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ラックライフ

彼らは立ち止まらずに、“初めの一歩”を踏み出し続けてきた

PH_LL_main5/11にメジャーデビューシングル『名前を呼ぶよ』をリリースし、東名阪レコ発ツアーを大成功させたラックライフ。同ツアーにて披露された新曲「初めの一歩」が、7/27に2ndシングルとしてリリースされる。キャッチーかつバンドのオリジナリティを存分に詰め込んだ「名前を呼ぶよ」、ダイナミックな展開が印象的な「夜の海」、忘れないように歌い続けたいという想いを綴った「ソライロ」。メジャーというフィールドでも常に自分たちらしさを忘れずに、挑んでいくマインドをで新たな“初めの一歩”を踏み出し続けていく彼ら。2ndシングル『初めの一歩』のリリースを目前に控える今月号では、Vo./G.PONに、1曲1曲に込めた想いを訊いた。

 

「歌い続けることの意味は、自分が覚えているため。自分が歌うことで思い出せることだったり、忘れないでいられるということがすごく大事だなと思って」

●5/11にメジャーデビューシングル『名前を呼ぶよ』をリリースして、メジャーデビューの話からいろいろ聞かせていただきましたけど、期間を空けずに2ndシングルのリリースですね。確かそのときのインタビューで「今年の正月も制作で忙しかった」と言っていましたけど、今回のシングル『初めの一歩』もその辺で制作していたんですか?

PON:いや、『名前を呼ぶよ』の制作が終ってからすぐですね(笑)。休む間もなく「次はこれいこか」と。3月頃。

●お、かなり最近ですね。

PON:“これがメジャーか”と思いましたね(笑)。

●M-1「初めの一歩」はTVアニメ『チア男子!!』オープニング主題歌ということですが、まずタイアップの話があったんでしょうか?

PON:そうですね。『チア男子!!』は『桐島、部活やめるってよ』の朝井リョウ先生が原作の小説で、漫画にもなっているんですよ。お話をもらって、漫画と小説を借りて読んだんです。前と同じ感じで“どれが自分に合うかな?”とか“どの部分を歌にしようかな?”とか考えながら。

●自分に当てはまる部分というか、共通する感情や想いを探したと。

PON:はい。当てはまったら置いといて、自分の歌を作るっていう感じでやらせていただきました。今回、“何を歌おうか”っていうことに関してはすぐに見つかって考えていたんですけど、楽曲がすごく手こずったというか。

●そうそう。「初めの一歩」は音がいっぱい入っているし、ライブ感があるし、かなりややこしいことをしてますよね?

PON:ややこしいんですよ。めっちゃムズいんですよね(笑)。歌うのも難しい。

●あ、そうでしょうね。聴いている分はドライブ感があって気持ちいいんですけどね。

PON:そこをすごく考えて作ったというか。原作を読んで“これはめちゃくちゃスポ根や”と思って。チアってポンポンを持って「ヘイ!」みたいなイメージをするじゃないですか。

●はい。僕は『チア男子!!』を知らないんですけど、タイトルからそういう物語なのかなと想像してました。

PON:僕も最初はそう思っていたんですけど、実際に読んでみると想像していたのとは全然違って、まさにスポーツなんですよね。人が3メートルくらい飛び上がる、みたいな。

●そうか。チア男子って人を投げたりするんだ。

PON:そうなんです。バク転したりとか、みんなで合わせて踊ったりして“そんなんあるんや!”みたいな。まずそこからビックリして、読んでいくうちに“他の部活と変われへんわ”みたいな。だから最初はそれに合ったキラキラしたものを作ろうと思って、明るいアップ寄りのミドルでわかりやすい元気な感じで、というイメージはあったんですけど、作れば作るほど…「明るくてアップ寄りのミドル」って要するに普通の曲なんですよね。

●確かに。よくある曲ですよね。

PON:作れば作るほど普通になっちゃって“これはどうしたらいいんだ?”と。その後、ちょっと普通じゃないことも混ぜながらキャッチーにっていうのをモットーに作ったんです。

●イントロから始まるギターのリフもエッジが立っていて、“ポップ”というよりインパクトがあって耳に残るフレーズですよね。

PON:そうですね。聴けば聴くほど“ここどうなってんねやろ?”と思う感じはあるかもしれないですね。Aメロの歌のリズムやったり、キャッチーに変なことをやりたかった。

●キャッチーに変なこと(笑)。

PON:「一筋縄じゃいかない曲にしなきゃダメだ」というプレッシャーというか、「ただの普通のええ曲を出してもしゃーない」という感じで、ちょっとひねくれながらやりましたね。

●歌い辛くないですか?

