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PENICILLIN

積み重ねた25年の先に見える、新たな奇跡に向かって3人は進む

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2017年に結成25周年を迎えるPENICILLINが、その節目を目前にして新作ミニアルバム『Lunatic Lover』をリリースする。昨年はテレビ番組『有吉反省会』への出演が大きな話題を呼ぶなど、ヴィジュアル系という枠だけに囚われない動きで精力的な活動を続けてきた彼ら。その『有吉反省会』での“禊(みそぎ)”で富士急アイランドを訪れたことがキッカケで生まれた「戦慄迷宮」を筆頭とするヴァラエティ豊かな楽曲はいずれも独自の世界観を持ちつつ、フックのあるメロディがポップな印象を残す。新たな名作を手にアニバーサリーイヤーに突入していく3人にとって、ここはまだ通過点に過ぎない。

 

「これをベースにして“次はどうなるか?”という感じなので、そういう意味では25周年に向かっていく“道標(みちしるべ)”になるような1枚ができたのかなと思いますね」

●今回のミニアルバム『Lunatic Lover』は“結成25周年を目前とした、記念コンセプトアルバム第一弾”ということですが、どういうコンセプトで作られたんでしょうか?

千聖:これは“25周年を記念しての第一弾リリースとして出す”という意味でのコンセプトですね。

O-JIRO:いわゆる“コンセプトアルバム”とは、ちょっと違うかもしれませんね。

HAKUEI:来年25周年を迎えるということで、そこに向かって新たな気持ちで節目にふさわしい曲を作るというくらいの意味なんですよ。“アニバーサリーアルバム”かなっていう感じがします。

●なるほど。では曲ごとに何か元になるイメージがあるわけでもない?

HAKUEI:あるとすれば、M-2「戦慄迷宮」ですね。テレビ番組『有吉反省会』の企画で富士急ハイランドのアトラクションのお化け屋敷(※「絶凶・戦慄迷宮」。以下、戦慄迷宮)に行かせて頂いて、それがキッカケで1曲できたんですよ。その曲が富士急ハイランドともコラボレーションする形になって。そこから派生してM-3「Dead Coaster」っていう(ジェットコースターの)アトラクション的なイメージに引っ張られた曲もできたりしたので、それは1つのキッカケなのかなと。

●『有吉反省会』の企画で富士急ハイランドに行ったことがキッカケになっていたりするんですね。

HAKUEI:完全にそうですね。アーティスト写真もまさにその前で撮っているから。今年はデビューしてから20周年でもあるんですけど、そういえば20年前に初めて富士急ハイランドのコニファーフォレストというところでワンマンをやらせてもらったんです。こじつけに近いかもしれないんですけど、そう考えたら今回は富士急ハイランドとコラボしているので、そこも20周年の節目になっているのかなと思ったりして。それを引き合わせてくれたのが『有吉反省会』なんですよね。

●『有吉反省会』の“禊”で恐怖アトラクションに挑戦したことにも、ちゃんと意味があったと(笑)。

HAKUEI:何かはつながるものですね(笑)。

●タイトルを「Dead Coaster」にしたのは、ジェットコースターに乗ってみたら死ぬほど怖かったというところから?

HAKUEI:これは起伏のある曲調なので、“ジェットコースターみたいだな”というイメージからですね。僕はお化け屋敷が苦手なんですけど、ジェットコースターは好きなんですよ。ただ僕は乗り物酔いが激しいので、あまり乗れないだけで。苦手なのは千聖くんですね。

千聖:絶叫マシンはダメですね。お化け屋敷もあんまり好きじゃないけど、まぁテレビで見てるとおわかりのように、そこまでは…絶叫マシンと比べたら全然天国です(笑)。2人よりは大丈夫でしたね。結局、HAKUEIは絶叫マシーン系には乗っていないし、僕も可愛い乗り物しか乗ってないし、テレビで放映されたものは戦慄迷宮しか入っていないから、トータル的に見ると絶叫マシーンも戦慄迷宮も制覇したのはジローさん(O-JIRO)だけでしたね(笑)。

