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彼女 IN THE DISPLAY

終わりなき旅を続けるJ-ROCKの新機軸、大きな舞台へと飛翔する確信と革新の1枚

PH01_Kanojo_main“ジョジョ立ち”のアーティスト写真と共にリリースしたアルバム『GOLD EXPERIENCE』(2013年)でシーンに突如現れ、話題を呼んだ福岡発5人組バンド、彼女 IN THE DISPLAY。2014年には2nd EP『ECHOES』リリース後に大型イベントやフェスにも出演を果たし、その知名度を飛躍的に高めていった。同年12月にミニアルバム『JAPANESE ORDER』をリリースするも、2015年中盤はVo.稲木亮介の喉の療養により一時活動休止を余儀なくされる。だがそこでも勢いを止めることなく、同年11月の“OZZFEST JAPAN 2015”にオープニングアクトとして出演した彼らは高らかに再始動を知らしめた。そして遂に約1年5ヶ月ぶりの新作となる、3rd EP『THE ROOTS』を世に放つ。ここに収録された4曲は幅広い音楽性を持ちながらも、どの曲にも“彼女 IN THE DISPLAY”というジャンルの芯が通っている。まさしくこれがメタルでもラウドでもハードコアでもスクリーモでもエモでもJ-POPでもない、J-ROCKの新機軸なのだ。M-1「LET IT DIE -Hail 2 U-」は2016年発表のゲームタイアップも決定し、ますます注目度が高まることは間違いない。1つ1つ確実に積み上げながら、5人の自由な旅人はより大きな舞台へと突き進んでいく。

 

「“俺らは来年売れるから、今しか休めない”っていう考え方でした。自分たちが本当にやりたい音楽をやるために俺たちは休んだし、今は休んで大正解だったと思えています」

「過去の自分たちがやったことに対して、今も後悔が全くないんです。全部のルーツを辿って、間違ったことは何1つない。変な言い方だけど、きれいに遠まわりしている感じがします」

 

●2015年は亮介くんの喉の療養による一時活動休止期間もあったわけですが、それもあって前作のミニアルバム『JAPANESE ORDER』から少し期間が空いたんでしょうか?

海:それはありますね。でも次はいつ出したいかというのは特に考えていなくて。何となく“アルバムを出したいな”とは思っていたので、曲はたくさん作っていました。

亮介:僕が入院した頃には、みんなが作り始めていて。その3ヶ月後くらいに僕がスタジオに合流してから、曲がいくつか具体化していったんです。その中からセレクトした曲を今回はEPという形でリリースするんですけど、まだまだ僕らの中に収めている曲はいっぱいありますね。

●今作『THE ROOTS』収録の4曲は、たくさんストックがある中から選んだんですね。

海:でも全部、ここ1年の間にできた曲なんですよ。最初はこの4曲の予定じゃなかったんです。2曲は元々ある曲を使って、他の2曲を新たに加えたいと考えていたんですけど、プリプロを重ねる中で「この4曲で行こうか」という話になって。

●結果として全曲、新たに作ったものを入れることになったと。

海:そうです。その4曲の振り幅をあえて大きくすることで、俺らっぽい感じにしたいなと思って。どれかがリード曲というよりは、全曲A面みたいなイメージで作ったんですよ。

亮介:だから、4曲ともクセが強いんですよね。

●全体の統一感というよりは、個性の強い曲を集めて1枚にまとめた。

海:前作『JAPANESE ORDER』は、アルバム全体を意識して作った1枚だったんです。でも今回はそうじゃなくて、1曲単位で作ったものをまとめれば良いという話になって。

●“自分たちらしさ”を押し出したいと思ったキッカケとは?

海:休んでいたところから復活して以降でライブを重ねたり、昔の曲をやる度に結成当初のことを思い出すようになったんです。“みんなであの曲を作ったなぁ”とか思い出すことが最近はすごく多くて。

亮介:バンドを始めてから時間も経って、“◯◯っぽい”というのに陥りやすい状況になってしまっていて。休んでいる期間は考える時間があったので、改めて“僕らって何なんだろう?”というところを見直していたんです。その結果、この4曲に帰ってきたという感じですね。

●4つの“自分たちらしさ”みたいな感じ?

亮介・海:そうですね。

●海くんがTwitterで今回の4曲について「早い! チャラい! KIDっぽい! そして、休んだ間の歌」と書いていたんですが、これは曲順通り?