PON:歌い辛いですね(笑)。

●例えばカラオケに入っていたとしたら、アニメのタイアップの曲やしみんな歌いたがると思うんですけど、いざ歌おうと思ったら譜割が。

PON:Aメロとか、たぶん1回じゃ理解できひん(笑)。自分もやっていて“これどこで歌ってんねやろ”と思いながらやっている感じでしたね。

●ただ、かといってごっちゃごちゃなことをしているわけじゃなくて、あくまでも歌が中心のアレンジになっているっていうのがおもしろい。“何やこれ?”と思うけどキャッチーという。

PON:それはモットーなので。キャッチーやけど変でありたい。

●必ずキャッチーでありたいというところで、実はいろいろと変なことをやっていると。イコマくんのギター、あれ何なんですか?

PON:何なんですかね。気付いたら弾いていましたね。

●ボリュームはそんなに大きくないですけど、ギターとかいろんな音がいろんなところに入っていて。かなりカオティックというか。

PON:サビとかすごいですからね。“これってシンセ? それともギター?”みたいな。

●そうそう。何の音かよくわからない。

PON:正直に言うと、シンセを入れるっていうアイディアがもともとあって、そのアイディアありきで曲を作っていたんですけど、ちょっと困らせたろうかなと思って。

●誰を?

PON:シンセを弾いてくれる人たちを。

●ハハハ(笑)。

PON:やっぱりロックバンドとして“負けてたまるか!”っていう気持ちがあって。否定するんじゃなくて、“それに持っていかれてたまるか”という気持ちがあるわけです。シンセありきの曲になってしまったら負けやから。

●メジャー感とかが表に出ちゃいますもんね。

PON:「2枚目でもうそんなことやられちゃったんだ」みたいな感じに見られるのがめっちゃ嫌やったんですよ。でもかっこよくなるんやったら全然OKなんです。

●全否定しているわけではない。

PON:でも「どないなもんや?」みたいな感じで、音数をバリバリ増やして、“これどこにシンセ入れんねやろ? どうやってピコピコすんの? もう既にピコピコしてるけど”みたいな感じに作ったんです。

●シンセが入っていないバージョンのオケができて、そこからシンセを入れる人にお願いしたんですね。

PON:そうです。困らせたろうと思って(笑)。

●アハハハ(笑)。

PON:でも“なるほど!”っていうのが返ってきたので、流石やなと思いました。“プロってそういうことやわ”みたいな。おもしろいと思いました。

●あのコーラスは?

PON:コーラスは僕が考えました。チアやし。原作では男十数人でやっているんですけど、声を出す場面とかもあるんですよ。

●なるほど。

PON:でもそんなことやったことないから“どうすんねやろ?”と思っていてい。スタジオでおそるおそる「ここで“ヘイ”って言ってくれへん?」と。メンバーとスタッフに。

●一筋縄ではいかないけどラックライフっぽいというか、個性のある曲になりましたね。めっちゃキャッチーやし歌っていることもわかりやすくて伝わりやすいんですけど、でもクセがある。

PON:ちゃんとクセは残さないとね。

●カップリングの2曲は、そのときにあったんですか?

