音楽メディア・フリーマガジン

TRICHORD vol.6

7組の熱演が心の導火線に火をつける

JUNGLE LIFE × ReG presents “TRICHORD vol.6”
2017/6/14@下北沢ReG

出演:THE PINBALLS / CoolRunnings / 真空ホロウ / Out put mayonnaise / Ready at Dawn / Use With Caution / rabbit youth riot
 

JUNGLE☆LIFEと下北沢ReGによる共催イベント“TRICHORD vol.6”が、6/14に開催された。第6回となる今回は、THE PINBALLS、CoolRunnings、真空ホロウ、Out put mayonnaise、Ready at Dawn、Use With Caution、rabbit youth riotの7組という強力なラインナップが集結。あらゆるロック好きの魂を揺さぶったイベントの模様をレポートする。

 


トップバッターは4人組ロックバンドのrabbit youth riot。キャッチーかつ洗練されたサウンドが、カラフルに光る照明に溶けて響き渡っていく。Vo./G.石坂隆真が「僕なりの鬱憤の晴らし方です」と披露した「スクラップミー」では、ミドルテンポな楽曲に鬱屈とした想いを込めた言葉が乗る。だが浮遊感のあるギターなどで織り成すサウンドは幻想的で、現実を忘れて異世界を旅しているかのような感覚をもたらしてくれた。

 

 


突き抜けるようなロックチューンの「KILROY」でいきなりフロアを沸かせたのは、Use With Caution。Vo./G.吉末光児が「一番カッコ良いライブをしていいですか?」と呼びかけてさらに盛り上げると、少年のような繊細さと力強さを合わせもった歌声でオーディエンスの感情を揺さぶる。真摯なMCと熱いパフォーマンスからはライブに対する“本気さ”が伝わってきて、そのひたむきな姿に思わず胸を打たれてしまった。

 

 


Ready at Dawnは1曲目から激しさとキャッチーさが絶妙なバランスのサウンドを響かせる。「ここにいる誰よりも楽しんで帰ろうと思っている」とVo./G.Makotoが宣言すると、その後も次々とエネルギッシュな曲で会場のヴォルテージを上げていく。疾走感の中に希望の光も感じる楽曲は、彼らのバンド名にもある“夜明け”を連想させる。観客も終始大盛り上がりで、今夜のイベントに爪痕を残したことは間違いない。

 

 


YUKIの「誰でもロンリー」という軽やかなSEに乗って登場したのは、Out put mayonnaise。しかし音を鳴らし始めると一転、骨太でゴリゴリな重音を轟かせて圧倒する。次々と放たれる楽曲の、先の読めない展開にゾクゾクさせられた。ラストはVo./G.ヤマシタユウイチが「最後の一音まで楽しんで帰ってください」と伝えてから、「EPIC」を全力でパフォーマンス。3ピースとは思えないほどダイナミックなグルーヴを巻き起こし、フロアを熱気で充満させた。

 

 


「レオン症候群」でマシンガンのように音と言葉を繰り出して、場内の雰囲気を一変させたのは真空ホロウ。美しいメロディラインの「#フィルター越しに見る世界」でクールダウンさせたのも束の間、Vo./G.松本明人が「日々の闇を思い出していくぞ!」と叫ぶと「バタフライスクールエフェクト」や「カラクロ迷路」では、圧倒的な演奏力を見せつける。最後の「MAGIC」ではミラーボールも回り出し、きらびやかな景色を目の前に創り出した。

 

 


ストレートな歌詞と熱い歌声を轟かせたのは、CoolRunnings。「最高の夜にしようぜ!」と言って盛り上げると、あっという間に“クルラン色”に染まる場内。その後もアッパーチューンを連続で投下して、オーディエンスとの一体感を生み出す。Vo./G.鈴木俊が「お前らと未来を変えに来たんだよ!」と叫ぶ姿に、並大抵ではない覚悟を感じて圧倒された。観客への愛情を感じる、人間味に溢れたMCにも心を掴まれた人は少なくないはずだ。

 

 


ラストはTHE PINBALLS。Vo.古川貴之の「いくぞ!」の声を合図に、骨太なガレージロックを炸裂させる。4人が生み出すカッコ良すぎるバンドアンサンブルに、アドレナリンが噴出した観客は大興奮。とくにBa.森下拓貴の強靭なベースプレイは、その場の全てを飲み込んでしまいそうなエナジーを感じる。「劇場支配人のテーマ」から「毒蛇のロックンロール」まで、全10曲をほぼノンストップで駆け抜けたロックンロール全開のライブに魂が震えた。
 
新進気鋭の若手からキャリア十分の実力派バンドまで、総勢7組がそれぞれの信じるロックを響かせた夜。いずれのバンドも全力でパフォーマンスする姿を目の当たりにし、“一度ステージに上がればキャリアなんて関係ない”ということを改めて実感させられた。ReGのステージ上から放たれた多大なるエネルギーは、きっとオーディエンスの心の導火線に火をつけたに違いない。

TEXT:室井健吾 / PHOTO:美澄

 

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