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SPECIAL LIVE REPORT:Predawn “Absence” Tour

12月の凍えそうな夜に心をほっこり温めてくれた

SPECIAL LIVE REPORT:Predawn “Absence” Tour
2016/12/19@恵比寿LIQUIDROOM

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何とも3年半ぶりとなるニューアルバム『Absence』を9月にリリースしたPredawnが、リリースツアーのファイナルを恵比寿LIQUIDROOMにて迎えた。新作にも参加していた神谷洵平(Dr.)とガリバー鈴木(Ba.)という盤石のサポートメンバーを従えたバンドセットで、ステージ中央に清水美和子がちょこんと登場する。オープニングナンバーは「Kinds of Knot」。ピクニックにでも出かけたくなるような軽やかなリズムに間奏では口笛も披露され、自ずとウキウキした気分にさせられる始まりだ。
続いての名曲「Keep Silence」では、バックにカラフルなライトが映し出される中で歌う。一転して「Don't Break My Heart」では、ダークな色調の照明の下で演奏。どうやらこの日はVJも入って、楽曲ごとに異なる照明効果/映像が付けられているようだ。「Black & White」ではレトロなアニメのような映像が流され、「Canvas Shoes」では木陰のような照明、「Milky Way」ではダークブルーのパターン柄が次々と現れるなど、音だけでなく視覚的にも楽しませてくれる。
「緊張しています…」というMCでの言葉からはオドオドした様子も見せるが、歌い始めると凛とした佇まいに一変する清水。曲ごとに様々な道具を持ち替えて、単にドラムというイメージでは収まらないプレイを見せる神谷。どっしりとしたルックスどおりの安定した太いグルーヴを奏でるガリバー。そこに「Skipping Ticks」からゲストプレイヤーに招かれた武嶋聡が、フルートやクラリネットの音色で彩りを添えていく。VJによる照明効果も合わせて、増幅された楽曲の世界観にどっぷりと浸った。
サイケデリックな映像を背景に「Apple Tree」「Universal Mind」をプレイした後の終盤戦では、シンプルな照明の下でラストの「Hope & Peace」までじっくりと歌と演奏を聴かせてくれた。アンコールで登場した清水は開口一番「緊張した〜」と言うが、その表情はとても楽しそう。「Free Ride」に続いての「Breakwaters」後半では最近のライブではお決まりとなっている即興によるノイジーなセッションで激しくバーストする。興奮冷めやらないオーディエンスの拍手に応えてのダブルアンコールに、1人で「Lullaby from Street Lights」をアコースティックギターで弾き語った後は「良い夜を」という言葉を残して全力疾走で去っていった清水。12月の凍えそうな夜に、心をほっこり温めてくれるPredawnの新たな名演だった。

TEXT:IMAI
PHOTO:Tetsuya Yamakawa