PON:ありました。ストックの中から引っ張り出して。“ストックあってよかった〜”と思いました。

●よくPONくんは近所の河原にフラッと行って歌の欠片を拾ってくるじゃないですか。河原に落ちていた歌の欠片を。

PON:石ころみたいなやつを。

●だから海をテーマにしたM-2「夜の海」は新鮮だったんですよね。

PON:海は普段近くにないですからね。夢を見たんですよ。過去に浸りながら“あのときこんなことがあったな”ってベランダでタバコを吸っていたんです。

●歌詞そのままやん。

PON:そのままただの説明なんですけど(笑)。その日の夜、夜の海でひたすら光に向かって泳ぐ夢を見たんです。島があって、その先にちょっとだけ光が見えているのをすっごく追いかけて泳いでいて。

●苦しそうな夢(笑)。

PON:めっちゃ苦しかったししんどかったし寂しかったし空しかった…みたいな感じで目が覚めて“何やったんやろう?”と自分でも思ったんですけど、この曲のメロを思いついたときに“夜の海”という言葉が出てきて。“夜の海と言えば、あの夢のことやな”みたいな感じで広げていきました。

●よく夢は見るんですか?

PON:あまり覚えてないです。でもその夢はめっちゃ覚えてて、今でも感覚が思い出せますね。

●暗い海を泳いでいて、ちょっとだけ光が見えていて…疲れていたんですかね?

PON:たぶん病んでたんでしょうね(笑)。

●この曲ができたのはいつくらいなんですか?

PON:去年の年末から今年にかけてくらいですね。ずっとズルズル作って、最後まで詰めずにざっくりで終っているのも何曲かあって、その中の1曲だったんです。でも最終的に“渡りたい”という想いがあって。

●ほう。

PON:夢の中でも諦めなかったんですよ。しんどいながらも泳ぎ続けていたんです。“そういうことかな?”みたいな。ヒントを得たというか。

●この曲のCメロ、“繰り返すような日々の中で”というところの展開がすごくおもしろくて。

PON:斬新でしょ?

●地続きなんでしょうけど、かなり急に展開が変わりますよね。

PON:違う曲を入れようと思って。

●は?

PON:展開として“違う曲になったらおもろいかな”みたいな。ダダダダダッと駆けてきていたものが、コード進行のパターンも変えて違う曲みたいになったらおもしろいんちゃうかなと。

●アクセントを入れようとしたんですか?

PON:そうですね。このまま通り過ぎていくのも普通かなと思ったので。ここでクセを出しとこうかなみたいな(笑)。

●またクセか(笑)。

PON:おもしろいかどうかというか「あ、それええやん!」みたいな感じで決まるので。メンバーは「え? それどういうこと?」みたいな感じなんですけど。

●ハハハ(笑)。M-3「ソライロ」は、いつだったかPONくんにこういう話を聞いたなと思って。

PON:あぁ! そうですね!

●もともと音楽をやっていた子がキーボードを手放して、久しぶりに会って…みたいな話。

PON:その話しましたね。で「その曲はCDになるんですか?」と訊かれて「なりません」と言いましたね。

●なっとるやんけ!

PON:その話をしたのは『変わらない空』(2015年8月リリース)のインタビューのときだったかな。去年の6月くらいにはできていた曲なんですよ。

●古い音楽仲間の人と話をしたことがモチーフになっているという。

PON:そうですね。シンガーソングライターの同い年の女の子がいて、音楽を真ん中に生活しているようなタイプではないんですけど、月に1本、地元のライブハウスで数えられるくらいのお客さんの前で歌うっていう感じでやっていたんです。でもそういうペースだとしても「自分たちにとって音楽はこういうものだ」とか「自分の歌はこういう風になっていきたい」とか話したりして、ちゃんと一生懸命音楽に向き合っていたんですよ。

●その人なりのペースだった。

PON:そういうところに僕も一緒に入って弾き語りをやったりしていたんです。その人とたまたま会って、そのときに「最近歌ってる?」と訊いたら「全然歌えてない」と。その2〜3ヶ月後に会ったとき「昨日キーボードを処分した」と言っていて、それがすごくショックだったんですよ。

●ああ〜。

PON:「もし昨日PONくんに会っていたらキーボードを捨てていなかったかもしれへん」みたいな感じで言っていて、それがホンマにショックで、めっちゃ落ち込んで。“自分がもっとがんばれていたら”とか“もし3ヶ月前に会ったときに「一緒にやろう」と言えていたら”とか、そういう後悔がいっぱいあったんです。そうしたらすごくたくさんの人の顔が見えてきたんです。今なかなか会えていないシンガーソングライターの人とか。そういう輪に僕も地元で入れてもらっていたので。

●バンドじゃなくて?