海:いや、“KID(=彼女 IN THE DISPLAY)っぽい”がM-2「letters to you」ですね。

亮介:それで“チャラい”がM-3「OverdriveJourney」です。

●そこは逆なんですね。ということは“休んだ間の歌”がM-4「COLOR」で、“早い(速い)”はM-1「LET IT DIE -Hail 2 U-」だと。

海:「LET IT DIE -Hail 2 U-」は、俺が勝手に速くしたんですよ。

●イントロが鳴った瞬間は、メロコアかと思いましたよ(笑)。

亮介:あれはウケた(笑)。

海:YouTubeでNOFXの「Linoleum」を観ながら、レコーディングしたっていう。「クソ速いヤツでいこう!」みたいな(笑)。

●原曲はここまで速くなかった?

海:純粋に半分くらいのBPMのイメージですね。本当に速いギターヒーローの曲を作ろうと思って。最初はギターの速弾きとかも、全く入っていなかったんですよ。レコーディングはドラム録りから始めるので、勝手に俺が速くしました。みんなは「マジか!?」みたいな感じでしたけどね(笑)。

●メンバーも予想外だったと。

海:単に思いつきですからね。俺らはそんな感じで、思いつきで曲をどんどん変えちゃうんですよ。ライブで自分たちがアガる曲ってあるじゃないですか。たとえばDJでHi-STANDARDの「STAY GOLD」が流れた瞬間みたいな。そんなイメージで、俺は速い曲が欲しいなと思ったんです。

亮介:変えられた曲に合わせているうちに、僕らもそれがカッコ良いと思えてくるんですよね。そうやって、どんどん変わっていっちゃうんです。「Overdrive Journey」も相当変わりました。

●曲を作っていく過程でどんどん形を変えていくのが、彼女 IN THE DISPLAYらしいというか。

海:そこがかなり大事なんです。どんどん変わっていった上に、レコーディングの日にまた変わったりするんですよ。その繰り返しが一番良いですね。

●そして最終的に今の形になったわけですが、歌詞も変わっているんでしょうか?

海:全部変えましたね。

●曲がそれだけ変わると、歌詞のイメージも変わりますよね。

亮介:曲がメロコアに寄ったことで、歌詞もそれっぽい内容になってしまっていて。

海:“俺たち熱いだろ?”みたいな歌詞になっていたので、「それじゃなくない?」って言ったんです。

●自分たちらしくない歌詞になっていた。

亮介:「それはお前がやるべきものじゃない」という話になって。そこで“自分の原点って何かな?”と考えて、適当にメロディに言葉を乗せたら意外と良い感じにハマったんです。だから、この曲の歌詞は自分の書きたいことや言いたいことをバーッと綴ったようなものになっていますね。

海:メロディと声の響き方が一番、亮介っぽい感じがしますね。何にも寄っていない感じがする。

●亮介くんの歌詞は、“旅人”や“旅”という言葉がよく出てくる気がします。

亮介:バンドをやっていると、ツアーに出ることも多いじゃないですか。だから、そういうふうに捉えがちなんでしょうね。ツアーも旅だし、人生も旅みたいに感じるし、その表現が個人的に好きなんだと思います。

●“こみ上げてくる悔しさで 涙した日々があっただろう”という歌詞は、実体験に基づいていたりする?

亮介:自分のことがまず最初にありますけど、そこから“みんなもこうなんじゃないかな”と思うことを書いたりしますね。誰にでも言えることやその辺にいっぱい転がっているようなことを自分が歌うと、どういうふうに伝わるのかなと考えたりもして。やっぱり王道が好きなんですよ。だから今回はあえて、そこをドンといきました。

●「LET IT DIE -Hail 2 U-」はゲームのタイアップが決まっているそうですが、歌詞の内容的にそれを意識したりもしたんですか?