O-JIRO:乗り物は全然大丈夫なんですよ。

●絶叫マシーンにはO-JIROさんしか乗っていないわけですね。

HAKUEI:禊を全部クリアしているのは、ジローさんだけですから。

O-JIRO:ほぼカットでしたけどね(笑)。

●ハハハ(笑)。

HAKUEI:逆にジローさんは、戦慄迷宮が苦手っぽかったですね。

O-JIRO:自分で歩いていかなきゃいけないので、動けなくなったら前に進まないっていうのが嫌なんですよ。勝手に動いていくぶんには良いんですけど、自分で歩いて出口を目指していく感じだったので…、これはもう禊でしたね。

●本当に怖かったと。

O-JIRO:3人の中で僕は一番後ろだったので、先に2人が行っちゃうと1人ぼっちになっちゃうんですよね。でも後ろにカメラさんがいてくれて良かったっていう感じです(笑)。

●まさに歌詞の“振り向いたら アイツが来る!”という心境だった(笑)。

HAKUEI:そうです。だから、“みんなで力を合わせて進むぞ!”っていう感じですね。

●曲調もその時に浮かんだイメージから?

O-JIRO:3人で戦慄迷宮に入った後にみんなで「曲が書けそうだね」と話していて、最初に千聖くんが持ってきてくれた時はアコースティックアレンジだったのですが、そこから「メロディはそのままで、もうちょっと激しいロック系にアレンジしたい」とは言っていましたね。だから、最初よりはイカつくなっています。

●最初はアコースティック調だったんですね。

HAKUEI:テレビなので「アコギでやりましょう」みたいな話があって。

千聖:(テレビの)スタジオ収録だと短時間ではあまり大掛かりなことはできなさそうだったんで、最初はアコギバージョンを収録前日に1コーラス分、自宅で作ったんです。もちろん自分の中で将来、激しいバンドバージョンになることを想定しながらアコースティック・バージョンを先に作って。ケースバイケースですが、ウチの場合は激しいバージョンを作ってからアコースティックに作り替えることが結構多いんですけど、今回は後で肉付けして激しくしました。

●掛け声の部分はライブでも盛り上がりそうですが、あれは何と言っているんですか?

HAKUEI:“punk out”ですね。字面はロックでカッコ良いイメージなんですけど、“臆病者”とか“意気地なし”っていう意味なんです。だから歌詞の意味としても“勇気の一歩を 譲り合う 臆病者たち”っていう(笑)。意味を調べてビックリ…みたいな。

●その話を聞くと、“仲間との絆 確かめ合い”という歌詞もカッコ良いようで実は…っていう(笑)。

HAKUEI:そうですね(笑)。楽曲としては戦慄迷宮をモチーフにした遊び心もあるけど、ちゃんと絆や愛情とか未来に向かっていく感じももう1つのモチーフになっていて。どっちのイメージでも楽しめる歌詞にしたかったんです。

●アトラクションを知らなくても、1つのストーリーとして楽しめるものになっている。今作はタイトルが『Lunatic Lover』でM-1「Lunatic Love」やM-6「月の魔法」が入っていたりと、“月(Luna)”も1つのモチーフなのかなと思ったんですが。

HAKUEI:それは後から歌詞を書く時に出てきたことですね。やっぱり1枚のアルバムとして関連づけられるところは関連づけたりもしていて。特にそれを意識したというよりは、モチーフが思い浮かんだっていう感じかな。でもアルバムタイトルはすごくしっくり来たので“良いタイトルだな”と思って、そこから広がったことは確かだと思います。タイトルや「戦慄迷宮」に引っ張られて、広がった感じはありますね。

●『Lunatic Lover』というタイトルは後から決めたんでしょうか?