PON:そうなんです。バンドをやりながら、ひとりでアコギで歌っている自由気侭な人たちの中に混ざって一緒に遊んでいたりしていて、そういうことをすごく思い出して。“みんなちゃんと覚えてんのかな?”みたいな。

●それは何年くらい前の話なんですか?

PON:二十歳くらいのときなんですけど。

●めっちゃ前ですね。

PON:めっちゃ前です。僕が弾き語りを始めた頃くらいなんで、8年前くらいかな。その人たちにとっては、歌うことが遊びだったんですよ。ライブをやって、ご飯を食べにいって、そのあとみんなでアコギを持って茨木駅に行って朝まで歌って遊ぶ、みたいな。

●めっちゃ歌うのが好きな集団。

PON:みんな本当に楽しそうに歌うし、本当に素敵な好きな歌を歌う人たちが居て。ひとりが歌い出すと、それに合わせてハモッたりとか、アコギ3本でギターを鳴らしたりとか。人の曲とか、お互いの歌を歌ったりとか。それがすごく楽しかったんですよ。“歌ってこんなにおもしろいんやな”と思わせてくれたのがその人たちだったし。そういうことをすごく思い出して。

●PONくんは「歌が好き」と前から言っていますけど、その原点みたいな場所なんですね。

PON:そうですね。いつも朝まで、駅員さんに注意されるまで、始発が走り出すまで歌ったりとか。

●「ソライロ」のモチーフになった人は、そのうちのひとりなんですね。

PON:そうです。みんなええ歳やから仕事をしたり家族が居たりして、なかなか音楽と接する機会がない生活を送っているんだけど、それでもまた久しぶりに集まりたいなと思うし、ずっとあの気持ちを忘れたくないなという気持ちもすごくあるし。ちゃんと覚えていたいなと思いながら作った曲です。

●なぜ今回入れようと思ったんですか?

PON:「CDには入れません」と言っていましたけど(笑)、いつか入れようと思っていたんです。前作はバラードがリード曲だったので、今作でちゃんと聴いてもらえる機会を待っていた感じですね。

●この曲ですごく印象的な歌詞があって。“歌い続ける事の意味を 僕なりに受け止めてみる”という部分なんですけど、“歌い続ける事の意味”ってPONくんにとってはどういうことなんですか?

PON:考え出したら山ほど出てくるんですけど、歌い続けることの意味は、自分が覚えているため。

●ほう。

PON:自分が歌うことで思い出せることだったり、忘れないでいられるということがすごく大事だなと思って。そのためにこの曲を作ろうと思ったんです。自分が歌っていることで、その人たちがこの曲を聴いたら“あの頃そんなことがあったな、また久しぶりにやりたいな”とか思ってくれたらいいなと思いながら。

●なるほど、忘れないように。

PON:はい。かっこいいっすよね、それ。

●うん、忘れないように歌い続けるってかっこいいです。

PON:忘れないように歌い続けるってかっこいい。

●自分で言ってるし(笑)。でも前からPONくんは曲を作ったら曲を作った時点で終わりじゃなくて、歌い続ければ続けるほど曲に記憶も乗っかって、どんどん膨らんでいくと言っていたじゃないですか。だからPONくんにとって歌にするという行為は、自分の想いをそのときの鮮度や純度で閉じ込めるという側面があるんでしょうね。そのときの気持ちをいつまでも色褪せずに持ち続けたいというか。

PON:そうですね。この曲もシンガーソングライターの集まりに対して作った歌ですけど、全国どこに行っても、昔一緒にやっていた人たちってたくさん居て。で、この歳になったら辞めていった人も山ほど居るし。だからそういう思い出が重なり始めたらえらいことなんですよね。

●あ、本当だ。この曲、どこかでまたライブ中に泣くんじゃないですか?

PON:というか、既に何回かライブもやっているんですけど、半泣きでした(笑)。

●ハハハ(笑)。今後どうなっていくのか…ライブでやるのは大変かもしれないけど、楽しみですね。

PON:そうですね、とても楽しみです。

interview:Takeshi.Yamanaka
Assistant:森下恭子

 

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