亮介:タイアップの話は、曲ができたあとに来たんですよ。曲としては“僕らの人生に幸あれ”みたいな内容で、だからサブタイトルも“Hail 2 U(君に幸あれ!)”なんです。実はこれもジョジョに関連している言葉なんですけど…(※『ジョジョの奇妙な冒険』第3部の登場人物・カメオのセリフ)。気付いた人は、本当にジョジョ好きですね(笑)。

●そこも彼女 IN THE DISPLAYらしさですよね(笑)。

亮介:この曲に関しては、“幸あれ”っていうことを言いたかったんです。そこがゴールでしたね。

●そして今作で最も彼女 IN THE DISPLAYらしさが出ているのは、「letters to you」でしょうか。

海:自分たちとしては、一番“らしさ”が出ている曲だと思いますね。

●この曲をライブで初めて聴いた時に、“そして 必ず大きな舞台へ 連れて行くんだ”という歌詞が耳に残りました。バンドとしての決意表明的な曲なのかなと思ったんですが。

亮介:実は最初に僕の中にあった題材は、母に対する気持ちだったんです。でもあまりにもストレート過ぎて“このままではダメだろう?”という感じになったので、みんなにも伝わるようにメンバーと相談しながら書いていきました。

海:イメージはそんなに変わっていないと思うんですけど、最初は具体的な単語が入り過ぎていたんですよ。まさに“お母さん”とかがそのまま入っていて。そういう部分を「もう少しみんなが想像できるような言葉にしたほうが良いんじゃない?」と言って、変えていったんです。

●元々は亮介くんのお母さんに宛てて書いた内容だったと。

亮介:僕の中での意味合いはそうですけど、聴く人によって捉え方は変えてもらって良いんです。もし重ねられるものがあれば、そういうふうに聴いてもらっても構わなくて。“こういう日々があったから今こう思うんだよ”っていう決意を僕なりに書いた曲なので、似た気持ちの人がいたら良いなって思いますね。

海:この前、名古屋でARTEMAとROACHとの3マンをやったんですよ。彼らはずっと一緒にツアーをまわってきた仲間で。その日のラストにこの曲をやった時に、俺の中ではARTEMAとの想い出が走馬灯のようにブワァ〜って浮かんできて。“あれから8年経ったけど 少しは大きくなれたかな”っていう部分は、めっちゃ泣けましたね。

●ちなみに“あれから8年経ったけど”の、“8年”というのも何か意味がある?

亮介:これは僕が15歳くらいの頃の思い出を元に書いていて…。父親の仕事も大変だった時期に僕も好き勝手なことばかりしていて、母親には本当に苦労をかけたんです。でも“今、僕はこうやってちゃんとした道に進めています”っていうのを決意として言いたかったんですよね。

●15歳の頃は“自由を履き違えて一人舞い上がった”りしていた?

海:“尾崎豊が大好きです”みたいな歌詞ですよね(笑)。

亮介:めっちゃ好きですからね。でも尾崎豊を聴くと大体、みんな“自由”を履き違えるんですよ(笑)。

●盗んだバイクで走り出したり、校舎の裏で煙草をふかしたりするわけですよね(笑)。

亮介:そういったものに、どうしても憧れちゃう歳じゃないですか。ちょうど“自分”というものができてきて、色々と世界も広がるタイミングだから。たぶん、その頃にそういう気持ちに陥る人って多いと思うんですよ。それをポップスで表現するんじゃなくて、ロックバンドとして表現できるかと考えた時に“自分たちならやれるな”と思ったので歌詞にあえてブッ込んでみました。

●青臭いことや熱苦しいようなことをあえて歌っている。

海:やっぱり男臭いものが良いですよね。

亮介:原点を辿れば、僕らはそういうものが好きだから。昔のアニソンみたいに、夢を見させてくれるような音楽がすごく好きなんですよ。

●そういう意味では“必ず大きな舞台へ 連れて行くんだ”という歌詞には、応援してくれる人たちにも夢を見させるという想いも込められているのかなと。

亮介:そこに今の僕らの心境や思っていることを入れています。きっと他の人もこういう決意の仕方だったり、悩んでいることだったり、どこかに当てはまることがあると思うんです。だからこそ、この曲を書いたし歌えた。自分としても、この1曲があることですごく立ち上がれるというか。何かがあった時にも“あぁ、そうだったな”って思える1曲なんですよ。

●自分自身も奮い立たされる曲になっていると。続く「OverdriveJourney」も“旅”がテーマのようですが…。本当に“旅”の曲が多いですね(笑)。

亮介:そうなんですよ(笑)。でも時系列で言うと、「LET IT DIE -Hail 2 U-」よりもこの曲のほうが先に書きました。これが一番大変でしたね…。

海:何回も歌詞を書き直しました。これは初めて、俺と亮介が2人で書いた歌詞なんです。

●歌詞の合作は初めてだったんですね。

亮介:前は相談して「言葉をこうしたら?」みたいなアドバイスをもらう形が多かったんですけど、この曲は僕が煮詰まり過ぎて…。海さんに書いてもらったものを「お前なりの言葉にしてくれ」ということで、2人で擦り合わせていった感じです。

海:2人でメッチャ考えましたね。

●海くんはどんなイメージで書いたんですか?