HAKUEI:曲が出揃った段階で、アルバムタイトルをどうするかという話になったんです。“Lunatic”って“狂気”という意味なんですけど、ちょっと狂っているところが欲しいと思って。「戦慄迷宮」なんて曲が入っているくらいですから(笑)。

●確かに狂気的な雰囲気は漂っています。

HAKUEI:ホラーのテイストが入っていたり、バイオレンスなSFの話も入っているようなアルバムだから、きれいごとな部分だけを照らし出しているとは思えないんですよ。愛もあれば狂気もあるっていうところで、こういうタイトルがバランス的に良かったのかもしれないですね。クリエイティブな仕事をしていると、1つ糸口が見つかったらすぐにパパパッと進んでしまうような瞬間があって。良いキーワードが浮かぶと連想しやすいというか。

千聖:1つのキーワードが見つかると、きれいにつながるんだなっていう。実は僕たち自身もよくわかっていないまま、パズルを作っているような時もあるんですよ。だから「コンセプトアルバムですか?」って訊かれると細かい部分に関しては微妙だったりもするんですけど、トータルで見ると結局はコンセプトアルバムになっているのかもしれないですね。

●何らかの一貫性はあるというか。

HAKUEI:具体的に“こういうものを作ろう”と思って作り始めたわけではないし、色んなタイプの曲が入っているんですけど、1枚を通して見るとポップなアルバムだなと思っていて。25周年でまた作品を作ったり、ライブをやったりしていくと思うんですよ。まず今回はその第1弾として、PENICILLINの色んな側面の中からポップな部分が集まったアルバムになったんです。これをベースにして“次はどうなるか?”という感じなので、そういう意味では25周年に向かっていく“道標(みちしるべ)”になるような1枚ができたのかなと思いますね。

●ここから先、どういうことをやっていこうというヴィジョンも見えている?

HAKUEI:基本的には23周年だろうが50周年だろうが、僕らは一生懸命に音楽を作ってライブをやるだけなんです。アニバーサリーって、きっと本人よりもファンの皆さんのほうが楽しみにしてくれていたりすると思うんですよね。そこにどう応えるかという気持ちのほうが強いので、節目くらいはいつもと違うようなことをやっていこうという考えはあって。いつもはシングルかフルアルバムなんですけど、メジャーデビューしてから初めてミニアルバムを作るっていう試みもそういうことなのかもしれないですね。

●ミニアルバムを作るというのは最初から決めていたんですか?

HAKUEI:これはスタッフと25周年に向けての展開を話し合っている中で、出てきたアイデアですね。メンバー的にも「それ良いね!」となったのは、きっと何か変化が欲しかったんでしょうね。ずっと“シングルを出してからアルバムを出して”というサイクルだったので、良い刺激になるんじゃないかなと思って。

●25周年というところで、自分たちのモチベーションも上がっているところはあるんでしょうか?

HAKUEI:多少はありますよね。自分たちにとっては自然に歳を取るのと同じくらいのことなんですけど、僕らだけで25年を積み重ねてきたわけじゃないから。本当にファンの皆さんやスタッフがいてこそなので、そういう時くらいは感謝の気持ちを伝えようと思っていて。どういう表現や活動をしたら、みんなが喜んでくれるかなというのを考えるようにしています。ただ「ありがとう」と言うだけじゃなくて、さらに“この後どうなるんだろう?”と思われるようなチャレンジをして、ファンの皆さんがもっとワクワクしてくれたり、スタッフにも“面白そうじゃん”と思ってもらえるようなものを見せなきゃいけないかなと。

●今後への期待を周りに抱かせるようなものを作りたい。

HAKUEI:そうですね。これで終わりじゃなくて、まだ通過点だと思っているから。アニバーサリーというのは、みんなにもうちょっとワクワクしてもらえるようなことにチャレンジしやすいタイミングなのかなと思います。

●25周年の節目を超えて、これからも動き続けていく。

千聖:何もしないと、基本的に何も起こらないんですよね。水も溜まったままだと淀んじゃうので、やっぱり流れがないといけないじゃないですか。そうしないときれいな水にはならないので、動くことが大事かなと。これをリリースすることで、また動きがあるわけだから。面白いことをいつもやっていると思いますし、これから先もやっていきたい。でも面白いことと言ってもあれやこれやとやたらに奇をてらった作品ではなくて、刺激になる面白いことをどんどんピックアップしつつ、王道なこともしっかりやりつつ、活動していきたいな。そんな感じで、応援してくれる人たちとさらに良い関係を築いていきたいなと思っています。これは“25”という数字に限らず…まぁ30周年まで行ったら奇跡ですけど、“そういう奇跡に向かっていけたらな”と思いながらやっているところはありますね。

Interview:IMAI
Assistant:森下恭子

 

 
 
 
 

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