞬間を垣間見ているのかもしれない。

TEXT:Takeshi.Yamanaka
 
 

 
 
 

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