音楽メディア・フリーマガジン

彼女 IN THE DISPLAY

“必ず大きな舞台へ連れて行く”。その強き覚悟と大いなる希望を体感した

2016/8/18@渋谷TSUTAYA O-Crest
“彼女 IN THE DISPLAY presents THE ROOTS TOUR 2016 FINAL!!”

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ド頭からバイクに乗って高速でカッ飛ばすような勢いと疾走感を持った「LET IT DIE -Hail 2 U-」で幕を開けた、“彼女 IN THE DISPLAY presents THE ROOTS TOUR 2016 FINAL!!”。今年6月にリリースした3rd EP『THE ROOTS』を手に各地で暴れまわってきたであろう5人が、いよいよツアーファイナルの地・渋谷TSUTAYA O-Crestに降り立つ。観る側もステージに立つ側も互いに抑えきれない興奮を、スタートから一気に解き放っていった。

フロントに立つRYOSUKE(Vo.稲木)は笑顔と自信に溢れた表情で、オーディエンスを煽り立てていく。ヘヴィかつダンサブルなサウンドに合わせて飛び跳ね、巧みに織り交ぜられたコーラスパートでは声を揃えて大合唱で応える観客たち。序盤から会場は一体となり、ハッピーかつピースフルな空間へと様相を変えていった。サウンドはラウドな部分も十二分にありつつ荒々しいモッシュやダイヴが頻発するわけではなく、誰もが彼らの歌にちゃんと耳を傾けているのが印象的だ。

「Crazy Diamond」が象徴的なように重くて激しいサウンドの中にもすぐ口ずさめてしまうキャッチーなメロディと、リスナーも自身も共に奮い立たせるようなポジティヴなメッセージを搭載した歌詞。そして言葉の1つ1つがはっきりと聞き取れるRYOSUKEの真っ直ぐな歌声が、彼ら独自のライブ空間を作る上での重要なカギとなっていることを実感する。さらにバックを支えるバンド隊4人もそれぞれに強烈な個性を放ちながら、一丸となってオーディエンスの心と身体を揺さぶる強力無比なグルーヴを生み出していく。

まさしく“メタルでもラウドでもハードコアでもスクリーモでもエモでもない、J-ROCKの新機軸”と呼ぶにふさわしいオリジナリティとポピュラリティを併せ持つサウンドを、O-Crestに集まった観衆たちにたっぷりと見せつけた彼女 IN THE DISPLAY。2015年中盤からの活動休止期間を経て、彼らが確実にもう一段階上へとステップアップを遂げたことは間違いないだろう。「letters to you」での“必ず大きな舞台へ 連れて行くんだ”という言葉に秘めた強い覚悟と大いなる希望を胸に、これからもさらなる高みに向けて飛翔していく5人の姿を絶対に見逃さないで欲しい。

TEXT:IMAI

 

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