海:これについて、僕はジョジョの第3部をイメージしていたんですよ。だから最初の“遥かなる旅に 出よう友よ”っていうフレーズも、元々は“遥かなる旅路 さらば友よ”っていう第3部の最終章のタイトルだったんです。それを亮介が「もうちょっとわかりやすくしたい」っていうことで、これに変わったんですよね。

●ジョジョの第3部の内容をモチーフにしている?

海:(主人公の)空条承太郎と(敵の)DIOとの、友情がありつつも敵になっちゃうみたいな関係性というか。その関係を俺と亮介に当てはめて書いた感じですね。俺らは高校の先輩・後輩で“歳も違うけど、友だちだよ”みたいな。

亮介:この曲に向き合えば向き合うほど、メンバー同士も向き合うことになって。活動休止で空いた期間の話にもなったし、色んなことがリンクして最終的に合点がいった時にやっと完成したという感じでした。

●ライブでもすごく盛り上がりそうな曲ですよね。

海:ライブを意識して作りました。お客さんがノリつつ、みんなで歌えるっていうところでシンガロングを最後に入れていたりもして。どれもリード曲のつもりで作っていたら、自ずと後半へ進むにつれてドラマチックな展開になる曲が増えちゃったんですよ。しかも3〜4曲目は特に自分たちのその時の状況や心境がリアルに映し出されている曲なので、なおさらなんです。できたときは嬉しさ以外にも、色んな気持ちが交錯しましたね。

●今作には亮介くんが療養中に書いた歌詞もあるんでしょうか?

亮介:療養中に書いた歌詞は使っていないですね。休んでいた時期は、自分の伝えたいことみたいなものがわからなくなっていて。“僕が音楽家として伝えたかったことって何だろう?”っていう部分で、すごく迷っていた時期でもあったんです。今までは前だけを向いて駆け抜けてきたけど、(療養によって)考える時間ができちゃったというのが大きかったですね。

●その迷いから脱することができた?

亮介:メンバーのところに戻って、みんなと向き合い始めてから、まとまるようになったんです。“みんなとやっている”というのが自分たちのモットーだったので、そこからはかなり書けるようになりましたね。

●ということは、今作の歌詞は全て亮介くんが復帰してから書いたもの?

海:そうです。だから、みんなで考えたという側面がかなり強いんです。

亮介:たとえばその時期に作っていたメロディも“◯◯っぽく”なり過ぎちゃっていて。“こういう曲にするんだったら、こういうふうにしたほうが良いな”みたいなことを考えるようになって、“自分たちらしさ”がなくなっていたっていう。

●その時の葛藤みたいなものが「COLOR」の歌詞に表れているのかなと。

亮介:そうです。

海:これも俺と一緒に作って。コインランドリーに1人でいる時も、亮介とLINEで「僕はこういうことを言いたいんですけど」「じゃあ、こういうふうにしたら良いんじゃない?」みたいなやりとりを延々とやっていました。

●亮介くんの言いたいことを、海くんが翻訳してくれる感じ?

海:そうですね。“あの”とか“その”みたいな具体的じゃない表現が多過ぎて、結局何が言いたいのかわからなくなっていたんです。だから、「この部分はこういう表現に変えよう」とかアドバイスして。

亮介:書きたいことがいっぱいあり過ぎて、メロディと歌詞がハマらなかったんですよ。でもこれが書けたことによって“あ、これだ!”と思って拍車がかかったというか、他の曲も上手くいき始めましたね。

●海くんやメンバーからもらった言葉も大きかったんでしょうか?

亮介:“自分”というものがよく見えていなかったんですよね。でも周りの人たちには“亮介はこういうヤツだよな”っていうのが見えていたから、「こうじゃない?」とか「俺は好きだな」とか言ってもらえたことで“これが僕らしさなんだ”って思えた時がすごく多かったんです。今回はそこが良かったですね。

●メンバーの言葉によって、自分らしさを理解できた。

亮介:僕からも「これってどう思う?」みたいな感じで訊いたりするんですよ。「僕は今こうしたいと思うんだけど、やっても良いかな?」みたいなことを訊いた時に、違和感を感じていたら「何かちょっと違うね」と言ってくれるんです。そこはすごく助かりました。

●自分だけでは自信が持てなかったりする?

亮介:そういう面はかなりありますね。みんなでカッコ良いと思って作ったものを出す時には、みんなの自信があるからそれを背負ってバッと出せるんです。でも自分個人としては“自分ってそんなに正しいのか?”と思っているタイプの人間なので、たとえ“正しい”と思っていても他人に押し付けられないんですよね。

●無根拠な自信があるわけではない。

亮介:もし仮にそれがあったとしても、誰かに押し付けるものではないかなと個人的には思っていて。そういうタイプの人間なんです(笑)。

●あまりフロントマンっぽくないタイプのような気もしますね。

海:そこがまた面白いんですよね。良い意味で、“人間らしい”んだと思います。

●人間味があって、揺らぎやすいというか。

亮介:そうですね。療養期間中の考える時間が多かった時に周りのバンドのフロントマンとか色々な人を見ていると、みんなすごく主張があるんですよね。自分にもそういうものがなくちゃいけないと思ったりして、色んなものに染まっていった時間が結果的にこの曲には出ているのかなと。

●でもこの曲を書けたことで他の曲にも拍車がかかったわけで、バンドとしてまた一歩先に進むキッカケにもなったのでは?

亮介:確実になりましたね。バンドとして個人とメンバーみんなが、一緒に進めた感があります。

●休止期間も無駄ではなかったわけですよね。

亮介:4ヶ月くらい休んでいたんですけど、無駄じゃなかったですね。あの空いた時間に、それぞれが色んなことに対する時差みたいな違和感をちゃんと感じられて。そこからまた全員が集まった時に、「こうだよね」って言えることが増えたのがかなり良かったと思います。

海:でもライブ1本1本での感覚を取り返すまでは、死ぬほどキツかったんです。

●ライブでの感覚を取り戻すのが大変だったと。

海:活動が止まっている間も、(そこまでに獲得してきた)“彼女 in the display”としての位置はあまり変わらなくて。復帰後もその位置でのイベントに呼ばれることが多かったので、1本1本がデカいんですよ。「これはあの時の感じか…」みたいなことをみんなでかなり話し合ってから、やるようにしていますね。

亮介:でもそれって、持っておかないといけない“不安”みたいなものだと思うんですよ。浮き足立って“僕たちはこうだ!”みたいな感じでやるんじゃなくて、その不安を持ちながら今はやれているので、バンドとしてはすごく良い状態だと思います。

●そもそも休止することへの不安はなかった?

海:いや、そこは強気でしたね。“俺らは来年売れるから、今しか休めない”っていう考え方でした。自分たちが本当にやりたい音楽をやるために俺たちは休んだし、今は休んで大正解だったと思えています。メンバー全員が1本1本のライブを単なる“ライブ”という感覚でやるんじゃなくて、音を5人でちゃんと合わせている感覚でやれているというか、純粋に音楽を楽しめている。だから、スタジオも毎回楽しいんですよ。“音をみんなで合わせたいから集まっている”っていう感じで、根本にある“バンドが好きなんだ”という感覚を取り戻せた時間だったと思いますね。

亮介:めっちゃわかる。

●休めたことで、そこまで戻って来れたというか。

亮介:だから、タイトルも『THE ROOTS』なんですよね。

海:「全部のルーツを辿りたいね」と言っていて。ここに入っていない曲もあるんですけど、それも全部バラバラなんですよ。変な曲ばっかりです(笑)。

●でもそれが彼女 IN THE DISPLAYだという自信もあるわけですよね?

海:そこですね。過去の自分たちがやったことに対して、今も後悔が全くないんです。『JAPANESE ORDER』ではアルバム全体を意識して作ったけど、あれをやったからこそ今回は1曲1曲の個性を気にするようになったわけで。全部のルーツを辿って、間違ったことは何1つない。変な言い方だけど、きれいに遠まわりしている感じがします。

●無駄な遠まわりはしていない。

亮介:僕らの間では「1周したね」みたいな言い方をしているんですけど、1周して元の場所に戻ったわけじゃなくて、ちゃんと上にステップアップしている感じなんです。螺旋階段みたいに上に昇れている感覚がすごくありますね。

Interview:IMAI
Assistant:森下恭子

 

 
 
 
 

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